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2017/12/30

2017年RFID十大ニュース

今年は個人的に忙しくてRFID関連のニュースをあまり深掘りすることができず、それほどニュースが多くなかった年だったかなと思っていたが、振り返ってみると普及に関連する色々なニュースがあった年だった。特に日本に関係するニュースが多く、それも海外のブームに乗っかるというよりは人手不足を中心とする日本独自のニーズを踏まえて必然的に出てきたもの、という印象のものが多い。来年以降は日本から海外へのRFID事例の発信が増えてくれると良いなと思う。

☆コンビニ電子タグ1000億枚宣言

今年のRFID業界の話題といえばやはりこれがトップに来るだろう。このブログに記事も書いた(コンビニ5社RFID無人レジ導入計画(よりもずっと凄い話なんですよコレ))。発表後は主にローソンが中心となって活発な情報発信を続けており、また電子レンジでの過熱に耐えるタグなどの技術開発も進んでいる。チャレンジングな目標ではあるので完全に達成できるかどうかは不透明だが、できるところまで頑張ってほしいし、開発した技術やユースケースは積極的に他の業界にも還元してほしい。

☆ユニクロのRFID本格導入

数年前からずっと噂になっていたし、GUで先行導入が進んでいたりしていたので驚きはなく、ようやく辿り付いたか、という感慨が強い。日本のRFID導入の一つのメルクマールだと思う。その後もジーユー横浜港北ノースポート・モール店でのRFIDショッピングカートの導入などの攻めの姿勢を続けており、今後の展開が楽しみ。

☆日本のアパレル分野でRFID普及が進む

上記のユニクロが代表例だが、他にも日本のアパレル大手でRFID導入が進んでいる。しまむらが導入を検討しているという報道が出たのには驚いた。タグ単価もアパレル向け大口で5年前から3分の1に低下したと報道されており。着実な進展は心強い。

☆棚卸ロボットへの取り組みの進展

棚卸ロボットへの取り組みは去年の初めにイオンリテールがチェックポイントシステムズの製品でトライアルを行ったというニュース(イオンがRFID棚卸ロボットを試験導入)以降はしばらく見かけなくなり、ブームが去ったのかなと思っていたが、今年の夏ぐらいからじわじわと日本のメディアでニュースになりはじめ、秋にはパルコでトライアルが行われるという報道が出てきた。冒頭に書いたように深刻な人手不足という問題を抱える日本では棚卸の自働化を何とかしようという取り組みが本気で行われているのだと思う。要素技術としては日本が得意な分野でもあるし、海外に展開できるソリューションに育ってほしい。

☆AppleがiOS 11でCore NFCに対応

前年のNFC搭載に続く動きで、個人的な予想よりも早かった。AppleはNFCを囲い込みに使うことは諦めて、主戦場を音声認識など別の分野にシフトさせたんだと思う。もちろんRFID/NFC業界としては非常に歓迎すべき動きだし、スマホからのNFC利用が更に活発化している印象がある。加えてApple自身も日本でApple Payのエクスプレス予約対応やNFC決済対応(従来は日本モデルはFelicaのみ利用可能だった)を進めているなど活発に活動しており、今後が楽しみ。

☆NFCのIoT対応のための制度の整備が進む

上記のAppleのCore NFC対応を受け、NFCをIoT目的で利用するための様々な制度の整備が進んでいる。従来のカードやチケット以外の特殊なタグを読み取る場合のパフォーマンス認証であるとか、あるいは食品のスマートパッケージに向け業界団体とパートナーシップを結んだりとか。読み取りに当たり利用者が明示的にタッチを行う、というのもIoTの重要なUXの一つであり、それを生かした活用が今後更に進んでいくのではないだろうか。

☆NFC対応製品のFelicaサポート進まず

昨年にNFC ForumでFelicaが必須仕様に含まれるようになり(NFC ForumでFelicaが必須仕様に)、2017年に出てくるAndroidのSIMフリー製品でFelicaが利用可能になることを期待していたのだが、どうもその気配が全く無い。何らかの裏事情があるのだろうけど、個人的には当てが外れて非常に困っている。2018年はさすがに何とかなるのだろうか。

☆IoTの広域利用での技術開発が進む

IoTを広域利用するための技術進展が進んでおり、LPWA(Low Power Wide Area)を用いて直接インターネットにセンサーデバイスを接続する事例が増えてきた。その一方でBLEのメッシュネットワークへの対応など従来技術の広域対応も進みつつあり、今後は様々な技術が共存していくのか、それともLPWAへの収斂が進むのか、注目される。

☆中国QRコード決済ブームの影響

RFID/NFCそのもののニュースではないのだが、中国のITへの注目度が高まり、QRコードを使ったスマホ決済への注目度が高まった。その過程でスマホのNFC決済が時代遅れというような言説が散見されるようになった。QRコードを用いたスマホ決済の意味は、オンラインで超低コストの決済プラットフォームが先に確立され、それがプラットフォーム効果でリアル店舗でも利用されるようになったという点にある。ガワであるQRコード決済をNFC決済と比較した場合、UXは圧倒的にNFCの方が勝る。この点は冷静な論者から発信されるようになってきているが、まだ十分広まっているとは言えないように感じている。

☆人体へのタグ埋め込み事例が欧米で登場

今年の夏にはスウェーデンの鉄道会社で人体に埋め込んだタグをチケットとして利用する事例が登場し(スウェーデンでの人体埋め込みタグをチケットに使うトライアルについて)、それに続いてアメリカのマーケティング企業が人体埋め込みタグを入退出管理や社内売店での決済に利用する事例を発表した。その後に類似事例は報道されていないとはいえ、欧米でのプライバシーに関する感覚の変化を表しているかもしれず、長い目で影響を追っていきたい。

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