2016/09/22

iPhone7のFelicaサポートについて気になっていること

Appleが9月7日にiPhone7とApple Watch Series 2を発表し、ApplePayでのFelicaのサポートが報告された。今回サポートされるのはJCBの「QUICPay」と三井住友カードの「iD」、ドコモdカード、au WALLETクレジットカード、そしてSUICAになる。

これは日本のFelica事業者、特にJR東日本が積み重ねてきた努力の結果であることは間違いない。今年の5月にFelica対応をNFCスマホの必須対応項目として認めさせた(RFID A GoGo!:NFC ForumでFelicaが必須仕様に)ことを踏まえた、満を持しての本丸Appleによるサポートということになる。だが、Appleの従来の方針とは整合しない、気になる部分が残る。

一つはSuicaへの対応の内容だ。上記の通りSuicaはApplePayに追加して利用されるが、独自の「Suicaアプリ」も提供される。また、Suicaについては、指紋認証を飛ばして決済できる「エクスプレスカード」も提供される(NIKKEI STYLE:iPhoneにSuica JR東のキーパーソンを直撃)。これはAppleが他国のNFC事業者に取ってきた態度とは明らかに異なる。例えばオーストラリアの銀行協会はApplePayを介さない独自のNFCアクセスをAppleに要求しているが、Appleはこれを拒否している(The Register:Apple says banks can't touch iPhone NFC without harming security)。Appleの言い分は、同社のセキュリティ基準はハードウェア、ソフトウェア、サービスのすべてを深く統合することで満たされるもので、銀行アプリケーションがNFCにアンテナにアクセスするだけで求めるセキュリティが失われてしまう、とまで言っている。これを前述のSuicaへの待遇と比べるとその差は明らかだろう。また、NFCスマホのFelica対応が必須化されるのは2017年4月になる。それを待たず前のめりのスケジュールでFelica対応を行ったことも気になる。

もう一つはiPhone7とApple Watch Series 2のFelica対応が日本モデルだけという点だ。一方で日本モデルはNFC-A/Bの利用は行えない。この点については日本と外国でハードウェアが異なるのではないか、という憶測もあったが、分解調査の結果すべてのモデルでNXP製のNFCチップ「67V04」が採用されていることが分かっている(iPhone Mania:iPhone7のNFCチップは海外版も日本版と同じFeliCa対応と判明!)。モデルごとにNFCの一部の機能を殺すことにメリットがあるとは思えないし、利用者に不便だけをかけることになる。これはAppleが外国の事業者に対し、日本は事情が違う特殊な国なんですよだからハードも分けてるんです、と言い訳するためのものではないか、ということも考えてしまう。

上記2点はただ単にスタート時の混乱に過ぎないのかもしれないし、あるいはAppleのNFCに対する方針が変わったことを示唆するのかもしれない。今後気を付けてウォッチしていこうと思う。

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2016/07/24

NFC ForumでFelicaが必須仕様に

7月14日に開催されたNFCフォーラムジャパンミーティングの席上で、Felica(ISO/IEC18092)がグローバルモデルのスマートフォンでサポートされるという発表があった(マイナビニュース:iPhoneでモバイルSuicaが使えるようになる? - NFC対応スマートフォンにFeliCa搭載という流れ)。事実関係については日本語で良くまとまった記事が出ているので付け加えることは無いのだが、備忘のために整理しておきたい。

従来グローバルモデルのスマートフォンでサポートされてきたNFC-A/BとFelicaは、どちらも13.56MHz帯で動作するICカードの通信規格だが、Felicaは読み取り距離や処理速度に対する要求がNFC-A/Bよりも厳しく(Felicaが読み取り距離が85ミリ、処理速度が200ミリ秒なのに対し、NFC-A/Bでは20ミリ、500ミリ秒)なっている。NFC-A/Bではセキュリティチップ(セキュアエレメント)をSIMカードに実装するためFelicaが求める処理速度を満たすことは難しく、そもそも海外の事業者はFelicaのような高いスペックを必要としなかったため、FelicaはISO/IEC18092、NFC-Fとして標準化されつつもグローバルモデルのスマートフォンには実装されない状況が続いてきた。

だが、標準化の動きが決済分野から公共交通分野に広がることで動きが変わった。店舗決済用としては過剰なFelicaのスペックも日本の改札処理では実際に必要とされているものだし、JR東日本の公共交通分野での存在感は日本の金融機関の決済分野での存在感を大きく上回る(JR東日本の輸送人員数は世界最大)。加えてNFCチップの性能向上によりFelica準拠の処理速度を達成する目途が付いたこともあり、今回の標準化につながったのだろう。

今回の標準化の内容について原文で確認しておきたい。プレスリリースはNFC ForumとGSMAが2016年5月2日に出した共同ステートメントになる。該当する部分は以下の通り。

"Generic NFC mobile devices which are designed, tested and certified according to NFC Forum specifications can be used as a platform for fare media and card reader systems according to ISO/IEC14443, ISO/IEC18092 (FeliCa) and with NFC-tags."

NFC Forumに準拠する汎用的なNFCモバイルデバイスはFeliCaの標準規格ISO/IEC18092を用いた運賃支払メディア・カードリーダーのプラットフォームとして利用できなければならない、という記述になっている。確かに必須仕様であり、オプション扱いではない。

一方で、これはあくまでハードウェアの対応であることには注意しておきたい。AppleでモバイルSUICAが使えるのか、Androidのグローバルモデルで「おサイフケータイ」アプリをダウンロードすれば利用可能になるのか、は今後の課題になる。

個人的にはAppleでの利用についてはあまり楽観視していない。今までのNFCやBluetoothビーコンでの動きを見ると、何らかの形でApple独自のエコシステムを作ってユーザーを囲い込みたいと考えるほうが自然だ。だけど例えば「Apple Commute Japan」といった独自の交通系ICサービスを立ち上げて相互利用ネットワークに加入するというのも不自然だろう。これから日本の事業者との間でのせめぎ合いが本格化するのではないだろうか。

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2012/06/23

AppleのNFC戦略を大胆予測

6月11日に開催されたAppleの開発者カンファレンス「WWDC」ではiPhoneへのNFC搭載についての情報は無かったのだそうだ。iPhoneがNFCリーダーを搭載するという噂が流れてから随分長い時間が経った。iPhoneがいつどのような形でNFC機能を搭載するのかはNFCの今後の普及に決定的な影響を与える。僕はApple製品のウオッチャーでは無いし、この会社が世間をあっと言わせるような商品を何度も発表してきたことを知っているが、今後の展開について自分なりの補助線を引いてみたい。

まず一番基本的なところから。Appleはハードウェアの販売で収益を上げる会社であり、サービスやソフトウェアは競合メーカーが模倣できない付加価値をつけて差別化を行なうための位置づけになっている。つまり、サービスやソフトウェアを広めてそこから直接間接の売り上げを上げるのではなく、Appleのハードウェアでしか使えないようにしてユーザを囲い込むことが目的になる。模倣が困難な付加価値を付ける方法は大きく分けて以下の2つになるだろう。

  • 使い勝手などアイデアが分かっただけでは真似が出来ない部分、具体的にはユーザエクスペリエンスを作りこむ。フリック・ピンチ、音声認識のSiriなどがこれにあたる。
  • 巨大なシェアと強力な知財能力を生かし、競争相手がアクセスできないインフラを作ってユーザを囲い込む。Dockコネクタ対応の周辺機器群などのハードウェア、またiTunes Storeなどのサービスがこれにあたる。

さて、NFCはこのどちらのモデルになるだろうか。

まずハードの方から見ていこう。もっともシンプルな囲い込みの方法は独自のNFCハードウェアをサポートすることだ。いかにAppleとはいえ今の時点でプロプライエタリな仕様を広めていけるのか、と疑問に思うのが当然だろうが、現行のNFC仕様は関係者間の綱引きのため複雑化し、交通系で求められる処理時間には対応できないという話がある(ASCII.jp:ロンドン地下鉄がNFCでの乗車券サービスを始められない理由)。仮にこれが正しければ、Appleが高速なMifareカード(海外のICカードアプリケーションの主流)のエミュレーションを行なう独自仕様のハードを導入するということも有り得る話かもしれない。NFCを採用したGoogleウォレットは携帯電話事業者の反対のため普及が遅れているが(CNET News:普及が進まない「Google Wallet」--米国における苦戦の理由を探る)、Appleであれば独自仕様を採用することも携帯電話事業者の反対を無視することも造作も無いことだろう。

もうひとつ、ハードウェアでユーザエクスペリエンスを作りこむというのはどうだろうか。可能性としてはありうるとは思うが現時点でその技術を持っているのはAppleではなく既存のICカード事業者グループ(特に日本の)が持っているだろう。彼らは携帯電話のハードウェアも持っている。Appleがそこに依存しようと思うだろうか。

それではソフト・サービスの面から見るとどうなるだろうか。今回のWWDCではPassbookという機能が発表され、それが将来のNFC搭載の布石になるのではという観測があるそうだ(マイナビニュース:【レポート】iOS 6の新機能「Passbook」とは何か? 将来的なNFC搭載の可能性を考察する)。Passbookはチケットやポイントカードを電子化し、関連情報の受信やハードウェアへの通知の統合的なインタフェースを提供するサービス。従来はこの種のサービスはサービス事業者が独立したアプリとして作りこんでいたが、それに対して標準のAPIを提供することがPassbookの目的だという(当然Passbook内に複数のチケットやポイントカードを格納できる)。現状はチケット類は二次元バーコードやテキスト情報として格納されているが、ユーザエクスペリエンス向上のためにはNFC対応も必要になるだろうというのが業界筋の見立てらしい。

さて、本稿で言いたいことが見えてきたのではないだろうか。そう、もしiPhone次期バージョンがNFCではなく独自のMifareエミュレーション機能を搭載し、そのエミュレーション機能にアクセスするAPIをPassbook経由で提供するとしたら?この場合、サービス事業者はiPhoneを持たない顧客に対してもMifareカードを用いてサービスを提供できるから独占と非難される筋は無い。だが、AppleはNFCの縛りを気にせず独自のサービスをPassbook経由で提供することができる。NFC事業者によるアクセスが困難な強力な囲い込みのインフラとなるだろう。

この場合、NFCの持つリーダー・ライター機能やP2P機能はサポートの必要が無い。Appleとしても既存のユーザエクスペリエンスを陳腐化させかねないこれら機能を積極的にサポートしたいと思わなくても全く不思議ではない。正直個人的にはあまり楽しい未来図ではないので、こういう方向には進んで欲しくは無いのだが…。

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2010/11/21

アメリカ携帯電話大手による非接触決済システム立ち上げ(ISIS)

アメリカの携帯電話大手のVerizon Wireless、AT&T Mobility、T-Mobile USAの3社が共同で共通の非接触決済システムのジョイントベンチャーを立ち上げたというニュースがRFID Journalに掲載された(Mobile Carriers Launch Venture to Aid Adoption of NFC in Phones)。それなりの大ネタであるため一般紙にも掲載されており、日本のITメディアにも取り上げられている(日経ITPro Web: 非接触型モバイル決済の合弁会社、AT&TとVerizon、T-Mobileの3社が設立WirelessWire News: 米携帯通信大手3社、「おサイフケータイ」サービスのJV設立を正式発表)。特にWirelessWire Newsの記事が詳しく、あまり付け加えることも無いのだが、個人的な経験も含め気が付いたことを。

アメリカではEdyのようなプリペイドタイプの非接触決済システムはほとんど普及しておらず、QUICPayやiDのようなクレジットカードに紐付いたシステムが利用されている。アメリカの主要クレジット会社はPayWave(Visa)、PayPass(MasterCard)、ExpressPay(AMEX)、Zip(Discover)とそれぞれに非接触システムを導入している。但しこれらのシステムはクレジットカード内蔵、もしくはキーホルダータイプのもので、携帯電話のNFC機能とリンクはしていない。

日本のメディアでは全然立ち上がっていないと表現されるアメリカでの非接触支払いシステムだが、インフラの普及はそれなりに進んでいる。クレジット/デビットカードの発行者は非接触決済機能を内蔵したカードを積極的に発行しているし、大手チェーンのドラッグストア(日本の感覚でいうとコンビニとして使う)ではほとんどすべてが対応していると言っていい。結果、MasterCardのPayPassだけでも発行カード総数7800万枚、加盟店24万5千店という規模に至っている。もっとも実際の利用は小規模に留まっている。

携帯電話と組み合わせることでさまざまなプロモーションが可能になるということは業界で広く認識されており、従来から小規模なトライアルは続けられてきたのだが、本格的な取り組みには至らなかった。その理由は筆者にはよく分からない。アメリカは同一のヘッドセットをSIMを差し替えてを利用するという文化はヨーロッパに比べて薄く、また最大手のVerizon WirelessはCDMA方式を採用してきた関係でそもそもSIMに対応していなかったので、日本的なキャリア主導でのシステム導入は不可能ではなかったと思うのだが。

ISISプロジェクトには携帯通信会社3社のほか、大手の小売業数社、そして銀行としてBarclaycard US、クレジットカード会社としてDiscoverが参加している。RFID Journal記事中のインタビューによると初期ユーザーにはこの2社のブランドのサービスが提供されるが、将来的には他の銀行・クレジットカード会社の参加も想定しているようだ。

このプロジェクトの最大の注目点は、いままで将来性が謳われながら小規模なパイロットがだらだら続いていたアメリカの携帯電話非接触決済システム導入で、今後18ヶ月でISIS対応製品を投入開始すると期限を区切ったことにある。果たしてこの通り対応製品が登場するか、そしてその利用が広がっていくか。BlackBerryやAndroidなどのスマートフォンでも導入が明言されていることもあり、日本のユーザーにとっても他人事ではない。

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2010/02/15

オープンソースNFCミドルウェアOpen NFC

RFID Journalにオープンソースの携帯電話用NFCミドルウェアがリリースされたという記事が掲載された(Inside Contactless Releases Open-Source NFC Middleware for Phones)。Open NFCという名称で、NFCチップメーカーのInside Contactless社がリリースしている。もともとはMicroReadという名前の商用ソフトウェアとしてリリースされていた製品らしいが、現在はApacheライセンスで利用可能。ただしSourceForgeなどにソースがばーんと公開されている様子は(現時点では)なく、Inside Contactless社のサイトの中にひっそりと紹介ページが存在している。

現在公開されているバージョンは3.4で、OSとしてはWindows Mobile 7 (WinCE 6.0)とLinux 2.6で動作する。3月末にリリース予定のバージョン3.5ではAndroidへのサポートが追加される。少し前にRFIDへの対応が話題になったiPhone(マイコミジャーナル:iPhone OS 3.0でRFID利用が現実的に - Touchがメディアデモ公開)は対象になっていない。すべてのNFC互換チップをサポートし、FeliCa、Mifare、ISO 14443というNFCで使われる主要なプロトコルに対応しているという。

Inside Contactless社のサイトによると基本的には携帯電話NFCマーケットを広げるために標準的なインフラを作りたい、といことが目的の様子。この分野には十分な土地勘が無いのだが、記事によるとこの種のミドルウェアは有償の製品がハードウェアとソフトウェアの組み合わせごとに提供されていて、それが普及を阻む要因になっていたようだ。記事は潜在的なユーザーとしてMotorolaやNokia、Qualcomm、Samsungなどの携帯電話ベンダーの名前を挙げている。

ただ、個人的にはセキュリティはどうなのかなとは思う。ユーザがプログラムをインストールできない通常の携帯電話の組み込み用に利用するというのもそれはそれで意味のあることだが、サポートするOSを見るとスマートフォンを狙っているように見える。スマートフォンは現状でもNFCチップを積んでいるものは僕の知る限りでは無いはずで(あるいは韓国や香港あたりには存在するのか)、やはり決済などに利用できるデバイスをユーザが叩けてしまうのはまずいと現時点では考えられているのだろう。

まぁ、HP200LXやPalmなど海外物のPDAを日本語化して使ってきた僕としては、Open NFCを積んだGoogle携帯をネ申が解析してFeliCaサポートを追加し、SUICA・Edyを利用できるツールを公開、なんて展開を期待してしまうのだが。

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2006/11/22

ニューヨーク地下鉄でのPayPassトライアル・続編

先日ご紹介したニューヨーク地下鉄のPayPassトライアル、Citiの口座を開いたため参加できることになった。

僕が持っているのはAAdvantageプログラム提携のデビットカード。このカードにはチップ内蔵タイプが無いようで、PayPass対応の依頼をCitiのカスタマーサービスに伝えたらキーホルダーを送ってきた。下がデビットカードとキーホルダーの写真。

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使ってみるとスムーズに認識はする。通常の自動改札のちょっと下の方に取り付けられたリーダーにキーホルダーをかざすと普通の定期と同じところに"GO"と出ますよ、という感じで、正直あっけない(笑)。テスト期間ということもあり、手の動きと視線の先が上手くリンクしないのが難か。正式に導入が決まったら改札は作り直しになるんだろうな。

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2006/07/20

ニューヨーク地下鉄でのPayPassトライアル開始

ニューヨークの地下鉄での非接触システムでの運賃支払いのトライアルが始まった(The NYC Subway Trial)。すでに報道済みの案件だしこのBlogでも以前に取り上げたが(ニューヨークの非接触決済システム事情)、正式な案内を見て意外だったのはCitiが発行するPayPass対応のクレジット/デビットカードであれば上記のサイトから登録さえすればどのカードでもトライアルに参加できる、ということ。独自のカードを必要とするわけではなかったのだ。参加者は自分の運賃を支払う必要があり(参加特典として最大$12のボーナスが付くが)、Pay-As-You-GoとPre-Payの二つの支払方法を選ぶことができる。Pay-As-You-Goは乗車ごとに運賃を支払うもので、Pre-PayはSUICAなどと同じく事前に運賃分をチャージしてから利用する(この場合入金額に対し20%のボーナスが付く)。なお、ニューヨークの地下鉄には定期券もあるのだが、こちらはトライアルの対象となっていない。

上に書いたようにCitiのPayPassカードならどれでも使え、かつPre-Payといった仕組みを持っているということは、カードの識別・認証機能を使いつつ決済機能とは独立した形でPayPassアプリケーションを作りこむことができる、ということを意味する。例えばスーパーやファーストフードチェーンがロイヤリティカードをPayPassに置き換えることが可能になるわけだ。となると気になるのはそのアプリケーションがカードベンダー独自のものかMasterCardが提供してどのPayPassカードでも使えるようになるかなのだが、これについてはまだニュースを見かけていない気がする。

ともあれ参加特典として$12のチャージが貰えるので、該当するカードを持っている人は話のタネに登録してみると良いかも。僕は定期券の方を使っているので、わざわざCitiに口座を開いてまで参加するかどうかは思案中。

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2006/06/02

Blinkがやって来たヤァ!ヤァ!ヤァ!

非接触決済システムの記事を書いたらいきなり対応したキャッシュカードが送られてきた。僕が口座を開いているChaseからのものだ。今まで使っていたカードの有効期限はまだ2年も残っているので、どうやら全ての顧客を対象にして一斉に切替えを行っているようだ。Chaseはおそらくニューヨーク地区で最大の顧客シェアを持つ銀行。シェアでは5位に入るだろうHSBCもPayPass対応のキャッシュカードを発行している(但し一斉切替えを行っているかどうかは不明)。ニューヨークの小売店が非接触支払いシステムに妙に強気な理由はこれだったのか。

(アメリカのキャッシュカード事情について補足しておく。アメリカの銀行に口座を開いてキャッシュカードを作ると、デフォルトでデビットカード機能を持ったキャッシュカードが作成される。アメリカのデビットカードはVISAかMasterCardブランドになっていて、クレジットカードが使える場所では基本的に全く同じように使えるのだ。なのでここでもカードがクレジットかデビットかは全く区別せずに扱う)。

ちなみに送られてきたカードはVISAのもの。VISAはPayPassやExpressPayのような自前の非接触決済システムのブランドを持っておらず、このカードはChaseが提供するBlinkブランドでの発行となる(ChaseはMastercardと提携したBlinkカードも発行している)。このあたり、銀行とカード会社の綱引きなどがあるのだろうか。しかし顧客のオプトイン無しに一斉配布するというのはなかなか思い切ったことをするものだと思う。プライバシー問題などは意識しなかったのだろうか。

さてこのBlinkキャッシュカード、接触端子があるわけでもなくAmerican ExpressのBlueシリーズのように透明なカードフェイスで内蔵のアンテナをフィーチャーしているわけでもない。表面のBlinkロゴを除けば非接触決済システム対応であるかどうかは分からない。それでもせっかく届いたのだからということで、対応するDuane Readeで早速使ってみることにした。Duane Readeのレジに置いてあるのは、通常のキャッシュカードと共通の端末。アンテナ部分にカードをかざせば認証が終わり、サイン無しで支払いが済んで楽チン…のはずなのだが、カードの認識や支払い完了といった情報が端末に表示されないので非常に使いづらい。このあたりユーザインタフェースを練る必要があると思う。ちなみにカードの使用履歴には普通にクレジットカード扱いで使ったときと同じタイミング・内容で表示された。当たり前と言えば当たり前だが。

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2006/05/22

ニューヨークの非接触決済システム事情

最近ニューヨークでは非接触決済システムの宣伝がカード会社側・店舗側の両方で目に付くようになってきた。Mastercard PayPassやAmerican Express ExpressPayなど、日本のニュースでも取り上げられているのではないかと思う。が、どんな風に利用されているのかというのはRFID Journalを毎号読んでいてもピンと来ない。日本のニュースだけではなおさらだろう。なので、印象論になるが簡単にニューヨークでの事情に触れたい。

まず店舗側。ニューヨークではDuane ReadeとCVS Pharmacyの2つの大手ドラッグストアがサポートしたのが大きい。日本で言うなら大手コンビニチェーンがサポートを始めたというぐらいのインパクトがあるのではないか。この他にマンハッタン内の大きめのMcDonaldはほとんどサポートしているし、チェーンの映画館でも旗艦店で利用できるようになっている。トライアルレベルはもちろん通り越し、無いと不便というほどではないが「持ってると便利かな」と多くの人が思うレベルには達していると思う。ニューヨークではこの夏から地下鉄でPayPass仕様に基づく改札のトライアルが始まるので(但しPayPassのシステムには繋がらないのでトライアル参加者しか利用できない)、大規模導入に向けた先行投資という側面があるのだろう。

一方カード会社側。アメリカの非接触決済システムは基本的には電子マネーではなくクレジットカードの小額決済($25以下)手段という性質を持つ。一応プリペイドカードがあったり決済用のキーホルダーをメインのカードの他に持てるようにはなっているそうだが、カード会社はそれらを全然宣伝していない。今のところ消費者に認知されているのはクレジットカード内蔵方式のみだろう。ニューヨークで認知があるカードはChase BlinkとAmex Blueシリーズ。まだまだ選択の幅が狭い。今年の夏にかけて小売チェーンなどがストアカードとの複合機能を持つクレジットカードを投入すると言われているので、それに期待というところだろうか。

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