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2009年7月30日 (木)

藤原奈津美@表参道FAB(2009/07/30)

藤原奈津美は去年たまたま見てから気になっているアーティスト。必ずしも個人的なツボのアーティストではなく、初めて見たイベントでは感想も残していなかったのだが、見るたびにスケールがアップしてきていて「この子はひょっとして化けるかも」と感じ、その成長を見届けたいと思うようになった。今回は表参道FABでのワンマンということでチケットを買って楽しみにしていた。

そんなライブだったのだが仕事が長引いてしまい30分ほど遅刻することに。あわてて入った会場は椅子席に加えて立ち見がそこそこ出ているというまずまずの入り。ライブはやっぱり面白く、ロックな曲やファンキーな曲がゴリゴリ来る一方で、歌い上げるバラードは声量もあって聞かせる。前回感心した月見ル君想フのイベントの時と比べるとちょっと持ち時間を使いきれていなかったかな、という気もしたが、あの時は他のアーティストも含めイベント全体への印象が良かったからな。それを差し引いても客観的に良いライブだったと思う。

今度はイベントでいいからもう少し大きめのハコで聞いてみたいな。やっぱり今後が楽しみ。

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2009年7月27日 (月)

4つの物語|コレクションと日本近代美術@川村記念美術館(2009/07/26)

川村記念美術館は欧米の20世紀美術、特にアメリカの戦後抽象絵画の優品を所蔵することで知られた美術館。このジャンルが好きな僕はずいぶん前から一度は訪れてみたいと思っていたのだが、佐倉駅から送迎バス30分という立地が災いしてなかなかチャンスがなかった。思いついてふらっと出かけるには遠すぎるし、かといって美術館を目的とした旅行(たとえば直島の地中美術館への旅行みたいな)を企画するには近すぎる。成田からの帰りに立ち寄って、と思ったこともあったが海外帰りにそんな元気が残っているわけもない。このままではいつまでも出かける機会がない!と思い切り、同じく佐倉にある国立歴史民俗博物館と合わせて出かけることにした。

上に書いたとおり送迎バスに30分載って到着した美術館は静かな庭園の中にある。美術館の建物はそれほど大きくはないが展示の密度は濃い。入って最初のヨーロッパ近代美術の展示室からはっとするような作品が並ぶし、ジョセフ・コーネルの《鳥たちの天空航法》は彼の作品中の白眉だと思うが、やはり圧巻は2つの専用展示室、ロスコ・ルームとニューマンズ・ルームになる。

ロスコ・ルームはマーク・ロスコのシーグラム壁画作品を7つ展示した部屋。去年の10月に現存するシーグラム壁画作品をすべて並べた展示をTate Modernで見たが、今回見た展示はその時よりも良かったと思う。窓のない小さな部屋に作品を並べて照明は暗めに。Tate Modernでの展示とは違い作品は椅子に腰掛けたときにほぼ目の高さとなるよう作家の意思に忠実に配置されている。ロスコの作品の赤色は鉄の赤。赤錆の色、アメリカの砂漠の砂の色であると同時に、ベンガラの色、そして血の色でもある。それらのさまざまな赤色がグラデーションをあやなす作品がひどくアメリカ的であると同時に懐かしくも見えるのは当然なのだろう。

もう一つのニューマン・ルームはロスコ・ルームの真上、階段を上がった場所にある。展示されている作品は階段を上がる途中で目に飛び込んでくるバーネット・ニューマンの《アンナの光》のみ。グラデーションのない赤一色の長方形でよく見るとキャンパスの左右に白の余白があるだけのシンプルな作品なのだが、外光を取り入れた開放的な空間に置くと異様なまでの存在感を発する。窓の外はレースのブラインドを通しても分かる灼熱の夏日。それとクールで外界との交渉を突き放すような《アンナの光》との対比の緊張感は圧倒的だった。この二つの部屋の取り合わせほどアメリカ抽象絵画の持つ精神性を表現しきった展示を僕は知らない。しゃべりながら部屋に入ってきた観客がみなとたんに無口になるのが印象的だった。

で、タイトルは現在開催中の小企画展。同館所蔵の欧米の作品を4ジャンル選び、それに関連する日本の作品と並べて展示するというもの。面白い試みだと思うが、常設展が凄すぎた後だったので正直印象は薄かったかな。

ともあれ、足を運んだ甲斐は充分にあった一日だった。場所が場所だけにそうそう頻繁には訪れられないが、いつかまたロスコの、そしてニューマンの作品を眺めに来たい。

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2009年7月26日 (日)

佐伯洋江展@タカ・イシイギャラリー(2009/07/25)

今日は久しぶりに越中島で学会の勉強会があり、ということは清澄のギャラリービル巡りの日でもある。どこのギャラリーも力の入った展示で満足だったのだが、考えるところがあったのはタカ・イシイギャラリーの佐伯洋江展。

彼女の作品はシャープペンシルを使ったドローイング。作品自体はかなり抽象的なものなのだが、ちょっと草間弥生を思わせるようなハニカム模様、鉛筆の濃淡が美しい黒一色の平面、また高いテクニックが伝わる綿というか毛髪状の構造などが大きな余白の中に描かれ、そこに銀や赤のインクがわずかに使われてアクセントになっている。とにかく作品の質感は無条件にクールで、今年開催された話題の現代美術展、サントリーミュージアム[天保山]の「インシデンタル・アフェアーズ」展、原美術館の「ウィンター・ガーデン」展、そして行きそびれてしまったが上野の森美術館の「ネオテニー・ジャパン」展に軒並み出展していたのも頷ける。気鋭の作家という表現がふさわしい。

今回は個展ということで出展作品の幅も広く、とても楽しむことができたのだが、でもねぇ、とも思うのだ。こういう自閉的な作品が、これほどの高い評価を受けていいものなのだろうか。作家が不誠実であると言いたいわけでは決して無い。今の世の中、自分が引き受けられるリアリティはこれなのだ、という覚悟はちゃんと伝わってくる。だけれど、例えば商業コミックスの世界では同様の高いテクニックを持つ作家がポピュラリティを獲得するために悪戦苦闘しているわけで、それと比較すると「テクニックと覚悟は分かるけれど、それ+αは?」と問うのが見る側の責任ではないかしらん。もちろん自分のことは棚に上げて言っているのだが。

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2009年7月23日 (木)

大倉山水曜コンサートVOL.1183@大倉山記念館(2009/07/22)

久しぶりの大倉山水曜コンサート。今夜のサブタイトルは「クラリネット室内楽の妙技」ということで、クラリネット奏者の橋田はるな氏を中心にトリオ・ソロ・クインテットと異なる編成でいくつかの曲を演奏した。特にソロ曲は現代作家が作曲した非常にコンセプチュアルなもので、要は完全にエクスペリメンタル。こういう曲を受け入れる懐の広さは、千回を優に越えるイベント回数は伊達ではないと感じさせる。

それ以外の曲は今まで聴いたことはなかったものの普通にクラシックで楽しく聴くことができた。でも、特にクラリネットが前に出た印象はなかったんだけど、それは耳が慣れていないんだろうな。

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2009年7月20日 (月)

アロイーズ展@ワタリウム(2009/07/20)

この三連休は初日が会社のイベントで潰れたり書き物が溜まっていたりであまり遠出もせずに過ごしている。今日は書き物が一段落したので食事のついでにワタリウムに出かけてみることにした。考えてみるとギャラリーには一ヶ月以上も足を運んでいなかったことになる。

現在開催中の展覧会はアロイーズ展。先日原美術館で大規模な回顧展のあったヘンリー・ダーガーと並び、アウトサイダー・アートの代表作家らしい。で、ヘンリー・ダーガー展を見たときにも思ったのだが、今日の展覧会を見てやっぱり「僕はアウトサイダー・アートは苦手だ」と思った。僕はきっと奔放な感情や想像力そのものより、それを押さえ込んで作品にまとめる知性の働きのほうにピンと来るんだろうな。展示会には、精神病院に入院後独学で絵の才能を開花させた彼女が、絵が売れて表現方法を押し付けられるようになると絵を書けなくなっただけでなく健康を害し6ヶ月で亡くなってしまったというエピソードが書かれていた。そこまで分かっているのならなぜそっとしておいてやらない、という言葉が喉元まで出てきてしまった。

ただ、ヘンリー・ダーガー展を見たときには正直言って陰惨さしか感じなかったのだけれど、このアロイーズ展ではある種の強烈な官能性を感じたこともまた事実。興味がある、という人は足を運んで自分の目で確かめてみてもきっと後悔はしないだろう。

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2009年7月18日 (土)

MEG@新木場STUDIO COAST(2009/07/17)

MEGは小文字の頃から知っている、といきなり書いても何のことやら分かるまい。彼女は6年前にmeg名義でroom girlというアルバムを出していて、当時ニューヨーク在住だった僕は何かでアルバムの存在を知りAmazonで取り寄せてみた。しっとりして洒落た佳作のポップスアルバムで、今でもよく聴いている。その後しばらく名前を聞かななくなったので音楽をやめてしまったのかと思っていたのだが、いつの間にやら今をときめく中田ヤスタカのプロデュースで再デビューしていた。音楽性もずいぶん変わっていたが今のピコピコな音もそれはそれで嫌いではなく、いつかはライブを見てみたいと思っていた。チケット情報誌でたまたまライブを見つけ、チケットが残っていたので購入することに。

会場はバンアパ以来になる新木場STUDIO COAST。今日のライブはドレスコードが白とのことで、一人一人見るとお洒落な人も多いのだが、それが集団になると何となく宗教の集まりみたいだ(笑)。

ライブは思った以上に楽しめた。前半と終盤に一つ前のアルバムSTEP中心のちょっと甘めのポップナンバー、中盤には最近のハードなエレクトロを配した構成。リップシンクではなく生歌で、正直圧倒的な歌唱力があるという訳では無いのだがライブらしい臨場感がよく出ていて音源とは違う気持ちよさがある。ダンスもそれほどアクションは大きくはないものの膝から下がきちんと動いているキレのよいもの。何より良かったのは彼女の表情で、エレクトロというジャンル、モデル出身のルックスからアー写やPVではいつも感情を押さえたクールビューティーなビジュアルなのだが、その彼女が満面に笑みを浮かべて楽しそうに歌っている姿にちょっとキュンとしてしまった。

ぬいぐるみを使ったダンスや幕間劇、ややアーリー90'sのガールポップの匂いがするMCや客の煽り方などは好みがあるかもしれない。僕はもっと構えた内容を予想していただけにアイドル的な部分を隠さないところはむしろ素直に楽しむことができた。

かえって貰ったチラシを眺めていたら六本木ヒルズのmado loungeでアフターパーティーの身にライブがあったそう。うーん、行きたかったが、明日の朝は早いんだよなー。次の11月のライブはぜひ見てみよう。

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2009年7月17日 (金)

Entre Nous Duo@ヒルトン名古屋Windows on the World(2009/07/15)

今日から2泊名古屋に出張に来ている。宿はヒルトン名古屋。本来は国内出張の宿泊限度額を超えてしまう宿なのだが、現在連泊キャンペーンをやっていてそれを使うとギリギリ枠内に収まることが判明。ありがたく宿泊してアップグレードやタダ飯タダ酒タダプールを満喫している。

タダシリーズの一環、つまりミュージックチャージ無料ということで見に来たのが最上階のバーWindows on the WorldでホストしているEntre Nous Duoのライブ。古めのポップスが中心のカバーをやっていて、これはまぁ土地柄しょうがないかな。男女二人編成で楽器演奏はかなりマシンに依存してほとんどカラオケ状態というのは予測していたのだが、男女のツインボーカルを上手く使った面白いライブをしていて予想以上の収穫だった。

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2009年7月11日 (土)

09下北沢・七夕集会{ヨシンバ/Swinging Popsicle/ハックルベリーフィン/森川アキコ}@下北沢mona records(2009/07/07)

去年も見に来てなかなか良かった森川アキコの七夕イベント。会場は去年と同じくmona recordsなのだが、いつの間にかスペースが増えてカフェとライブエリアが別々になっていた。個人的にはおしゃれだが座り心地の悪い椅子はあまりポイント高くない。数十分、せいぜい1時間程度のカフェユースならおしゃれ優先でいいと思うけど、この店のライブは3時間を超えるのに。

このイベントは面子も去年とまったく同じ。最初に登場したヨシンバは結構ヘビーな曲をやるようになっていて今までと印象が違った。ヘビーな曲が悪いというわけではないけど、ベタなくらいメロウな曲が個性になっていたのにな。

2番目の登場はSwinging Popsicle。こちらはいい意味でスタイルが変わらない。エバーグリーンという表現がぴったりくる美しいポップスはいつ聴いても気持ちがいい。9月12日にアルバム発売だそうで、最近のアルバムもちょっと聴いてみようかなと思った。

その次に登場したハックルベリーフィンも1年ぶりになる。前回のライブと比べてぐっとグルーブが増した印象があり、とてもいい方向に成長しているなと思う。売れるジャンルじゃないから大変だろうけど、これからも頑張って欲しいな。

トリは森川アキコ。今回はバンド編成で、彼女のバンド編成のライブを見るのは2年ぶりぐらいになるんじゃないだろうか。新アルバムを9月にだすとかで収録曲らしい新曲も披露し、バンドらしい華やかさのあるセットだった。

最後はお楽しみのボーカルセッションで「雨に濡れても」。今回もご機嫌なイベントだった。

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2009年7月 7日 (火)

PEACEFUL LOVE Rock Festival 2009@沖縄市野外ステージ(2009/07/05)

所属するエンジニア団体のイベントで沖縄に来ている。二日目の午後はアトラクションで、通常観光のほかにロックフェスティバルが用意されていて、僕は当然後者の方に参加。

PEACEFUL LOVE Rock Festivalは今年で27回目になる歴史のあるイベントだそうで、初日の昨日はMONGOL800とかD-51とかステレオポニーとかの名前を知っているバンドが出ていた。2日目の今日は名前を知っているバンドがおらず、コピー・アマチュア中心のイベントかとちょっと見くびっていたのだが、どうして楽しいイベントだった。ヘビメタからラップ、フリージャズまでのジャンルの広さもさることながら、感心したのはコピーバンドの面白さ。独自の音楽性をどうこう言わない分、ショウとしての完成度が高いのだ。特にKISSのコピーバンドMAKIN' LOVEとQUEENのコピーバンドQueenennはスゴかった。

7時間のイベントで途中2回夕立に遭うという悪条件だったが、足を運んだ値打ちがあったと思う。楽しかったな。

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2009年7月 2日 (木)

彼のいない彼の部屋で彼女とふたり{柴草玲/しらいしりょうこ}@南青山MANDALA(2009/06/30)

しらいしりょうこはその筋では結構名前を見かけるアーティストで、以前から一度ライブを見てみたいと思っていたがなかなか都合が合わなかった。今回のライブはMANDARAのサイトで事前に見つけていて、他に予定の無い日だったので前売券を買って準備していた。

で、彼女のライブ自体は、正直可も無く不可も無く、というレベルだった。好き嫌いとか上手い下手というのではなく、自分的に引っかかる癖や個性が良くも悪くもなくすっと聞き流せてしまう感じ。そういうアーティストの評価をするのも無責任だがあえて言うならピュアで曇りの無い楽曲やボーカル。そういうタイプの女性シンガーが好きなら楽しめるのではないかと思う。

その一方で、非常にツボだったのが共演の柴草玲。僕は彼女の名前はCoccoへの楽曲提供で知ってはいたのだが、自分自身でどのような演奏活動をしているかは知識を持っていなかった。タイプとしてはピアノ弾き語りで、楽曲のタイプは情念系なのだが、ショウとして無茶苦茶面白かった。ちょっと(いやかなり)自分を笑うことができるユーモアに富んだMCと、それを演奏の中にも取り込んでかつ違和感を感じさせない演奏力と構成力。僕はショウとして出来の良いライブのことをキャバレーショウに例えることがあるが、今回は掛け値無し、ニューヨークのものと比べても遜色の無いそれだったと思う。彼女のライブは別のところでも見てみたいなー。

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