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2018/06/28

RFID Journal 抄訳 2018/06/28号

今回興味深かったのはMastercard社とVisa社がNFCを用いたモバイルウォレットサービスのOEM提供を開始したというニュース。日本でもNFC Payが普及したら投入してほしいですね。

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Savi社とアメリカ国防総省との契約、最近ニュースで取り上げられることは少なくなりましたが地道に進められているんですね。どこかで最新の状況の包括的な情報を知ることができれば、と思います。

なお、元記事はこちらになります。

Savi, DoD Contract Brings Cellular Connectivity, Mobility to Asset Management

アメリカ国防総省はSavi社と締結した物資のトラッキング契約を1年間延長し、RFIDに加えて携帯電話でも通信する機能を拡張するよう指示しました。同社は2013年から国防総省のRFID関連サービスの95パーセントを提供しています。

NFC Payment Solution Links NXP Technology With Visa, Mastercard

Mastercard社とVisa社はNXP Semiconductors社と提携し、NFCを用いたモバイルウォレットサービスのOEMでの提供を開始しました。時計会社のモンブラン社がこのサービスを利用する最初の会社となりました。

RFID4U Sees Growth in Field Inventory Tracking

RFID4U社は倉庫外の現場在庫の管理方法に関するWebセミナーを開催しました。同社はTagMatiks Field Inventoryというソリューションを販売しており、病院での委託在庫や石油・ガス業界での採掘現場の在庫など、さまざまな顧客ニーズに対応することができます。

Piticas Reduces Inventory Counts from Five Hours to Six Minutes

ブラジルの小売チェーンPiticas社はRFIDを使った店舗在庫管理システムの導入を進めています。同社の店舗は12平米ほどの小さなキオスクが中心で、店舗の商品種類は1300種類、2300個と、極めて高密度で多品種少量の在庫を持ちます。このため、RFIDによる棚卸しを導入することで、作業時間を5時間から6分へと大きく短縮することができました。同社は330店舗のうち40店舗でRFIDシステムの導入を完了しています。

RFID News Roundup

  • Smartrac社が高難度アプリケーション向けにNFCのポートフォリオを拡充
  • Arm社がStream Technologies社を買収、IoTデバイス管理プラットフォームを発表
  • Stanley Healthcare社とExtronics社が複数年パートナーシップ契約を締結
  • STMicroelectronics社がIoTファームウェア開発ツールを発表
  • People Power社がGDPR認証を取得
  • Homerton University Hospital NHS Foundation TrustがIdox Health社の資産管理システムを導入
  • Techstars社とBHS社がメンター主導のIoTアクセラレーターをヨーロッパで展開

Are High-Paid U.S. CEOs Risk-Averse?

アメリカの企業のCEOは報酬の大部分をストックオプションなどの成果報酬で得ています。これらの成果報酬は3年以内で権利が確定するため、成果が出るまでそれ以上の期間を要するRFID導入のようなプロジェクトを手掛けることはCEO個人の利益になりません。私はこのことが原因でアメリカのCEOが過度にリスク回避的になっているのではと疑っています。

Three Requirements for the Next Generation of Connected Cars

コネクテッドカーが普及するためには、何十年も利用することができる安定した技術を採用すること、関連企業が協力して仕様を策定すること、仕様がきちんと標準化されることの3点が重要です。

RFID Cuts Worker Alert Response Time in Half(有償記事)

大手建設会社のGilbane Building社は建設現場での従業員の所在管理にRFIDを利用しています。同社は従業員に900MHzのアクティブタグを持たせており、アクティブタグは転落などの事故を検出することができるため、事故発生時の対応時間を短縮できるほか、事故につながりかねない危険な行動を抑制する効果もあります。

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2018/06/22

RFID Journal 抄訳 2018/06/22号

今週気になったのはUHFパッシブ対応の電子ペーパー搭載RFIDラベル。コンセプトモデルの存在は知っていましたがいよいよ評価キットの出荷が近づいてきました。面白い使い方のできる製品だと思います。

Powercast1

IoT機器のセキュリティに関するレポートも興味深いです。必ずしも従来のTCP/IPネットワークに直接接続できるデバイスでなくても、いろいろな攻撃の踏み台として利用される可能性はあるはず。時間を作って読んでみたいですね。

編集後記はAIを使って在庫の推計をする製品の話。記事にある通り、特にアパレル分野などでは最後の一個をいかに売り切るか、その一方で在庫切れ品を販売してしまわないようにするか、がポイントになるので、推計値の価値は限定的ではないかと思います。定番商品を在庫切れを起こさないように管理することが目的なら価値はありますが。

なお、元記事はこちらになります。

New Label Changes Displayed Price Data With Power from RFID

Powercast社は外部給電なしで動作する電子ペーパー搭載RFIDラベルを開発しています。このラベルはUHFパッシブで動作し、固定リーダーであれば10m、ハンドヘルドリーダーであれば2mの距離から、UHFラベルの書き換えが可能になります。固定リーダーで遠距離から書き換える場合にはタグ1枚当たり45秒の時間がかかるので、夜間にバッチ処理で書き換えるような運用が向きます。この製品の評価キットは2018年の第4四半期に出荷される予定です。

RFID Enables Use of Non-synthetic Cleaner by Tracking Expirations

Paradigm Convergence Technologies(PCT)社は微酸性電解水を利用した殺菌清掃システムの管理にRFIDを利用しています。微酸性電解水は分解して食塩水に戻るため薬品を使えない環境での殺菌清掃に有効ですが、分解するため溶液の期限管理を厳密に行う必要があります。PCT社はボトルにNFCタグを貼付し、ボトルを持ち出す際に専用キオスクで期限をチェックすることで、期限切れのボトルが利用されることを防ぎます。

Pinnpoint, Smartrac Team Up With Lexmark for RFID Printing

RFIDタグメーカーのSmartrac社とラベルメーカーのPinnpoint社はLexmark社のRFIDラベルプリンタを利用する返品物流のRFIDラベリングのためのソリューションを提供しています。返品物流は小売業の大きな負担になりつつありますが、RFIDラベルを返品を受け付けた店舗でオンサイトで作成することで、返品物流のビジビリティを大幅に向上させることができます。

Security Firm's Study Finds Thousands of IoT Devices on Company Networks

Infoblox社はIoT機器のセキュリティに関するレポート"What's lurking on your network: Exposing the threat of shadow devices"を発行しました。このレポートによると、 オフィスの中に存在するIoTデバイスはフィットネストラッカーやスマート家電などを含めると従業員数の10倍以上になることがあり、DDoS攻撃などの温床になる可能性があります。

RFID News Roundup

  • NXP Semiconductors社とBaidu Cloud社が中国のIoTセキュリティで提携
  • Mojix社がSTARflex RFIDリーダーをアップグレード
  • Balluff社がRFIDセーフティーガードロックを発表
  • Teslonix社とCISC Semiconductor社がIoT-RFIDリーダーとテストソリューションで提携
  • Kerlink社がGoogle Cloud IoTとLoRaWANの統合製品を発表
  • Rivetz社とTrustonic社がブロックチェーン対応アプリのセキュリティを拡張
  • Broadgnss Technology社が高精度測位可能技術を搭載したGPSレシーバーを発表

Inventory Accuracy Without RFID?

RFIDを使った棚卸を行わずにソフトウェアで正確な在庫を算出するという触れ込みの製品があります。これらの製品は従業員の棚卸作業のエラー率や盗難率などを基に特定時点での在庫数を計算するものです。これら製品は原理上一定の誤差が生じてしまうため、オムニチャネルで最後の1品を売り切ってしまうという用途には用いることができず、RFIDによる棚卸しにとって代わるものではありません。

RFID Asset-Tracking Technology for Warehouse Relocation

倉庫の引っ越しを行う際にはRFIDを利用することで作業効率を上げたり紛失を防止したりといったメリットを得ることができます。

Aerospace Company Gains Efficiency Threefold With RFID(有償記事)

航空宇宙メーカーのBAE Systems社は仕掛品管理、在庫管理、資産・機材管理を目的としたRFIDソリューションを導入しました。このソリューションではUHFパッシブタグとImpinj社およびMojix社のリーダーが使われています。このソリューションはボーイングの子会社のTapestry Solutionsが提供するIoTプラットフォーム、Enterprise Sensor Integration (ESI)を利用したものです。

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2018/06/15

RFID Journal 抄訳 2018/06/15号

今週気になったのはiPS細胞塊(オルガノイド)をRFIDチップで識別するという話。横浜市立大医学部の武部貴則教授のチームが開発したようなんだけれど、日本のメディアで取り上げられているのを見たことが無い気がします。

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ドローンを使った油田採掘用の金属パイプのRFID棚卸しの話。可能だという話やトライアルをやったという話はずいぶん前からニュースに出ていますが、実用化も着実に進んでいるんですね。

編集後記で出ていたIATAのRFID手荷物のトラッキング標準作成の話。良いニュースではあるのですが、正直まだその段階だったのかという印象も。とっくの昔に標準作成は終わり各社の導入待ちというステージになっていたと認識していましたが...

なお、元記事はこちらになります。

RFID-enabled Organoids Offer Aid in Scientific Research

横浜市立大医学部の武部貴則教授はiPS細胞から培養した細胞塊(オルガノイド)の識別のため、細胞塊にRFIDチップを直接埋め込む手法を開発しました。この手法は、細胞塊が成長後にRFIDチップを埋め込むのではなく、RFIDチップに付着したiPS細胞がチップを包み込むように成長していくというものです。RFIDチップは0.4ミリ角で512バイトのメモリを持ちます。

Fracking Companies Track Iron via RFID-enabled App

石油・ガス掘削機材の大手メーカーWeir社は、掘削機材のトラッキングをRFIDとスマートフォンアプリで行うソリューションを顧客に提供しています。同社はもともと社内のビジビリティのために機材にRFIDタグを貼付していましたが、機材が顧客に渡った後もタグが残っていることを利用してこのソリューションを開発しました。利用しているのはRFID4U社のUHFパッシブタグです。

Drone RFID Read Rate Hovers Near 100 Percent in Oil Fields

カリフォルニア州立工科大学のスピンオフ企業であるProcess Expert社は油田の採掘に利用される金属パイプの棚卸にRFIDとドローンを利用するソリューションを提供しています。油田では数十万本のパイプの棚卸が必要とされる場合がありますが、このソリューションでは精度が95~100パーセントを提供します。利用しているのはUHFパッシブタグです。

Brazilian Retail Chain Reduces Overtime Costs

ブラジルの小売りチェーンLojas Ki Barato社は店舗での在庫管理を目的としてRFIDソリューションを導入しました。ソリューションはITAG社が提供しました。

BLE-enabled HomeBridge Brings Beacons to Home Automation

ネットワーク機器ベンダーのVolansys社は、自社のホームオートメーションゲートウェイ製品にHomeBridgeにBluetooth 5.0対応機能を組み込みました。同社の既存製品はWiFiとZigBeeに対応しており、Bluetooth 5.0への対応により各種のホームオートメーション機器のインターネットへの接続を統合して処理することができます。製品はすでにパイロット導入が実施中で、今年の第2四半期中に販売が開始される予定です。

RFID News Roundup

  • Wade Garcia社とInCom社がRFID利用の出席管理システムのライセンスで提携
  • iDTRONIC社がハンドヘルドRFIDリーダーの新製品を発表
  • STMicroelectronic社のNFC技術がTCL communication社のスマートフォンに搭載
  • Electric Imp社は携帯ネットワークを用いたIoTサービスを発表
  • Quuppa社がインドア測位サービスのパートナーイベントを開催

Airline Industry Embraces RFID Baggage Tracking

IATA(国際航空運送協会)はRFIDを用いて手荷物のトラッキングを行うための標準を作成することを議決しました。IATAは航空手荷物の世界的なロールアウトを2020年までに実施することを目標にしています。

Sorting Out Security: Making Sense of Today's Solutions

IoTのセキュリティのためには、適切な暗号化の実施と、プロセッサー上での処理の分離が重要な役割を果たします。

Patti Engineering Solves RFID Challenges at Manufacturing and Distribution Site(有償記事)

産業機械メーカーのPatti Engineering社は顧客の物流センターでトレイとパレットのトラッキングをRFIDを用いて実施するソリューションを導入しました。利用している技術はUHFパッシブで、Siemens社のリーダーが採用されました。

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2018/06/08

RFID World Watcher Monthly May 2018

今月は製品に関する記事が多め。ロボットから小型ラベルプリンタまで、楽しい製品が並んでいます。

RFID World Watcher Monthly May 2018(PDF形式、225KB)

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2018/06/01

RFID Journal 抄訳 2018/06/01号

今週目を惹いた記事は高級ベッドのホテルへのリースの課金を利用ベースで行うというものです。航空機エンジンなどで有名なビジネスモデルですが、圧力センサー付きのRFIDタグを利用すればベッドでも利用が可能になるのですね。

IoTとRFIDのパブリックイメージの比較に関する考察も興味深かったです。私自身は単純にハイプサイクルのステージの違いではないかと思うのですが、IoTは導入して動作させることは難しくないがRFID(特にパッシブUHF)は現在でもなお読み取りにノウハウが必要という点は何らかの手当てが必要かなとも感じます。

なお、元記事はこちらになります。

Congonhas Airport Modernizes Security and Operations

サンパウロのコンゴーニャス空港はアクセス管理と器材利用最適化のためにRFIDを利用しています。このソリューションはパッシブRFIDとWiFiタグを利用し、車両と人員が制限エリアに入退場し内部で移動することをモニターします。ソリューションはターミナルオペレータのInfraeroと技術ベンダーのZebra Technologies社、GTP-EazyComm社が開発しました。

RFID Tracks Luxury Bed Use at Hotels

スイスの高級ベッドメーカーElite Beds社は、圧力センサー搭載のアクティブRFIDを装着したベッドをホテルにリースし、利用回数に応じてホテルに課金するビジネスを行っています。センサータグとソリューションはAgoraBee社が開発しました。

Zebra Printers Enable Intelligent Badge Printing With HF, LF Tags

Zebra Technologies社はRFID対応のバッジ向け小型プリンタZC300とZC350を発売しました。これらのプリンタは写真入りのRFIDバッジをオンサイトで印刷することを目的としたものです。現在はUHFパッシブタグに対応していますが、近くNFCやHFタグに対応したモデルも登場する予定です。

Hotels, Office Buildings Among Companies Piloting Technology Once Aimed at Health Care

RTLSベンダーのCenTrakはBluetoothビーコンの統合ソリューションの販売先を拡大しています。従来は同社の主な販売先はヘルスケア業界でしたが、オフィスビルやカジノなど、従来とは異なった企業がBluetoothビーコンに興味を示しつつあります。

IoT News Roundup

  • AT&T社とHoneywell社が航空機や物流向けのソリューションで提携
  • Vodafone社がアイルランドの企業にグローバルなIoTネットワークへのアクセスを提供
  • AT&T社とAira社が視覚障碍者向けのIoTソリューションで提携
  • Samsung社がスマートファクトリー向けのIoT資産管理ソリューションのデモを実施
  • Wireless Broadband AllianceがIoTローミングの要件を発表
  • NetComm Wireless社とEricsson社がIoT分野で提携

The Image of the IoT vs. RFID

IoTに対するパブリックイメージがRFIDのそれより好意的な理由は、インターネットへの好意的なイメージを受け継いでいること、比較的導入が簡単で使って見やすいこと、大企業が参入しており広告に多額の予算を投入していることなどがあります。

The Importance of Integrating RFID Into Ecommerce Business Strategies

e-コマース業界にとってRFIDの利用は重要です。サプライチェーンの管理や顧客への配送状況のビジビリティ提供、オムニチャネルコマースなど、RFIDがもっとも低コストで実現できる重要なアプリケーションが多数あります。スタートアップ企業や中小企業であっても、e-コマースに取り組むのであればRFIDの利用を検討すべきです。

RFID Journal LIVE! 2018 Report, Part 1(有償記事)

今年の4月10日~12日にオーランドで開催されたRFID Journal LIVE! 2018には3000人以上が来訪しました。そこで行われたプレゼンテーションをご紹介します。

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