2018年12月10日 (月)

ニュー・ウェイブ 現代美術の80年代@国立国際美術館(2018/12/07)

今日は大阪への帰省のついでに国立国際美術館に。現在開催中なのは80年代の現代美術展。先月高松市美術館で同じテーマの企画展を見たので、国立国際美術館の方もぜひ見ておかないと、とスケジュールしていた。

その時考えていた予習はできないままで見に来ることになったんだけど、高松市美術館の時よりは時代の流れのようなものがすっと頭に入った。理由の一つは作品の制作年代が2年ごとに区切られていたこと、もう一つは出展点数が多かったこと。出展点数が多いことで「解像度が高い」とでも言う感じで企画意図が浮き出てくるような印象を受けた。

そしてもう一つ、出展作品のセレクションが、現役の作家が当時どんな作品を作っていたかという点よりも、当時の雰囲気を再現することを目指して行われていたような気がする。作家の生没年を見ると若くして亡くなっている作家がずいぶん多く、あるいはそういう作家の再評価のようなものも隠れた目的なのだろうか。

フライヤーに使われている中西學の≪THE ROCKIN' BAND: The Guitar Man≫があまりに強烈なので予断を持ってしまうが、実際にはとてもオーソドックスな展示。日本の現代美術の流れを知るために見ておくべき展示だと思います。

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2018年12月 9日 (日)

Emy Todoroki-Schwartz@アークヒルズクラブ(2018/12/07)

今日の夕方はアメリカで社会人修士コースに通ったニューヨーク大学の同窓会クリスマスパーティー。この会はなんとなく敷居が高い感じがして(僕は社会人コースだしね)今まで出たことは無かったんだけど、今回はピアノのミニライブがあると聞いて出てみることにした。ニューヨーク大学にはSteinhardtという文化・芸術部門に特化した教育学部があり、著名な音楽家を何人も輩出している。今回の演者、Emy Todoroki-Schwartzさんもその一人。

パーティーの余興ということで時間は短め。酒が入っていたので曲名はぱっと出てこなかったけど(『軍隊ポロネーズ』は入っていたかな)、クラシックの素敵なピアノソロを何曲か披露してくれた。こういう華やかな席で聴くピアノはいいものだな。彼女は日本を拠点に活躍しているようなので、機会があればリサイタルも聴きに行ってみたい。

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2018年12月 7日 (金)

沖昌之「残念すぎるネコ」写真展@72 GALLERY(2018/12/06)

今日の夕方は会社帰りに京橋の72 GALLERYに。こちらで開催中の沖昌之氏の「残念すぎるネコ」という写真展の案内をネットで見つけ、これは見ておかないと、と思って足を運んだ。

展示されているのは、とても人間臭い、それもちょっと気を抜いたり肩透かしになったり、といったシーンをとらえた写真ばかり。大股を開いて路上で寝転がったり、集団に一匹だけ遅れてついて行ったり、他の猫に顔を殴られて呆然としたり。「残念すぎる」というより、猫ってこういうところが可愛いんだよなぁ、という写真ばかり。ひょっとしたら猫の側では人間が見て感じるようなことは自分では思っていないかもしれず、むしろ人間の側の感情の揺れのようなものが表現されているのかもな、でもそれが写真という形になるというのは小さな奇跡のような偶然だよな、と思ったり。

展示ももちろん良かったのだけれど、同名の写真集もとても良かった。このタイトルにピンときた方にはお勧めです。

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2018年12月 6日 (木)

「音楽とマリー・ローランサン」展@マリー・ローランサン美術館(2018/12/05)

今日の夕方は赤坂見附でフリーになった。ふと「そういえばホテルニューオータニの中にマリー・ローランサンの美術館があったな」と思い出し、調べてみたら閉館時間に間に合うことが分かったので出かけてみることにした。

美術館はホテルのロビー階の一角にある、会議室2つほどのこじんまりしたスペース。実は僕はローランサンはそれほど好きではなかったんだけど、まとめて作品を見て印象が変わった。驚くほど強い目力のある作品もあるし、油彩、水彩、版画と異なる技法を手掛けていながらいずれも独特のテクスチャーがあって魅力的。なんだよー、こんなに良い作品なんだったらもっと強くプッシュしてくれたら良かったのに、と誰にともなく思ってしまった。

とっても残念なことに、このマリー・ローランサン美術館、年明けの1月14日で閉館することになったそう。ホテル需要がひっ迫する東京で、こういうブティック美術館が大手ホテルのスペースを使い続けるというのは難しかったんだろうな。コレクションは維持されるそうだが次に目にする機会がいつになるかは分からない。「あるのは知ってたけど足を運んだことはなかったな」という方、絶対出かけておくべきですよ。

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2018年12月 2日 (日)

Hisham Akira Bharoocha「Now Until The End」@SNOW Contemporary(2018/12/01)

今日の夕方はプールの帰りに久しぶりのSNOW Contemporaryの個展。現在開催中なのはHisham Akira Bharoochaというアーティストの個展。

ビルマ人の父と日本人の母との間に生まれ、北米の各地を移り住んでニューヨークを拠点に活動しているという氏の作品は、既存のイメージを組み合わせたものに手を入れたコラージュ的なものが多い。ニューエイジ的な奔放さを持つように見えて、実は色やパターンの組み合わせがとてもリズミカルになるように緻密に計算されている。

とっても現代美術らしい、見ていて楽しい作品。今回は良い展示に当たったな。

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2018年11月29日 (木)

多田圭佑「エデンの東」@MAHO KUBOTA GALLERY(2018/11/27)

今日の夕方はMAHO KUBOTA GALLERYに。現在開催中なのは多田圭佑氏の個展。

会場には「残欠の絵画」と「trace/wood」の二つのシリーズからの作品が展示されている。「残欠の絵画」のほうは積み上げられた本を描いた油絵。セピア色の古びた風合いになり所々が剥落した、いかにも由緒のありそうな、たとえて言えばクラシックホテルのバーの書棚のような雰囲気を漂わせているのだが、本のタイトルに目を凝らしてみるとゲームの攻略本や成年コミック誌などが混じっていてぎょっとする。他にもベストセラー小説や美術の専門書などが混じっていて、作家の手元にたまたまあった本を描いた、という趣向なのだろう。このギャップに気付いた時には「やられた!」と思った。バッドテイストものの現代アート、と言ってしまえばそうなんだけど、捻り方に一工夫あるなぁ。

もう一つの「trace/wood」の方は、木材をベースにしたアッセンブラージュに見える作品が、実は絵画に使われる素材のみで構成されているというもの。こちらは「そういうことか!」と驚くには予備知識が要るんじゃないかな。僕は解説を読んでも正直ピンと来なかった(いやコンセプトを読めば理屈は分かるんだけど)。

ともあれ、「残欠の絵画」シリーズだけでも見に来た価値は十分にあった。現代美術ってやっぱり面白いね。

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2018年11月28日 (水)

川島秀明 個展 [2001-2014]@8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery(2018/11/25)

今日の午後は久しぶりにヒカリエのTomio Koyama Galleryに。現在開催中なのは川島秀明氏の個展。しばらく前に見たな、と思って確認してみたら4年半前のことだった。時間の経つのって早いな。

彼の個展は六本木の小山登美夫ギャラリーでも同時開催中で、ヒカリエで展示されているのはアーティスト活動を開始した2001年から2014年までの作品になる。目・鼻・口だけで体の無い初期の作品から、人間の姿をとるようになった2014年までの作品を一度に眺めることができる。

何というか、僕にとっては難しい作品で、きちんとしたコンセプトを持っていることや、それが言葉で説明可能な部分と感じるしかない部分が絡み合ったアートならではのものであることまではわかるんだけど、それが具体的にどういうものであるかを感じられない、そこに手が届かないというのがもどかしい。まぁ、現代美術なので、そういうモヤモヤを感じられるということだけで充分良い作品ということになるのだけれど。これは六本木の新作展にも行かないとだめかな。

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2018年11月24日 (土)

起点としての80年代@高松市美術館(2018/11/22)

今日は仕事で高松に出張。無事一仕事終えて解放されたので高松市美術館に寄っていくことにした。19時までオープンしている美術館って有難いよね。

現在開催中だったのは開館30周年記念展という「起点としての80年代」という企画展で、タイトルの通り日本の80年代の現代美術をテーマとしたもの。大阪の国立国際美術館でも「ニュー・ウェイブ 現代美術の80年代」というやはり80年代をテーマとした企画展を開催中で、どうもこの年代が最近の美術史研究のなかで注目されはじめているらしい。1970年代までの「日本の戦後美術」(「具体」とか「もの派」とか)と、1990年代からは主流となったサブカル表現を巻き込んだ流れ(村上隆とか奈良美智とか)の間にある時代を見つめ直してみる必要がある、ということらしい。

僕はそのあたりの美術史的な知識は無く、80年代ってことは音楽やファッションみたいにバブリーでパヤパヤな感じの作品が多いのかな、みたいなつもりで眺めはじめたのだけれどまったくそんなことは無かった。僕が同時代の作家と認識しているアーティストのキャリア初期の作品が多く展示されていて、あまり30年前の作品という感じはしない、もちろん日比野克彦とか横尾忠則(当時の)とか、展示作品が時代の空気感を伝えてくる作品もあったんだけど。

そういう訳で普通に佳作が揃った現代美術展として楽しめたんだけど、80年代美術を振り返るという点では自分の知識の無さのために拍子抜けだった。「ニュー・ウェイブ 現代美術の80年代」は見に行くつもりでいるので、ちょっと予習をしておかないといけないな。

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2018年11月21日 (水)

「眠らない手」エルメスのアーティスト・レジデンシー展@銀座メゾンエルメス ル・フォーラム(2018/11/20)

今日の夕方は有楽町に出てきたついで銀座メゾンエルメスに寄り道。ル・フォーラムで開催しているのはアーティスト・レジデンシー展。現代美術のアーティストがエルメスの工房に滞在し、エルメスの職人と共同でシルク、皮革、銀、クリスタルといった普段は手の届きにくい素材を使って作品を制作するというもの。

個人的に好きか嫌いかというと、ピンと来ない展示だった。何というか、そのまま軽く塩コショウして焼くだけで最高に旨い素材をオモチャにして良さを殺してしまっている、と感じるのだ。そしてもちろん、アーティストもキュレーターもそんなことは百も承知だ、ということも頭では分かる。職人の伝統工芸から新たな価値を生み出すためには彼らの基準ではここまでやらなければならないのか、と溜息が出るような気分になる。

ゼロから価値を生み出す錬金術を操るハイブランドとは何なのかをまざまざと見せてくれる展示。普段はあまりアートに興味が無い人ほど、足を運んで何だこりゃと思い、アートの意味を考えるきっかけにすると良いのではないかと思った。

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2018年11月20日 (火)

2018年の風景画展@アートコンプレックス・センター(2018/11/18)

今日のお昼は信濃町のアートコンプレックス・センターに。今週は楽しい展示が多くて当たりだったんだけど、その中でも楽しかったのは風景画のグループ展。

この企画展は今回5回目ということだが僕が見つけたのは去年。風景画という平凡なテーマを、商業アニメーションなどでとてもリッチな風景表現が当たり前になった中で美術はどのような切り口を提示できるのか、という点で捉えなおした点がとても面白いなぁと感動したのを覚えている。

今回の展示もやっぱり面白かった。去年の展示で一番面白かった待井健一は、今年は作品のベースとなったスケッチも展示していて、このスケッチがどう広がって完成作品になるのか、その差はどこになるのか、という点が考えさせられる。今年初見で面白かったのは鳶田ハジメという作家。本業は漫画家だそうだが、精密な線で描き込まれた画面はそれぞれの対象物の質感と共に風景全体の空気感をヴィヴィッドに伝えていて、会場に並んでいるカラーの作品と遜色がない。漫画ってやっぱりすごい表現ジャンルなんだな、と再確認。

この企画展は今年が最後ということで、勿体ないし寂しいなぁと思う。出展していた作家さんたちは個展やグループ展で追いかけていこう。

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«akiko with Tadataka Unno trio@六本木ヒルズアリーナ(2018/11/16)