2018年5月23日 (水)

北沢夕芸「OLD SAILOR TOLD ME」@スペースユイ(2018/05/22)

今日の夕方はスペースユイに。現在開催中なのはイラストレーターの北沢夕芸さんの個展。雑誌・書籍の表紙や挿絵で活躍されている方で、彼のイラストは絶対どこかで目にしたことがあるはず。スペースユイでは毎年個展を開催されていて、普段の仕事では出すことのない自分のファンタジックな世界観をテーマにした作品が並び、毎年楽しみにしている。

今回の展示のテーマは「7つの海を航海してきた船乗りがこっそり教えてくれた異国の不思議な風景」。海運会社で働く人間としてはグッとくるテーマで、絶海に浮かぶ幻想的な光景や、文明から離れた島の風景など、ああ確かにこのテーマで心に浮かぶイメージをピタっと表しているなーと感心することしきり。

今回は他にも鉛筆画のポートレートも展示されていた。これがまた凄く、対象のデフォルメの仕方がイラストとアートのクロスオーバーになっているというか、シンプルなのに今までちょっと見たことのない印象だった。

今回もとても充実した内容で、絵の好きな人なら誰でも楽しめると思う。表参道界隈にいらしたならぜひお立ち寄りを。

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2018年5月21日 (月)

江戸の戯画-鳥羽絵から北斎・国芳・暁斎まで@大阪市立美術館(2018/05/20)

この週末は家の用事で大阪に。泊まりで少し時間に余裕があったので、午前中に大阪市立美術館に出かけることにした。

開催中だったのは江戸の戯画の企画展「鳥羽絵から北斎・国芳・暁斎まで」というサブタイトル通り、幅広い作品がカバーされている。見ていて本当に凄いなと思ったのは、特に動物や妖怪などの人間ではない生き物は、現在の漫画、イラストとして見ても全く違和感のない、少しも古びていないものだったこと。人間の表現については今のイラストとの違いがあるが、それは時代ごとのイラストとしての約束事、強調や省略のポイントが違うからで、たとえば今80年代のイラストを見ると古くさく感じるのと同じ。日本の漫画って日本美術の嫡流の一つなんだな、ということがこれを見ると改めて分かる。

ギャグのセンスは作品によりまちまちで、今の目で見ても面白いネタから、滑った転んだのベタすぎるやつまで様々。まぁマンガの作品展ではなく美術展だからね。

一つ一つの作品が素晴らしいだけではなく、全体としての資料性もとても高い。力の入った展示だと思う。他の会場には巡回しないようなので、興味のある人はこれを見るだけのために大阪に行っても損はしないはず。

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2018年5月19日 (土)

Multi Layered Surfaces@カナダ大使館高円宮記念ギャラリー(2018/05/17)

今日の午前はカナダ大使館でセミナーを受講したので、休憩時間に高円宮記念ギャラリーを覗いてみた。開催中だったのはMulti Layered Surfacesというタイトルの企画展。トロントのアートシーンで活躍している10名のアーティストの作品が展示されており、ジャンルは油絵から写真、映像まで多彩。

本展の意図は、北米第4位の規模でありながら世界最先端の多文化共生を実現しているトロントのアートシーンの視点から、中心と周辺という構造を超え、かといって地域性に閉じこもるのでもなく、ローカルがいかにグローバルと関わっていくかについてのアイデアを提示するもの、だそう。

コンセプトはとても面白いし、出展されている作品のレベルも高いと思うんだけれど、風呂敷が広い割に出展作品数が少ないのでコンセプトを説明しきれているかというと微妙なところ。本件は展示が複数のギャラリーに分かれて行われているようなので本来はそれらを一通り見てからコメントすべきなんだろうけど、できればある程度まとまった量の作品を並べられる場所で展示したほうが良いコンセプトなんじゃないかな、とは思った。

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2018年5月16日 (水)

冷广敏「涟漪」@MAHO KUBOTA GALLERY(2018/05/15)

今日の夕方は神宮前のMAHO KUBOTA GALLERYに。現在開催中なのは冷广敏(レン・ガンミン)という中国の若手作家の個展。

展示されている作品はモノトーンに近い色合いで描かれた静物。だが遠目でもちょっと変わったテクスチャーを持っていることが分かる。近づいてよく見てみると、白い部分は表面が剥がされた紙であることが分かる。これらの作品はキャンバスの表面に薄い紙を貼り、その上にアクリル絵の具を塗ったうえで、ナイフで表面を削り取っていくという手法で作成されているのだ。

削り取られかたはまちまちで、紙のケバを感じさせるものから、紙をすべて削り取ってキャンバス地がむき出しになっているもの、はたまた絵の具の面が剥がれずに切れ目だけが残っているものもある。これらの要素が緻密に計算された上で濃密に塗りこめられたアクリル絵の具の塗り面の上に乗っているのは、とても知的で重厚な印象を受ける。

1986年生まれの若手作家ということで、それより上の世代の中国の作家のような政治・社会状況に関するまなざしは作品から直接は感じられないが、それは決して悪いことではないと思う。いつまでも見ていられるモノとしての強さを備えた作品はやはりいいものだ。

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2018年5月13日 (日)

「花鳥風月」KACHO-FUGETSU* remixed@白白庵(2018/05/12)

今日の夕方は白白庵のオープニングレセプションに。今日から開催されるのは4人のアーティストによるグループ展。4人のアーティストは二組の夫婦で、しかもどちらも滋賀在住ということでレセプションもとても親密な雰囲気。

レセプションのメインは髙橋良氏のライブペインティングで、フラワーアーティストの加藤ひろえ氏による花活けと同時のパフォーマンスだった。無造作な一刷毛がそのまま完成された絵画の一部として存在感を放つようになる様子はライブペインティングならではで、いつ見ても息を呑むような迫力。

出展作品も器あり絵画ありバッグありアクセサリーありと実に多彩で、ライフスタイルの幅広い部分に訴求する内容。いつも以上に身近で楽しい展示でした。

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2018年5月11日 (金)

アンディ・ホープ1930「Where did it come from!」@RAT HOLE GALLERY(2018/05/10)

今日の夕方は表参道のRAT HOLE GALLERYに。現在開催中なのはアンディ・ホープ1930というドイツのアーティストの個展。ちなみに後ろについている1930というのはアーティスト名の一部。作家の歴史観の中で1930年が重要なターニングポイントからだったこの名前にしているのだとか。今回がこのアーティストの日本初展示になるらしい。

このギャラリーで開催される展示にはコンセプトが表に出過ぎて出オチっぽいものも多いが、今回展示されているのはクラシックな現代美術の雰囲気を漂わせた重厚な作品。作品中に「SUBPRIME」という単語が描き込まれた、コンセプチュアルな雰囲気を漂わせた作品もあるが、基本的には抽象画として平面の中の線や図形の存在感に惹かれる。こういう展示もこのスペースには似合うなー。

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2018年5月 7日 (月)

清川あさみ個展「ADASTRIA 美女採集」@表参道ヒルズ(2018/05/06)

今日の午後は表参道ヒルズに。開催中だったのは清川あさみの個展。前にもゴールデンウイークに表参道ヒルズで清川あさみの個展を見たなー、と思って確認してみたら2012年のことだった。あれから6年か。早いなー。

今回の個展も前回と同様に「美女採集」シリーズをメインにしたもの。シリーズの連載開始から15年経ち、写真集が出版された記念の展示だそう。ただ、6年前の展示と比べても正直ちょっとパンチに欠けるように思った。シリーズが長くなるとどうしても(失礼ながら)旬を外した女性が登場する。この種の作品はお遊び的な部分があり、圧倒的にゴージャスなオーラを纏い、誰もが知っている女性タレントの写真を使うから面白いのであって、まだ駆け出しだったり、あるいは盛りを過ぎてしまったりする人だとイタい感じになってしまうと思うのだよなー。

そういった感覚は作家自身も持っているのか、今回の展覧会のキービジュアルは美女採集シリーズからではなく、前髪で顔を隠した女性たちの群像作品、《mutant》。だけど、展示されている作品の中で圧倒的な作品性があったのは、2007年に制作された《complex》シリーズだったのには、なんとも言えない気分になった(僕が最初に見た彼女の作品で、その時の印象がとても強かったというのもあるけど)。地味ではあるが深みを感じる《life》など面白い新作も展示されていたので、今後に期待したいな。

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2018年5月 6日 (日)

ACT小品展2018@アートコンプレックスセンター(2017/05/06)

今日の夕方は散歩の途中に信濃町のアートコンプレックスセンターに。現在開催されているのは複数の展示室を使った小作品展。約65名の作家の、130点以上のサムホールサイズの作品がずらりと展示されている。出展されているのはこのギャラリーの取り扱い作家で、この一年で個展を見て、あ、いいなと記憶に残っている作家さんはほとんど出展していた。

ハイアートとイラストの合間を狙ってる作家さんがSMサイズで制作するため、インパクトなどを考えるとどうしても女性の肖像画が多くなってしまうのは仕方がない。ただ、去年と比べると作品の幅が広がった気もする。

出展作家の中には作品を買おうかどうか迷っている作家さんもいて、そういう作品に売約済みのシールが貼られてたりするとちょっと心穏やかではない。SMサイズなので値段も手ごろなんだよね。来年は忘れず、開催初日に来ることにしよう。

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2018年5月 3日 (木)

アートラウンジ第7回「シルエット ロマンス」@パークホテル東京(2018/05/01)

今日の夕方は汐留にあるパークホテル東京のラウンジに。ご近所のギャラリー、白白庵がプロデュースするラウンジのアート展示の初日で、オープニングを見に来た。2か月ごとの入れ替えでラウンジでのアート展示(但しギャラリーなので気に入った作品を購入することもできる)で、前回来た時にすっかりファンになった。ホテルのラウンジに美術が溶け込み、喧嘩もせず埋没もしない絶妙のバランス感覚が緊張感のある素敵な空間を生み出している。

今回の出典作家は、書道家の万美、鉄の立体造形の谷口和正、そして陶芸の津田友子の3人。それぞれ白白庵で作品を見たことがある作家さん。「シルエット ロマンス」というタイトル通り陰影をテーマにした展示だそう。

津田さんの作品はコントラストがはっきりし金彩なども多用したラウンジの仄暗さにも映える作品が選ばれていた。スパークリングワインを津田さんのフルートグラスで頂いたんだけど、陶器でスパークリングワインを飲むのは初めてで面白かったな。

谷口さんの作品はアルファベット型に切り抜いた鉄の板の中に光源を入れたもの(小型の作品には入っていないものもある)。作品そのものの美しさはもちろん、文字が影として投影される様がなんとも良く、まさにこの展示のテーマにぴったりだった。

万美さんの作品は書として展示されているだけではなく、植木に這わせたインスタレーションになっていたり、灯りのシェードとしてぐるりと巻き付けてあったりと使い方が多彩。

ちょっと暑い日の夕暮れ時には、日が沈んで光の様子が変わる中ずっと眺めているとどんどん景色が変わっていくだろうなと思う。6月末まで開催なのでぜひ見に行ってください。楽しいよ。

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2018年4月29日 (日)

越智香住「ひそやかな女神たち」@スペースユイ(2018/04/27)

今日の夕方はスペースユイ。現在開催中なのは越智香住さんの個展。

彼女の作品は3年前に初めて見て、古代の神像のようなアルカイックで静謐な佇まいに目が奪われた。去年から鳥や猫などの動物をモチーフにしたぐっと親しみやすい作品も多く展示されるようになった。今年は加えて人間の手、それも赤ん坊のような小さくて丸っこい手の作品が展示されていて、あどけなさのような、祈りのような、そういう雰囲気を強く発散している。

一方で動物の作品のユーモラスな可愛さも格別で、特にぺたんと平べったくなったりぐるんと丸くなったりしている作品は思わず撫でてしまいたくなる。作家さんが在廊だったので、去年出展された猫の作品も素晴らしかったですね、という話をしたら、とある有名女優さんが購入されたんですよ、というお返事で、その女優さんの父親と知り合いなんですよ、という話で盛り上がった。

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