荒木経惟「過去・未来 写狂老人日記1979年-2040年」@タカ・イシイギャラリー(2012/05/26)
今日の昼は越中島での勉強会の前に久々に清澄ギャラリービルに立ち寄る。今回は当たりでどこのギャラリーも力の入った展示をしていたのだが、一番印象が強かったのはタカ・イシイギャラリーでの荒木経惟の個展。
アラーキーの個展なので当然展示作品は写真なのだが、普通の写真展とはちょっと違う。展示のメインがポジフィルムなのだ。アラーキーが今まで撮影してきた写真の右下に日付を入れ、1979年から2040年(!)までの日付順に並べてある。2011年3月11日以前の写真は引き伸ばしたモノクロプリント、3月11日以降の写真は35ミリのカラーポジフィルムで展示されている(3月11日の写真はモノクロプリント・カラーポジフィルムの両方に入っている)。
日記形式で2040年まであるってどういうこと?と思うだろうが、2011年の後は2015年、2024年、2040年と断続的に続いている。別に未来っぽい光景が映っている訳ではないのでざっと見ただけでは気が付かないが、よくよく見てみると2015年のある日付からヌード写真がぴたっと無くなっている。その後にいかにも事故が起きそうな交差点、引越しが終わって空になった部屋、見舞いや葬儀の供花を連想される花の写真が続き、どうも2015年に交通事故に遭い、その後の入院と葬儀、そして未来の自分の回顧展を霊になって眺めているという設定なのかなーと思った。
この展覧会を見て最初に想像したのがfacebookのタイムライン。仮想のライフログではあるが、きっちり構成された展示でしかもアラーキーの写真を使っているわけだから説得力が不足しているわけが無い。写真と結びついたタイムラインって、あるいはとんでもない表現の可能性を持っているのではないか、そういうワクワク感を感じられる展示だった。現代美術はちょっと、と思っている方にとっても得るものが大きいのではないかと思う。
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