2012年5月27日 (日)

荒木経惟「過去・未来 写狂老人日記1979年-2040年」@タカ・イシイギャラリー(2012/05/26)

今日の昼は越中島での勉強会の前に久々に清澄ギャラリービルに立ち寄る。今回は当たりでどこのギャラリーも力の入った展示をしていたのだが、一番印象が強かったのはタカ・イシイギャラリーでの荒木経惟の個展

アラーキーの個展なので当然展示作品は写真なのだが、普通の写真展とはちょっと違う。展示のメインがポジフィルムなのだ。アラーキーが今まで撮影してきた写真の右下に日付を入れ、1979年から2040年(!)までの日付順に並べてある。2011年3月11日以前の写真は引き伸ばしたモノクロプリント、3月11日以降の写真は35ミリのカラーポジフィルムで展示されている(3月11日の写真はモノクロプリント・カラーポジフィルムの両方に入っている)。

日記形式で2040年まであるってどういうこと?と思うだろうが、2011年の後は2015年、2024年、2040年と断続的に続いている。別に未来っぽい光景が映っている訳ではないのでざっと見ただけでは気が付かないが、よくよく見てみると2015年のある日付からヌード写真がぴたっと無くなっている。その後にいかにも事故が起きそうな交差点、引越しが終わって空になった部屋、見舞いや葬儀の供花を連想される花の写真が続き、どうも2015年に交通事故に遭い、その後の入院と葬儀、そして未来の自分の回顧展を霊になって眺めているという設定なのかなーと思った。

この展覧会を見て最初に想像したのがfacebookのタイムライン。仮想のライフログではあるが、きっちり構成された展示でしかもアラーキーの写真を使っているわけだから説得力が不足しているわけが無い。写真と結びついたタイムラインって、あるいはとんでもない表現の可能性を持っているのではないか、そういうワクワク感を感じられる展示だった。現代美術はちょっと、と思っている方にとっても得るものが大きいのではないかと思う。

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2012年5月26日 (土)

KATAGAMI Style-世界が恋した日本のデザイン@三菱一号館美術館(2012/05/25)

今日の夕方は三菱一号館美術館に出かける。現在開催中の展覧会はKATAGAMI Style。招待券を頂いてはいたのだが、テキスタイル中心の博物館系の展示だと思っていて、そういうのがさほど得意ではない僕は急いで出かけることもないかと多寡をくくっていたのだ。会期末が今週末に迫り、今夜は用事も無いし…という感じであまり期待をせずに出かけた。

が!これが素晴らしく良かったのだ。名前の通り日本の型紙がヨーロッパの美術に与えた影響を概観する展示で、ヨーロッパ側のカウンターパートにはティファニーやルネ・ラリックなどのジャポニズムの名品も出展されているのだが、それらが霞んでしまうぐらい日本の型紙が素晴らしい。版画や着物などで見慣れたデザインのはずなのだが、それが型紙という形式で展示されるとデザインの力がくっきりと際立つ。正直なところ、並べて展示されているヨーロッパの同時代の美術品が懐かしいという印象を与えるのに対し、型紙は現在のデザインとして全く古さを感じさせない。

今の目で見ても「世の中にこんな凄いものがあったのか!」と脈拍が上がるような思いをするのだから、当時のヨーロッパ人が型紙から受けた衝撃はどれほどのものだったろう。ヨーロッパ各地の美術館・博物館に多数の型紙が所蔵されているというのもむべなるかなと思う。東京での会期は日曜までだが京都と三重に巡回するとのことなのでぜひ足を運ぶことをお勧めしたい。

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2012年5月24日 (木)

現代屏風の魅力@ギャラリー・ショアウッド(2012/05/21)

ギャラリー・ショアウッドは南青山の裏道にある日本画中心のギャラリー。僕の通勤路の途中にあり以前から気にはなっていたのだが何となく入る機会が無く通り過ぎていた。今回前を通ってみると「現代屏風の魅力」という気になるタイトルの展覧会を開催しており、初めて入ってみることに。

展示されていた作品はどれも興味深いものばかり。入ってすぐに目を引いたのは岡村智晴の作品。背の低い二つ折りの屏風(風炉先屏風というそうだ)で枠が真っ白、そして描かれているのが青地に白のドットというもの。そのまま現代美術のような作品だが、枠や曲げ、そして台の上に直接置かれるという屏風の特性を生かし通常のキャンパス画とは違う印象を与えてくれる。

もう一つ強い印象を受けたのが小倉亜矢子の作品。金屏風の上にカボチャを葉や蔓ごと描いた作品なのだが、描写は黒のモノトーン、しかも西洋絵画のグラファイトを使ったデッサンのような濃密な描画。屏風とは装飾的な線でさらりと仕上げるものだというイメージを持っていたので、こういう表現もできるかというのがちょっとした衝撃だった。

最近は日本画のテクニックを使う現代美術作家が多く注目されているが、日本画に軸足を置いた上で今に通用する作品とは何かを模索している作家って僕はあまり意識してこなかった。そういう意味でもとても面白く勉強になる展覧会だった。この種の企画がメインということなのでこれからも展示をチェックしてみよう。

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2012年5月22日 (火)

LIVE 心の虹{ヒメノアキラ/せきぐちゆき}@江古田マーキー(2012/05/20)

今日の夕方はヒメノアキラのライブを見つけたので江古田マーキーに出かける。結婚してめっきり出不精になったのだがこの江古田にはなんだかんだで定期的に通っている。出演者が肌に合っているんだな。

今日はヒメノアキラが先に出演。普段のセットよりバラードが多く、定番の「勇敢な鳥」もしっとり目のアレンジだったのは主催者のせきぐちゆきに合わせたのかな。破綻無く歌えていて決して悪くは無かったんだけれど、そういう曲ばかりが続くと正直ちょっと地味かな。彼女の魅力はキラキラした疾走感のある曲だと改めて認識。ドリカムのLOVE LOVE LOVEをカバーしたのはなかなか良かった。

僕はせきぐちゆきを見るのは今回が初めて。曲のタイプはちょっと昔の情念系のフォークっぽいものが中心で、特に歌い上げるような曲では中島みゆきを髣髴とさせる。もう少しさらっとした曲ではちょっとシティポップさも感じさせ楽曲の幅は結構広い。MCも含めいわゆる女性SSW好きの人たちのアンテナからは外れそうだが、こういう楽曲はほっとする。歌唱力もしっかりしているしとてもライブ栄えする人だと思う。

最後はマーキー恒例のセッションかなと思ってアンコールの拍手をしていたら、せきぐちゆきが一人で出てきて歌って終わり。あれれ?そこだけがちょっと残念だった。

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2012年5月20日 (日)

伊丹潤展・手の痕跡@ギャラリー間(2012/05/19)

昨日の昼にはプール帰りにギャラリー間に立ち寄った。現在開催中なのは伊丹潤の個展。在日韓国人二世の建築家だそうで、昨日のイ・ブル展に続いて二日連続の韓国人作家の展覧会ということになる。

タイトルの「手の痕跡」にあるように彼は手書きのスケッチにこだわり、自らを最後の手の建築家であると語っていたとか。4階にあるスケッチを敷き詰めた大きなテーブルが本展のハイライトなのだろうが、いつも書いているように僕は建築展はあまり得意ではない(嫌いではなく見所が分からない)のでちょっと値打ちが分からないのが惜しい。

だが、今回の展示には書斎の一部が再現されていたり彼が手がけた絵画作品が展示されていたりして面白かった。展示されていた絵にはキャンパスに塗りこめた白い絵の具を指でえぐった作品があり、なんとなく李禹煥を思い出した。後で調べてみたら同い年だった。また、3階から4階に上がる中庭にはパネル展示に加えて水を張った上に石が並べられ、この部分だけでも見ごたえのある展示になっている。

展示室内は学生さんらしい観客で大賑わい、あれこれの建築談義をしながら作品を眺めている。そういう学生さんに気鋭の建築作品と触れ合う場を提供しているTOTOの志は素晴らしいと思う。

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イ・ブル展:私からあなたへ、私たちだけに@森美術館(2012/05/18)

今日の夕方は六本木から直帰になり、そういえば開催中のイ・ブル展の会期末が迫っていたなと森美術館に立ち寄ることにした。

イ・ブルは韓国を代表する女性現代美術家だそう。今回の個展では20年を超える彼女のキャリアの全貌を見渡せる展示がなされていた。初期の作品は正直どこかで見たような…という印象のものが多く(部屋に入ってすぐ「あっ草間彌生」と思った)、個人的にはあまりピンと来なかった。決してパクリということではなく、どこか既存の現代美術の枠組みの中で独自性を出そうともがいているような感じを受けた。

だが、その印象は展示室を進んでいきゼロ年代後半の作品、仮想の都市や構造物の模型の展示のエリアで大きく変わった。良い意味で美術シーンにとらわれず、自分が生きる社会の抱える課題を自分が持つ(あるいは自分の社会が共有する)リアルな表現のポケットを使って表し、しかもそれが自分の社会を超えて普遍的なメッセージを持つようになっていた。最近の良質なアジア現代美術作家に共通する特色で、前半との対比もありこの展示室に入ったときには視界がぱーっと開けるような印象を受けた。

もっとも単純にキラキラして綺麗な作品も多く、どんな人でも楽しめる間口の広い展覧会だと思う。森美術館はいつも良い展示をやりますね。

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2012年5月19日 (土)

安西水丸+和田誠:AD-LIB5@スペースユイ(2015/05/16)

今日の夕方はスペースユイに立ち寄る。現在は安西水丸と和田誠のイラスト展。一枚の紙の上に二人がそれぞれにイラストを並べて描くという趣向。二人とも活躍中のイラストレーターなので絵柄にはなじみがあると思っていたのだが、じっくり見てみると色々な気づきがある。特に安西水丸、僕はVOWの頃のシュールでシニカルな作品のイメージを引きずっていてどうしてもそういう印象で見てしまうんだけど、こうやって生のタッチを見ていると作品を平面に落としこむ見切りの確かさとかは尋常ではない。

作品のテーマは関連がありつつも微妙に距離がある2つのモノで、二人のイラストレーターがそれを上手に料理して自分のパートを面白く仕上げるというちょっとした緊張感も見もの。この二人のイラストが好きな人はぜひお立ち寄りを。

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2012年5月16日 (水)

Asobi Seksu@渋谷O-NEST(2012/05/15)

ASOBI SEKSUはニューヨークがベースの4人組バンド。日本人の女の子がボーカルで、地元のアメリカ人相手に日本語で歌っているのを駐在していた8年前に見て気に入り、その後も頻繁に、10回以上はライブに足を運んだ。最後に見たのは6年前。その後帰国してライブを見に行くことはできなくなったが(2007年に一度来日したのだがスケジュールが合わず見に行けなかった)アルバムは毎回購入していて、途中ツアー資金のカンパに応じたりしたので最新アルバム「フローレサンス」にはサポーターとして僕の名前がクレジットされている。今回アジアツアーで東京に来るということを知り、チケットを買って楽しみに待っていた。

今回の会場は渋谷のO-NEST。しばらく前までは足しげく通っていたが最近はすっかりご無沙汰していた。小さくてちょっと煙たい感じがいかにもライブハウスっぽくていい。ビールを貰おうとバーカウンターに行ったら白人の女の子が中にいて驚いた。O-NESTは最近外国のバンドがツアーで使うことが多いので、あるいは常勤のスタッフなのかもしれない。

日本人バンドのオープニングアクトの後にASOBI SEKSUが登場。気持ちが一気にニューヨークの頃に戻る。最後にライブを見てから6年になるがその間のアルバムも聞いているし当時の代表曲も演ってくれたのでブランクは感じない。疾走感と甘さと爽やかさが絶妙に混ざり合った最高のポップスで、自然と身体が動いてしまう。曲が終わった後にボーカルのYukiのMCが入り、ちょっとした違和感を感じる。そうか、今までのライブでは全部MCが英語だったものなぁ。

おそらく90分近い長丁場のライブだったのだけれどあっという間だった。あぁ、また見に行きたいなぁ。

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2012年5月15日 (火)

AKIRA GOMi 1972-2012/倉俣史朗&村上麗奈@ときの忘れもの(2012/05/14)

今日の夕方は改装なったときの忘れものに立ち寄る。階段周りの印象はあまり変わっておらず、作業室が小さくなって展示スペースが広がった分随分開放感が増した。好きだったスペースなので良い方に変わってほっとした。

現在開催中なのは五味彬の写真展。タイトルの通り、倉俣史朗の家具の写真と村上麗奈のヌード写真を同時に展示した思い切ったキュレーション。村上麗奈といえば僕が大学生の頃に一生を風靡したAV女優。妻と来るのはちょっと気まずくて一人で来たのだが、展示された作品からは全く扇情的なものは感じない。Yellowsからの作品も同時に展示されていたのだが、日本人のありのままの体形を記録することがコンセプトのはずのその作品と並んでも違和感が無い。何というか、もっとゴージャスでエキゾチックな女優だった気がして、例えばヘルムート・ニュートン的な作品になっているのかなぁと思っていたので、これはちょっと意外だった。

で、そういう日本人の素のハダカの写真と、意外なほどに倉俣史朗の家具の写真が似合っている。彼の家具は押し付けがましいイメージとは真逆の削って削って出てきた透明感が特徴なので、そのあたりが作品として通じるところがあるのかも。

村上麗奈と聞いてピンと来る人にはちょっと肩透かしかも知れないが(笑)、ヌード写真の展示としては普段は持てない視点を持たせてくれるし何より実に洒落ている。大人のデートにどうぞ。

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2012年5月14日 (月)

黒崎真音@ららぽーと豊洲(2012/05/13)

今日は妻が出勤で昼間にぽっかり時間が空いた。久しぶりにライブでも見に行くかと調べていたらららぽーと豊洲のアーバンドックで黒崎真音というアニソン歌手がイベントをやるというのを発見。学生の頃はなんとなく耳にはしていたが最近このシーンにはとんと疎くなっているのでどんな感じなのかな、と出かけることにした。

あんまり混雑していたら困ると思っていたが会場に15分前に着いて若干空席が残っている程度の混み具合。腰を下ろして缶コーラを飲んでいると程なく黒崎真音が登場してライブが始まった。「リアル鬼ごっこ」という実写作品のテーマソングをシリーズで手がけているということで最初はそれらを連続して3曲。僕が持っているアニソンのイメージどおりの曲で、個人的にはオーバー気味に感じるアレンジも含めて高いレベルでまとめられている。今日の参加者は少なめだったので知名度はどれぐらいの人なのかなと思っていたらMCで秋にSHIBUYA-AXでワンマンライブが決まったとか来月にマレーシアのフェスティバルに参加してくるとかいう話が。凄い。

後半はバラードを歌ったりしてバラエティと満足感のあるステージだったし、生まれて初めてオタ芸というのを生で見たし、出かけた甲斐があった。

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