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2019/06/22

RFID Journal 抄訳 2019/06/21号

今週気になる記事はImpinj社とNXP社の特許紛争です。編集後記にもある通り両社はRFIDマーケットで実業を展開しているメーカーであり、マーケット自体を傷つけることは望んでいません。常識的に考えれば今後は利用者が意識しないところで交渉が進んで示談になるはずです。

今週の識者投稿は米軍の原子力潜水艦の予防保守の話。RFIDやIoTに関係する話はほとんど出てこないし目新しいビジネスコンセプトが示されているわけでもないのですが、結構臨場感のある興味深い内容です。こういう分野の話が好きな方はぜひ。

なお、元記事はこちらになります。

Impinj Sues NXP for Patent Infringement

Impinj社がNXP社をRFIDチップに関する特許侵害で訴えました。同社はUHFパッシブタグの性能チューニングなどに関する26の特許が侵害されたとしています。Impinj社はNXP社のUCODE 7チップの販売差し止めは要求しておらず、UCODE 8チップの差し止めだけを要求しており、また係争中の技術はGS1プロトコルの実装に必須ではないとしています。NXP社は訴えの事実は認めましたがそれ以外のコメントは差し控えるとしています。

NFC Raises Spirits for Tasmanian Distillery

オーストラリアのRFIDベンダーAusNFC社はタスマニアの食文化イベントThe Taste of Tasmaniaに出展された地元のウイスキーにNFCタグを貼付することで、製品の認証や情報提供を消費者が受けられるようにしました。利用されるタグはHID Global社のものです。

RFID Tracks Bourbon As It Ages

酒造メーカーのWild Turkey社はバーボンの熟成管理にRFIDを利用しています。バーボンはオーク樽に詰めて6~13年間熟成されます。同社はそれぞれの樽にUHFパッシブタグを貼付し、ハンドヘルドリーダーで読み取ることで、棚卸しや必要な樽の取り出しなどの作業を簡略化しました。

Sigfox Launches Chicago Hacking House With Smart-City Focus

Sigfox社はシカゴのコワーキングスペースChicago Connectoryで12週間の集中トレーニングプログラムHacking Houseを開催します。このプログラムはSigfoxとIoTの集中的な技術トレーニングを行ない、実際のIoTソリューションを開発することを目的としたもので、アメリカでは2回目の開催になります。

RFID in Manufacturing: Virtual Event Presentations Now Available

製造業でのRFID活用をテーマにしたバーチャルイベントRFID in Manufacturingでの講演の録画が視聴できるようになりました(有償購読者限定)。

RFID News Roundup

  • Atlas RFID Solutions社がトラッキングソリューションの新製品を発表
  • JADAK社がハンドヘルドRFID/バーコードリーダーの新製品を発表
  • Silicon Labs社とNotion社がIoT対応のスマートホームセンサーで提携
  • BehrTech社が産業向け無線IoTの新ブランドMYTHINGSを発表
  • LoRa Alliance社がIoT機材へのLoRaWAN認定プログラムを開始
  • ABI Research社が農業向けIoTに関するレポートを発表

Thoughts on the Impinj-NXP Legal Battle

Impinj社とNXP社の間の特許紛争は、両社ともユーザーを巻き込まないような形で動いており、マーケットに大きな影響を与える前に集結すると考えられます。

Hunting Downtime: A Submariner's Perspective on Predictive Maintenance

アメリカ海軍は原子力潜水艦の予防保守を行うためにエンジンの回転数や潤滑油の流量を定期的に記録し、長期的なトレンドや短期的な異常値の発生を見抜くためのオペレーションを行っています。この原則は民間においても、またIoTによってデータの取得が自動的に行えるようになっても通用するものです。

Hospital Builds Intelligence One RTLS Step at a Time(有償記事)

St. Joseph Mercy Oakland病院はスタッフの所在を把握するためにRTLSシステムを導入しました。同病院が導入したのはCenTrak社のIR-RFID複合タグです。

 

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2019/06/15

RFID Journal 抄訳 2019/06/14号

今週興味深かった記事はミシガン大学とワシントン大学が開発中のUHFパッシブ高精度測位システム。しばらく前から大学発の記事が断続的に出ている分野ですが、じわじわと機能や精度が上がってきている印象です。次の注目点は実導入事例がいつごろどのような形で出てくるか、でしょうか。

編集後記はRFIDの戦略的なメリットについて。数年前はとにかくLow Hanging Fruitsにフォーカスしていたことを考えると、ずいぶん業界を取り巻く雰囲気も変わったな、という印象です。ただ、この種の戦略活用というのはホールプロダクトが出にくい分野でもあるのですよね。

なお、元記事はこちらになります。

Special Olympics World Games Tracks Athletes via the IoT

2019年3月にアブダビで開催されたスペシャルオリンピックでは選手の所在管理にSigfoxを利用したIoTタグが利用しました。これは競技場と宿泊施設以外の場所でも選手の位置を把握することを目的としたもので、最寄りのWiFiホットスポットをMACアドレスから位置を検知することができます。

U.S. Army Testing RFID for Medical Biodefense Management

米国陸軍医療感染症研究所(USAMRIID)は冷凍試料の棚卸しを冷凍庫から取り出さずに行うためのソリューションにRFIDを採用するテストを行っています。従来冷凍試料の棚卸しは冷凍庫から取り出して目視で行われていましたが、手間がかかりミスが入り込みやすいだけではなく、冷凍庫から取り出すことで試料が劣化するという問題もあります。現在テストされている技術はUHFパッシブです。

University Research Tracks Everyday Activities via RFID

ミシガン大学とワシントン大学の研究チームはUHFパッシブタグを用いた高精度の測位システムを開発しています。この測位システムは信号の受信強度と位相を機械学習を用いて分析するもので、利用チャネルをランダムに変化させながら応答を取得することで、タグ同士が近接していたり、タグとリーダーの間に人体などが入っていたりといったことを検出できます。研究チームはこれらの機能を、住宅の中での居住者の日々の活動状況を追跡するというユースケースを用いてテストしています。

IoT-BLE Device Brings Low-Cost Tool for Experimentation

STMicroelectronics社はIoTの開発アイデアを低価格で実証することができるデバイスSensorTile.boxをリリースしました。SensorTile.boxは温度・湿度、慣性・加速度、磁力、圧力、音声の各センサーを搭載しており、BLEでデータを送信したりSDカードにデータを蓄積したりすることができます。

RFID News Roundup

  • Xerafy社がセラミック製のRFIDタグを発表
  • Zebra Technologies社がデータインテリジェンスのプラットフォームを発表
  • Triax Technologies社が自社の建設業プラットフォームにアクセス管理機能を追加
  • Zigbee AllianceがIoTのセキュリティ、信頼性、相互運用性を強化するイニシアチブを発表
  • Tuya社とMicrosoft社がAzure Cloudプラットフォームのスマートホーム製品の活用で提携
  • Global Market Insights社がNFC市場の見通しを発表。2025年に60億ドルに到達

Achieving Transformational Benefits With RFID

RFIDが持つ戦略的な利益を最大限に活用するためには、既存の業務の自動化や合理化ではなく、戦略的優位性を獲得するために業務を変化させる必要があります。そのためには業界イベントに参加して他業種の参加者と意見交換したり、大学のRFIDラボを見学したりということが有用です。

How IT Leaders Can Ensure Successful IoT Implementations

大規模なIoT導入の成功のためには、マルチ/ハイブリッドクラウドを適切なセキュリティを保ちつつ連携させることが鍵になります。

Internet of Things Brings Intelligence to Hot Tubs(有償記事)

ジャグジーメーカーのJacuzzi Brands社は販売したジャグジーの遠隔メンテナンスのためにIoTを利用しています。同社が導入したSmartTub SystemはLTEモデムでSalesforce Service Cloudに接続され、ジャグジーの利用状況を監視して消費電力が平均を上回った場合に警告するようなことが可能になります。このソリューションはSIベンダーのParticle社が提供しました。

 

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2019/06/01

RFID Journal 抄訳 2019/05/31号

今週興味深かった記事は編集後記。ホテルのドアの鍵のICカード化は地味ながら本格的な普及段階に入っているRFIDアプリケーションの一つですが、普及の大きな理由はトータルソリューションが提供されているからだという指摘。なるほど、と思う一方で、業務プロセスが絡んでくる他のアプリケーションでホールプロダクトを作る難しさはあるだろうなと思います。

識者投稿はICカード対応のオフィス共用プリンタのメリットについて。よく整理されていると思います。他の事務作業自動化ソリューションでも参考になりそうですね。

なお、元記事はこちらになります。

Road Builders Automate Material Delivery and Weighing With RFID

フロリダ州の建設会社はトラックが運ぶ岩石や石灰の重量を自動的に計測するソリューションSonitrax Onlineを導入しています。このソリューションはDTSystems社が開発していたもので、従来はバーコードを利用していましたがRFIDを利用することで読み取りが自動化されました。

Startup Provides NB-IoT Reindeer Ear Tag for Real-Time Location

フィンランドのベンチャー企業Anicare社はトナカイの所在を管理するNB-IoT搭載の耳たぶタグHealtagを開発しました。フィンランドはトナカイが夏の間無人の森林に放牧されており、病気やケガを発見してケアすることが困難です。タグを耳たぶタイプにしたのは、トナカイが観光資源であり、自然に近い見た目が求められたためです。

HP Integrating RFID and Smart Packaging

HP社のブラジル法人は製品のスマートパッケージングとNFCとの統合についてイベントで発表しました。同社はデザインに溶け込んだデジタル透かしとNFCタグに同一のシリアル番号を埋め込み、マニュアルのダウンロードやアフターサポートなどを行えるようにしています。

IoT Solution Helps Supermarkets Reduce Energy Consumption

Sensormatic Solutions社はスーパーマーケットでの電力消費を減らすIoTソリューションを発表しました。これは冷暖房・換気システム(HVAC)のデータを取得してコントロールするものです。

RFID News Roundup

  • オーバーン大学RFIDラボが小売りサプライチェーンプロジェクトを発表
  • A2B Tracking社がモバイルRFID資産管理アプリを発表
  • Atos社がIoTのエッジコンピューティングサーバを発表
  • Longview IoT社がセキュリティを重視したIoTの新プロトコルを発表
  • Zscaler社がIoTのトラフィックと脅威に関するレポートを発表
  • Event Genius社がRFIDリストバンドで支払いを行う4つのイベントを受け付け

One RFID Application Nears Mass Adoption

本格的な普及段階に到達したRFIDアプリケーションの一つにホテルのドアキーがあります。普及の理由は、読み取りの問題が他のアプリケーションに比べて少ないことに加え、既存のキーからの置き換えでホールプロダクトが提供されていることです。

Five Advantages of RFID for Secure Printing

組織内の共用プリンタでのユーザ認証にRFIDを用いることにはさまざまなメリットがあります。セキュリティ、認証の速度、社員証ICカードを利用できるシンプルさ、アカウントロックで発生する作業の削減、ユーザーの満足度の向上などです。

Adler Planetarium Automates Condition Tracking for Sensitive Astronomical Instruments(有償記事)

シカゴのアドラー・プラネタリウム・アンド・天文学博物館はアメリカ最古のプラネタリウムで、多数の歴史的な天文学資料を所蔵しています。建物の老朽化に伴い、資料の所蔵環境の管理が問題になっていました。このため、同博物館はワイヤレスセンサー120個を導入して温度や湿度を自動的に収集することにしました。導入したのはSwiftSensorsの製品で900MHzのアクティブRFIDで通信します。

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