2020年2月19日 (水)

「永遠のソール・ライター」展@Bunkamura ザ・ミュージアム(2020/02/18)

今日の夕方はBunkamura ザ・ミュージアムに。今日はTOKYU ROYAL CLUBの会員向けに「永遠のソール・ライター」展の特別展示があるのだ。ちょっとした記念品もくれてとても嬉しい。

ソール・ライターはニューヨークで活躍した写真家。60~70年代に『ハーパーズ・バザー』などのファッション誌で活躍していたがその後は忘れられ、本人が商業撮影とは無関係に撮影していたカラー写真が2006年に写真集になり世界中に大きな反響を呼び起こしたのだとか。今では写真表現の歴史上でも「カラー写真のパイオニア」として重要な位置を占めるとのこと。

僕は写真表現の歴史には正直疎く(見る目もないし)、写真美術史上の彼の凄みというのは正直分からない。なので、単なるニューヨークの街のストリートスナップとして見ることしかできないのだけれど、そういう見方をしてもとても素敵な写真が並んでいたと思う。何というか、衒いがないのだ。例えば窓ガラスの曇りとか写り込みとかの効果を使った写真が多数展示されているのだけれど、わざとらしさや嫌味をほとんど感じない。たまたま面白い効果を目にしたからそのまま記録しました、というさらっとした感じがとてもいい。そして、撮影対象がニューヨークの街なので、50年代の写真でも00年代の自分の経験と引き比べて「あ、この風景、知ってる、分かる」と感じられるので、古さは全く感じない。

とても素敵な写真展なので、多くの人に目にして欲しいと思う。ニューヨークがまた懐かしくなった。

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2020年2月14日 (金)

小松敏宏個展「トポフィリア(場所愛)-ジャパニーズ・ハウス」@KANA KAWANISHI PHOTOGRAPHY(2020/02/13)

今日の夕方は西麻布のKANA KAWANISHI PHOTOGRAPHYに。現在開催中なのは小松敏宏氏の個展。会場に入ると顔のない人物が写った写真がずらりと並んでいる。よく見ると顔の部分に家の写真がコラージュされている。顔のない人たちはその家に住んでいる家族で、家の近くで撮った家族のスナップショットの上に家の写真をコラージュしている、というのが展示作品のコンセプトになる。

説明を文章で読むとアイデア一発勝負の作品のように見れるが、実際に作品の前に立ってみると感覚はまた違う。作品の持つ違和感はユーモアが伝わるように慎重に調整されているし、展示されている複数の作品を見比べると人が家族を持ち住まいを構える意味がじわりと伝わってくる気がする。作品のほとんどがフォトショップで作られたカラー作品だが、会場の端にはフィルムを物理的に切り取ってコラージュした作品もあり、個人的にはそちらの方が面白かった。

こういう初見でクスリと笑えるユーモラスさを持ちながらコンセプチュアルな深みもある作品はいいですね。見ごたえのある展示でした。

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2020年2月13日 (木)

如月の鼎展 6th@画廊くにまつ青山(2020/02/12)

今日の夕方は画廊くにまつ青山に。現在開催中なのは岩田壮平阪本トクロウ田中武の三人の作家のグループ展。大きめの作品が中心で点数こそ少ないものの見ごたえがある。

今回印象に残ったのは阪本トクロウ氏の出展作品。女官物の絵巻を写したような図柄の背景(いや表面か)に、墨を水面に流したような模様が重ねられている。モノトーンの静謐な風景画の作家さん、というイメージがあったので(自分の持っている作品がそうだということもあり)、現在はこういう作品を制作しているんだな、というのが意外だった。でも作家さんも人間なので成長もするし興味の対象も変わるんだよね。

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2020年2月11日 (火)

COMING OF AGE@エスパス ルイ・ヴィトン東京(2020/02/10)

今日の夕方は表参道のエスパス ルイ・ヴィトン東京へ。現在開催中なのは写真のグループ展。ルイ・ヴィトンのアーティスティックディレクターであるヴァージル・アブローがキュレーションしており、国内外の、大御所から若手まで20名の写真家が参加している。

会場に入ってぱっと感じたのは、揶揄2割、称賛8割ぐらいで「グローバルスマホの広告みたい」ということ。世界中のセンスのある若者のスマホから写真を集めてきたらこんな感じになるんだろうな、と思わせる力がある。実際には参加した写真家それぞれは個性と力量のある人ばかりだろうことを考えると、こういう風にまとめ上げる力がハイブランドのディレクターということなんだろうな。

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2020年2月 9日 (日)

高橋キンタロー「Beautiful Days 2020」@スペースユイ(2020/02/07)

今日の夕方はスペースユイに。現在開催中なのはイラストレーター、高橋キンタロー氏の個展。ひらけポンキッキで多くのアニメやイラストを手がけたりしたベテランで、6年前に初めて個展を見てからは展示を見逃さないように気を付けている。

今回の展示のモチーフは人物のほか動物、植物、静物など盛りだくさん。去年に引き続いて筆のタッチを生かした作品に目が行く。まるで水墨画のようにダイナミックな筆とキャンパスの相互作用を感じる作品だが、墨と和紙ではなく絵具とキャンバスであることによるある種の野暮ったさが逆に作品に生々しさを与えていて、その上でブラッシュストロークがそのまま写実的な表現にもなっているという腕前にも唸る。ベテランのイラストレーターというのは本当に凄い。

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2020年2月 7日 (金)

FACES and HEADS 2020@みうらじろうギャラリー(2020/02/06)

今日の夕方はみうらじろうギャラリーに。現在開催中なのは取り扱い作家のグループ展。参加作家に三谷拓也ひらのにこといった最近気になっている作家さんが入っていたので見に行くことにした。

三谷拓也氏が今回出展した作品は背景のテクスチャーまでしっかり描き込んだ作品。昨年末の個展の時とはちょっと違うアプローチで、作品のモノとしての魅力で言うとこちらの方が好みかな。ひらのにこ氏の作品は透明感こそ前回の個展で見たものと変わらないが、描かれている少女の人間としての癖が強調されていて、そういう意思が前に出るとこの描かれ方での雰囲気がずいぶん変わるんだな、と驚いた。

今回初見でへぇと思ったのが佐藤Tという作家さん。アクリル絵具でこってりした感じで描かれる女性は、日常生活の中のはずなんだけどちょっと崩れた風景の中に佇んでいる。なんとはない光景のはずなのに妙な緊迫感があって見ていてざわっとする。今年の7月に個展があるそうなので見に来ないと。

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2020年2月 2日 (日)

寺田鉄平個展「瀬戸白」@白白庵(2020/02/01)

今日の夕方は白白庵に。現在開催中なのは陶芸家の寺田鉄平氏の個展。

展示室にはこれでもか!という数の作品がぎっしり並んでいる。茶碗を筆頭とした各種の茶道具はもとより、飯椀やマグカップ、湯呑みのような日常の器も多数。展示室に入ってぱっと感じたのは「勢い」だった。美術作家の展示であまり感じることは無いが、ポップスやロックのライブ会場では記憶にある感覚。作品に対する迷いの無さや思い切りで、しかもそれが老成したベテランのように「結果を知っている」から出てくるのではなく「結果は分からないが良いものになることは確信できている」ということから出てくるもの。いやもちろん実際の作家さんは死ぬほど悩んで作品を作るし陶芸という性質上失敗作もたくさん出てくるというのは知っている。でもどこかギリギリのところでオーラが作品に入るんだろうな。

イベントで開催していた、寺田氏の器を使ったカクテル点前も素晴らしかった。南青山のバー「ARTS」のバーテンダー、井上大輔氏によるもので、フレッシュミントを挽いた粉を抹茶に見立てて茶筅で仕上げたグラスホッパーで、その前に白梅の白湯、ジンジャーの風味のチョコレートを順番に頂くことによる香りの余韻のマリアージュが素晴らしい。どうやったらこんなアレンジを思いつくのだろうか。

僕は今回マグカップを購入。底に描かれた蟹がかわいい。会社に持っていって毎日使うつもり。

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2020年1月31日 (金)

オノサト・トシノブ展@ときの忘れもの(2020/01/29)

今日の夕方はときの忘れものに。日常の移動ルートから外れるので忙しい時期にはどうしても訪れる頻度が下がり、気が付くと前回出かけたのは去年の夏の企画展。いつも良い展示をしているのでこまめに見に行きたいんだけどね…。

今回の展示はオノサト・トシノブ展。日本の戦後美術を代表する抽象画家の一人で、美術館で現代美術の常設展示エリアに行けば高い確率で作品を見かける作家さん。そういう作品を間近にじっくり眺められるというのはこのギャラリーの素晴らしさ。展示されている作品は油彩、水彩、版画もリトグラフとシルクスクリーンと多彩。幾何学的な抽象模様は一目見て氏の作品だとわかる強い個性だけれど、技法の異なる作品を見比べてみると幾何学的な表現が与える印象からどこをずらそうか、という点が緻密に計算されていることがよく分かる。

それぞれの作品の質感とそれを引き立たせる計算、技法の妙を堪能できた展示でした。

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2020年1月27日 (月)

浅野竹二 版を奏でる@伊丹市立美術館(2020/01/24)

今日は毎年恒例の恩人を偲ぶ会で神戸に来た。開始は昼過ぎなんだけど特典航空券でのフライトが早朝しか取れなかったので午前は伊丹で時間を潰すことにした。

そんな訳で出かけた伊丹市立美術館。現在開催中だったのは浅野竹二氏のコレクション展。在野で活動した木版画家で、生活のため写実的な名所絵版画を制作しながら、年を取って徐々に自由な表現に軸足を移していった作家だとのこと。シンプルでユーモラスな、いかにも木版画という印象を受ける作品たちは見ていて癒される。プロレタリア芸術を意識させる作品もあり、そのあたりがこの美術館と縁ができた理由なのかな。旅先でこういう展示に出会うと嬉しいですね。

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2020年1月25日 (土)

森村泰昌:エゴオブスクラ東京2020-さまよえるニッポンの私@原美術館(2020/01/24)

今日の夕方は原美術館森村泰昌氏の個展のオープニングレセプションに出かける。
 
今回の展示のテーマは「さまよえるニッポンの私」。森村泰昌氏は僕の知る限り日本で最も強くて鋭いメッセージを見るものに伝えることが出来る現代美術作家。彼が今というタイミングでこのテーマの個展をやる以上は見るべき価値のある展示にならないわけはない。
 
1階の展示は森村氏がどういう作家かという確認のための内容だと感じた。マネの「オランピア」を題材とした初期の代表作「肖像(双子)」(1988年)と、このテーマで新たに作成した「モデルヌ・オランピア」とを並べた展示が1階のハイライト。
 
2階の展示が今回のテーマに正面から取り組んだ作品。昭和天皇とマッカーサーが並んだ作品もさることながら、三島由紀夫とマリリン・モンローを対比させ、この二人は実は裏表なのだ、オトコの衣装を纏ったアメリカという国に殺されたモンローと、オンナの衣装を纏うようになった日本という国に殺された三島と。モンローはオンナという衣装を戦略的にしたたかに纏うべきだったし、三島はオンナの衣装を纏うべきだった、という解題の鋭さはどうだろう!
 
残念だったのは、今回の展示のメインである映像作品「エゴオブスクラ」は僕が見に行ったときは上映していなかったこと(もう少し早く着いたら上映していたのかな…)。これは展示期間中にもう一度見に行かないといけないな。
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