2019年12月 5日 (木)

大槻香奈個展「おなじ光、違う空の下」@アートコンプレックス・センター(2019/12/03)

今日の夕方は信濃町のアートコンプレックス・センターに。今回の目当ては大槻香奈さんの個展。

彼女の個展はここ数年見てきていて、最後に見たのはちょうど1年前での白白庵での展示。その時の展示は作家性をひたすら研ぎ澄まして来たアーティストがふと立ち止まって深呼吸をしてみた、といった印象を受けた。今回の展示には「今年は海外に行ったり、また自分自身の環境を変えたり、写真作品等の新しい表現に挑戦したりと、これまでとは違う景色を感じられる体験を意識的に取り入れていた」といった解題が付けられていて、あの時の印象とつながっているんだな、と思った。

出展された作品は、今まで辿ってきた制作履歴を改めて確認しようとしたという感じの作品が並んでいる。僕の観賞眼ではどこが違うのかは分からない作品も多かったのだが、彼女の代表作である少女の上半身像についてはなるほどと思った。確かに彼女の作品なのだけれど今まで見てきた作品とはちょっと違い、かつ今回の出展作品の間でも違いがある。彼女の作品の進化の中の特定の時点を基点にし、そこから違う方向に変化したらどうなったのかな、ということを想像させるような作品と感じた。

今までの個展とはまた違った意味で、今後の展開が楽しみになった個展。作家さんの変化をリアルタイムで、かつ自分の変化と重ねて感じられるのが、同時代の作家を追いかける醍醐味ですね。

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2019年12月 2日 (月)

伊藤千穂個展「日日是降誕日」@白白庵(2019/11/30)

今日の夕方は白白庵のオープニングレセプションに。今日から始まるのは陶芸家の伊藤千穂さんの個展。

会場にはお茶の道具だけではなく、普段使いの器やアクセサリーなど様々な焼き物が並ぶ。今回の展示のテーマは「和のクリスマス」ということで、例えば星形のお皿のようなこのシーズンらしい華やかさを持ちながら、でも浮かれすぎない侘び寂びも感じさせるしっとりとしたお皿が並んでいた。飾り付けがまた素晴らしく、ぜひ会場で眺めて欲しいと思う。

僕は今回カラー(色でなくお花のcallaの方ね)のプレートを購入。陶板画としても食器としても違和感のない、不思議な佇まいに心を惹かれた。このシーズンだし、チーズやハムを並べて晩酌を楽しんでみたい。

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2019年12月 1日 (日)

篠崎裕美子「SAMSARA」@SNOW Contemporary(2019/11/29)

今日の夕方は西麻布のSNOW Contemporaryに。現在開催中なのは陶芸家の篠崎裕美子の個展。このギャラリーでの個展開催は3度目になる。

彼女の作品を初めて見たのは7年前になる。最初の印象は、陶芸作品らしからぬビオモルフィックな形態とヴィヴィッドでポップな色使い、というものだったんだけど、SNOW Contemporaryでの最初の個展の頃からは作品が持つ毒~半永久的に残る陶器でありつつ、ポップでキッチュな今っぽさを持っていること~をアーティスティックなテーマと結びつけた展示になっていた。今回の展示も、大量生産され本来であればそのまま使い捨てられるはずの作品がリサイクルされ使い続けられることがテーマになっている。

過去の作品に比べて現代美術としての切れ味は確実に増しているんのは見ていて感じるんだけど、その一方で過去の作品の「テーマの無い無軌道さ」もちょっと懐かしくなってしまった。

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2019年11月29日 (金)

TOWA TEI個展「GLUE SCISSORS」@hpgrp GALLERY TOKYO(2019/11/28)

今日の夕方は表参道で飲み会。駅に着いたら少し時間があったのでhpgrp GALLERY TOKYOに立ち寄った。現在開催中なのはテイ・トウワの個展。どうしてミュージシャンが?と思ったのだが、2011年からコラージュ作品を作り始めたとのこと。

会場にはコラージュの題材となったレコードジャケットと、それらを加工したコラージュ作品とが展示されている。題材となっているレコードジャケットはエロチックな、というか昭和の雰囲気漂う「お色気」という表現が似合う物ばかり。震災後に制作を開始したというからには何か思うところがあったのでは、と思うのだが、作品からは正直ピンと来なかった。

この「GLUE SCISSORS」というタイトルはアーティストの五木田智央と組むユニット名でもあるそうで、会場限定のソノシート付き画集やシングルも発売されている。ご興味のある方はぜひ。

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2019年11月25日 (月)

紺野真弓個展「Layers」@みうらじろうギャラリー(2019/11/22)

今日の夕方は紺野真弓さんの個展に。会場は小伝馬町にあるみうらじろうギャラリー。こちらは女性を描いたイラストレーションとハイアートのクロスオーバー的な作品を中心に扱うギャラリー。僕の大好きなジャンルなので以前から存在は知っていた(気になった作家さんの活動歴を見るとこのギャラリーでの個展・グループ展が頻繁に出てくる)が、足を運ぶのは今回が初めて。思っていたよりアクセスが良かったのでこれからちょくちょく足を運ぼう。
 
ギャラリーに入って作品を見渡した最初の印象は、ずいぶんシンプルになったな、というもの。展示作品に描かれているモチーフはほぼ少女とリボン、ぬいぐるみのみ。今回は会場に2015年以来の作品カタログが置かれていて、最初の個展の頃の作品と見比べることができたが、当時は背景もかなり精緻に描き込まれ少女たちが纏う衣装も凝ったものが多かった。
 
彼女の作品のデビュー当初からのテーマは、見られるものとして鑑賞者の願望に合わせて描かれた(リボンやぬいぐるみはその象徴)少女が、指先や目元、口元でわずかに自己主張をしようとしている、その両者の間の緊張だと感じている。この緊張関係を描くためにはなるべくモチーフやシンプルな方が良くて、実際に初期の作品とくらべてテーマがクリアに伝わってくると思う。商業イラストの分野でも活躍している作家さんなので、凝った背景や衣装はそちらの仕事で描ければよい、と考えているのかもしれない。
 
良い方向への進化が感じられる充実した個展だった。これからもハイアートと商業イラストの両方で活躍してほしいな。

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2019年11月22日 (金)

アンジュルム@ラクーアガーデンステージ(2019/11/20)

今日は久しぶりにフリーライブでも聞いて帰ろうかと思い、ラクーアガーデンステージに。今夜のライブはアンジュルム。フリーライブのスケジュールではよく見かける名前なので見たことがあるような気がしていたが、確認してみたらスマイレージ時代も含め見るのは今回が初めてだった。

ハロプロ系らしくいなたさがフレーバーになった楽曲や歌詞世界と、力いっぱいという表現が似合うダンス。サイリウム振ったり奇声を発したりする濃いファンが多かったこともあり、久しぶりにアイドルイベントらしいライブを堪能した。

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2019年11月20日 (水)

小林修写真展「司馬遼太郎『街道をゆく』の視点 歩いた風土、見抜いた時代」@フジフィルムスクエア(2019/11/17)

今日の夕方は六本木のフジフィルムスクエアに。今日の目当ては週刊朝日の連載「司馬遼太郎シリーズ」の挿入写真の展示。小林修という写真家がずっと担当してきたのだとこと。

展示エリアはそれほど広くないが写真の数は90点ほどと見ごたえがある。いずれも写真としての良さだけではなく、司馬遼太郎の作品の世界観と連動しているのが面白い。挿絵を見てこういう感覚を持ったことはあったが、写真でこのようなことが出来るのだ、というのは意外だった。

司馬遼太郎の作品は若い頃に読んでそのままになっていたが、読み返したくなったな。良い展示だった。

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2019年11月17日 (日)

津田友子個展「鎮守の森」@白白庵(2019/11/16)

今日の夕方は白白庵に。現在開催中なのは陶芸家の津田友子さんの個展。楽焼の作家さんなので手に取った時の軽さや柔らかい手触りがとても印象的で、いくつか作品を買って日々使っている。

今回も茶道具ら日々のうつわまで幅広い作品が展示されていた。なかでも目が行ったのはGardianというタイトルが付けられたオブジェの連作。牛の角というか細長いクロワッサンのような形の作品で、どうしてこの形なんですかと作家さんに伺うと、もともとは結界を意識して独鈷のようにまっすぐな形で制作していたのだけれど、自立すると面白いなと思って曲がったものも作ったのだとか。うーむ、こういう話は作家さんから聞かないと分からない。他には女優の秋吉久美子氏が京都府和束町のために企画したという器もあり、手記にちょうど良いサイズだったので一つ購入。

今回の展示期間中にはいろいろ面白い企画があり、中でも良いなと思ったのは陶板に呉須で名前を書いて表札を作ることができるというワークショップ。出たかったんだけど開催日の24日は大阪に帰省なんだよなぁ…。ご興味のあるかたは是非どうぞ。

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2019年11月15日 (金)

きよみずミチル個展「猫愛その六」@アートコンプレックス・センター(2019/11/14)

今日の夕方はアートコンプレックス・センターきよみずミチルさんの個展を見に。彼女は擬人化した猫の絵を描く作家さん。5年前にこのギャラリーでのフライヤーを偶然見つけてふらりと足を運んで、それ以来毎年個展を見に来ている。もう6回目になるのか。早いなぁ…。

きよみずミチルさんもさまざまな賞を受賞したアーティストとなり、今年の夏は青枢会の外務大臣賞を受賞されたのだとか、その受賞作品も今回展示されていて、深みのある表現で見ごたえがあった。

それ以外にも見ごたえのある展示で、キャリアの初期から知っている作家さんが成長していくのって嬉しいものだなぁと思う。グッズなども豊富なので、猫好きな方はぜひ。

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2019年11月13日 (水)

Jasper Johns: Usuyuki@Fergus McCaffrey Tokyo(2019/11/12)

今日の夕方は表参道のギャラリーFergus McCaffrey Tokyoに。現在開催中なのはジャスパー・ジョーンズの連作「Usuyuki」の展示

僕はジャスパー・ジョーンズといえばコテコテにアメリカンな作家だとばかり思っていて、1952年から53年にかけて朝鮮戦争中の米軍へのポスター・映画の作成のために仙台に駐留していたという話は知らなかった。彼はその後も日本との間に縁を持ち、日本のアーティストや刷り師とも交流をしていたそう。

《Usuyuki》シリーズは歌舞伎の演目《新薄雪物語》から取ったタイトルなのだそう。僕はこの演目の知識は無いのだけれど、シリーズに共通するクロスハッチングの文様はどこか雪の上に残された下駄の足跡のようで、そこに新聞の切り抜きがコラージュされたり、円形の印によってリズムが崩されたり、はたまた色遣いがちがったりと様々なバリエーションがある。ジャスパー・ジョーンズっぽいと言われればそう見えるし、でも知らなかった姿のようにも思える、魅力的だが不思議な作品たちだった。

ニューヨークに本店があるギャラリーならではの充実した展示で、これを小さなスペースでゆっくり見られるのは至福の体験。現代美術ファンならぜひ足を運ぶべきと思う。

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