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2009年5月31日 (日)

睡蓮の間@Musee de l'Orangerie(2009/05/29)

今週はパリに出張に来ている。3泊のうち2晩は仕事飯。昼間の打ち合わせ場所もホテルから離れているという悪条件で、その上仕事で来ている訳なので「そんな愚痴っぽいシャンソンを聞かせにパリまで来たんですかいジャポネの旦那」みたいなネゴをしてへとへとではある。だが、そこらの田舎街ならともかくパリに来て美術館にもジャズクラブ(シャンソニエでもいいけど)にも行かずに帰るというのは男が廃るというものだ。

そんなわけで最終日のフライト待ちの時間を使ってオランジュリー美術館に。この美術館の目玉はモネの「睡蓮」が8枚展示された「睡蓮の間」。モネの作品のために作られた2つの楕円形の大広間で、天井から自然光が降り注ぐ作りになっている。作品といい自然光といい地中美術館を思い出してしまうのだが、オランジュリーの方が広くて明るく、展示の性格はかなり違う。こちらは明るい分、ちょっと離れて見たほうが印象が強いかな。

もう一つ驚いたのは写真撮影がOKだったことで、実際多くの人がバシバシ写真を撮っていた。作品が撮影に耐えるのであれば作品に触れ合ってもらうために非常に良いことだと思う。

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2009年5月24日 (日)

Satchika@綱島Blue Corn Cafe(2009/05/23)

今夜ブルコンに出演のSatchikaは女性ボーカリストSachikoCHiKAのユニット。どちらも以前にブルコンで見て良かった記憶があり(Sachiko/CHiKA)、その上に女性二人が企画で組んだユニットだといろいろ華やかな仕掛けもあるだろうと以前から楽しみにしていた。

でまぁ、ライブは予想以上の内容。SachikoとCHiKAはテンガロンハットにショートパンツというカウガールスタイルで登場。このユニットのテーマは「ナマ足」だそうで(笑)、実際楽曲の方はジャンルレスというかカントリーに限らずクラシックロックから民謡からオリジナルまで実に幅広い曲を歌っていた。それぞれ水準以上にアメリカーナを歌える基盤がある上に自在なハモりが乗って実に気持ちいい。さらに女性の企画ユニットに特有の「これ楽しいよねー」オーラが出まくりで(この雰囲気はどんなに上手くても若くても男には出せない)、個人的には相当に最高というかお腹一杯のライブだった。

次回は8月18日に曙橋でライブがあるそうで、見に行けたらいいなー。

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2009年5月23日 (土)

ウィンター・ガーデン:日本現代美術におけるマイクロポップ的想像力の展開@原美術館(2009/05/22)

この展覧会は日本の現代美術の新世代を国際舞台に紹介する目的で企画され、今年の秋からのヨーロッパ巡回を前に急遽原美術館での開催が決定したものだそう(参照:カイカイキキ国際交流基金)。「マイクロポップ」とは本展のキュレーター松井みどり氏の造語で、90年代後半から00年代前半のアーティストが持つ、断片を組み合わせたり時代遅れ・凡庸なものに新たな用途や意味を与えて独自の世界観を表現する芸術行為のこと。

で、美術展の感想だが、一言でいうと「悪くはないがなぜ原で」。現在の日本の美術シーンの切り口としてコンセプトはしっかりしている上に新規性はあるし(海外巡回が前提ならなおさら)、展示されている作品もそのコンセプトをしっかり裏打ちできるものだと思う。だけれど、出展作品がどれも比較的押し出しの弱いもので(コンセプトからして当然だが)、原美術館のスタイリッシュな雰囲気が干渉して妙に浮いてしまったり逆に埋没してしまったりと展示全体のレベル感・統一感がやや欠けてしまっている印象があるのだ。この展覧会はホワイトキューブで展示されるべきものではなかろうか。

そんな中印象に残った作品は、まずは落合多武の猫が坂道をずり落ちていく絵。シルエットだけのモノクロの図柄でそこはかとなく流れるユーモアが気に入った。ほかにはタカノ綾のスケッチの小品が原美術館の雰囲気の中で目立っていたのが印象深い。

なお、本日はオープニングレセプション。若手作家が多数出る日本の現代美術展ということもあってか、普通の美術ファンはあまりいなかった気がするけど業界の方々がそこかしこで挨拶を交わしてた。なんか見ていて飽きなかった(笑)。

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2009年5月22日 (金)

大倉山水曜コンサートVol.1174@大倉山記念館(2009/05/20)

久々の大倉山水曜コンサートは今年のシリーズ企画「うたのこころ」の第1回。フォルテピアノできくドイツリートと題し、シューベルトの歌曲集「美しき水車小屋の娘」が上演された。

ステージの真ん中にはフォルテピアノがどーんと置かれている。見た目は一見普通のピアノだが、よく見ると幅がとても狭く、そしてペダルが無い。音量の小さな古楽器で、声量を大きく取らないリートと相性が良いのだとか。

実際、コンサートはとても楽しいものだった。オペラほどの押しつけがましさが無く、声の美しさを素直に感じることができる。またフォルテピアノの音色も弦の振動がそのまま伝わってくるような繊細さと伸びやかさが共存したものだった。

シリーズ企画ということでチケットはいつもより高い2,500円だったが十分その値打ちはあり。今年の他のシリーズコンサートが楽しみになった。

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2009年5月17日 (日)

稲垣貴庸Big Band@新宿SOMEDAY(2009/05/16)

何も予定のはいっていないのんびりした週末。夜はライブに行こうと思ったが馴染みのあるアーティストが出ているイベントが見つからない。それなら久しぶりにビッグバンドにするかな、ということで新宿SOMEDAYに。

今夜出演の稲垣貴庸Big Bandはオリジナルとスタンダードを織り交ぜて披露。とてもオーソドックスなアレンジと併せ、ニューヨークのジャズクラブにレギュラー出演しているようなビッグバンドを思い出した。こういうライブもやっぱいいもんだな。

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2009年5月15日 (金)

Who the Fuck vol.8{つしまみれ/Who the Bitch}@渋谷O-West(2009/05/13)

先日拾ってきたライブ情報誌でつしまみれが出るイベントを見つけた。Who the Bitchというバンドの2マンイベント。ちょうどロックなライブに行きたいと思っていたところだし、彼女らが出るなら間違いがないだろうと思って出かけることに。会場はちょっと久しぶりの渋谷O-WEST。会場に入って驚いたのは外人客がちらほらいること。さすがアメリカツアーをコンスタントにやってきただけのことはある。あと、ギャルバンのイベントなのに客の男女比が2:1ぐらい。女性の支持があるギャルバンは本物だよな。

つしまみれは最初に登場。知らない間にメジャーデビューが決まっていって、更に今年は結成10周年なのだとか。彼女らのライブはニューヨーク在住時代から見ているので10年とは言わないが5年ぐらいのつきあいになる。当時からはかなり音楽性も代わり、どんどんライブ映えのするバンドになっていった。それでも当時からやっている曲も何曲か披露し、なんというかKnitting FactoryやSouthpawでの思い出が走馬燈のようにぐるぐると(笑)。しかしデビュー10年か。とてもそんな風には見えないなー。

2番目に登場したのがWho the Bitch。ギターとベースが女性のスリーピースバンドというと普通にバンドの編成だが、女性ツインボーカル、ユニゾン、ジャンルはパワーポップとなるとどうしてもPUFFYと比較してしまう。個人的には「PUFFYがnice.以降アメリカ式に正しく進化していけばこうなったろう(なって欲しかった)」的な感じ(両者にとって納得の行く比較かどうかは判らないが)。正直、好みにモロにストライクのタイプの楽曲で、久しぶりにライブ会場でCDを買ってしまった。パンクやグランジ、レゲエの要素のある曲まで演奏して結構楽曲の幅はあるのだが、女性ユニゾンという特徴が個々の楽曲をまとめていてバラバラには感じない。

このバンドはイベントを知った時点では全く知らず、調べてみたらボーカルがehiという名前で「え、Patty's Oblien?」と思い、なおかつ記憶の底からそんなバンド名が出てきたのに自分で驚いた。Patty's Oblienは10年ほど前に活動していたユニットで、売れはしなかったがI'm in Blackというデビュー曲が妙に気になり記憶にあったのだ。その当時はちょっと不思議ちゃん的な浮き世離れした印象があったのだが、その後10年間音楽を続けてきて、そして堂々たるロック姐ちゃんになって、なんというか、人間って、音楽って、すばらしい。

てなわけで久しぶりにとことん楽しかったライブ。たまにこういうライブに当たるからロック系のライブはやはり見に行くのをやめられない。

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2009年5月10日 (日)

SHIME@綱島Blue Corn Cafe(2009/05/09)

ぼちぼち週末の時間の使い方も安定してきて定期的にブルコンに出かけられるようになった。良いことだ。今夜の出演はSHIMEというアーティスト。ギターボーカルにパーカッションのサポートという二人の編成で、アメリカのクラシックロックのカバーをやっていた。癖の少ない聴きやすい演奏で酒が旨い。2セット目はオリジナル中心にやるとのことだったんだけど酒が思ったより回ってしまい、今夜は1セット目が終わったところで引き上げた。

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2009年5月 7日 (木)

戸川純@南青山MANDALA(2009/05/06)

今夜の戸川純のライブは偶然に南青山MANDALAのスケジュールで見つけた。へー名前見るの久しぶりだなこんなところでライブやるんだと店にチケットを買いに行ったら最後の一枚だった。なんという偶然。そんなわけで今夜は当然に満員で、というかテーブルはほとんど取っ払われて横に並んだ椅子席とあとは立ち見。若い人たちが多くてへぇと思う。あと、何故か客の喫煙者率が非常に高かった。

実は今回のライブは腰を壊して入院した後の復帰ライブで、腰を壊した後遺症でファルセットもまだ出せないそう。上に書いたように僕は興味本位で見に来たのだが、ファンの人にとっては大事なライブだったんだろうなぁ。ライブの内容は、上に書いたようなことを全く感じさせないもの、とは正直言えなかったけれど、それでもパフォーマンスの迫力と歌の世界観はすばらしかった。「蛹化の女」「さよならをおしえて」といった代表曲のほか、このライブの共同名義のピアニスト福原まりのバンドの曲も2曲。間に10分の休憩を挟んでアンコールの「パンク蛹化の女」まで2時間の熱演だった。。やはり一時代を築いた人のパフォーマンスには華がある。

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2009年5月 6日 (水)

Chris Potter's Underground@Jazz Standard(2009/05/03)

ニューヨーク最終日。今夜は当地の友人と夕食を兼ねてジャズを聴きに行こうと約束していた。約束した以上はいきあたりばったりでも困るので予約をしようとこの日のライブをいろいろ探してみたのだが、どうも「これ」というのが見つからない。結局は「Jazz Standardなら料理は外れないから…」といういたって消極的な理由で店を決めることにした。

が、来てみるとこれが当たりだった。Chris Potterはテナーサックスのプレーヤーで、多くの有名なミュージシャンのサイドマンを勤めてきたらしい。今回はタイトルの通り彼がリーダーのライブになる。ベースの代わりにギターが入るというちょっと変則的なカルテットで、全体的に少し地味目のモダンジャズだったのだがサックスとドラムの音が冴えていた。もちろんバーベキューも旨く(笑)、ニューヨーク最後の夜には申し分なし。さて、次に来るのは半年後ぐらいかな。それまでまた頑張んなくちゃ。

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2009年5月 5日 (火)

Krazy! The Delirious World of Anime + Manga + Video Games@Japan Society(2009/05/03)

現在Japan Societyでは日本の漫画・アニメ・TVゲームの3つのジャンルで"J-Pop Culture"を概観しようという展覧会Krazy!が開催されている。これは日本では見られない、とういかニューヨークで見てこそ価値のある展覧会なので、雨をついて出かけてきた。

残念ながら、1時間ほどかけて展示を見た範囲では正直あまりピンと来なかった。特に漫画では出展されている作品は面白く、アフロサムライから鉄コン筋クリート、さくらんといったいかにもというあたりから横山裕一のニュー土木のようなマージナルな作品、またJ-POPの源流としてきちんと江口寿志を取り上げているあたりもちゃんとしている。でも「日本のマンガカルチャーにはこんな作品がある!」という驚きに頼っちゃってるように見えるんだよなぁ。アメリカ人向けの展覧会としては正しいのだけれど、日本人が見るものとしては、サブカルチャーとして消費している作品をアートの文脈に置いたときに見え方が変わる、というケミストリーを出すためのキュレーションが欲しいと思ってしまうのだ。

また、ビデオゲームやアニメの展示内容が漫画とリンクしていないように見えるのも気になった。特にビデオゲームはパックマン、マリオとゼルダだけで全般的に物足りなかったな。ビデオゲームとしての完成度・市場への影響ではなく、他の文化エリアへの影響ということであれば別の作品を取り上げることもできたと思うのだが。

この展示会では関連イベントも多数開催しており、またカタログも分厚くてテキストも多い。本来そういった関連の活動も含めて意義を評価すべきなのだろう。そのあたりまでじっくり取り組むつもりの人はぜひどうぞ。

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2009年5月 4日 (月)

Pink Noise@Union Pool(2009/05/02)

今日の夕方はWilliamsburgで買い物があり、そのままUnion Poolに流れてきた。ここはブルックリンらしいヒップな若者が集まるバーで、加えてバースペースから独立したちゃんとしたライブホールも持っている。ライブホールは広さはそれほどでもないが古びた絵が壁にかかっていたりして雰囲気は最高。Williamsburgも川沿いは再開発で高層マンションが立ち並びすっかり印象が変わってしまったが、Union Poolの周りは僕が住んでいたころと変わらない。

ガイド誌には8時開始と書いてあったのでその通りの時間に行ってみたら実際には9時半開始だと。そう言えば前回来た時もそんなことを言われた気がする。仕方ないので前回と同じくパティオに出てビールをあおりながらBQE(Brooklyn Queens Express)を眺める。タコスを売る台(なぜか自動車)が出ているのが3年前からパワーアップしている点か。あの時は帰国後はこういう場所にはもう来ることもなくなるんだろうなと感傷的になったりもしたのだが、何のことはなくまた来ている。歳を取ると世界が狭くなるものだ。

今夜出演のPink Noiseは女性ボーカルのハードコアバンド。知らない名前だったのだが会場は満員で声援が飛び交うなどかなりの人気のよう。あまり得意なジャンルの音ではないのだが、ボーカルの甘い声が魅力的で最後まで飽きずに聴くことができた。本当はここからもっと面白いバンドが出るのだが、開始時間が押したこともあり僕にとってはここで時間切れ。ハコから一人そっと引き上げた。

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Karrin Allyson@Birdland(2009/05/01)

今夜は友人とミッドタウンで食事したあと8時半とちょっと早めの時間に解散。せっかくだからライブを聴いて帰ろうとBirdlandに。場所と時間で選んで出演をちゃんと見てなかったのだが、Karrin Allysonという女性ボーカリストのステージだった。

ライブはとても聴きやすいもので、ボサノバとアメリカーナが半分ぐらいずつ。僕が座った席はステージの真横で、雰囲気も含めたっぷり堪能できた。

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2009年5月 2日 (土)

Yahoi Kusama - A Retrospective@Gagosian Gallery(2009/04/30)

先週の土曜日からアメリカに出張に来ている。前半のオーランドはライブハウスやギャラリーに出かける時間も方法も無かったのだが、本日移動してきたニューヨークはそのへん若干の自由が利く。今日もホテルへの移動の合間に少し時間があったのでチェルシーのギャラリー街を覗くことができた。

ちょっと面白いかな、という展示もいくつかあり、全体的にハズレではなかったんだけれど、紹介エントリを一本書くほどのものは少なく、Gagosianでやっていた草間彌生の回顧展がやはり一番書きやすそうだ。この回顧展はそこそこのボリュームのもので、屋内には平面作品と「鏡の部屋」、そして駐車場をシャッターを上げたままオープンスペースにしている場所で直島にもある水玉のカボチャという構成になっていた。面白いな、と思ったのは平面作品で、彼女の作品を論ずる際にはやはり立体作品の強烈な世界観が最初に来てしまうと思うのだが、平面作品だけをまとめて見ると非常にオーソドックスな抽象絵画で、とりわけ端正な構成の裏側にある強靭な知性が伝わってくる。展示のキュレーションも最初は平面作品だけを見られるようにしたもので(水玉カボチャは先に書いたようにドアが別になったスペース、鏡の部屋は部屋の中に小部屋を作り入り口を暗幕にしてある)、平面作品もじっくり見て欲しい、という意図があったのではないだろうか。

ギャラリーとは思えない良い企画。日本にも巡回しないだろうか。

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