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2019年9月29日 (日)

じん吉 個展「今日、かさねて」@アートコンプレックス・センター(2019/09/28)

今日の午後は信濃町のアートコンプレックス・センターに。今回の目当てはじん吉というイラストレーターさんの個展。

展示されている作品は人物画だったり食べものを中心とした静物画だったりでさまざま。とても上手いのだが、良い意味でのほのかな泥臭さが作品のアクセントになっている。人物は親しみがある空気感を出しているし、食べ物の絵は「綺麗!」というよりもまず「美味しそう!」。あえて光によるシズル感を前に出さない、こういうイラストらしいイラストっていうのもとっても好きなんだよなぁ。

大人の落ち着きのあるイラストなので、これからいろいろなところで見かけることになるんじゃないかな。先物買いができた気分で嬉しい。

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2019年9月28日 (土)

二つの魂の神話~ヴァサンタ ヨガナンタン 写真展@シャネル・ネクサス・ホール(2019/09/27)

今日の夕方は銀座のシャネル・ネクサス・ホールに。現在開催中なのはヴァサンタ・ヨガナンタンというスリランカにルーツを持つフランス人写真家の個展。

展示のテーマはヒンドゥー教の聖典であり現在も広く親しまれている叙事詩でもある『ラーマーヤナ』。展示されている作品は、作家が『ラーマーヤナ』の物語の道筋を辿り、風景に加えて出会った人々に『ラーマーヤナ』のシーンを演じてもらって撮影したもの。手法的に面白いのは、基本的には写真でありながらメディアや技法が異なるものが組み合わされているもの。通常のカラー写真のほか、モノクロ写真にインドの画家が伝統的な手法で彩色したもの、カラー写真にアクリル絵の具で彩色したもの、和紙にプリントしたもの、などなど。正直なところ僕は『ラーマーヤナ』については詳しくないのだが、古代と現代、神話の英雄と市井の人々、といった対比が、少しずつ手法やテクスチャーが異なる写真によって重層的に伝わってくる。

とても綺麗で少しエキゾチックな、シャネル・ネクサス・ホールらしい展示。『ラーマーヤナ』を予習していったらもっと楽しめたかな。

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2019年9月27日 (金)

卯月俊光「OVAL-ひとつの宇宙-」@スペースユイ(2019/09/26)

今日の夕方はスペースユイに。現在開催中なのは卯月俊光氏の個展。型紙、染料、箔、岩絵の具などを用いた平面作品を制作するアーティストで、とても雰囲気のあるフライヤーを見てこれは行かなければと思って久しぶりに時間を作った。

展示されていた作品の雰囲気は想像していたよりも幅広く、どの作品も楽しめた。似た雰囲気のアーティストだとジョアン・ミロを思い出したな。静謐でファンタジックで、一つ一つの線や形がしっかりと描かれていて、いつまで見ていても飽きない。部屋に飾っておいたらその部屋の空気を綺麗にしてくれそうな作品。

物販もいろいろ並んでいたので文庫本のカバーを買った。お気に入りの本を挟んで旅行に持っていきたい。

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2019年9月23日 (月)

煎茶上等リターンズ@白白庵(2019/09/22)

今日の午後は白白庵に。現在開催中なのは煎茶の企画展。馴染みのうつわの作家さんが多数出展していて、抹茶の道具とはちょっと違った雰囲気になっているのが楽しい。茶道で用いる茶碗って(とくに白白庵で扱っているものって)何でもありに感じるぐらい自由だと思ってたんだけど、煎茶の道具は大きさや形状などで抹茶椀とはまた違う。いつもの作品とはまたちがう雰囲気を感じられて楽しい。

今回は器の作家さんに交じって絵画作品の展示もあった。シマカミリッカさんという作家さんで、絵画のほかに薩摩焼の絵付けもやっているとのこと。焼き物の文様をモチーフにした平面作品ももちろんあったのだが、面白かったのは茶碗と急須を支持体にした「絵画」。絵画なので器としては使えないのだが、器として使える作品ではありえないテクスチャーがとても刺激的だった。

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その後は煎茶のワークショップ、というかお茶会。お菓子と共に出し方の違う煎茶を2煎頂き、最後に揚げ煎餅に塩昆布を乗せたものに煎茶をかけてお茶漬け風に。いやー、面白かった。これは何かパーティーなどがあったら試してみたい。

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タイプの違う煎茶の器がさまざまに揃う面白い展示。うつわが好きな人なら足を運ぶ値打ちがあると思います。

 

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2019年9月22日 (日)

ギュスターヴ・モロー展@あべのハルカス美術館(2019/09/21)

今日は毎月恒例の大阪への帰省。天王寺で小一時間ほど時間が空いてしまった。もうちょっと余裕があれば国立国際美術館か東洋陶磁美術館に行くのだけれど、さてどうしようか、と思って壁を見たら。あべのハルカス美術館のギュスターヴ・モロー展のポスターが貼られていて、行ってみようか、と思った。

あべのハルカス美術館は展望台の入り口フロアにあり、当然と言うか展望台の入場料を払わなくても入場できる(同日利用の場合の割引制度はある)。広さとか作りとかはBunkamuraのザ・ミュージアムを思い出した。つまりは質の良い百貨店併設の美術館。

ギュスターヴ・モロー展は見ておいて良かった内容。ファンタジックな作品世界は現代にこそ広く受け入れられると思う。ただ作品のテーマが女性ということもあり、母や恋人を描いた簡素ながら暖かい作品も足を止めさせる魅力がある。

一方で、出展作品すべてが《出現》や《一角獣》のような作品ばかりと思うと戸惑うかもしれない。おそらく習作に近い、例えば人物の顔がきちんと描き込まれていないような作品も多く展示されている。それでも作品全体が持つオーラは強烈でさすがとしか言えないんだけど。

今まで来なかったのが勿体なかった良い美術館だった。これからも積極的に出かけていこう。

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2019年9月21日 (土)

雨宮庸介「幽霊の原稿」@SNOW Contemporary(2019/09/20)

今日の夕方は広尾のブールに出かける途中でSNOW Contemporaryに。現在開催中なのは雨宮庸介氏の個展。
 
事前に開催案内をチェックすると、この個展を準備していた今年の6月に両親が相次いで健康を損ねて倒れ、その出来事を制作の中で位置づけるかに悩み、最終的に家族を考えることが自身の作品のテーマでもある「境界」や「普遍性」を考えることにつながると感じて作品の制作に戻った、ということを書いてあった。何とも他人事とは思えない話で、これは見ておこう、と思ったのだ。
 
展示作品はやや少な目で、正直なところ開催案内に書かれていたようなテーマがストレートに伝わってきたかというとうーんという感じではあった。ただ、親が倒れるという個人的な非常事態の中で、抽象的なテーマの芸術作品に取り組むアティテュードはひしひしと伝わってきた。別の機会に万全の準備で作成された作品をもう一度見てみたい。
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2019年9月17日 (火)

更紗 生命の花咲く布@九州国立博物館(2019/09/14)

この週末は所属団体の合宿で博多に。前入りしたので開始時間に余裕があり、太宰府天満宮に寄り道していくことにした。お参りしても少し時間が残ったので九州国立博物館を覗いていくことにした。

太宰府天満宮には何度か来たことがあったが九州国立博物館は今回が初めて。想像していた以上にスペースを贅沢に使った見ごたえのある博物館だった。特別展は展示替えのためにお休みだったんだけど通常展示だけでも十分に見ごたえがある。

いくつか開催されていた小特集の中で一番見ごたえがあったのが所蔵品の更紗の展示。オリジナルのインドの作品が、直接輸出されてその国で大事にされていたり、東南アジアや日本、はてはペルシャやヨーロッパに渡ったりという中で生まれた新しいデザインで、更紗ってこんなに奥深いものだったんだなと感心した。

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2019年9月12日 (木)

シュテファン・バルケンホール展@小山登美夫ギャラリー(2019/09/10)

今日の夕方は六本木で時間ができたのでギャラリー巡り。僕の趣味にドンピシャのギャラリーが集まっている街だし家から遠いわけでも無いんだから毎週のように立ち寄っても良いはずなんだけど、いつでも来れると思うとかえって足が向かなかったりするんだよね。

今回見た展示で一番良かったのは小山登美夫ギャラリーで開催中だったシュテファン・バルケンホールの個展。ドイツ人のアーティストで、彫刻とレリーフが展示されている。2005年に国立国際美術館で個展を開催したことがあるそう。今回展示されている作品で印象が強かったのは、彫刻作品なのにまるでイラストレーションのように「分かりやすい」こと。彫り跡の生々しさとポップな分かりやすさとのギャップに見ているこちらが混乱してしまった。生々しい彫り跡とポップさと現代性を兼ね備えた彫刻という面では飯沼英樹の作品を連想してしまうが、個人的にはバルケンホールの作品は「普通さ」、飯沼の作品は「過剰さ」を向いていてベクトルが違うようにも思う。

もう一つ驚いたのは、事務室の前に展示されていたレリーフ作品。板の上に彫刻刀で無造作に線を彫った、という作品なのだけれど、彫られた溝の質感も含め、シンプルな中に尋常ではないオーラが漂っていて、こちらも二度見してしまった。

とっても現代美術らしいのにとっても分かりやすくモノとしての魅力のある作品たち。必見と思います。

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2019年9月 8日 (日)

山田浩之個展「Bridge to the moon」@白白庵(2019/09/07)

今日の夕方は白白庵で開催中の山田浩之氏の個展に。金銀彩やマーブルなど様々な技法を自由に操る陶芸作家さんで、今回の展示は「中秋の名月」に併せて「月」と「ウサギ」がテーマ。

ウサギをテーマにしたオブジェからお皿、コップなど、とにかく会場はウサギ尽くしで、ウサギ好きな人には堪らないと思う。もう一つ不思議だったのはブリッジするプロレスラーをかたどった箸置き。どうしてこんなものを作ろうと思ったのだろう(と言いつつ買ってしまったのだが…)。その一方で渋くて実用性の高い茶道具も並んでいて、幅の広い作家さんなんだなと改めて感心。

うつわ好きな人にはもちろん、様々なウサギがとっても可愛いのでそちらの趣味の人にもお勧め。楽しい企画でした。

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2019年9月 7日 (土)

相澤安嗣志展覧会「The Discoveries from A Certain Fable」@コートヤードHIROOガロウ(2019/09/06)

今日は第一金曜日でコートヤードHIROOの一般公開日。ちょうどガロウでのオープニングパーティーも開催されていたので足を運ぶことにした。

現在開催されているのは相澤安嗣志氏の個展。会場に並ぶのは建築現場のごみ置き場に置かれているような、欠けた石膏の彫刻や、瓦のかけらのようなもの、そして底に石膏やコンクリートが溜まって固まったバケツやコップ。だけれどもよく見てみると、それぞれの作品に押し葉のような葉脈が金色で貼り付けられている。

命の意味のようなものにドキッとさせられる、メッセージ性のある良い作品と思う。ちょっと敷居の高い場所にあるけれど、機会があれば是非。

 

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2019年9月 6日 (金)

眼差しの肖像画コレクション@ときの忘れもの(2019/09/04)

今日の夕方はときの忘れものに。夏の間はずっとバタバタしていてなかなか足を運ぶ機会が無かったが、仕事が山を越えてようやく少し遠回りする気持ちの余裕ができた。

現在開催中なのは肖像画・肖像写真のコレクション展。さらっとしたテーマのように見えて、森村泰昌や細江英公、ジョセフ・コーネルなどのマスターピースが並ぶ重量級の展示。こういう圧倒的なオーラを放つ作品たちをプライベート感のある空間で至近距離から眺められるというのは美術館とは違うギャラリーならではの醍醐味。自分の身の丈に合った存在感の作品が持つ居心地の良さというのも大好きなんだけどね。

今回の展示では階段で小野隆生のテンペラ画が迎えてくれる。緻密に描き込まれた細密な作品なんだけど、最近メディアにも頻繁に登場する細密画とは雰囲気が違う。何故かな、と考えてみたんだけど、後者の細密画は「これほど手の込んだ作品を自分は所有している」という支配欲・所有欲を刺激するもので、小野氏の作品は、この世ならざる者、自分と同じ地平に降りてきていないもの、という距離感を感じさせるものなのではないかな、と思った。どちらが良い悪い、ということではないんだけど。

このギャラリーの実力を改めて感じさせられた展示。秋には見に来るペースを上げないとな。

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