2019年6月30日 (日)

常設展@National Archaeological Museum(2019/06/28)

学会の大会でやって来たアテネ。最終日に16時ですべての日程が終了し、クロージングパーティーが19時30分から。待ち時間にギリシャ美術に触れておこう、と、国立考古学博物館に出かけることにした。
 
展示されている作品はクレタ、ミケーネ文明のような古代からアルカイック期、古典期、ヘレニズム期までとバラエティに富み、また展示品も「考古学」という名前の通り彫刻やレリーフ、壺などの美術品の他に博物館的なものまで幅広い。特に彫刻については素朴な祈りを感じさせる古代のものから、アルカイック・スマイルを湛えたアルカイック期のもの、そしてドラマチックなヘレニズム期の作品と、まとめて見るとこれだけ雰囲気が違うものかと驚かされる。
 
最近の経済危機の影響か展示室の一部は閉鎖されており、またオープンしていて入った部屋で「この部屋だけあと10分で閉鎖になります」と声を掛けられて驚いた。全体をじっくり見たいという人は最初に展示時間を確認しておいた方が良いかもしれない。また地下鉄オモニア駅から歩いて向かったところ、治安の悪そうなエリアに迷い込んでしまいヒヤッとした。変に近道をしようと考えず大き目の道を通ることが大事。
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2019年6月29日 (土)

常設展@Acropolis Museum(2019/06/26)

学会の大会でアテネに来ている。アクティビティの一つとしてアクロポリス博物館のガイド付き貸し切りツアーが予定されていて、これは見ておかなければと申し込んだ。
 
アクロポリス博物館はアクロポリスの丘のすぐ下にあるモダンな建物。10年ほど前までは丘の上に合ったものを移転させ、規模も10倍に拡大させたのだとか。多くの彫刻が展示の中心でそれぞれに見ごたえがあるのだが、学会主体の貸し切りツアーということで一見さりげない日常雑貨のようなものも当時のギリシャの人々の生活を交えながら丁寧に解説してくれて、へぇそうなのかと驚くことしきり。
 
3階がこのフロアのメイン展示で、現在修復中のパルテノンとほぼ原寸大の展示スペースを作り、そこに現存している、あるいはマーブルのレプリカが設置されている。パルテノンの見学を済ませてからだったらもっとすごかったんだろうな。今回は貸し切りツアーということで見学が8時からの開始、ちょうど日没に向かっていく時間帯で、大きな窓から入る外光の変化でどんどん雰囲気が変わっていくのが楽しかった。
 
翌日前を通りかかってみると入口は長蛇の混雑。この混み方だと見え方は全然違うんだろうな。良い体験をさせてもらった。
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2019年6月23日 (日)

ARTIST ROOMS - JENNY HOLZER@Tate Modern(2019/06/22)

現在イギリスに出張に来ている。土曜日に空き時間ができたので、ロンドンに来た以上は行っておかねばとTate Modernに出かけることにした。
 
僕もそれほどあちこちの美術館に行ってるわけではないけれど(特に新興国の美術館はほとんど知らない)、僕の知る範囲ではTate Modernは世界最高の現代美術館だと思う。特に常設展示は頻繁に入れ替わり、看板作品になるマスターピースに頼らずに美術の潮流やそれが持つ意味を入れ替え展示していく能力は素晴らしい。日本にあったら常設展を見るためだけに数か月に1回のペースで通うんだけどな。
 
企画展も大小いろいろなものが並行して展示されていて、今回印象に残ったのはJenny Holzerというアメリカ人作家の作品。文字を使った作品をテーマにした作家さんで、政治的に主張の鋭いメッセージをオブジェの表面や商業的な電光掲示板などそれらが現れるはずの無い場所に表示させるというもの。今回は大型の電光掲示板(ブルームバーグやロイターがマーケットのティッカーを流すような)を使ったインパクトのあるビジュアルの展示でした。
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2018年1月16日 (火)

常設展@Palazzo Massimo alle Terme(2018/01/12)

ローマ最終日の朝。帰りのフライトが15時なので午前中に最後のローマ観光をしようとローマ国立博物館マッシモ宮(National Roman Museum - Palazzo Massimo alle Terme)に立ち寄ることにした。

ホテルに近いし早い時間に開いていたからといういい加減な理由で立ち寄ったのだが、とても見ごたえがあった。一番圧倒されたのは1階と2階にずらりと並ぶ彫刻で、とにかくリアルだし歴史や歴史の教科書で見たこともありそうだしというものばかり。

3階の壁画やモザイクもとても味があったのだが時間が押していたので駆け足になってしまったのが残念。ここだけではなく、次のローマでは美術館・博物館を見て回るのにじっくり時間を取りたいな。

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2018年1月12日 (金)

‘Mangasia: Wonderlands of Asian Comics’@Palazzo delle Esposizioni(2018/01/10)

ローマに観光旅行に来た。今回は遺跡を見て回るのがメインのつもりで美術館やギャラリーなどはあまりチェックしていなかったのだが、バスの車窓から「Mangasia」という大きなポスターを見かけて興味が惹かれた。調べてみるとタイトルの通り日本以外のアジアでのマンガ表現を含む広範な内容のよう。これは見なければ、と思って出かけてきた。

思っていたよりも硬派というかヘビーな内容で、マンガに何が表現できるか、それがマンガである意味は何か、といった点を技術面よりも内容面に重点を置いて展示している。なので北朝鮮のプロパガンダ漫画とか日本の成人コミックのような、へーそういうのも出すのかー、というトピックも取り上げていた。こういう切り口はとてもヨーロッパっぽいっていうか、表現者に対して社会が求める責任が大きいんだろうなと思う。

その分見て回るだけで面白い、という部分には若干欠ける。日本以外の漫画、特に東アジア地域以外の漫画は、一つ一つの作品を見ると上手いな良く描けてるなという作品も多いんだけど、多様なジャンルをカバーする展示の中で日本の作品と並べてみると、物足りない部分も目に付いてしまう。

本展のキュレーターはバービカン・センターの人なんだけれど、他の国を巡回したりするのかな。できれば日本にも来てほしい。

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2015年7月 6日 (月)

櫻桃小丸子 ちびまる子ちゃん学園祭 25周年特展@華山1914文創園区(2015/07/05)

この週末は会社の研修旅行で台北にやってきた。最終日の日曜は自由時間があり、せっかくだからアートを見ていこう、と華山1914文創園区にやってきた。ここは日本統治時代の酒造工場の跡地をクリエイティブスペースに再生したエリア。ギャラリーの他にカフェやライブラリなどさまざまなお店が入っているのに加え、共用スペースもとてもクリエイティブ。何よりゆったりと空間が使われていて緑が豊かなのがいい。

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今回やってきたのはちびまる子ちゃんの展覧会が目当て、というか、バスで移動中にポスターを見かけて検索して華山1914文創園区の存在を知った。ちびまる子ちゃんは台湾でも人気らしく、ミッフィーの展覧会もやっていたのだが並んでいる人の数は圧倒的にちびまる子ちゃんの方が多い。

展示の内容は日本人の目から見ると大したものではない。ちびまる子ちゃんの世界、家だったり学校だったり夏祭りだったりが展示されているエリアがメインで、造作もそれほど凝ってはいない。それでもみんなパシャパシャと写真を撮っている。

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展示の最後には原画が少しと、台湾のアーティストがデザインした服を着ているちびまる子ちゃんの人形が並んでいる。

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東京にこういうスペースってあったらデパートの催し物のようなこういう展示は敬遠されるんだろうけど、それをやるという市民との距離感は結構いいなと思った。次回台北に来た時はこのエリアでゆっくり過ごしてみたいな。

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2013年1月20日 (日)

Mariko Mori: Rebirth@Royal Academy of Arts(2013/01/17)

イギリスの美術館めぐり二日目。ピカデリーサーカスで買い物をした帰りにRoyal Academy of Artsで開催中の森万里子展に立ち寄った。ガイドブックで見かけたときはギャラリーでの企画展程度の規模かと思ったのだが、入ってみるとかなりの規模の個展だったのでちょっとびっくり。

僕が彼女の作品を最初に見たのは確か2001年のテート・モダン。コレクション展の一角に作家コーナーが設けられていたと思う。その後もDeitch Projectsや東京のSCAI THE BATHHOUSEで何度か作品を見ている。今回展示されていたのはそれらのギャラリーで見た作品が中心だった。

大きくて一番目立っていたのは半透明な乳白色のプラスチックをLEDと組み合わせたインスタレーション。ゆったりしたスペースでまとめて眺めると以前に見たときとは印象が違う。円形に配置された9個の石碑が色を変えながら明滅するTranscircleという作品は太陽系内の衛星の相対位置を表現したもので、大きな石碑のTom Na H-iuという作品はカミオカンデが受信したニュートリノ、つまり星の爆発に合わせて部分的に明滅する。とても癒される作品だが、作品としてのコンセプトは明快だ。

ニューエイジ的な作風はちょっと日本人離れしていて欧米での評価のほうが高くなってしまうのかな。日本でもこれぐらいの規模の大規模個展を見てみたいものだけど。

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2013年1月17日 (木)

William Klein + Daido Moriyama@Tate Modern(2013/01/16)

今週は休暇を取って妻とロンドンに遊びに来ている。寒い時期なので(今日も最高気温が1℃とか)、ぶらぶら歩き回るのはなるべく控えようと話していたのだが、ここだけは外せないと出かけてきたのがテート・モダン。僕の知る限り世界最高の現代美術館という印象は変わらず、今回も分厚いコレクションと大胆かつシャープなキュレーションに圧倒されてきた。企画展の部屋の中にごくさりげなく、モネとターナーの大作を対にして展示するようなことは、他の美術館でできているのを見たことがない。

いつもはコレクション展を見て廻るだけでおなかいっぱいになっちゃうのだけれど、今回は森山大道の企画展が開催されていたので見に行ってきた。ウィリアム・クラインとの二人展で、世界のいろいろな街を舞台に生きる人々の姿を捕らえた作品が迫力のある大判で展示されている。どちらの作家も現実のイメージを正確に印画紙に焼き付けるアプローチとは対極の、ブレや粗さを生かし写真という手法でフィルタリングしたイメージを表現するというスタイル。それぞれの作家が東京とニューヨークを撮った作品が並んでおり、それを手がかりに二人の作家の類似性と違いを確かめることができる。

ともかく街を生きる人々のエネルギーが画面から噴き出してくるような展示で、クールで知的なコレクション展とは好対照。寒い中出てきた値打ちのある素晴らしい展示だった。

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2012年2月 8日 (水)

On Kawara - Date Painting(s) in New York and 136 Other Cities@David Zwirner(2012/02/01)

木曜日の昼間は妻とチェルシーのギャラリー街に。25th St.から19th St.までのギャラリーを駆け足で廻ったのだが、一番感じたのが「どの作品もデカい!」ということ。前回来たのは2年ちょっと前で、その頃はまだギャラリーで作品を買う習慣が無かった。なので「この作品を買えるかな」と考えながら見るようになったのは今回が初めてなのだが、その視点で見ると大手のギャラリーに並んでいる作品はどれもサイズが大きすぎる。狭い我が家にはもちろんのこと、いかなアメリカ人とはいえこの作品は自宅には飾れないだろうというものばかり。こういったギャラリーは個人のコレクターではなく美術館相手の商売をしていたんだなぁ、ということに今更ながら気づいた。

今回は展示換え中のギャラリーも多かったのだがいくつか面白い展示にぶつかった。Gagosianではマンハッタンの全3店舗(というか全世界の11店舗)でダミアン・ハースト展を同時開催中。森美術館で見た動物の胴体をぶつ切りにしたバッドテイストの作品の印象が強かったのだが、現在展示中の作品は白いキャンバスに単色の円を色を変えながら幾何学的に配置していくスポット・ペインティング。いかにも現代美術という作品だが、機械的に描けるよう描画の規則を決め、アシスタントに描かせているという点もまたスター作家らしい。

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Mary Booneでは艾未未のヒマワリの種を展示していた。これは数百万個のヒマワリの種を床に並べたものなのだが、実はそれぞれのヒマワリの種は景徳鎮の職人が手作業で作った陶器。また、ヒマワリは文化大革命時代に良き人民の象徴(常に太陽である毛沢東の方向を向く)であったとのこと。これほど強いメッセージを持っているのに作品自体はシンプルで、いかにも彼らしい作品だと思う。この作品の初出はロンドンのTate Modern。そのときの規模は今回の数十倍で、ヒマワリの種の上を歩くこともできたらしい。できればそちらで見たかったなぁ。

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で、今回一番印象に残ったのが、David Zwirnerでの河原温の個展。サブタイトルのとおり彼の日付絵画を並べたもの。よくもまぁ、というほどの数の作品が並んでおり、その中にはアポロ11号の月面着陸を受けて作られた3つの大判の作品が含まれている。日付絵画以外には、百年カレンダーに自分が生きた日と日付絵画を作成した日をマークしたものが展示されていた。フライヤーには世界中のコレクターから作品を借りてきたと書いており、美術館ならともかくギャラリーでそこまでやる努力に敬服。

日付絵画がずらりと並ぶとその迫力に圧倒されてしまうのだが、21世紀の目で見てみると「日付フォーマットは現地語、但し現地語がアルファベットでなければエスペラント」というコンセプトはかなり異様ではある。今だったら、日付ぐらいはフルローカライゼーション、そうでなければ英語は世界語だよね。このシリーズが始まった1966年、「欧米」という言葉に今と違ったリアリティがあった時代ならではのアプローチで、逆に今の目から見ていろいろなことを考えさせられる。

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2009年11月22日 (日)

Drawn Together - GEGO/SHIOTA@GOFF+ROSENTHAL(2009/11/20)

この週末に有給を足し、ニューヨークに3泊で遊びに来ている。プライベートかつ一人でニューヨークに来るのは2年ぶりで、やっぱり開放感が違う。

朝に到着しホテルに荷物を預けて最初に出かけてきたのはチェルシーのギャラリー街。今回はそこそこ収穫があったのだが、その中でも紹介しておきたいのがGOFF+ROSENTHALで開催中だった塩田千春とGertrude Goldschmidt(GEGO)の二人展。僕は塩田千春の作品はバスタブの中で泥をかぶったりとか黒糸で絡め取ったピアノを燃やしたりといった大技系のものの印象が強かったのだが、今回の作品はギャラリーというサイズの制限もあってかおとなしめで、小さな仏像をケースの中で絡め取ったり、部屋の隅に黒糸でくもの巣のようなインスタレーションを行ったりというもの。その作品のアプローチがGEGOという亡命ドイツ人女性作家に似ているということで今回の展示になったそうだ。

塩田が使うのが黒糸であるのに対し、GEGOが使うのはワイヤ。だが並べて展示してみると(というか塩田がGEGOの作品を踏まえて新規に作成したそうだが)、似たような素材・アプローチでもこれほど印象が違うのかと思う対照的なものになっていた。まるで神経組織がむき出しになったようなヒリヒリする印象を与えるGEGOの作品に対し、一つ一つの黒糸の存在感というよりはそれが重なる空間で何かを訴えてくる塩田の作品。二人展という様式を生かした、良い展示だったと思う。

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