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2018/09/30

RFID Journal 抄訳 2018/09/28号

今週はいろいろ興味深い記事が並びました。

一番楽しかった記事はフィギュアや絵葉書を使って子どもたちが博物館のコレクションに触れることができるという特集記事。Museum in a Boxというこの製品は、現在Raspberry Piベースの試作機を使ってトライアルを実施しているとのこと。試作機のちょっとレトロな感じが可愛らしいです。

Museumbox4

編集後記はAppleのNFC開放の件。RFID業界にとってはとても良いニュースなのですが、記事の筆致がかなり抑えた感じなのは、今までのAppleの迷走に対して思うところがあったのかもしれません。

偏頭痛の電気治療機材の利用管理にICカードを用いる事例。面白いとは思いますがどうも大仰な気がします。何か隠れた要件があるのかもしれません。

なお、元記事はこちらになります。

RFID Controls Headache Pain Treatment

医療機器メーカーのElectroCore社は偏頭痛の治療器材GammaCore Sapphireの利用管理にRFIDを利用します。この器材は薬物投与の代わりに電気刺激で偏頭痛を和らげるもので、過剰利用の防止と課金のために毎月利用回数を購入する仕組みになっています。同社はHFパッシブタグを内蔵したカードを患者に販売することでこの管理を行っています。

Utility Services Company Tracks Construction Tools via RFID

Pike社はアメリカ全土で電力線の保守を行う企業です。同社の作業員はトラックに工具を積み込んで作業現場に向かいますが、作業現場に工具を置き忘れて行方不明になってしまったり、作業現場に到着した際に必要な工具が足りなかったり、という事態が生じていました。同社は工具にUHFパッシブタグを、トラックの荷台にリーダーを取り付けることで、必要な工具が荷台に適切に搭載されていることを確認するシステムを導入しました。

Smartrac Releases New Inlays, Including Retail's Smallest

Smartrac社はUHFパッシブインレーの新製品MiniWebとDogBoneを発表しました。これらのインレーはNXP Semiconductors社のUCODE 8チップを搭載しており、在来製品より20%高い読み取り性能を持っています。MiniWebのサイズは45mm×18mmと小売向けインレーとして最小であり、小さなアパレルや家庭用品向けにデザインされました。これらのインレーはサンプル出荷が始まっており、今年の10月中に正式出荷となります。

Steam Trap Sensor Provides Active RFID Without Battery

バッテリーレスセンサーを開発するベンチャー企業のPsiKickは、蒸気弁の動作状態を監視するアクティブタグを、蒸気による発電とコンデンサを使ってバッテリーレスで動作させる製品を開発しました。このセンサーは独自の2.4GHz帯プロトコルで動作し、メンテナンスを行わずに20年間動作し続けます。

RFID News Roundup

  • Tageos社のRFID製品が航空手荷物トラッキングの認証を取得
  • Astrocast社とLeaf Space社が陸上基地型のIoTネットワークで提携
  • Avnet社がIoT向けのギガビットFMCモジュールを発表
  • Hippo Insurance社が顧客にスマートほーうセンサーを提供
  • Vodafone社がNB-IoTネットワークの規模を2倍に拡大
  • Cubic Telecom社が接続管理や疎通機能を持つIoTプラットフォームの提供を開始
  • Taoglas社がマルチバンド対応のNB-IoT向けアンテナを発表
  • Siemens社とFlutura社が産業向けIoTソリューションで協業

Apple Unshackles the iPhone's NFC Reader

Apple社はiOSの最新版でNFCタグの自由な読み取りをサポートします。iPhoneがNFCに対応した最初のバージョンではApple Payでしか利用できず、その後は同社が許可した特定のアプリケーションにのみ利用を開放していました。今回の修正により、マーケティングや情報提供などにNFCタグを利用することが容易になります。

How Businesses Prepare Professionals for Industry 4.0

インダストリー4.0の進展やジェネレーションZと呼ばれる20代社員の台頭により、企業が従業員に向き合う方法が変化しつつあります。企業が取るべき対応は、リモートワークへの対応、新技術のサポート、アイデアや経験を自由に交換できるフラットな組織、企業目標の明確な提示などです。

Dozens Piloting NFC-Driven Museum in a Box(有償記事)

ロンドンのベンチャー企業Museum in a Boxは博物館の展示物を訪問者以外に紹介するためのソリューションを提供しています。このソリューションは、展示物のミニチュアや絵葉書にNFCタグを貼付し、NFCリーダーとスピーカーを搭載した箱で読み取ることで、展示物の説明を読み上げるというものです。同社は現在Raspberry Piを使った試作品を用いてトライアルを実施中で、本格的な商業展開に向けてベンダーと話位を行っています。

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2018/09/22

RFID Journal 抄訳 2018/09/21号

今週興味深かった記事はImpinj社が航空手荷物タグ向けのRFIDチップを発表したという話です。2020年1月からすべての航空手荷物タグがRFIDタグを含むことが義務化されたとのことで、周辺でもいろいろな動きが出てきているようです。

今週は単発記事に日本の事例が2つ出ていました。一つはサトーが担当した東京ベイコート倶楽部でのワイン管理の事例、もう一つは京セラの金属対応セラミックタグです。こうやって日本企業の事例が記事になるとやっぱり嬉しいですね。

なお、元記事はこちらになります。

RFID Helps Resort Digitize and Manage Its Wine Collection

会員制リゾート施設の東京ベイコート倶楽部ではワインの管理にRFIDを利用しています。導入を担当したのはサトーで、ワインボトルの首に取り付けて水分や金属シールの影響を受けずに読み取ることができる独自のUHFパッシブタグを開発しました。このシステムの導入により棚卸の作業時間が8分の1に短縮されました。

Impinj Schedules Takeoff for New Baggage-Tracking Tag

Impinj社は航空手荷物向けのUHFパッシブRFIDチップMonza R6-Bを発表しました。IATAはRP 1740Cにより2020年1月以降すべての航空手荷物タグにRFIDタグを貼付することを求めており、その需要に対応するためです。Monza R6-Bチップは従来のMonza R6チップと同じ機能を持ちますが、航空業界が導入済みのMonza R5チップ対応のRFIDプリンタと互換性を持つようにデザインされています。

New On-Metal UHF Tag Measures Just 5 Millimeters in Length

京セラはセラミックケースの金属対応UHFパッシブタグを発表しました。製品には3つのサイズがあり、最小の製品は5mm×2mm×1.5mmとコンパクトです。ユースケースとしては手術器具や航空部品を想定しており、匿名のユーザーがトライアルを実施しています。

IoT Brings Pool, Irrigation, Lighting Data to Homeowner Association

サンディエゴの住宅所有者協会はThree Phase Electric社のIoTソリューションを利用してして照明や水利用のモニタリングすることを検証しています。このソリューションは、地区の照明状況を最適化したり、プールの水利用が地区への割り当てを超えていないかを監視したりする機能を持ちます。

RFID News Roundup

  • NedCard社が基盤取り付け用の超小型UHFパッシブタグを発表
  • Decawave社とRuntime社がApache Mynewtのサポートを表明
  • Q-Free社とSilicon Labs社が交通渋滞緩和のIoTソリューションで協業
  • IoTize社がNFC Forumのイノベーションアワードを獲得
  • Industrial Internet Consortium社とFira Barcelona社がスペインのIoTイベントで提携
  • Teslonix社とFarsens社が業務提携を発表

Change Is Hard

RFIDの導入にコミットする責任者がサプライチェーンマネージャーのレベルに留まる場合、導入のメリットはオペレーションの改善に留まります。RFIDがもたらしうるすべての利益を得るためには、CEOがRFIDの重要性を理解し、組織全体への導入を後押しする必要があります。

Integrating Smart Technology into Medical Devices

ヘルスケア対応のIoTデバイスは今後北米を中心に急速な成長が見込まれます。これら器材から得られる利益を更に広げるためには、デバイスが提供する情報が一定の範囲で自動的に処理され、必要な情報が整理されて分析者に伝わるようにすることが重要です。

RFID Provides On-the-Job Training, Accountability at South African Mines(有償記事)

南アフリカの鉱山機器メーカーAury Africa社は鉱山機器の利用、保守状況の管理をRFIDで利用しています。同社は顧客に出荷する機器にUHFパッシブタグを貼付し、顧客の担当者は点検やメンテナンスの際にハンドヘルドリーダーで読み取りを行うことで、誰がどのようは保守作業を行ったかを記録できるようになります。

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2018/09/15

RFID World Watcher Monthly August 2018

8月のRFID Journalはパッシブ系の記事が充実していました。製品紹介の記事も例月より少し多めです。

RFID World Watcher Monthly August 2018(PDF形式、253KB)

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2018/09/07

RFID Journal 抄訳 2018/09/07号

今週興味深かった記事はイギリスのファッションブランドSuperdryが店舗商品管理にRFIDを利用したという特集記事。導入内容としては特別なものではないのですが「極度乾燥(しなさい)」でおなじみのあのブランドが、と思わずニヤリとしてしまいました。

もう一つ気になった記事は、販売期限・使用期限の管理が厳しい薬品の個品在庫管理にRFIDを利用するという事例。昔からある事例だし、導入効果も高いと思うのですが、いまだにこうやってポツポツと記事になっているのを見ると逆に普及のペースがあまり速くないのかなとも考えてしまいます。

なお、元記事はこちらになります。

SensThys Releases $49 RFID Antenna

SensThys社はIoTの普及を見据えてRFIDハードウェアの低価格化に取り組んでいます。同社はRFIDアンテナの新製品SensRF-101を発売しました。この製品の価格は49ドルで、競合製品の3分の1ほどの価格になります。

RFID Tracks Specialty Drugs Through Pharmaceutical Network

医療サービス業のAsembia社はRFID対応の薬品在庫管理システムを導入し、販売期限や使用期限の管理の精度を向上させました。同社の薬品は利用期間が定められており、店頭で販売できる期限や利用できる期限を個品ごとに管理する必要があるため、同社の店頭在庫管理を手作業で行うのはとても負荷の高い作業でした。同社はTruecount社のUHFパッシブRFID対応在庫管理システムを導入し、この負荷を大幅に減少させました。

Skiers Gain Art-Decorated RFID for Lift Access at Granite Peak

ウィスコンシン州のスキー場Granite Peak Ski ResortはHFパッシブRFIDを搭載した利用証を発行しています。これにより利用証の検査に必要な時間が短縮されただけではなく、利用履歴をシステムから検索できるため利用者の所在を確認することもできます。来シーズンからはクレジットカードと連動した決済システムも導入する予定です。このソリューションはオーストラリアのSKIDATA社が提供しました。

Final Round of Brazil-ID Program Prepares Country for the IoT

ブラジルでは商品のトラッキングを行う国家プロジェクトBrazil-IDが導入の最終フェーズに入っています。このソリューションは9月末に稼働する予定です。

RFID News Roundup

  • Telaeris社がAndroid搭載のRFIDセキュリティーバッジリーダーを発表
  • Identiv社がRAIN RFID Allianceに参加
  • Gallup社とUrbanova社が住民中心のスマートシティプラットフォームを発表
  • C3 IoTとGoogle CloudはIoTアプリケーション開発の加速のために提携
  • 村田製作所がフィンランドでMEMSセンサー工場を設立

Learning from Target

アメリカの大手小売りチェーンTargetはオムニチャネルコマースを推進しており、他のリアル小売チェーンが苦戦する中でオンライン・実店舗共に高い売上高の伸びを達成しました。これはRFIDを活用した正確な在庫管理をベースに様々な施策を展開していった成果です。同社の在庫管理・店舗オペレーションのリーダーが10月にニューヨークで開催されるRFID in Retail and Apparel 2018でパネルディスカッションに参加するので、その秘訣を学びに来てください。

Smart Retail

小売業者はRFID/IoT技術を用いて正確な在庫を把握、店員のオペレーション支援、顧客の購買体験の向上などさまざまな施策を打つことができます。

Superdry Rolls Out RFID Across Some U.K., All U.S. Stores(有償記事)

イギリスのアパレルブランドSuperdryは店舗での商品管理にRFIDを利用しています。同社は5店舗でトライアルを実施して店頭在庫切れの防止効果を確認し、アメリカとイギリスの数十店舗で実導入を開始しました。同社はヨーロッパの他地域へ展開を広げる予定です。

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