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2018/02/24

RFID Journal 抄訳 2018/02/23号

今回目を引いた記事はRFIDタグの所在をVRで示すソリューションです。現在は専用端末での提供ですが、コンシューマー向けのスマホ・タブレットで使えるようになるとショッピング体験を変える力がありそうですね。

Stealthmatrix2

それに比べると地味ですが、床下に設置するタイプのゲート式リーダーの話も興味深かったです。確かに最近の店舗は出入り口が広々と取ってあるので読み取り装置の設置は困難になっていたのでしょう。

編集後記はRFID企業がジェフリー・ムーアの言う「ゴリラ」になるためのステップ。目新しい話はないものの、こういう内容を定期的にリマインドしていくのは重要なことだと思います。

なお、元記事はこちらになります。

RFID Couples With Gaming Technology for 2D Mapping of Tagged Goods

Stealth Network Communications社はRFID個品タグ付けを導入した環境でタグの位置をVRで示すソリューションStealthMatrix ARCを発表しました。このソリューションはRFIDリーダーとカメラを搭載したモバイルデバイスを利用し、求めるタグの所在をスクリーン上に矢印で示すものです。

New Checkpoint Antennas to Bring RFID to Wide-Open Store Entryways

Checkpoint Systems社は床下に設置するタイプの小売店向けゲート式リーダーNEOを発表しました。近年は小売店舗で開放的な出入り口を設置することがトレンドになってきていますが、出入り口の幅が広くなると従来のドア横に設置するリーダーでは確実な読み取りを行うことができません。このため、床下にリーダーを設置し、確実に読み取りたいということがNEOの開発の動機です。

LIVE! 2018 to Feature RFID Professional Institute Certification, Fast-Track Training Course

4月10日~12日にフロリダ州オーランドで開催されるRFID Journal LIVE! 2018では今年もRFID Professional Instituteによる認定試験と短縮教育コースが提供されます。

Small Murata IoT Component Links BLE, NFC

村田製作所はIoTセンサー向けの小型チップMBN52832を発表しました。このチップはARM Cortex M4コアと64kbのRAM、512kbのフラッシュメモリを搭載しており、オンボードBLEアンテナか外部接続のNFCアンテナで通信を行うことができます。本体のサイズは7.0mm×7.4mmです。

RFID News Roundup

  • 富士通のアメリカ子会社がセンサー・データロガー機能を持つBLEビーコンを発表
  • 旭化成エレクトロニクスが送信専用のBLEビーコン向けICを発表
  • DeltaTrak社がBLEを用いた無線モニタリングソリューションを発表
  • Frost & Sullivan社がSmartrac社のRFIDソリューションを表彰
  • Inmarsat社がIoTは農場従事者の保護で重要な役割を果たすと表明

Creating an RFID Gorilla

RFID業界で、ジェフリー・ムーア理論で言う「ゴリラ」(デファクト製品を持ち市場全体をリードする企業)になるには以下の点が重要です。

  • ホールプロダクトを販売すること
  • 製品を購入してくれそうな顧客向けにマーケティングを行うこと
  • ピンポイントで広告を打つこと
  • RFIDイベントで顧客にアプローチすること
  • 顧客の問題点が解決できることをアピールすること
  • 顧客の口コミを次の顧客の獲得に利用すること
  • ある業界内で普及が始まったら業界内イベントやWebサイトで広告を行うこと
  • 一つのマーケットを確実に抑えた後に次のマーケットに移ること

Can the IoT Rekindle Consumer Love for Cable Operators?

ケーブルテレビ事業者は多くのアメリカの家庭にとってインターネット接続の入り口になっています。このため、家庭内機器のIoT対応は、AmazonやNetflixなどに主導権を奪われたケーブルテレビ事業者にとって、事業立て直しのチャンスになります。

Understanding Beer Drinkers, One RFID-Enabled Pour at a Time(有償記事)

ビアハウスを営むPacific PourHouse社はiPourIt社のRFID対応のセルフサーバーを導入しました。これは、来店者がリストバンドを受け取り、それを用いて自分でビールを注ぐことができるというものです。リストバンドをレジに返すことで精算を行えるほか、来店者の飲み過ぎを防止するなどの監視効果もあります。iPourIt社の製品は2014年に発売され、現在タップ数で2500個以上が導入されています。

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2018/02/17

RFID Journal 抄訳 2018/02/16号

今週気になった記事はAmazon Goが一般公開されたことを踏まえてのMark Roberti氏の編集後記。画像認識には箱の中や棚の奥にある商品を読み取れない、サイズ違いなど外見にほとんど差が無い商品を識別できない、といった問題があり、画像認識とRFIDは互いに不得意な分野を補い合うことになるという認識はその通りと思います。本件については本ブログでも発表直後の2016年12月に取り上げました(Amazon GOとレジ無し決済のコンセプト(とRFID))。基本的には現時点でもほとんど修正する必要が無いと思っています。

識者投稿はウェアラブルなどのパーソナルなIoTデバイスのセキュリティリスクに関する記事。良くまとまった内容ですが基本的にこの責任を利用者に負わせるのはデバイスの特性上無理で、製品のベンダー、通信事業者、政府などが分担して対応するためのガイドラインが必要だろうと思います。

なお、元記事はこちらになります。

Hospital Pharmacies Using RFID-Enabled Medication from QuVa Pharma

医薬品の調合会社のQuVa社はRFIDを利用して薬局に出荷する調合済み薬剤のトラッキングを行います。調合済み薬剤を取り違えなどの事故を起こさず利用期限内に使い切るように管理することは病院にとって大きな作業負担となりますが、RFIDを利用することでこの負担を下げることができます。

RFID Helps Parents Find Lost School Uniforms

オーストラリアのベンチャー企業RagTagd社は学校の制服などの拾得物の持ち主を知るためにRFIDを利用するサービスを開発し、100校以上に導入しています。これは、提携する学校の制服にUHFパッシブタグを貼付して出荷し、利用者が購入時にタグに表示された番号をSMSで送信して登録、学校の職員が落とし物を見つけた時にリーダーが設置された箱の中に入れると、落とし物の連絡が自動的に保護者に送信されるというものです。

General Motors, Boeing to Keynote at RFID Journal LIVE! 2018

4月10日から12日までフロリダ州オーランドで開催されるRFID Journal LIVE! 2018では、 General Motors社とBoeing社がキーノートスピーチを行います。

Bluetooth Low Energy and Internet of Things Make House Calls

訪問医療ソリューションを提供しているHeal社は患者の見守りをBLEで行うソリューションWellbeのテストを行っています。Wellbeは患者宅のコンセントに差し込むだけで利用でき、適切なBluetoothビーコンと組み合わせることで認知症患者の徘徊や薬剤が適切に服用されていることの検出、また血圧や血糖値のデータの取得などが行えます。BLEで取得したデータはHeal社のアプリケーションの中で統合されて表示されます。

Tieto Corp. Beacon Solution Brings Intelligence to Offices

フィンランドのITベンダーTieto社は建物の中で従業員の所在を管理するシステムを提供しています。このソリューションはQuuppa社のBluetoothビーコンを利用するもので、例えば社員が会議室に入ったときにその会議室を自動的に使用中にしたり、別の社員の所在をスマホから確認したりすることができます。

RFID News Roundup

  • A2B Tracking社のソリューションがZebra Technologies社の認証を取得
  • Smart Technology Group社がスタートアップ企業のコンテストMassChallengeでトップ10位入り
  • STMicroelectronics社がIoT対応組込みシステムのオンライン教材を公開
  • Teracom社がIoT対応の温湿度記録計を発表
  • Cisco社が自動運転車向けのスマートシティのソリューションに投資
  • Impinj社がQ4 2017の決算を発表、Q1 2018の見通しを引き下げ

Is Video a Threat to RFID?

Amazon Goで利用されている画像認識技術がRFIDを置き換えるのではないかという意見がありますが、私はそうは思いません。どの程度のコストがかかっているのかは不明ですし、導入時の店舗ごとのカスタマイズにも大きな手間がかかるはずです。また、箱の中や棚の奥にある商品を読み取れない、サイズ違いなど外見にほとんど差が無い商品を識別できない、といった問題もあります。画像認識とRFIDは互いに不得意な分野を補い合うことになるはずです。

How to Secure Customer Identities in the Era of Data Breaches and the Internet of Things

IoTデバイスのハッキングによるセキュリティ侵害が話題になっています。これを防ぐためには、ファイアウォールなどの侵入防止策、デバイスと独立したユーザ認証、ユーザとデバイスの適切な関連付け、必要最小限の権限を与えられる細かなアクセス管理などが必要です。

Conference Improves Attendee Flow, Meal Planning via RFID(有償記事)

軍需産業の業界団体であるCharleston Defense Contractors Associationは、展示会の参加者の管理をRFIDで行っています。同団体は参加者にUHFパッシブRFIDタグ入りのバッヂを配布し、会議室や展示場の出入り口にリーダーを設置することで、参加者の移動情報をリアルタイムで見ることができました。同システムはProSoDel社が提供しています。

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2018/02/08

RFID Journal 抄訳 2018/02/08号

今週興味深かったのは有償記事のMy Special Aflac Duck。感情に応じた反応を返すアヒルの人形を子供の癌患者に無償で配布していて、その感情を示すためにRFIDタグを使っているとのこと。とても良い使い方だと思います。

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RFIDとカメラを組み合わせた試着のモニタリングの記事も興味深かったです。技術の組み合わせにはいろいろアプローチがありますね。

なお、元記事はこちらになります。

Men's Clothing Store Brings RFID Intelligence to Fitting Room

男性向けアパレルブランドのUNTUCKit社はRFIDを使って試着のモニタリングを行うパイロットを実施します。このソリューションは顧客の動きを判断するカメラからの画像解析とシャツを識別するためのUHFタグを組み合わせて利用するものです。RFID関係の機材はSATO Global Solutionsが提供しました。

Small Children Jam to NFC-Enabled Jukebox

ベルギーのベンチャー企業MuuseLabsはNFC対応のジュークボックスJookiを販売しています。現代では音楽を聴くためにはスマホやタブレットなどのデバイスを使うことが普通ですが、Jookiを使うと子供がそれらの機械を使わずNFC内蔵の人形を置くことで再生が可能になります。Jookiの価格は199ユーロです。

T-Systems, Embratel Announce IoT Partnership

ドイツの携帯電話事業者T-Systems社とブラジルのEmbratel社はIoT事業のパートナーシップ契約を締結しました。これにより、Embratel社がブラジルでT-Systems社のIoTサービスの提供を開始します。

Activa-ID Launches 'IoT Place' Project

ブラジルのActiva-ID社は'IoT Place'というブラジルでのIoT技術導入プロジェクトを立ち上げました。これは各種のIoT技術を体験できる複数の部屋を提供するもので、パートナーにはZebra Technologies社やAlien Technology社などが含まれます。

RFID News Roundup

  • Center for Supply Chain Studiesがブロックチェーンに関する研究プロジェクトを立ち上げ
  • Synapse社がBLEデバイスのクロスプラットフォーム開発ツールを発表
  • Smartrac社がFrost & Sullivan社の年間優秀企業賞を受賞
  • Seldat Technology Services社がRFID倉庫管理システムを導入
  • eCOUNT Embedded社がRFIDリーダーとIoTクラウド接続を持つLCDモニタコントローラーを発表
  • Venture Research社がRFIDとIoTをサポートする4G LTEモバイルソリューションを発表

Update from NRF's Big Show

全米小売業協会のBig ShowではRFIDベンダー各社からの新製品や情報の発表が行われました。

RFID: Considering the Future of Modern Buildings

現代の高層建築での安全管理においてRFIDが果たせる役割は多くあります。建設資材の適切な所在管理であったり、火災の監視などがそれに該当します。

RFID Duck Fits the Bill for Caretakers Comforting Kids With Cancer(有償記事)

保険会社のAflac社は全米の3歳~13歳の子供の癌患者に感情を和らげるためのアヒルのぬいぐるみMy Special Aflac Duckを配布しています。このMy Special Aflac DuckにはRFIDリーダーが組み込まれており、子供が自分の感情を示すタグを持って触ることでその感情に応じた反応を返します。このソリューションはSproutelが開発しました。

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