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2008年10月26日 (日)

米田知子展@原美術館(2008/10/22)

原美術館では現在写真家の米田知子の個展を開催中。今回展示されている作品は、一軒何気ない風景に見えて実はワケあり、という風景写真が中心。ノルマンディー上陸作戦の舞台になった海岸だったり、中朝国境の川だったり、北アイルランドなどの紛争地だったり。現代美術の作品としては「あり」なんだろうけれど、個人的にはあまり納得が行かない作品が多かった。写真の方が本当に何気ない風景写真で、キャプションを見て始めて納得が行く、というのでは写真を表現手段として使う意味が無いと思うのだ。普通の風景写真にしか見えないのだが何か異様なものを感じて…、というのが無ければ。展示写真の中では朝鮮半島のDMZやサラエボのサッカー場を題材にした「地雷原」(タイトルの通りその風景の地面の下には地雷が埋まっている)はそれに成功していると思う。ま、「いや、他の写真もそういうオーラを出している。気が付かないのはお前が鈍いだけだ」と言われちゃうとぐぅの音も出ないのだが。

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2008年10月23日 (木)

Octorber Song Book'08{川崎萌/伊藤サチコ/拝郷メイコ}@赤坂グラフィティ(2008/10/19)

出張から帰ってきてやっと一息。久しぶりに日本語の歌が聴きたいなぁ、と思い、赤坂グラフィティの女性SSWのイベントに。最初に登場した川崎萌はとてもフレッシュな印象。下手とかぎこちないとかではなく、人前で歌うことにすれていないというか。曲もとても素直な感じだった。

次の伊藤サチコ。名前は以前から知っていて、ライブで聴いてみたいと思っていたアーティスト。思っていたよりもちょっとタイトというかクールな歌で少し意外。ピアノ弾き語りだったんだけれども、バンド編成のほうが似合うんじゃないかな。

トリは拝郷メイコ。彼女のライブは5月のワンマン以来だからもう半年ぶりくらいになるのか。新曲も2曲披露し、イベントなのにアンコールまでやってくれて満足。

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2008年10月21日 (火)

The Shirley Johnson Blues Band@Blue Chicago on Clark(2007/10/16)

長かった出張もようやく今日のシカゴで終わり。参加していた展示会が終わり、レポートを書き上げてからジムで一泳ぎした後にライブに出かけることに。

今回泊っているホテルはダウンタウンから遠く馴染みの無いエリアに出かけたくはなかったので、6月の訪問時にも足を運んだハコBlue Chicago on Clarkに。今夜の出演は木曜レギュラーらしいThe Shirley Johnson Blues Band。前回も感じたようにさすが本場という力強いブルーズ。長かった出張の疲れが一気に吹きとんだ気がした。

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2008年10月15日 (水)

Renee Rosnes Quartet@Dizzy's Club Coca-Cola(2008/10/12)

今日の夕方も友人と食事をしながらジャズを聴こう、という約束をしていた。イベントのスケジュールを眺めてみても特にこれは、というものが無かったので、じゃあしばらく行ってなかったDizzy's Clubにするかという安易な理由で予約。今週は女性のジャズプレイヤーの特集で、本日の出演はRenee Rosnesというカナダ人のピアニスト。

友人と待ち合わせて開演1時間前に店に入ったら、最前列、それもピアノの真正面の席に案内してくれた。予約時に特に席の好みを伝えてはいないし、もちろん特別なコネがあるわけでもない。このハコはステージの真後ろの壁が一面ガラスになっていてニューヨークを見下ろすことができるので、他のハコよりも最前列の席の値打ちがあり、これは嬉しい。

肝心のライブも予想以上に素晴らしいものだった。強い個性を感じるわけではないのだが、スタンダードから自作曲まで、静かな曲から激しい曲まで、一つのセットの中で広い幅を確保しており、どの演奏も納得できるものだった。サイドプレイヤーもみなレベルの高い演奏をしていて、30ドルのチャージが申し訳ないほど楽しめた。ニューヨークのジャズはやっぱりいいな。

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2008年10月13日 (月)

Lee Ufan展@PaceWildenstein Gallery(2008/10/11)

まだまだ出張は続く。この週末はニューヨークにやってきた。月曜日にニューヨーク支社に顔を出すまでは自由時間なので少し息をつける。買い物だとか友達に会うとかやることはあるのだが、その合間にやはりギャラリーめぐりを。

今この日記でニューヨークのギャラリーを取り上げるとなると「横尾忠則展はどうなっていますか」と聞かれそうな気がする。そう、現在Friedman Bendaギャラリーで横尾忠則展は確かに開催中で、一応見ては来たのだが、結論としては今ひとつ。出展されていた作品の多くは先日世田谷美術館を巡回していたもので、最近のY字路シリーズなどが中心。展示スペースも広めに取ってあったのだが、今これをニューヨークで展示する意義が伝わってこない。ギャラリーのキュレーターも困ったのではないか。

で、コメントは別の展示を。今回はPaceWildenstein Galleryで李禹煥展を開催していたが、これが素晴らしかった。「もの派」の中心人物であり、ちょっと前の世代の作家さんかなという印象を持っていたのだが、今回の展示はそういう歴史性の黴臭さを感じさせない現役感バリバリのもの。ほとんど造形の手を加えていない石と鉄板によるインスタレーション、真っ白いキャンバスに、あるいは壁そのものに一つのストロークだけを置いた絵画など、静謐さと緊張感の両方を感じさせるものだった。

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2008年10月12日 (日)

Nedko Solakov展@Kunstmuseum Bonn(2008/10/10)

出張はまだ続いていて、今週はドイツのボンに来ていた。滞在中に音楽を聴きに行きたいと思っていたのだが、小さな街だけに面白そうなイベントが少なく、結局スケジュールが合わなかった。せめてギャラリーぐらいはと思い、最終日の会議の終了後、空港に向かう前の待ち時間にホテルの近くの美術館に。

Kunstmuseum Bonnは公立の近現代美術館。コレクションの軸は「アウグスト・マッケとライン印象派」および「ドイツの戦後美術」。前者は有名作家の作品もほとんど無く個人的にはあまり面白くはなかったが、ドイツ戦後美術のほうはキーファー、リヒター、ペンクなどのビッグネームの作品が並んでいて見ごたえがある。しかも知名度の低いドイツの作家と並べて展示されているのでドイツ美術という枠組みの中での位置付けも何となく分かるというオマケ付き。この美術館のためにわざわざボンに行くほどではないが、ボンに用事があるのなら立ち寄ってみて損は無いと思う。

ちなみにこの美術館は企画展もやっていて、現在開催中だったのはNedko Solakovという現代美術作家の個展。ビデオ作品とインスタレーションが中心で、正直あまりピンと来なかった…。

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2008年10月10日 (金)

Atsuko Kamura@Cafe OTO(2008/10/04)

ロンドン滞在中に一度くらいはライブに行っておこうとTimeOutのMusic欄を眺めていた。あまりぴんとくるものがないなぁと思いながら読み進めていくと、Atsuko Kamuraという日本人っぽい名前が。調べてみると20年ほど前にイギリスでデビューしたFrank Chickensというユニットのボーカルの人がそのままこちらで活動しているよう。女性二人組みで海外でデビューして、というキャリアはチボ・マットの先輩みたいな感じだな。会場はちょっと街外れのエリアだがこれは面白そうということで足を運ぶことにした。

会場はCafe OTOというハコ。OTOは日本語の「音」である。名前の由来とかスケジュールのラインナップからして、おそらくニューヨークのStoneとか今は亡きTonicとかのようなエクスペリメンタル系のハコじゃないかという雰囲気があった。その想像はほぼ当たったのだが、内装はブルックリンのクラブに近いかな。広めのロフトに無造作にソファーを置きましたというゆるい感じが気持ちいい。

いかにもエクスペリメンタル、というバンド2つのあとにAtsuko Kamuraが登場。出している音は意外なことにフォーク系で、浅川マキみたいな感じ。歌詞も日本語だ。東京の古いジャズクラブでやっていても違和感の無い音をロンドンの街外れのクラブで流れていて、イギリス人ばかりの客が静かに耳を傾けている。なんだか不思議な体験だった。

実はセットの合間に少しお話しすることができたのだが、英語で話しかけられたので英語で答えてしまい、そのまま日本人だということを言い出せずにニューヨーク在住のアジア人というキャラで通してしまった。アツコさん、もしこれを読んでいたらごめんなさい…。

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2008年10月 6日 (月)

Nobuyoshi Araki: Bokuju Kitan@Hamiltons(2008/10/04)

今日も午後から時間が空いたのでギャラリーめぐり。有名どころの気になる展示は昨日廻ってしまったので、今日は小さめのところで気になる展示を廻ることに。ぱらぱらとTimeOutを眺めていると日本人らしい名前がいくつか目に付いたのでそれらを中心に足を運んだ。ギャラリーの雰囲気まで含めてどれも結構楽しめたのだが、一番インパクトがあったのはHamiltonsで開催中のアラーキーこと荒木経惟の「墨汁綺譚」展。

彼の個展を見るのは3年ほど前のニューヨークAnton Kern Gallery以来になる。その時は女性の緊縛写真を花の写真とコラボレートしての展示だったのだが、今回は直球の緊縛写真、しかも白黒で彼のパブリックイメージそのままのもの。実際新作ではなく過去30年の間に発表された作品から選ばれた展示らしいのだが、オリジナルプリントに墨で賛を書き込んだものが展示されるのは今回が最初だとか。実際、きめ細かな写真のテクスチャと墨のなまめかしさに圧倒される思いがした。

しかし、彼の作品を見るのは海外ばかりだな。日本で個展をやっていないはずも無いと思うのだけど、不思議と見つけられない。

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2008年10月 5日 (日)

Cold War Modern展@Victoria and Albert Museum(2008/10/03)

Serpentine Galleryからぶらぶら歩き、次に入ったのがV&A。今日の美術館めぐりの一番の目当てはここで開催されている企画展Cold War Modern。タイトルから想像が付くとおり、1945年~1970年の冷戦期のデザインに関する展示。欧米だけではなく東側ブロック、さらには中南米の作品なども展示されているのだが、日本や中国などのアジア圏はほとんど含まれていない。

V&Aというと工芸品というイメージがあるが、展示自体は芸術作品から報道展示までバラエティーに富む内容だった。この時代とテーマ、ぱっと見て面白い事を狙うのであれば大阪万博的なミッドセンチュリーデザインなり東側ブロックの濃い目のプロパガンダアートなりを中心に据えれば良いのだが、そこはあえてはずして渋めの展示になっている。冷戦期のデザインの流れを概観できる良質の展示になっていたのではなかろうか。こういう骨太の展示を見ると、日本の同時代を扱ったデザイン・工芸品展がビバ三丁目の夕日のレベルに留まっているのがちょっと悲しくなる。

日本人の視点から見て残念なのが、アジアの冷戦が全くスコープに入っていないこと。アジアは今でも冷戦真っ盛りなわけであり、先の北京オリンピックを見ても国威発揚のためのプロパガンダは現役だ。日本もその構造の一方の当事者であるし、朝鮮半島の状況はまたいろいろある。この種の冷戦構造と現在のデザインの組み合わせとを、欧米・ソビエト圏の冷戦時のデザインと比較できたらさぞ面白かったのにと思う。とはいえ、それはイギリスの美術館ではなく、日本人自らが取り組むべきテーマなんだろうが。

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2008年10月 4日 (土)

Cao Fei: RMB City@Serpentine Gallery(2008/10/03)

出張の途中でロンドンに来ている。金曜日の夕方にフリーになったのでギャラリーと美術館めぐりをすることに。最初に足を運んだのはSerpentine Gallery。Gerhard Richterの個展を開催中でそれが目当てだったのだが、入ってみるとTimeOutには載っていなかったCao Fei(曹斐)の展示をやっていた。

_cao_fei_a_mirage_cosplayers_series Cao Feiは名前の通り中国のアーティスト。彼女の作品は3年前にLombard-Freid Fine Artsで見たことがある。その時の作品は日本のアニメのコスプレを来た中国の若者を現実の光景の中において撮った写真とビデオだった。その後日本にも巡回してちょっと話題になったらしい。左はその時の作品。

で、今回展示されていたのは、セカンドライフ中に作った仮想の都市というかテーマパーク。RMB Cityという名前で中国のカリカチュアになっている。ちなみにRMBとは人民元のこと。そういえば10年ほど前のスワロウテイルという映画で近未来の無国籍アジアタウンの名前がYen Townだったなぁ。

話を戻すとRMB Cityをデモで見る限りありがちというか単体作品と比べてちょっと古めの3Dモデルなんだけれど(いやあるいはそれもコンセプトのうちなのか)、これをセカンドライフの中でやるということに現在の美術作品としての意味があるのだろう。僕はセカンドライフに詳しくないのでその当たりの手ごたえが実感できないのだが。ちなみに彼女のアバター名はChina Tracy。セカンドライフにアクセスできる人は覗いてみてはいかがだろうか。

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