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2017/09/29

RFID Journal 抄訳 2017/09/29号

今週気になったニュースはMojix社とCXignited社の合併。RFID企業の合併話は大手SIベンダーがポートフォリオ整備のために買収する、というタイプの話が多いので、RFID企業同士の合併は応援したくなります。面白いソリューションを出してほしいですね。

アドベンチャーゲームのインタフェースにRFID対応の織機を利用し、ゲーム終了時に展開に応じた織物が完成している、というデジタルメディアの研究者のお話もとても興味深いです。RFIDによって行動記録を取得することは目新しくはありませんが、その記録行為が機を織るというリアルな作業であり、記録結果が織物になるというところが素晴らしい。物理世界と仮想世界の接点としてのRFID、まだまだ可能性がありそうです。

Loominaryweb

なお、元記事はこちらになります。

Mojix Merges With CXignited to Build Global Retail Solutions Presence

パッシブUHFを用いたRTLSソリューションを提供するMojix社と小売向けのソリューションベンダーCXignited(旧Tagsys)が合併します。両者は取扱製品がハード中心とソフト中心、本社がアメリカとヨーロッパで、それぞれ補完関係にあります。両者の現在のブランド名は継続して利用されます。

RFID Tracks Safety Equipment for Fiji Airways

Fiji Airways社は機材の非常用設備の点検にRFIDを利用しています。設備にWilliam Frick社のUHFパッシブタグを貼付し、ハンディリーダーで読み取りを行います。ソリューションを開発したのはEAM RFID Solutions社です。

RFID Weaves a Tale With New Loom Technology

カリフォルニア大学デービス校でデジタルメディアを研究するJosh McCoy教授は、RFIDを搭載した織機をインタフェースとするゲームを開発しました。これは、織機にリーダーを、シャトル(杼)にタグを搭載したもので、選択肢を選んでゲームを進めていくタイプのゲームの中で特定の選択をシャトルを通して行うことで、ゲーム終了時には特定のゲームの内容に合わせた織物が出来上がっているというものです。

Companies Trialing NFC With Workflow-Management Application

ワークフロー管理ソフトウェアのベンダーFlowfinity Wireless社はデータ入力手段としてNFCに対応しています。特定の場所で発生するタスクを入力するため、NFCタグをその場所に貼付し、スマホで読み取ることで入力を自動的に行えます。

RFID News Roundup

  • 村田製作所がRAIN RFID規格準拠の小型金属タグを発表
  • Harland Simon社とGS1アイルランドが資産・在庫管理ソリューションで協業
  • Nedap社が駐車場向けセンサープラットフォームを発表
  • サトーがインテリジェントなラベル印刷技術を公開
  • Identiv社とZwipe社がICカードのバイオメトリック認証で協業
  • CAEN RFID社がRFIDリーダーの新製品2機種を発表

When RFID Becomes Obsolete

私は過去15年間RFIDを置き換えうる技術についてずっと検討してきました。現時点で最も有望な画像認識でも、梱包や箱の内側を読み取れない、品物のサイズ違いを識別できないという弱点があるため、RFIDを完全には置き換えられません。RFIDを完全に置き換える技術は登場するとしても30年以上先になるでしょう。

Five Ways in Which the Internet of Things Is Helping the Environment

IoTが地球環境に貢献する方法には以下のようなものがあります。

  • 自動運転車
  • 野生動物の保護
  • 照明や冷暖房の自動制御
  • 環境変化の検出と通知
  • 農業のスマート化

Why Standardization Is Fundamental for the IoT in Brazil(有償記事)

ブラジルではRFID・IoT産業の育成のために税制の優遇や公的資金の投入などが検討されています。

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2017/09/27

RFID World Watcher Monthly August 2017

今月も記事紹介のみ。ぼつぼつ紹介したい事例が溜まってきているので、来月は何か特集を入れたいと思います。記事紹介は製品に関するものが豊作でした。

RFID World Watcher Monthly August 2017(PDF形式、207KB)

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2017/09/24

RFID Journal 抄訳 2017/09/22号

今週興味深かったのはオーストラリアのDVD無人レンタル機でのRFID利用。この種のソリューションはネットサービスと強く競合しますが、現物を扱うことで生き残りを狙うならRFIDの利用を考慮せざるを得ないのですね。

指輪タイプのRFIDリーダー、という記事は写真を見てちょっとクスリとなりました。この製品は建設現場で利用するヘビーデューティー仕様なので小売店舗や通常倉庫向けのタイプと直接比較はできませんが、それを差し引いても日本などアジアのメーカーが出しているもののほうが小型の製品の完成度は高いように思います。

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なお、元記事はこちらになります。

Australian Entertainment Company Expanding RFID-Enabled Kiosks

オーストラリアのホームエンターテインメント企業Franchise Entertainment Group社は無人のDVD貸出・返却機にRFIDを利用します。これはDVDのそれぞれに13.56MHzのタグを貼付して筐体内のロボットアームで取り出しを行い、返却の判定にもRFIDを利用します。同社はシドニーからパースにかけての一帯に1300台の無人DVD貸出・返却機を展開する予定です。

Australian Museum Exhibit Features Democracy's History Via RFID

オーストラリア民主主義博物館では展示ガイドにRFIDを利用しています。同博物館ではタッチスクリーン搭載の展示パネルが50箇所設置されており、来館した学生・生徒が学んでいることに応じた表示を行います。この識別を行うため、学生・生徒に13.56MHzタグを内蔵した入館証を持たせ、それをかざすことで表示を行わせます。このソリューションはEDM Studio社が開発しました。

RFID Readers Fit Like a Glove With New Atlas RFID Release

Atlas RFID Solutions社はウェアラブルタイプの小型UHFパッシブRFIDリーダーを販売します。このリーダーはTechnology Solution社の製品で、人差し指と中指の日本を差し込んで指輪のようにして利用します。

ABRFID Announces Winners of Its 2017 IoT RFID Awards

8月29日-31日にサンパウロで開催されたLatam Retail Showで、ブラジルRFID協会(ABRFID)がIoT RFIDを発表しました。個人賞はHewlett-Packard社のKami Said氏、他にはiTAG社、SmartX Technology社、Identhis社、Valid社の案件が受賞しました。

RFID News Roundup

  • Identiv社とS+P Samson GmbH社が医療機器向け薄型RFIDラベルで提携
  • SATO EuropeがRFID対応の患者向けリストバンドを提供開始
  • Syndicate Secure Print RFID社がフロントガラス用のタンパリング対応タグを発表
  • Smartrac社が日用品向けの金属対応タグを発表
  • GlobalPlatform社がNFCデバイス向けの複数サービス管理の仕様を公表
  • European EPC Competence CentreがUHF RFIDの参考文書を公表
  • HID Global社がアメリカの政府機関向けに一時入館証を納入

What You Can Learn From the NFL

NFLがアクティブUWB測位タグを導入して試合中の選手やボールの動きを可視化した事例がNew York Times誌に取り上げられました。このようなツールを利用して人員や資材の動きを可視化することは企業にとっても大きなメリットをもたらす可能性があります。

Appealing to the Connected Home Buyer

コンシューマー向けのIoT機器が消費者に選ばれるポイントは、利用者が求めるプラットフォーム上で動作すること、長期のサポートが行われること、樹分なセキュリティが確保されていることなどです。

Integration Brings Wi-Fi-Enabled Data from Pumps to RTLS (有償記事)

Stanley Healthcare社は自社の点滴用ポンプにAeroscoutのWiFi RTLS機能を組み込み、別途WiFiタグを貼付することなしに所在管理を行えるようにしました。

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2017/09/07

RFID Journal 抄訳 2017/09/07号

今週目を引いたのは人間の細胞に挿入できる超小型タグ。実際には読み取り距離も非常に短く用途は限定されるのだと思いますが、まるでSFの世界のようで技術の進歩に呆然とします。

技術の進歩、という意味では、EPC Gen2タグにIPsecを搭載するという研究にも驚きました。信頼できないリーダーによる盗聴や改ざん、なりすましを防ぎ直接クラウドと通信できるという意義は素晴らしいのですが、実際に技術的に可能なのか、というのがいま一つ信じられません。

聖路加国際病院が帝人のレコピックのトライアルを実施した話。日本の事例が掲載されるといつもうれしい気分になります。

なお、元記事はこちらになります。

Researchers Develop Microscopic RFID Chip to Embed in Human Cells

スタンフォード大学の研究者は人間の細胞に挿入することができる超小型のタグの開発を行っています。このタブは60GHzで動作するパッシブタグで、大きさは22ミクロン。現在マウスのメラノーマ細胞に挿入するところまで実施しており、テストの次のステップはタグを正しく読み取ることです。

Tokyo Hospital Tracks Equipment via RFID-Enabled Shelving

聖路加国際病院がRFID棚管理システムのトライアルを完了しました。このシステムは帝人のレコピックで、医療機器を格納したラックにある在庫をリアルタイムに把握できるため、看護師の無駄な移動を軽減するとともに、在庫の削減が可能であることが判明しました。

ABRFID Award to Recognize Companies and Personality in Brazilian RFID Industry

8月29日-31日にサンパウロで開催されたLatam Retail Showで、ブラジルRFID産業協会(ABRFID)は第1回のABRFID Awardの受賞者を発表しました。

Austrian Researchers Find Security Options for RFID in Open IoT

オーストリアのグラーツ大学の研究者はEPC Gen2タグ上でIPsecプロトコルを動作させ、タグのインターネットの間で暗号化と認証を行うセキュアな通信を行うシステムを開発しました。このシステムはPIONEERと呼ばれ、IPsecの標準規格ISO/IEC 29167に準拠、リーダーが信頼できない場合でもインターネットとの間にセキュアな通信経路を確保できます。

RFID News Roundup

  • MEPS Real-Time社は500社目の導入を行ったと発表
  • Harting社が鉄道向けのUHF RFIDアンテナの新製品を発表
  • Faxitron社とHealth Beacons社の乳腺病変検査用RFID製品がFDAの認証を取得
  • Eccel Technology社がRaspberry Pi向けのNFCリーダー拡張ボードを発表。価格は33ポンド
  • Machfu社が160億ドルの資金を調達。エネルギーと水道分野向けの産業向けIoTへの取り組みを加速

Why RFID Is Essential in Retail

現代の小売業にとってRFIDの導入は極めて重要です。現代の顧客はスマホから注文や在庫の確認をするのに慣れており、オンラインでは存在するはずの在庫が実際に店舗に存在しなかった場合には強い悪印象を与えることになるためです。

The Future of Service Delivery: How IoT and AI Optimize the Customer Experience

IoTとAIの導入は出張保守サービスを大きく変えます。サービスエンジニアの到着時刻を正確に顧客に伝えたり、作業の内容を事前に確認したり、あるいはサービスエンジニアが現地に出向かずに遠隔保守を行ったりということが可能になります

Hewlett-Packard Factory Showcases Internet of Things Advances in Brazil(有償記事)

Hewlett-Packard社のブラジル法人は同社のRFIDプラットフォームExceler8について業界カンファレンスで発表しました。このカンファレンスでは他にもGS1や他の企業による事例が発表されています。

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2017/09/02

RFID Journal 抄訳 2017/09/01号

今回興味深かった記事はアメリカの百貨店で商品陳列が正しいかどうかをRFIDで判定するというもの。このアイデアは昔からあり、2009年にWalgreenが導入したという事例が報告されました(RFID a GoGo:プロモーションパレットビジビリティの成功: Walgreensの場合)。ユースケースやアイデアはすぐには変わるものではない、ということでしょうか。

編集後記は小規模小売店でのRFID利用の可能性。具体的な数字が出ていて参考になります。

なお、元記事はこちらになります。

RFID Takes Flight at Rockwell Collins

産業向け印刷会社のBrady社は航空宇宙分野向けのRFIDソリューションAerospace RFID Solutionを昨年から提供し始めました。同社のソリューションはヨーロッパで展開を行ってきましたが、アメリカでは今年に入りRockwell Collins社が採用しました。Brady社は航空分野の規格ATA Spec 2000に準拠した11種類のタグを提供しています。

Bon-Ton Boosts Shoe and Luggage Display Management With RFID

アメリカの百貨店チェーンBon-Ton Stores社は靴とカバンの陳列が適切かどうかをRFIDを使ってチェックしています。同社では従来陳列が正しく行われていないケースが2割ほど存在し、販売の機会損失を招いていました。同社では商品にUHFパッシブタグを貼付し、陳列をハンドヘルドリーダーで読み取ることで、正しい陳列が行われていることを確認します。これにより、店舗180箇所で不適切な陳列がほぼゼロになりました。ソリューションはZebra Technologies社のものを利用しています。

Pop-up Experience Brings RFID Solution to Stores

小売りコンサルティングのLion'esque Group社はRFIDを使った仮設店舗で利用する顧客の購買支援ソリューションを提供しています。このソリューションにより、仮設店舗を訪れた顧客は店舗内で手に取った商品のリストの作品やオンラインでの購買を行うことができ、また店舗側は店舗内での顧客行動を記録しマーケティングに役立てることができます。

CriticalArc, Connexient Merge Beacon Wayfinding With Security for Health Care

CriticalArc社とConnexient社はそれぞれが持つ位置情報ソリューションを統合します。Critical Arc社はGPSを利用した病院向けの警報システムを提供しており、Connexient社のBLEビーコンを利用する機能を取り込みます。

RFID for Small and Midsize Retailers

RFIDによる店頭在庫管理は小規模の小売業にとっても有益です。小規模店舗向けのRFID在庫管理ソリューションは1万ドル強ですが、売上高が数パーセント向上すれば投資は初年度で回収できます。小売店へのヒアリングによると、RFIDを導入し店頭在庫切れを減らすことで売上高が10パーセント以上向上することも珍しくありません。

RFID News Roundup

  • Vizinex RFID社とXtreme RFID社が小型RFIDタグで協業
  • ORBCOMM社がコールドチェーンのモニタリングソリューションの提供を開始
  • Cubic Telecom社がIoT分野で4千万ユーロの増資を締め切り
  • Zinnov Zones社がeInfochips社のIoT技術を高く評価
  • Opto 22社がSIベンダー向けIoT認定プログラムを導入
  • Runtime社がOpen Connectivity Foundationの賞を受賞

RFID for Small and Midsize Retailers

店舗でのRFID利用は大規模小売業だけのものではありません。中小規模の店舗なら初期費用1万ドルほどで導入でき、店頭在庫切れを防止することで初年度で投資を回収することも可能です。

The Rise of Machines and AI in Retail and Logistics

AIの最大の利用分野の一つは需要予測です。AIを導入することで複数のシナリオに基づく精密な予測が可能になり、必要な在庫水準を大幅に引き下げることができます。

Tigrara, Elza Romero Stores Inventory 4,000 Items Within Two Hours(有償記事)

アパレル小売りのTigrara社とElza Romero社は物流センターから店舗までをカバーする商品のビジビリティシステムを導入しました。これにより在庫管理の精度を99.9パーセントまで引き上げ、店舗の棚卸時間を2時間まで短縮しました。

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