2017年12月11日 (月)

葉栗里「ここにゆる」@NANATASU GALLERY(2017/12/03)

今日のお昼は西麻布のギャラリー、NANATASU GALLERYへ。現在開催中なのは葉栗里という彫刻家の個展。前回見に来たときに拾ったフライヤーの作品がとても素敵で、これはぜひ現物を見たいと思ったのだ。


ギャラリーに足を踏み入れてみてあれっと思った。想像していたよりも作品がかなり大きいのだ。だけれど不思議と重量感は感じない。クスノキという素材のせいだろうか、あるいはどこか浮遊感のあるポーズのせいだろうか。在廊だった作家さんはダイビングをされるそうで、そういった体験が反映しているのかもしれない。


作品のタッチは童話の挿絵のようにファンタジックで、また海産物を取り入れたユーモラスなもの。一方で技法は彫刻刀での彫り跡や木目を生かしたもので、そのバランスが絶妙に馴染みやすさと作品性を両立させている。


幼稚園とか小児科の病院とか、子供向けの施設にこういう作品が置いてあったら、その施設のことが信じられるような、そういう作品。こういう作品を見るとほっこりとした気持ちになるよね。
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2017年12月10日 (日)

笠井爾示写真展「東京の恋人」@渋谷ヒカリエ8/CUBE(2017/12/09)

今日は綱島の帰りにヒカリエに立ち寄る。現在8/CUBEで開催中なのは笠井爾示という写真家の個展。胸の谷間を露わにした女性のポスターに惹かれて展示室に入ったんだけど、展示の印象はずいぶん違った。

展示をパッとみて思ったのは「あれ、アラーキーの展示?」。エロティックでプライベートな女性の写真がずらりと並び、その中に風景などの写真がぽつぽつと交じっている。でも一つ一つの写真を見ていくと違いが見えてくる。被写体の女性がとても今風なのだ。僕はアラーキーの作品の中のエロスが例えばビニ本(笑)と地続きであることが分かるたぶん最後の世代じゃないかと思う。なので僕より若い世代はアラーキーの作品のそういう要素ってピンと来ないのではと思う。その部分を今のセンスでリメイクして若い世代にも伝わるようにしたこと意味があると思うなぁ。

まぁそんな小難しいことは言わなくても、世の紳士方には至って目の保養になる作品が並んでいる。渋谷でお時間があればぜひお立ち寄りを。

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2017年12月 5日 (火)

田村一個展「おばけの役割」@白白庵(2017/12/03)

今日の午前は白白庵に。現在開催中なのは陶芸家の田村一さんの個展。

彼の代表シリーズはぐにゃりと折り畳まれた姿のうつわと、それに添えられるように、あるいは包み込むように置かれた骨ばった手。器が折り畳まれた姿はまるでシリコンボウルを指で摘まんだようで、指を離すとすぐに弾力で元に戻ってしまいそう。

作家さんにお話を聞くと、もともと片口の注ぎ口をちょっと摘まんだところの姿が好きで、そこを深堀りしていって今のような姿になっているのだそう。ただ粘土はシリコンボウルのような弾力があるわけではないし、窯に入れて焼いてみたらイメージと違うことになることもある。うつわに添えられた骨ばった手は窯の中でうつわがイメージした形に仕上がるように守ってくれるもの、というイメージで、それが「おばけ」なのだと。なるほどー。

会場にはほかにも普段使いが酒器・テーブルウェアもたくさん。しっかりした佇まいで実用性も高そう。そのコントラストもとても面白かったです。

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2017年12月 2日 (土)

大槻香奈個展「生の断面 / 死の断片」@アートコンプレックス・センター(2017/11/29)

今日の夕方は信濃町のアートコンプレックス・センターに。目当ては今月初めから開催されていた大槻香奈さんの大規模個展。アートコンプレックス・センターには最近毎週来ていたのだけど、じっくり眺めるための時間と気持ちの余裕がようやくできた。

今回の展示で大きく取り上げられているテーマは「家」。デザイナーズ住宅などではない、ごくありふれた日本の家が、そこで営まれてきた暮らしの歴史は感じさせつつも、今その中にいる人の気配はあまり感じさせずに描かれている。

彼女のテーマである「から」、僕は「特定の時期までは人を守り成長を導くものだが、その時期を越えたら破って出て行かなければならないもの」と解釈しているんだけど、それがしっかり伝わってくる内容だった。

それには少女のモチーフと家のモチーフがしっかり噛み合ったことが大きいと感じた。少女を「から」として描くのはとても魅力的なのだけど、「『から』の特徴である時間の流れを少女を通じてどう表現するか」「中身の人格を『から』である少女という状態とどう切り分けるか」という矛盾や難しさもあると思う。過去の少女画はその矛盾・難しさを抱えた緊張が大きな魅力になっていたが、今回は家のモチーフが補助線となることで、少女だけを描いた作品も含めて「この表現はこういう意図だったのか」ということが次々に見えてくる。会場を廻るなかでまるで連続ドラマの伏線回収回を見るような快感があった。

今後どちらの方向に作風が変化していくのかもとても楽しみになった内容。次の展示も見に来なくっちゃな。

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2017年11月30日 (木)

メキシコ地震被災地支援・チャリティー頒布会@ときの忘れもの(2017/11/28)

今日の夕方は久々にときの忘れものに。今日から開催になるのはメキシコ地震の被災地支援を目的としたチャリティー頒布会。一律8千円で百点を出品し売上額の全額をメキシコに送金するというもの。

人気が無く売れ残った作品があれば引き取ろう、と思って出かけたのだけれど、何のことは無くほとんどの作品が売り切れ、知らずに来た人のために追加で出品したという作品が並んでいた。僕はその中から元永定正氏の版画を購入。作品そのものの持つ力はもちろんのこと。それが世の中で評価されてきた経緯というか歴史が纏わせる雰囲気というのを、最近意識するようになってきた。

チャリティー頒布会の初日ということで他のお客さんも多く、いろいろなお話を聴かせていただいた。今回もとても素敵な展示でした。

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2017年11月29日 (水)

「琵琶湖周航の歌」100周年記念音楽祭@京都大学百周年記念ホール(2017/11/25)

この週末は久しぶりに母校を訪ねる。今年は琵琶湖周航の歌が誕生して百周年で、それを記念した音楽祭が開催されるのだ。場所は京大の時計台下にある記念ホール。思ったほどには広くないホールで、500人ほど入ると満席になる。

音楽祭の前半はグリークラブ、マンドリンアンサンブル、吹奏楽団といった京都大学の音楽団体が琵琶湖周航の歌とそれぞれの持ち曲を披露。グリークラブが想像していた以上に良かった。男性コーラスってこんなに表現力豊かだったんだね。

後半は加藤登紀子さんのトークライブ。「百万本のバラ」など四曲を披露し、最後は会場の全員で琵琶湖周航の歌を大合唱。

100年の間ずっと歌い継がれてきて、しかも懐メロではなく常にその時代の大学生にとってのリアルな青春の歌であり続けてきた。そういう歌を自分たちの歌だと言えるのは幸せなことだなぁと改めて感じた一日でした。

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2017年11月27日 (月)

Slick Monk Sisters@ラドンナ原宿(2017/11/24)

今日の夕方は友人に誘われてSlick Monk Sistersのライブに。彼女たちのライブを見るのは4年ぶりで、場所も前回と同じラドンナ原宿。ショウやフードの値段の割にゴージャスな雰囲気のお得なハコ。

Slick Monk Sistersは女性3人組のボーカルユニット。ドリームガールズのようなゴージャスな衣装で鉄板の80'sミュージックを歌って踊る、とても楽しいライブ。今回は古い日本の歌謡曲から今風のアレンジのダンスミュージックまで幅広い選曲で時間を忘れるほど盛り上がった。

僕と同じか少し上の世代であれば絶対にハズさない内容だと思う。こういう完成度の高いショウに何も考えず身を任せるってやっぱり良いもんですね。

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2017年11月25日 (土)

神戸博喜・津田友子 二人展「華気楼」@白白庵(2017/11/23)

今日のお昼は白白庵に。現在開催中なのは画家の神戸博喜さんと陶芸家の津田友子さんの二人展。

神戸博喜さんは緻密な線描で花を描く作家。高密度で描き込まれた細い線が作り出すねっとりしたテクスチャーは銅版画を思わせる。線は一本一本面相筆で引かれているそうで、「引きそこなうことはありませんか?」と在画廊の作家さんに尋ねると「線を引きそこなうことはあまりありません。むしろ描いている途中で『この構図では上手くいかない』と気づくほうが辛いですね」とのこと。油絵と違って修正ができないし、確かにそれは辛いよなぁ。今回は球体に描いた作品やピンクで描いた作品なども面白い。

津田友子さんの作品は楽焼で、作品によるが手に持って見るとふわりとした軽さに驚く。見た目の持ち重りとのギャップや釉薬をかけていないところの手触りがまるでダックワーズのよう。スタッフの方が彼女の茶碗を3カ月ほど使っているというので新品と並べて見せていただいたところ、色合いや光沢などが全く変わっていた。初めは外側から吸った水分で色が変わり、やがては内側から染み込んだお茶が外側に達することでまた色が変わるのだとか。「器が育つ」という言葉は知っていたのだが、実際に見たことはなかったのでずいぶん驚いた。茶碗以外にもいろいろな作品が出展されており、特に豆皿などはリーズナブルなお値段。僕も黒の豆皿を一つ購入した。

どちらの作家さんの作品も確かな伝統の手触りと今の時代の感性とを併せ持っていて、このギャラリーらしい見ごたえのある展示だった。

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2017年11月23日 (木)

立澤香織個展@「花盛りと知ればこそ」@アートコンプレックス・センター(2017/11/22)

日の夕方は信濃町のアートコンプレックス・センターに。今回の目当ては立澤香織さんの個展。女性の姿をシンプルな線と大胆な塗りで描く作家さんで、彼女の作品を最初に見たのは2年前のこのギャラリー。それ以降東京での個展は毎回足を運んでいる。今回は今までの個展より少し広い展示スペース。

彼女の本領は女性が見せる仕草や感情の表れをシンプルな絵柄に生き生きと落とし込むことなんだけど、今回の個展ではそれに加えて女性の年齢ごとの描き分けが素晴らしかった。瑞々しい少女、成熟した大人の女性、その中間の年頃のそれぞれの雰囲気が、ああ確かにこうだよね、という説得力で表現されている。今日は作家さんも在廊でいろいろ話を聞くことができた。作品はたいてい目から描き始めるというは意外だったな。

良い意味でのポピュラリティーを持った、個人的には絶対にブレークすると思っている作家さん。ぜひ多くの人に見てみてほしい。

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2017年11月21日 (火)

ガーダー・アイダ・アイナーソン「Studies and Further Studies in a Dying Culture」@RAT HOLE GALLERY(2017/11/16)

今日の夕方は表参道で飲み会。開始時間より少し早い時間に着いたのでRAT HOLE GALLERYを覗いていくことにした。

現在開催中なのはガーダー・アイダ・アイナーソンというノルウェー出身の作家の個展。作品は基本的に文字やグラフィティなどをキャンパスに描いたもの。コンセプトとしては一見極端に尖ったところはないんだけれど、サイズや配色のバランス、あるいは筆のタッチの残し方などが絶妙で、見てみて「あぁいいなぁ」という作品になっている。

今回も間口の広い展示で、幅広い人にお勧め。このギャラリーを運営するヒスグラが好きな人なんかも気に入るんじゃないかな。

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