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2009年2月22日 (日)

月のご馳走 vol.42{佐藤ひろこ/拝郷メイコ/服部祐民子}@江古田マーキー(2009/02/21)

今週はライブが続く。今夜の会場は江古田マーキー。SSW系のライブをホストするハコとしては東京でも老舗で、実際僕の聴くアーティストも何度もここでライブをやっているのだが、どうにも遠いイメージがありなかなか足を運ぶ気になれなかった。今夜のイベントは見に行きたいなぁ、と思ってちゃんと調べてみると大江戸線で一本(新江古田駅)だったということが判明し、なんだ食わず嫌いをするんじゃなかったと。店はビルの地下2階にあり、スタンディングではなくテーブルでもなく講堂のようにベンチが並んでいるというちょっと面白い作りになっている。その分立ち見のお客さんはバー前の狭いスペースに押し込まれて気の毒だったが…。

最初に登場したのは佐藤ひろこ。初めて聞く名前だったが結構キャリアのあるシンガーソングライターのよう。ソウルフルな歌声と足が地に着いた歌詞の世界観の組み合わせが面白く、人を引き込む強い力がある。

拝郷メイコは2番目に登場。ここしばらくのライブの中ではかなり気合いの入ったものだったんじゃないだろうか。定番曲の「海月」など鬼気迫ると言っていいほどのもの。いつものショウマンシップあふれるMCをたっぷり挟んだセットだったが、僕は終わったときに緊張が解けてほぅと声を漏らしてしまった。ハコの音響か、透明感は普段ほどには感じなかったが、一つ一つの音、というか声がコントロールされていることがよく分かる。歌の中で勢いで流してしまっている部分はないんだろうなーこの人は。

トリは服部祐民子。彼女の名前は10年以上前から知っていて、いつかはライブを見てみたいと思っていた。弾き語りを始めたのはここ1年ほどのことだそうで、昔から弾き語りをしていたような印象があったのでちょっと意外。ライブは男気あふれるというか男臭いとすら言っていいほどのもの。フォーキーで力強いギターに青臭いほどまっすぐな歌詞が乗る。30代の半ばでこういう曲を歌えるなんてなんて素敵なことなんだろう。終演後に当然ながらアンコールがあり、10年前の曲だけど今日来てくれた人と縁がある曲なので、と「アドバルーン」という曲を歌い始めた。今の曲ほど濃くはないがこれもいい曲だなーと思って聴いていると、サビのところであっと思った。10年前にTVKで、おそらくライブのCMで何度も流れていた、僕が彼女の名前を知った曲だったのだ。時間が10年前に戻ったような、不思議な気分になった。

とにかく充実した時間を過ごすことができた。わざわざ出てきた甲斐は十分以上。帰国してからのベストライブだったかも。

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2009年2月21日 (土)

madoca@渋谷7ef(2009/02/20)

渋谷7efは名前の通り渋谷駅前の雑居ビルの7階に入っているミュージックバー。本当に駅前と言っていい場所で、そこにこんなマッタリしたバーがあるとはかなり意外だった。普段だったら隠れ家と言って良い店なんだろうけれど今日は客が大入りで立ち見客をかき分けてトイレに行くにも一苦労。

今夜はブッキングで3組が出演。最初のアーティストはちょっとタイプが合わなかったので感想はパス。地声と裏声を使い分ける、面白いスタイルの人だとは思ったけれど…。

で、今夜の目当てのmadocaは2番目に出演。今夜はギターとベースのサポートが入ったアコースティック。サポートは二人とも音楽学校の時からの友人だそうで、そのせいかとてもリラックスした雰囲気のライブだった。前回のライブで気になった固さが取れ、新しいスタイルでやりたいことが自然に伝わってくるような内容。これならこれからも安心して聴きに来れる。もうちょっと明るめ・アップテンポな曲を増やしてもいいと思ったけれど、それは新しいスタイルがこなれてからでもいいのかな。

トリに出演したのは登坂亮太という男性ボーカリスト。プロのコーラスマンで大きなフェスやコンサートにも出演しているようだ。今夜はキーボードとパーカッションがサポートでの編成。これもまた楽しめた演奏だった。タイプは下北のアコースティック系のハコでよく聞くタイプの男性ボーカルで、とにかく気持ちの良い声ですっと耳に入ってくるのが良い。女性ボーカリストをゲストに迎えてデュエットを1曲やったり、MCなども含めて余裕綽々。良い物を聴けた、と素直に思えた。

これで1,500円なのでとてもいいライブ。このハコはこれからもちょくちょくスケジュールをチェックしようかな。

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2009年2月20日 (金)

土岐麻子@恵比寿リキッドルーム(2009/02/19)

なんだかんだ言いつつも帰国後毎年出かけている土岐ちゃんの新春ライブ。いつの間にやらアルバムがオリコンデイリーチャートに入ったりしてすっかりブレイクしてしまった彼女だが、今年の会場はリキッドルーム。新宿から恵比寿に移転したのは知っていたが訪れるのは今回が初めてになる。妙に階段を上り下りさせる設計やホール内部に邪魔な柱がある作りは新宿時代と同じ。まぁロック向けのコヤだしこれも味なんだろう。

去年のライブではAORなシンバルズという感想を書いた記憶があるが、今年はそれがさらに進んでほとんどシティポップス。だけどそれがちゃんと個性になり今風の音になっている。普通の歌手がこういう曲を歌うとクドくて懐メロになっちゃうだろうけど、彼女の薄々だけど清涼感のある声で歌うと「あは~、いい気持ちだ~、ちにゃ!!」となる(それはトキ違い)。本人も「今のポップスとしてこういう音を出せるのはアタシしかいない」と自信を持っているのが伝わってくるのも良い。

だけど、アンコールで披露したのが以前からの持ち歌のSeptemberやTake Me Out to the Ball Gameだったりして、ほんとはこっち系の歌を歌いたいのかなとも思う。そしてそっちの歌には2年前のライブで感じた物足りなさが残るのもまた事実だったりする。

ともあれ、5月にはビルボードライブ出演が決まったという彼女。間違いなく今は乗っている時期だろう。またライブを見に行くだろうな。

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2009年2月15日 (日)

青木カレン@代々木NARU(2009/02/13)

先日出かけたブルーエアロノーツのライブの時にClub IKSPIARIのスケジュールで青木カレンの名前を見つけた。彼女のCDは以前に買っていて(確かAmazonで「これもお勧め」表示されてそのまま買ったんだと思う)、結構良かった記憶があった。Webで検索して代々木でライブがあるのを見つけ、値段も手頃だったので出かけてみることに。

会場の代々木NARUはお茶の水の有名店の姉妹店らしい。小さめの喫茶店の真ん中にグランドピアノを置いたようなかなり無理矢理な作りになっている。予約無しに開演30分前に入ったらピアノすぐ横の大テーブル席に案内してくれたが、しばらくしてから入ってきたフリー客はカウンターに案内されていた。実際店内は満員で、まぁイクスピアリでライブできる人が定員30人ちょっとの店でやるんだから当然かもね。

ライブはボーカル、ピアノ、ギタという編成。CDはかなりクラブ寄りだったという印象があるのだが、今夜のライブは日本の女性ジャズボーカリストとして割と平均的なセット。ちょっと肩透かしではあったがレベルが低いわけではなく、2,625円とは思えないような演奏を楽しめた。

ちょっと誤算だったのは大テーブルの他のお客さんがカレンちゃんファンクラブみたいなノリの人ばっかだったこと。それが悪いと言うことではないが、今夜は静かに音楽を聴きたい気分だったので、これならカウンターで静かに聴いていた方が良かったな。

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2009年2月12日 (木)

ジム ランビー : アンノウン プレジャーズ@原美術館(2008/2/11)

今日は祝日。特に用事も無く見たいライブも無いのでゆっくりとギャラリーで過ごそうかと原美術館に行ったらかなりの混雑。行列ができるほどではないがどの部屋にも何人も人がいる。何かあったんですか、と学芸員に尋ねたら先週の日曜美術館で紹介されたらしい。

現在開催中なのはジム・ランビーの個展。イギリスの現代美術作家で、床にテープを貼る作品で知られている。今回会場に入ったらチケットブースの裏側にまでぴちっとテープが貼られていて笑ってしまった。彼は虹のようなカラフルなテープを使うこともあるが、今回のテーピングは白と黒。同心円の弧を重ね合わせた眺めはまるで流れる水のようで、そこにコンクリートキューブを配した姿はイギリス人による枯山水の解釈としてベタ過ぎるかもしれないが強い説得力がある。もう一つ、これは歩いて見ないと分からないのだが、テープを踏んだときのぬめっとした感触はとても官能的だ。

印象的だったのは2階の作品で、もちろんテーピングとコンクリートキューブのインスタレーションがなされた上で、3つの部屋ごとに1つの扉と1つのポスターが配されている。扉は原色に塗られてノブがいくつも付いており、半開きになっていて扉の動きを示す部分にもテーピングがなされている。そして、ポスターには油絵の花がコラージュされている。で、赤のドアの部屋は、ドアの作品名がMaybellene"でチャック・ベリーのポスター、黄色のドアの部屋はドアは"Plastic Ono"でジョン・レノンのポスター、そして青のドアの部屋のドアは"Kinda Blue"でマイルス・デイヴィスとビリー・ホリディのポスター。このストレートさが気持ちいい。

作品を見て知識をつけるというよりは空間を楽しむ展覧会で、3月末の会期末までにぜひ再訪してみたい。あえて難を付けるとすれば、原美術館の常設作品とのコラボレーションを見たかった。レイノーズ・ルームとか、テーピングで印象が変わるところを見てみたかったのだが…。

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2009年2月 9日 (月)

複々製に進路をとれ 粟津潔60年の軌跡@川崎市市民ミュージアム(2009/02/08)

久しぶりの川崎市市民ミュージアム。今日は昼間にゆっくり時間を取れるので出かけてみようと思い立った。普通は武蔵小杉駅からバスに乗るのだが、今日は川崎駅からの直通バスで40分。ちょっと風情のある下町を通るバスで悪くない。

現在開催中なのは粟津潔の個展。この展覧会は開館20周年記念展で、彼は川崎市市民ミュージアムでロゴマークのデザインを手がけたり資料収集委員長を務めたりと非常に深い縁があるらしい。今回の展示会は彼のアーティスト活動60年間を振り返るものになっているそうだ。

僕は彼の名前を知らなかったのだが、展示には見覚えのある作品が出ていた。「心中天網島」のポスターなどの60年代の一連のグラフィック作品がそれで、実は僕はこれらの作品は横尾忠則の作品だと思っていた。展示は時代ごとに区切られており、他の時代にはペインティングだとか写真だとか普通のポスターだとか版画だとかが並んでいる。どの時代にどのような作品が作成されたかが解説が付いていて親切だった。

僕のような人間が予備知識無しにぱっと見ると時代ごとに「まんま横尾忠則」とか「まんまウォーホル」とか「まんま靉嘔」みたいな作品が並んでいて、正直ちょっと困る。一方で美術史的には存在のある人なんだろうなぁ、と言うのがなんとなく見当がつく。今の視点から見ると手垢の付いた表現でも、新しいスタイルとして世の中に出てきた時にそれを解釈して位置づける人は必要だったんだろう。確信犯的な展覧会タイトルもそのへんのことを語っているような気がする。

そんな訳で、個人的にはちょっと外したかな、というところだった。

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2009年2月 6日 (金)

Gretchen Parlato@丸の内Cotton Club(2008/02/05)

先週コットンクラブからダイレクトメールが来た。来週のGretchen Parlatoのライブを自由席5500円のところ3000円でご優待というもの。普段は一人でふらりと出かけるにはちょっと敷居の高いハコだが、3000円ならしばらくぶりに出かけてみるかと予約を入れた。開演1時間前に入るとまだまだ空いていてステージ最前列の席に案内してくれたが、開演時にはいい感じの入りになった。

キャッチコピーはジャズ界の新歌姫・NY直送のサウンドということだったのでなんとなくイメージがあったのだが、聴いてみると結構印象が違った。浮遊感のあるウィスパーボイス、選曲も全然ゴリゴリしていないもので、ニューヨークというよりはむしろ日本のクラブジャズのシンガーに近いんじゃないかしら。がっかりとか言うことではなく、哀愁と滑らかさを持つ歌声は実に日本人好み。サービス価格を出してでも聴かせたかった自信アーティストなのがよく分かる。これから結構名前を聞くようになるんじゃないかな。いいものを聴いた。

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2009年2月 2日 (月)

Blue Aeronauts Orchestra@Club IKSPIARI(2009/01/31)

ブルーエアロノーツオーケストラ前回ライブを見てから1年以上になる。今回のライブはClub IKSPIARIで、実は今回が初めて行くハコになる。僕の好きなジャンルをホストしているし実際行こうかと思ったライブもあったのだが、舞浜って遠い気がしてつい後回しにしていた。今日は休日だし一度ぐらいは行ってみるかと足を運んだ。

開演よりかなり早い時間に着くがまぁイクスピアリで暇をつぶせるかと思っていたが甘かったというか夢の国をナメていた。ディズニーランドの中でもないのに男一人が浮くこと浮くこと。喫茶店でさえ周りはレジャー客ばかりだったので諦め、かなり早い時間に入店することに。店内はもちろんジャズクラブらしいシックなものだが、ブルーノート系列のようなやりすぎ感は無い。場所柄ことさら非日常感を強調することもないと言うことなのだろう。2月のスケジュールを貰ったので眺めていたら15日に鼠先輩が出ることになっていて笑った。ミッ○ーに怒られたりしないのか、鼠先輩。開演時間の8時が近づいてきてふと周りを見渡すとちらほら立ち見がでるほどの満員。早めに入っておいて良かったんだな。

今夜のライブは入れ替えなしだが休憩の入る2部構成。休憩部分を抜いても正味2時間たっぷり演奏してくれた。2部では去年のジャズフェスで披露したという8人編成の曲やミュージカル・ウエストサイド物語からのカバーなど、いろいろなジャンルの曲を披露してくれた。

これは前回感じたことと重なるが、とにかく力の抜け加減がプラスになっている。このメンバーでアルバムをもう一枚作りたいという欲もあまりなさそうで、サイドプロジェクトとしてのビッグバンドによくある実験目的ではなく、同年代の女性ミュージシャンで集まって音を出すのが楽しいのだろう。セット最後の曲はSing Sing Sing、アンコール曲はTake the "A" Trainで、どちらもアレンジはほぼオリジナルのまま。これとメンバーのオリジナル曲とを並べて演奏できるのはこのバンドならではだろう。

お遊びの分あまり本数をやれないのは分かるが、何とか半年に一度ぐらいはライブやってほしいな。今日もとても楽しいライブだった。

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2009年2月 1日 (日)

mouve@HMV横浜VIVRE店(2009/01/31)

mouveは六本木vanilla moodで去年の7月にライブを見たことがある。女性ボーカルにピアノ・ベース・ドラムというバンドで、ジャズやソウル色の強い大人のポップスをやっていて僕の好みにかなりストライクだった。その後しばらく名前を忘れていたのだが、最近モーションブルーヨコハマのスケジュールをチェックしていたら2月3日にライブがあることを発見。へぇこんなハコにライブが入るようになったんだ、とさらに調べてみると、最近「光と影」というアルバムを出したこと、そのレコ発イベントがHMV横浜VIVRE店であることが分かった。前回のライブの印象は良いものだったから、アルバムも気に入るだろうと思ったので、綱島で用事があったついでに出かけてきた。

3時の開始時間になってもステージ前にはあまり人がいなかったのだが、いざライブが始まると足を止めて見入る人が出始め、最後はなかなかの盛況になった。アルバムは全曲オリジナルだけれどもライブではスティービー・ワンダーのカバーも披露。なんか、無料ライブなのにvanilla moodの時よりかなり良くなっていてちょっと悔しい(笑)。こういうジャジーでノワールなポップスってほんとツボなんだよなー。

インストアライブなので30分とちょっと短めだったが満足の行く内容。もちろんアルバムも購入した。7曲入りだがイントロやインターリュードがあるので実質5曲のミニアルバム。ただどの曲も6分ぐらいとしっかり長いし内容は想像していた通り。夜にゆったり過ごす時間の良いお供になりそう。

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