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2008年8月14日 (木)

工藤哲巳展@Andrea Rosen Gallery(2008/08/12)

TimeOutのギャラリー欄に"Tetsumi Kudo"の名前を見つけたときは目を疑った。工藤哲巳といえばザ・日本の戦後美術。毒々しい色合いの立体作品はどこかで見た記憶もある人が多いだろう。僕の中では彼の作品の印象とChelseaのギャラリーとが全く結びつかず、どういう展示になっているのかぜひ見てみなければ、と足を運んだ。会場のAndrea Rosen Galleryで貰ったパンフレットには、アメリカ初のギャラリー展示とある。

展示室に足を踏み入れてみて驚いた。作品の印象が記憶の中にあるものよりずっとポップなのだ。日本の美術館では工藤哲巳の作品はおどろおどろしく見え、展示の前を足早に通り過ぎなければという雰囲気を発散しているのに。この差は何だろうと思ったが、考えてみればおどろおどろしいだけでは日本でも美術作品としては高い評価を得られるわけは無いので、日本でも見える人にはこのポップな一面は見えていたのだろう。彼の作品の持つメッセージ性というかじめっとした情感というのは、多分に日本人が白人・黒人に対して感じる肉体の貧相さのコンプレックスに起因するのではと思うのだが、その感情を共有しない人間がキュレーションすることでメッセージから自由な展示ができたのではなかろうか。

そして、彼の時代と比べて日本人は金銭面でも体格面でも豊かになり、また今のニューヨークで出会う人々はアジア人やヒスパニックが多いので、自らの貧相さに対する気後れというものを感じる機会は今の世代の日本人には少なくなっているのではないかと思う。会場のゲストブックには日本語で「グロくてキモくてサイコーでした♪」というコメントが残されていた。もう彼の作品をそういう目で眺めてもいいのではないかと思った。

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