2019年7月15日 (月)

夏の宵茶会@白白庵(2019/07/14)

今日の夕方は白白庵に。現在開催中なのは夏の特別企画。終了時間を通常より1時間延長した夜9時までとし、夏らしい涼やかな作品を揃えた展示になっている。瀬沼健太郎氏のガラスの作品、角居康宏氏の錫器、加藤渉氏の照明器具など、実にこの季節らしいセレクションが素敵。本当はもっとカーっと暑くなっていてくれたら涼し気な空気感が一掃引き立ったんだろうけど、お天気ばかりはどうしようもないからね。

今回は特別企画ということで会期中のイベントも多い。本日は濃茶とカクテルのイベントがあり、僕らはカクテルの方をチョイス。南青山の隠れ家バー、ARTSのバーテンダー井上大輔氏が、和のうつわを使ってカクテルを供するというイベントで、オリジナルの香りを付けたカクテルが和の器と合う!これはちょっと凄い体験だった。

夏の企画らしい特別感のある、とても素敵なイベントだった。ちょっと気が早いが来年も楽しみ。

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2019年7月12日 (金)

藤原更「Melting Petals」@EMON Photo Gallery(2019/07/11)

今日の夕方は広尾で打ち合わせだったので少し早く到着して久しぶりのEMON Photo Galleryへ。現在開催中なのは写真家の藤原更の個展。彼女の制作手法は独特で、一旦ピグメントプリントで出力した写真からプリントの表面を剥離させ、それを版画のように写し取る、という工程で制作される。

今回の展示は芥子をテーマにした作品が並ぶ。上で説明したような工程で制作されているため手作業で制作された抽象画のような雰囲気があり、なおかつ元の写真が青空の下での芥子なのでとても鮮やかで華やか。もちろん芥子にも見えるのだが、例えば金魚だったり紙風船だったり、様々なイメージが眺めている間に頭をよぎる。

EMON Photo Gallery、最近はとてもレベルの高い企画展が続いていると感じる。何かのついでと言わず、ちょくちょく様子を見に来るようにしなくちゃ。

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2019年7月11日 (木)

曖昧の断片@MASATAKA Contemporary(2019/07/09)

今日の夕方は八重洲にあるMASATAKA Contemporaryというギャラリーへ。現在開催中なのは紺野真弓平井豊果の二人展。紺野真弓は去年の個展で活動拠点をイギリスに移すという告知がされていたので、こうやってまとまった分量の作品をまとめて見る機会がまたあって嬉しい。
 
紺野真弓の今回の出典作品は美しいけど無表情な少女の姿にリボンやぬいぐるみといったモチーフを重ねたもの。主体性を持たない鑑賞対象として描かれることに対して、手や指などで抗っている意志を示している、という作品のテーマは今までと共通している。リボンを他者からの評価の対象であることを示す使い方は従来の作品と共通しているけれど、ぬいぐるみの使い方は洗練されたな、と思った。あと、前回の個展ではダークな方向に向かっているのではという感想を持ったのだけど、今回の展示ではそこから戻ってきたのも嬉しい。個人的にはダークな雰囲気は苦手というのもあるけど、作品のモチーフのおもしろさは、少女の表情の部分が見る側が鑑賞対象として理想化されものになっている方が引き立つと思うのだ。
 
お気に入りの作家との久々の再会で、良い方向に進化しているのを確認できるというのはやはり嬉しいもの。次回も楽しみ。

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2019年7月 9日 (火)

浮世絵ガールズ・コレクション-江戸の美少女・明治のおきゃん-@國學院大學博物館(2019/07/07)

家から恵比寿の方に向かってぶらぶら散歩をしていて、國學院大學博物館の前を通りかかった。以前からここに博物館があるのは知っていたけれど、今回出ていたポスターは「浮世絵ガールズ・コレクション」という何だか柔らかそうなテーマのもの。ちょっと見ていこうかな、と興味が湧き、寄り道してみることにした。

中に入ってみて驚いたのは、とても充実した博物館だったこと。古文書については正直なところ歴史的な価値はよく分からないんだけれど、特に土器の展示は凄い。各種の壺だったり埴輪だったりが壁面を覆いつくしている様子に圧倒された。

今回ポスターが出ていた「浮世絵ガールズ・コレクション」という展示は比較的小規模な特別展示だったが、それでもなかなか見ごたえがあるものだった。幕末から明治にかけての美人風俗画を対象にしたもので、浮世絵の表現から現代のイラストへと続く美意識の変化が見て取れるのが楽しい。今回の展示のハイライトは歌川国芳の「山海愛度図絵」。日々の生活の中で若い女性が見せる様々な表情をやや誇張して描いたもので、浮世絵という表現のフォーマットとヴィヴィッドな女の子たちの表情との対比が、浮世絵をどう見ればよいかの手がかりを与えてくれる気がする。

無料とはとても思えないような充実した展示だった。これから機会があるごとに覗いてみるようにしよう。

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2019年7月 7日 (日)

浦川大志・加茂昂・竹内公太「絵画」@SNOW Contemporary(2019/07/05)

今日の夕方は泳ぎに行くついでに西麻布のSNOW Contemporaryへ。現在開催中なのはグループの絵画展で、浦川大志、加茂昂、竹内公太の3人のアーティストが出展している。3者それぞれに画風が違い、面白い展示だった。

竹内公太の作品はtwitterの画面を油絵で描いたもの。タイトルが「エゴ・サーチ」なので、おそらく自分自身を検索して現れたものなのだろう。リツイートされた画面を重ねて表示しているものもあり、現代人が「見る」対象にしているPCやスマホの画面の意味を考えさせられた。

浦川大志の写真はちょっとサイケでグラデーションのかかった作品。紹介文を見ると元データをiPhoneから取得していたりなど何らかの意図のある作品らしいんだけど、僕の知識では読み解くことができなかった。

個人的に一番面白かったのは加茂昂の作品。同じキャンパスの中にフラットに描かれた部分と油絵の具をコテコテと塗り重ねた部分のテクスチャが混在しており、それぞれが違う時空を指している。今回のモチーフは福島の被災地であり、一つの画面の中に重なる異なる世界というアプローチがマッチしていた。

それぞれに切り口は違うけれど、いまここで表現する手段として絵画を選ぶ意味というものをそれぞれに模索しているんだな、というのが伝わる、良い展示だったな。

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2019年7月 5日 (金)

吉原治良展「The Persistence of Form」@ファーガス・マカフリー東京(2019/07/03)

今日の夕方は表参道のFergus McCaffreyに。ニューヨークに本拠を持ち「具体」の作家たちを欧米に紹介してきたギャラリーで、今回の展示は「具体」のリーダーである吉原治良の個展。

会場には吉原の代表作である「円」をモチーフにした作品を中心に見ごたえのある作品が並ぶ。今回の展示ではパンフレットがとても面白かった。国際性を保持しつつ日本人独自の表現をいかに獲得するか、という課題の中で書が着目されたこと、一方で書からの独自性や国際性のために文字の文字性や筆、墨、和紙といった素材からの解放がテーマとなっていたことなどが書かれている。

「円」は日本人にとっては禅画の「円相」を想起させるが、上の観点からはある意味対局的な表現でもある。「円相」は紙の上に太い筆を一気に奔らせることで円満な悟りの境地を示すものだが、吉原の「円」は造形的なモチーフなのだとしたら。書道から余白や線といった要素を借りつつ、筆によって文字を刻むという書道の本質、一番の強みを捨てたところから表現の追求を始めたのだ、というのは、僕にとっては発見でちょっとした衝撃だった。

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2019年7月 3日 (水)

げみ個展「透明な雨に隠れて」@アートコンプレックス・センター(2019/07/02)

今日の夕方は信濃町のアートコンプレックス・センターに。今週は「イラストレーターズウィーク」ということで、各展示会場には最近の本屋の店頭で新刊の表紙を飾っているような美麗なイラストレーションがずらりと並ぶ。というか、今回出展している作家さんは装画で活躍している人ばかりで、展示会場ではそれらの書籍も並べて展示されている。

イラストレーションとしての実力はいずれも高水準で甲乙つけ難いが、アートとしての切り口で面白いな、と思ったのは去年もこちらで個展を見たげみという作家さん。癖の無い女性のイラストの背景にリッチでシズルな風景を配する、というアプローチは今回出展している他の作家さんと同じなんだけど、おそらくそのバランスの取り方、裏にあるどうしてそのアプローチを選んだかという感覚が、が僕がアートを見るポイントにマッチするんだと思う。

もちろん好みは人それぞれなので、出展している他の作家さんの方が気に入った、という人も多いはず。アートって別に興味無いしと思っている人や、特に本好きの人には見に行ってほしい展示だな。

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2019年7月 2日 (火)

富田啓之個展「EARTH」@白白庵(2019/07/01)

帰国後最初のギャラリーは白白庵に。現在開催中なのは陶芸家の富田啓之氏の個展。

作家さんが在廊で、2階のカウンターでお土産を出しながら「昨日ギリシャから帰国したばかりなんですよ」という話をしたら、「ギリシャは私が今一番一定見たい国なんですよ」というお返事で、そのまま3階の作品をご案内頂いた。確かに今回は白と青の作品が多く、土曜日まで見てきた風景を思い出した。ただ、特に粉引の作品など、白の感じが違うのが面白いな。強烈な乾いた光の下でどんなものでも眩しい白に見える国と、湿度が高い国の屋内でなお白く見よう、見せようとする国と、どちらが良いという訳ではなく白さの感覚の違いのようで興味深い。

もちろん展示作品については白ばかりではなく、氏の持ち味の西洋菓子のようなカラフルな作品も並ぶ。氏の作品は何点か持っているのだが、色の違うシリーズ作品を眺めてみるとそのヴィヴィッドな色遣いに改めて感動する。

日本の梅雨の不快さを忘れさせてくれるからっとした作品たち、この季節にぴったりの展示でした。

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2019年6月30日 (日)

常設展@National Archaeological Museum(2019/06/28)

学会の大会でやって来たアテネ。最終日に16時ですべての日程が終了し、クロージングパーティーが19時30分から。待ち時間にギリシャ美術に触れておこう、と、国立考古学博物館に出かけることにした。
 
展示されている作品はクレタ、ミケーネ文明のような古代からアルカイック期、古典期、ヘレニズム期までとバラエティに富み、また展示品も「考古学」という名前の通り彫刻やレリーフ、壺などの美術品の他に博物館的なものまで幅広い。特に彫刻については素朴な祈りを感じさせる古代のものから、アルカイック・スマイルを湛えたアルカイック期のもの、そしてドラマチックなヘレニズム期の作品と、まとめて見るとこれだけ雰囲気が違うものかと驚かされる。
 
最近の経済危機の影響か展示室の一部は閉鎖されており、またオープンしていて入った部屋で「この部屋だけあと10分で閉鎖になります」と声を掛けられて驚いた。全体をじっくり見たいという人は最初に展示時間を確認しておいた方が良いかもしれない。また地下鉄オモニア駅から歩いて向かったところ、治安の悪そうなエリアに迷い込んでしまいヒヤッとした。変に近道をしようと考えず大き目の道を通ることが大事。
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2019年6月29日 (土)

常設展@Acropolis Museum(2019/06/26)

学会の大会でアテネに来ている。アクティビティの一つとしてアクロポリス博物館のガイド付き貸し切りツアーが予定されていて、これは見ておかなければと申し込んだ。
 
アクロポリス博物館はアクロポリスの丘のすぐ下にあるモダンな建物。10年ほど前までは丘の上に合ったものを移転させ、規模も10倍に拡大させたのだとか。多くの彫刻が展示の中心でそれぞれに見ごたえがあるのだが、学会主体の貸し切りツアーということで一見さりげない日常雑貨のようなものも当時のギリシャの人々の生活を交えながら丁寧に解説してくれて、へぇそうなのかと驚くことしきり。
 
3階がこのフロアのメイン展示で、現在修復中のパルテノンとほぼ原寸大の展示スペースを作り、そこに現存している、あるいはマーブルのレプリカが設置されている。パルテノンの見学を済ませてからだったらもっとすごかったんだろうな。今回は貸し切りツアーということで見学が8時からの開始、ちょうど日没に向かっていく時間帯で、大きな窓から入る外光の変化でどんどん雰囲気が変わっていくのが楽しかった。
 
翌日前を通りかかってみると入口は長蛇の混雑。この混み方だと見え方は全然違うんだろうな。良い体験をさせてもらった。
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