2017/12/07

RFID Journal 抄訳 2017/12/07号

今週興味深かった記事はデルタ航空がRFIDラボに2百万ドルを寄付して航空分野向けの専用ラボを開設したこと。エアバスではなく航空会社なんだ、というのがちょっと驚きでした。航空分野での導入の力関係が変わりつつあるのでしょうか。

PervasID社による小売サプライチェーン内の各種のユースケースに対応したRFIDアプリケーションシリーズも気になりました。こういう形でRFIDのホールプロダクトがじわじわと増えていくのでしょうか。

識者投稿は設備保全管理システム(CMMS)とIoTの融合。書いてある内容は手堅いものですが、設備保全管理システム(CMMS)という用語は今回が初見だったので、調べてみたいと思います。

なお、元記事はこちらになります。

Royal Cornwall Hospitals to Boost Surgical Safety With RFID

イギリスの病院Royal Cornwall HospitalsではRFIDを用いたインプラント機器の管理を行っています。これはイギリスの国民保健サービス(NHS)のプログラムScan4Safetyの一環で、適切なインプラント機器が患者に移植されたかどうかを管理を自動的に行うためのものです。

RFID to Track Dentures at Nursing Homes

入れ歯メーカーのNobilium社はRFID対応の入れ歯を製造しています。RFIDは老人ホームなどで入れ歯を利用者から集めて一括してクリーニングする施設で返却時に間違いが怒らないようにするために利用されます。対応しているタグはパッシブHFタグとNFCタグです。

Auburn RFID Lab Expands to Avionics With Delta Gift

オーバーン大学のRFIDラボは航空宇宙分野でのRFID利用に特化した実験施設を開設しました。この施設はDelta Air Lines社からの2百万ドルの寄付を基に整備されたものです。この設備は42個の座席を持つキャビンや荷物搭載口、サービスハンガーなどを持っています。

RFID-based App Helps Consumers Find a Cold Drink

ポーランドのBlulog社は温度センサー付きのRFIDタグを利用して商品情報を直接顧客に提供するサービスCool&Goを開始しました。このサービスはゲームとして提供されており、顧客は参加した店舗の冷蔵庫情報をスマホから閲覧することができ、店舗に行って冷蔵庫のQRコードをスキャンすることで商品を得ることができます。

Retailers, Hospitals Trialing or Deploying End-to-End RFID Solution

イギリスのPervasID社は小売サプライチェーン内での各種のRFID利用をサポートするソリューションであるRangerシリーズを提供しています。Rangerシリーズは、ドックドアでの読み取りを想定したDock Door Ranger、店舗フロアを対象としたSpace Ranger、POSを対象としたPoint of Sale Ranger、盗難防止ゲートを想定したSecurity Rangerの4つのソリューションからなります。

RFID News Roundup

  • PragmatIC社がRFID/NFC向けのフレキシブルICの新製品を発表
  • 富士通が北米RFID市場でPositek RFID社と提携
  • Atlas RFID社がオープンAPIを公開、Oracle P6との統合も発表
  • Antelop Solutions社がNFCモバイルウォレットでVISAトークンをサポート
  • Identiv社とDTC社がスマートカードの流通を世界に展開
  • ケンブリッジの病院連合がHaldor Advanced Technologie社のスポンジ管理システムを導入
  • Weir Oil & Gas社がRFID対応の資産管理システムを発表
  • Honeywell社の車両タグが高速道路でのセキュアな料金決済に対応

Delta's $2 Million Gift to the Auburn RFID Lab

Delta Air Lines社がオーバーン大学RFIDラボに2百万ドルを寄付したことは、RFIDを事業の広い範囲で利用して最大の利益を得るための賢明な手段です。

How Did the IoT Become Indispensable for Advanced Maintenance?

設備の保全管理は確実性が重視され新しい技術の導入には時間がかかるという意見がありますが、実際にはメリットが非常に大きいことと、エンジニアが他の分野で新しい技術やそのインタフェースに慣れているため、新技術の普及は予測よりも早く進むでしょう。設備保全管理システム(CMMS)とIoTの融合は非常にポテンシャルの高い分野です。

RFID Journal LIVE! Europe 2017 Report(有償記事)

11月16日にロンドンで開催されたRFID Journal LIVE! Europe 2017での各種プレゼンテーションへのリンクです。

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2017/11/24

RFID Journal 抄訳 2017/11/24号

今週は製品関連の記事が目立ちました。

PoE給電ができるUHFパッシブRFIDリーダーは、地味に見えますがニーズはあると思います。大規模な導入では配線が馴染みのあるイーサネットケーブル一本で済むというのはいろいろ助かる点もあるでしょう。

Xerafy社の長距離読み取りができるUHF金属タグも興味深かったです。このサイズの金属タグは読み取り距離の問題は実質的に解消していた(スペーサーなどの制限も少ないでしょうし)と思っていましたが、まだニーズは満たされていなかったのですね。

なお、元記事はこちらになります。

Passive Sensor Tags to Surpass 5 Million Units This Year

IDTechEx社はRFIDセンサータグの市場のレポート”RFID Sensors 2018-2028: Forecasts, Players, Opportunities”を発表しました。このレポートによると、2017年のタグ販売個数はパッシブ型が520万個でアクティブ型の33万個を大きく上回っています。

Startup SensThys Teams With Alien to Provide PoE+ RFID Mesh

Alien社はベンチャー企業のSensThys社と共同でPoE給電ができるUHFパッシブRFIDリーダーを開発しています。PoE給電はイーサネットケーブルを使って電力供給を行うもので、多数のリーダーを配置する場合の導入工事が簡略化されます。

Universal Tag and Printer Combo Aimed at On-demand Encoding at Industrial Sites

RFIDプリンターメーカーのサトーとUHF金属タグメーカーのMetalcraft社が金属タグのオンサイト印刷ソリューションを提供します。金属タグの印刷には細かい設定が必要ですが、サトーはMetalcraft社のタグに合わせた設定をプリンタにダウンロードする機能を提供します。

Companies Testing On-Metal Tag With 20-Meter Read Range

Xerafy社は長距離で読み取りが可能なUHFパッシブ金属タグの新製品Container Trakを発表しました。このタグのサイズは139x42x12mmで、20メートル先から読み取ることができます。この製品はトレーラーやシャーシのトラッキングを主な用途として想定しています。

Companies Test T-Systems' IoT Technology in Brazil

ドイツのITソリューションベンダーT-Systems社はRoambee社のトラッキングデバイスのテストをブラジルで実施しています。Roambee社の製品は携帯モデムとGPSを利用するものです。T-Systems社はRoambee社に310万ドル出資しています。

RFID News Roundup

  • Honeywell社が有料道路料金システム用のパッシブRFIDタグを発表
  • Connect&GO社がアミューズメント施設向けのRFIDリストバンドを発表
  • Idox Health社がヘルスケア業界向けのRFID資産管理ソリューションを発表
  • Rigado社がBluetooth 5対応のIoTスイートを発表
  • LEGIC Identsystems社がモバイルサービスのセキュリティーパートナーにWISeKey社を選定

Sports, Technology and the Future of Management

プロスポーツの分野ではデータ分析の能力を持つ若い管理者が従来の管理者にとって代わりつつあります。この変化の過程は今までのやり方に馴染んだ人にとっては苦痛ですが、将来的にはビジネスの分野でもデータ分析の能力を持つ管理者が登用されていくでしょう。

IoT in the Supply Chain: Anticipating the Demands of the Future

IoTやRFIDがサプライチェーンに与える影響には以下のようなものがあります。

  • 在庫の正確な把握
  • 貨物のトレーサビリティの提供
  • 輸送ルートの最適化
  • 温度などの輸送中の品質保証の高度化
  • トラブルの事前予測

Cashew Company Improves Deliveries, Supply Chain(有償記事)

ブラジルのカシューナッツ生産者Cione社はサプライチェーンの管理にRFIDを利用します。利用している技術はUHFパッシブでCeara Votu RFID Solutions社が開発しました。

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2017/11/17

RFID Journal 抄訳 2017/11/17号

今週はいくつか興味深い記事がありました。

Zebra Technologies社のIoT導入状況アンケートは現在の企業のIoTに対する意識を反映したもので、様々な切り口でのアンケート結果が載っているので資料作りなどに重宝しそうです。

Roambee社のサプライチェーンビジビリティソリューション。BLEを搭載した子機を使ってカートン単位の管理をできるというもの。タグ1つの月額使用料が1ドルという価格だとどの程度のユースケースが想定されるのでしょう。

特集記事は消防署でのRFID利用。システム自体はオーソドックスなものですが、3Dプリンタを使って貼付先の形状にあったタグを自作しているというのが興味深かったです。

なお、元記事はこちらになります。

Zebra Survey Finds IoT Plans in the Works at Most Companies

Zebra Technologies社は同社が実施したアンケートIntelligent Enterprise Indexの結果を公表しました。このアンケートは世界各地の様々な業種の企業908社を対象に今年の8月に実施されたもので、57%の企業がIoT技術の導入を検討しており、導入理由として多く挙げられたものは顧客サービスの改善、収益の向上、新市場への参入などです。

Solution Provider Builds RFID into Its Platform for Asset, Work-in-Progress Management

サプライチェーン管理ソリューションのベンダーRadley社は匿名の家具メーカーと共にRFIDを用いた資産・仕掛品管理ソリューションのトライアルを実施中です。このソリューションはUHFパッシブタグを利用するもので、部品や仕掛品が組み立て作業ポイントに到着した際に、指定した構成と異なっていたらエラーを通知するといった機能を持っています。

New Beacon Solution Offers Low-Cost Supply Chain Visibility

Roambee社はサプライチェーン中のカートン単位のビジビリティをリアルタイムで確認できるソリューションを提供しています。このソリューションは、カートン単位にセンサーとBLEを搭載したビーコンを貼付し、携帯モデムとGPS、Bluetoothを搭載した親機を通じて情報を送信するものです。ハードウェアを無料で貸し出し、データの取得にビーコン当たり月額1ドル支払います。

BNDES Allots Large Investment to Internet of Things Projects in Brazil

ブラジルの国立経済社会開発銀行(BNDES)はIoT関連産業育成のために1.53億ドルの投資を行います。

RFID News Roundup

  • RMS Omega Technologies社がCapturity社を買収
  • スペインのMisako社がNedap社のRFIDソフトウェアを200店舗で導入
  • Galatea社のNFC搭載ジュエリーがiPhoneに対応
  • Avery Dennison社がサプライチェーン管理向けのRFIDインレーを導入

What Can You Learn at an RFID Event?

インターネットですべての情報を入手できるようになったため展示会などに実際に足を運ぶ意味はなくなったという意見は間違っています。他業種のセミナーを聞くことで得られる気づきもありますし、出展者と直接話をすることも非常に有益です。

Why IoT Companies Are Turning to Intelligent Data Distribution

IoTのデータ通信は、遅延、効率性、スケーラビリティの3点で従来のモバイル通信より高い能力が要求されます。これらの要求に対応するためには、状況に応じて即時性を求められるメッセージを優先させたり不要になっったメッセージを廃棄したりといったインテリジェントな通信管理機能が重要です。

Magnolia Volunteer Fire Department Boosts Efficiency With Active, Passive RFID(有償記事)

テキサス州の消防署Magnolia Volunteer Fire DepartmentはRFIDを利用して機材の管理を行っています。管理にはUHFパッシブタグと433MHzアクティブタグを組み合わせており、システムはSilent Partner Technologies社が開発しました。また、3Dプリンタを利用して貼付場所に応じた独自のRFIDタグを製作しています。

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2017/11/10

RFID Journal 抄訳 2017/11/10号

今週気になった記事はSavi社が自社の衛星電話コンテナ追跡ソリューションをOcean ETAというブランドで売り出しているというもの。業界では何年も取り組まれてきているものなんだけど、なかなかビジネスに結びつかなんですよね。ほとんどの場合は輸送会社が十分なビジビリティ・トレーサビリティを提供しているので、それでは不足なニーズを掘り起こすことが重要なのでしょうが。

オリンパスが内視鏡の利用・所在管理を行うソリューションを提供している、という話も。いつものことながらRFID Journalで日本企業の名前を見つけると嬉しい気持ちになります。

なお、元記事はこちらになります。

Turck Group Acquires Vilant Systems, Becomes Europe-Based Solutions Provider

Turck社がVilant Systems社を買収しました。Vilant Systems社はTurck Vilant Systemsという名前で営業を継続します。この買収により両社はハード、ソフト、SIを統合したRFIDソリューションを顧客に提供できるようになります。

Ocean ETA Provides Visibility to Location of Vessels and Cargo Contained Within

Savi社は自社のソリューションSavi Visibilityの一部をOcean ETAというブランドで売り出しています。このソリューションは海上輸送用のコンテナに衛星電話とGPSや各種センサーを搭載したタグを取り付け、輸送会社からの報告に頼らずに自力で状態を監視できるようにするものです。過去2か月の間に高付加価値の商品を扱う顧客がこのソリューションのトライアルを実施しています。

RFID Automates Safety, Status Data for Endoscopes

オリンパスはアメリカで内視鏡の利用・所在履歴管理を行うソリューションUnifiaをリリースしました。このソリューションは内視鏡に貼付したバーコードやパッシブHFタグをハンドヘルドリーダーで読み取って管理を行うものです。

Bracelet Works Like a Credit Card in Brazil

ブラジルのTrigg社はVISA社とパートナーを組み、NFCタグ内蔵で決済ができるブレスレットを提供しています。このブレスレットは対応アプリをダウンロードしたスマホとリンクすることで利用可能になります。

RFID News Roundup

  • Zebra社が中小企業向けのパッシブUHFリーダー内蔵モバイルコンピュータを発表
  • Datalogic社が長距離読み取り対応のUHFポータルリーダーを発表
  • United Bus Technology社がRFIDチケットに対応した二階建て観光バスを導入
  • Positek RFID社が特許を取得
  • Bluetooth SIGがBluetoothメッシュプロトコルをWebセミナーを開催
  • ams社が産業向けIoT対応のNFCセンサーインタフェースを発表
  • カナダがアメリカからの種牛の輸入にRFIDタグを義務付け

Algorithm (and RFID) Aversion

研究者の間では、数学モデルに基づく予測が人間の予測よりも統計的に正確であることが分かっていても人間の予測を信じる人がいることが知られています。RFIDに対しても同様の認知の歪みが見られます。RFIDによる棚卸よりも手作業の棚卸の方がミスが多くなる分だけ不正確になることが多いのですが、人間が気づかない読み取り漏れがあるだろうと手作業の棚卸の方が優れていると主張する人がいます。

How the IoT Is Changing the Customer Experience and Improving Competitive Advantage

IoTを導入することで顧客体験を以下の点で改善することができます。

  • 顧客サービスを従来想定できなかったレベルまで引き上げる
  • 問題を発生する前に防ぐことができる
  • 売れ筋商品の投入をデータに基づいて判断できる
  • ビジネスをより適切に判断できる

RFID Provides Tissue-Tracking Gains for Hospitals(有償記事)

Terso Solutions社とTrackCore社は医療機関を対象とした組織片管理のためのRFIDソリューションを提供しています。このソリューションはUHFパッシブタグを利用するもので、既にいくつかの医療機関が導入しています。

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2017/10/27

RFID Journal 抄訳 2017/10/26号

今週の事例は比較的地味な記事が並びました。

編集後記は「RFIDというキーワードが『セクシー』でないのは単純なコスト削減に結びつけられているから」というもの。まぁそういう部分もあると思いますが、「セクシー」という印象を持たれるのはハイプが残っていることでもあるので、良し悪しかなと思います。

なお、元記事はこちらになります。

Windshield and Mirror Company Gains Evacuation Visibility With RFID

ポーランドのSmart Technology社はRFIDを利用した避難状況管理システムを開発しました。このシステムはUHFパッシブタグを首から下げる入館バッジに組み込み、出入り口に置いたリーダーで読み取ることで、該当社員が建物の中に残っているかどうかを確認するものです。

Smart Cooler Helps Companies Sell More

ブラジルのEmbraco社は小売店舗の冷蔵庫をスマート化するソリューションdiiliを開発しました。このソリューションは冷蔵庫内の温度や開閉回数などの状況をクラウドに送信してレジから参照することができ、在庫切れや温度上昇などを確認することができます。

Nordic Reader Series Promises Intelligence in Handheld and Fixed Devices

Nordic Reader社はUHFパッシブRFIDリーダーの新製品を発表しました。そのうちハンドヘルドタイプのEXA31とEXA51eはBLE接続の小型タイプで、倉庫などで作業員が簡単に取り廻すことができます。

CPqD to Integrate Dojot Platform into Brazil's Public Network

ブラジルの研究機関CPqDはWND社と協調し、CPqDのIoTネットワークdojotをWND社のSigfoxネットワークと接続しました。これによりdojotを用いるIoT機器が携帯モデム通信によるインターネット接続が可能になります。

RFID News Roundup

  • iDTRONIC社がRFIDリーダーの新製品2機種を発表
  • 村田製作所がウェアラブル・ヘルスケア向けの小型RFIDタグを発表
  • Stanley Healthcare社の緊急呼び出しソリューションがUL 1069認証を取得
  • Checkpoint Systems社がAsia Business Achiever Awardを受賞
  • CipherLab社がRFIDとバーコードの読み取りに対応したモバイルコンピュータを発表
  • Suprema社がRFIDに対応した指紋式アクセス管理機材を発表
  • LEID Products社が資産管理システムのデモを公開

Where the Money Is in RFID

RFIDと比べてIoTの方がキーワードとしてメディアで注目を集めやすいのは、RFIDというキーワードが単純なコスト削減を連想させるのに対し、IoTはビジネスを何か面白くしてくれそうだという雰囲気を持っているからです。

A Truly Connected World: The Need for Global Device Connectivity and Control

IoTによって実世界の管理対象物をカバーするようになった企業システムでは、従業員も所在場所に関わらずシステムにアクセスできる必要があります。企業ネットワークが持つポリシーや管理基準などを損なわずに従業員にユビキタスな接続性を提供するためにはクラウドを利用する必要があります。

Ski Resorts Adopt RFID for Lifts, Payments(有償記事)

オーストラリアのSKIDATA社はRFIDを利用したスキー場のリフトチケットシステムを販売しています。同社は従来HFタグを用いたソリューションを提供していましたが、利用者の状況をより正確に把握できるUHFタグを用いたソリューションのトライアルを開始しました。

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2017/10/13

RFID Journal 抄訳 2017/10/13号

今週の特集記事はRFID in Retail and Apparel 2017の報告記事。ざっと報告者の肩書だけ眺めたのですがどうもユーザー企業の報告者が少ない感じを受けました。1日だけのイベントだからしょうがないのかな。あるいは個別企業の事例だけどベンダーが代わりに発表した、ということがあるのかもしれませんが。

グラフェンを配合した電導性ゴムとRFIDの組み合わせの話も興味深かったです。今も時点では直接アンテナとして使うことは難しそうだけど、何か面白いモノが出来そうな、ワクワクする雰囲気がありますね。

なお、元記事はこちらになります。

Alliance Rubber Stretches Limit of RFID and NFC Applications

ゴムメーカーのAlliance Rubber社はグラフェンを配合したグラフェンを配合することで電導性を持たせたゴムの用途開発を行っています。現在はゴムの色を変えることで情報を伝える仕組みに取り組んでいますが、将来的にはNFCやRFIDのタグと組み合わせた利用も可能と考えています。

New Chip Features Privacy Function for European Retailers

Impinj社のUHFパッシブRFIDチップの新製品Monza R6-Aは、ヨーロッパ小売業からのリクエストを受けて近距離モードを搭載しました。これにより、販売時にタグを取り外したり無効化したりすることなく消費者のプライバシーを守ることができます。

Hybrid System Manages Access Control for Mexican High School

メキシコのCervantes高等学校ではNFCとBLEを組み合わせた出欠管理ソリューションを導入しました。このソリューションはHID Global社のHID Mobile Accessをベースにしたものです。

IoT Brings Intelligence to Hard Hats

ベンチャー企業のGuardHat社はワイヤレスセンサー搭載のヘルメットGuardHatを開発しました。このヘルメットはWiFiか携帯モデムを搭載し、装着者の現在位置を通知すると共に、有害ガスの濃度などを検出することができます。GuardHatは現在テスト中であり、2018年に販売が開始される予定です。

RFID News Roundup

  • Xerafy社がヶ国環境向けのRFIDタグの新製品を発表
  • Smartrac社がRFID、NFC、IoTを用いた温度センサー製品群を発表
  • STMicroelectronics社がスマートライティング向けのBluetoothメッシュネットワーク用ソフトウェアを発表
  • FineLine Technologies社がData2社を買収
  • HID Global社がICカード発行用のクラウドソリューションを発表
  • STAR Systems International社が有料道路ゲート向けのアンテナを発表
  • Mayer Brown社がIoTを含むサーバーセキュリティ・データプライバシーのガイドブックを発行

Is Retail Approaching the Tipping Point for RFID?

RFID in Retail and Apparel 2017でBill Hardgrave教授が発表したアンケート結果によると、トップクラスの小売業者のうち50パーセントが何らかの形でRFIDを導入しており、71パーセントがRFIDの導入範囲を広げようとしています。RFIDは小売分野では臨界点(ティッピング・ポイント)を超えようとしています。

Beyond the Hype: Three Ways to Maximize IoT Budgets

IoT導入の費用対効果を最大化するためには以下の3点が重要です。

  • 利用中のレガシーシステムに対し接続性の改善やプロセスの明確化などを行って「きれいに」する。
  • レガシーシステムに複数のIoTソリューションを接続するための接続口を開発する
  • 社内のすべての部署を横断したプロジェクトチームを作る

RFID in Retail and Apparel 2017 Report(有償記事)

9月26日にニューヨークで開催された小売・アパレル業界対象の招待制RFIDイベントRFID in Retail and Apparel 2017は100人ほどの参加者を集めました。このイベントではベンダー側・ユーザー側共に含むRFID専門家が多数のプレゼンテーションを行いました。この記事はそのプレゼンテーションへのリンクです。

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2017/10/06

RFID Journal 抄訳 2017/10/06号

今回興味深かったのはNFCフォーラムによるタグの認証テストの件。IoTの普及により特殊なタグが増えてきたのが背景にあるようで、興味深いですね。iPhoneがNFC機能を開放したことでIoT分野でのNFCの利用はさらに拡大すると思います。

今週の編集後記はオンラインショッピングとオムニチャネルコマース。議論としてはちょっと古い、数年前に本誌で見たような内容だと思いますが、今回掲載されたというのはアメリカでこの種の議論が活発に行われているということなのでしょうか?

なお、元記事はこちらになります。

Ceitec Delivers 300,000 RFID Chips for Vehicular Tagging

ブラジルの半導体メーカーCeitec社は自動車用タグ向けのチップ20万個ををノルウェーのタグメーカーQ-Free社に納品します。このタグは有料道路の自動支払いシステムなどで利用されることを想定しています。

NFC Forum Incorporates Tags into Its Certification Program

NFC Forumがタグを対象とした相互運用性とパフォーマンスの認証テストを開始します。リーダーとモバイルデバイスを対象としていた認証は3年前から実施しており、1年前からタグに拡張するための作業を行ってきました。背景にあるのはIoTアプリケーションの普及の中でNFCが従来と異なる利用をされるようになってきていることです。

Registration Now Open for RFID in Aerospace and Defense

RFID in Aerospace and Defenseが12月13日にヴァージニア州アーリントンで開催されます。このイベントでは航空宇宙・防衛業界向けに、資産管理から作業者の安全、コンプライアンス対応までさまざまな事例が取り上げられます。

Small Textile Tag Offers Read Range of 5 Meters or More

UBI Solutions社は小型のUHFリネンタグUbiTEXを販売しています。このタグはFenotag社が開発したもので、58mm×13mmと従来製品から一回り小型化しつつも5メートルと十分な読み取り距離を持ちます。リネン製品向けタグは医療・介護業界やアミューズメント業界で制服、シーツ、タオル類の管理用に強いニーズがあるが、ナプキンなどの小さなアイテムに取り付けられる小型タグは限定されていました。

RFID News Roundup

  • Turck社がプログラム可能なRFIDインタフェースモジュールを発表
  • Smartrac社が温度記録タグの製品ラインを展示
  • MSM Solutions社がRFIDとバーコードに焦点を当てたWebサイトを開設
  • AIMが2018年の自動認識賞の候補者を募集
  • Computype社がRFIDの新技術開発に投資

E-Commerce Is Not the Answer

実店舗を持つ小売業が売り上げ拡大を目的にオンラインショップを開いた場合、既存店舗との共食いや在庫の増加などのデメリットが発生します。オンラインショップを有効に活用するためには実店舗とオンラインを有機的に統合するオムニチャネルコマースへの対応が必須であり、そのためにはRFIDを導入して正確な在庫を把握する必要があります。

E-Labeling RFID Devices Can Save Suppliers Cash

FCC(米国連邦通信委員会)は通信機器の電子ラベリングのルールを公開しました。これはメーカーにとってコスト削減に有効な手段となりますが、細かな規制が存在するため、採用に当たっては経験のあるコンサルタントを利用すべきです。

RFID Solution Cuts Scrubs Costs for Virginia Hospital(有償記事)

ヴァージニア州の病院LewisGale Medical Centerでは白衣の利用状況をRFIDで管理し必要な場合にのみ洗濯を行うようにすることで洗剤の消費を4万ドル分削減しました。

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2017/09/29

RFID Journal 抄訳 2017/09/29号

今週気になったニュースはMojix社とCXignited社の合併。RFID企業の合併話は大手SIベンダーがポートフォリオ整備のために買収する、というタイプの話が多いので、RFID企業同士の合併は応援したくなります。面白いソリューションを出してほしいですね。

アドベンチャーゲームのインタフェースにRFID対応の織機を利用し、ゲーム終了時に展開に応じた織物が完成している、というデジタルメディアの研究者のお話もとても興味深いです。RFIDによって行動記録を取得することは目新しくはありませんが、その記録行為が機を織るというリアルな作業であり、記録結果が織物になるというところが素晴らしい。物理世界と仮想世界の接点としてのRFID、まだまだ可能性がありそうです。

Loominaryweb

なお、元記事はこちらになります。

Mojix Merges With CXignited to Build Global Retail Solutions Presence

パッシブUHFを用いたRTLSソリューションを提供するMojix社と小売向けのソリューションベンダーCXignited(旧Tagsys)が合併します。両者は取扱製品がハード中心とソフト中心、本社がアメリカとヨーロッパで、それぞれ補完関係にあります。両者の現在のブランド名は継続して利用されます。

RFID Tracks Safety Equipment for Fiji Airways

Fiji Airways社は機材の非常用設備の点検にRFIDを利用しています。設備にWilliam Frick社のUHFパッシブタグを貼付し、ハンディリーダーで読み取りを行います。ソリューションを開発したのはEAM RFID Solutions社です。

RFID Weaves a Tale With New Loom Technology

カリフォルニア大学デービス校でデジタルメディアを研究するJosh McCoy教授は、RFIDを搭載した織機をインタフェースとするゲームを開発しました。これは、織機にリーダーを、シャトル(杼)にタグを搭載したもので、選択肢を選んでゲームを進めていくタイプのゲームの中で特定の選択をシャトルを通して行うことで、ゲーム終了時には特定のゲームの内容に合わせた織物が出来上がっているというものです。

Companies Trialing NFC With Workflow-Management Application

ワークフロー管理ソフトウェアのベンダーFlowfinity Wireless社はデータ入力手段としてNFCに対応しています。特定の場所で発生するタスクを入力するため、NFCタグをその場所に貼付し、スマホで読み取ることで入力を自動的に行えます。

RFID News Roundup

  • 村田製作所がRAIN RFID規格準拠の小型金属タグを発表
  • Harland Simon社とGS1アイルランドが資産・在庫管理ソリューションで協業
  • Nedap社が駐車場向けセンサープラットフォームを発表
  • サトーがインテリジェントなラベル印刷技術を公開
  • Identiv社とZwipe社がICカードのバイオメトリック認証で協業
  • CAEN RFID社がRFIDリーダーの新製品2機種を発表

When RFID Becomes Obsolete

私は過去15年間RFIDを置き換えうる技術についてずっと検討してきました。現時点で最も有望な画像認識でも、梱包や箱の内側を読み取れない、品物のサイズ違いを識別できないという弱点があるため、RFIDを完全には置き換えられません。RFIDを完全に置き換える技術は登場するとしても30年以上先になるでしょう。

Five Ways in Which the Internet of Things Is Helping the Environment

IoTが地球環境に貢献する方法には以下のようなものがあります。

  • 自動運転車
  • 野生動物の保護
  • 照明や冷暖房の自動制御
  • 環境変化の検出と通知
  • 農業のスマート化

Why Standardization Is Fundamental for the IoT in Brazil(有償記事)

ブラジルではRFID・IoT産業の育成のために税制の優遇や公的資金の投入などが検討されています。

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2017/09/24

RFID Journal 抄訳 2017/09/22号

今週興味深かったのはオーストラリアのDVD無人レンタル機でのRFID利用。この種のソリューションはネットサービスと強く競合しますが、現物を扱うことで生き残りを狙うならRFIDの利用を考慮せざるを得ないのですね。

指輪タイプのRFIDリーダー、という記事は写真を見てちょっとクスリとなりました。この製品は建設現場で利用するヘビーデューティー仕様なので小売店舗や通常倉庫向けのタイプと直接比較はできませんが、それを差し引いても日本などアジアのメーカーが出しているもののほうが小型の製品の完成度は高いように思います。

Tsl1153uhfreadercombo

なお、元記事はこちらになります。

Australian Entertainment Company Expanding RFID-Enabled Kiosks

オーストラリアのホームエンターテインメント企業Franchise Entertainment Group社は無人のDVD貸出・返却機にRFIDを利用します。これはDVDのそれぞれに13.56MHzのタグを貼付して筐体内のロボットアームで取り出しを行い、返却の判定にもRFIDを利用します。同社はシドニーからパースにかけての一帯に1300台の無人DVD貸出・返却機を展開する予定です。

Australian Museum Exhibit Features Democracy's History Via RFID

オーストラリア民主主義博物館では展示ガイドにRFIDを利用しています。同博物館ではタッチスクリーン搭載の展示パネルが50箇所設置されており、来館した学生・生徒が学んでいることに応じた表示を行います。この識別を行うため、学生・生徒に13.56MHzタグを内蔵した入館証を持たせ、それをかざすことで表示を行わせます。このソリューションはEDM Studio社が開発しました。

RFID Readers Fit Like a Glove With New Atlas RFID Release

Atlas RFID Solutions社はウェアラブルタイプの小型UHFパッシブRFIDリーダーを販売します。このリーダーはTechnology Solution社の製品で、人差し指と中指の日本を差し込んで指輪のようにして利用します。

ABRFID Announces Winners of Its 2017 IoT RFID Awards

8月29日-31日にサンパウロで開催されたLatam Retail Showで、ブラジルRFID協会(ABRFID)がIoT RFIDを発表しました。個人賞はHewlett-Packard社のKami Said氏、他にはiTAG社、SmartX Technology社、Identhis社、Valid社の案件が受賞しました。

RFID News Roundup

  • Identiv社とS+P Samson GmbH社が医療機器向け薄型RFIDラベルで提携
  • SATO EuropeがRFID対応の患者向けリストバンドを提供開始
  • Syndicate Secure Print RFID社がフロントガラス用のタンパリング対応タグを発表
  • Smartrac社が日用品向けの金属対応タグを発表
  • GlobalPlatform社がNFCデバイス向けの複数サービス管理の仕様を公表
  • European EPC Competence CentreがUHF RFIDの参考文書を公表
  • HID Global社がアメリカの政府機関向けに一時入館証を納入

What You Can Learn From the NFL

NFLがアクティブUWB測位タグを導入して試合中の選手やボールの動きを可視化した事例がNew York Times誌に取り上げられました。このようなツールを利用して人員や資材の動きを可視化することは企業にとっても大きなメリットをもたらす可能性があります。

Appealing to the Connected Home Buyer

コンシューマー向けのIoT機器が消費者に選ばれるポイントは、利用者が求めるプラットフォーム上で動作すること、長期のサポートが行われること、樹分なセキュリティが確保されていることなどです。

Integration Brings Wi-Fi-Enabled Data from Pumps to RTLS (有償記事)

Stanley Healthcare社は自社の点滴用ポンプにAeroscoutのWiFi RTLS機能を組み込み、別途WiFiタグを貼付することなしに所在管理を行えるようにしました。

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2017/09/07

RFID Journal 抄訳 2017/09/07号

今週目を引いたのは人間の細胞に挿入できる超小型タグ。実際には読み取り距離も非常に短く用途は限定されるのだと思いますが、まるでSFの世界のようで技術の進歩に呆然とします。

技術の進歩、という意味では、EPC Gen2タグにIPsecを搭載するという研究にも驚きました。信頼できないリーダーによる盗聴や改ざん、なりすましを防ぎ直接クラウドと通信できるという意義は素晴らしいのですが、実際に技術的に可能なのか、というのがいま一つ信じられません。

聖路加国際病院が帝人のレコピックのトライアルを実施した話。日本の事例が掲載されるといつもうれしい気分になります。

なお、元記事はこちらになります。

Researchers Develop Microscopic RFID Chip to Embed in Human Cells

スタンフォード大学の研究者は人間の細胞に挿入することができる超小型のタグの開発を行っています。このタブは60GHzで動作するパッシブタグで、大きさは22ミクロン。現在マウスのメラノーマ細胞に挿入するところまで実施しており、テストの次のステップはタグを正しく読み取ることです。

Tokyo Hospital Tracks Equipment via RFID-Enabled Shelving

聖路加国際病院がRFID棚管理システムのトライアルを完了しました。このシステムは帝人のレコピックで、医療機器を格納したラックにある在庫をリアルタイムに把握できるため、看護師の無駄な移動を軽減するとともに、在庫の削減が可能であることが判明しました。

ABRFID Award to Recognize Companies and Personality in Brazilian RFID Industry

8月29日-31日にサンパウロで開催されたLatam Retail Showで、ブラジルRFID産業協会(ABRFID)は第1回のABRFID Awardの受賞者を発表しました。

Austrian Researchers Find Security Options for RFID in Open IoT

オーストリアのグラーツ大学の研究者はEPC Gen2タグ上でIPsecプロトコルを動作させ、タグのインターネットの間で暗号化と認証を行うセキュアな通信を行うシステムを開発しました。このシステムはPIONEERと呼ばれ、IPsecの標準規格ISO/IEC 29167に準拠、リーダーが信頼できない場合でもインターネットとの間にセキュアな通信経路を確保できます。

RFID News Roundup

  • MEPS Real-Time社は500社目の導入を行ったと発表
  • Harting社が鉄道向けのUHF RFIDアンテナの新製品を発表
  • Faxitron社とHealth Beacons社の乳腺病変検査用RFID製品がFDAの認証を取得
  • Eccel Technology社がRaspberry Pi向けのNFCリーダー拡張ボードを発表。価格は33ポンド
  • Machfu社が160億ドルの資金を調達。エネルギーと水道分野向けの産業向けIoTへの取り組みを加速

Why RFID Is Essential in Retail

現代の小売業にとってRFIDの導入は極めて重要です。現代の顧客はスマホから注文や在庫の確認をするのに慣れており、オンラインでは存在するはずの在庫が実際に店舗に存在しなかった場合には強い悪印象を与えることになるためです。

The Future of Service Delivery: How IoT and AI Optimize the Customer Experience

IoTとAIの導入は出張保守サービスを大きく変えます。サービスエンジニアの到着時刻を正確に顧客に伝えたり、作業の内容を事前に確認したり、あるいはサービスエンジニアが現地に出向かずに遠隔保守を行ったりということが可能になります

Hewlett-Packard Factory Showcases Internet of Things Advances in Brazil(有償記事)

Hewlett-Packard社のブラジル法人は同社のRFIDプラットフォームExceler8について業界カンファレンスで発表しました。このカンファレンスでは他にもGS1や他の企業による事例が発表されています。

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