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2017/08/17

RFID Journal 抄訳 2017/08/17号

今週面白かった記事はFraunhofer IIS社のUHFマルチビームアンテナ。単一のアンテナが複数のビームを出すことでゲート通過の精度を上げようというものですが、複数の端子を付けることで一般的なRFIDリーダーと接続可能にする、というのは目から鱗でした。

Multibeamantennaweb

スマホにペアリングされたBluetooth機器の情報を位置情報と共にマーケティング目的で提供する、という会社の記事、どうやってデータを取得するかが書かれていないのでちょっと不気味です。利用者がわざわざこのためにアプリを入れようとするはずはなく、スマホのメーカーか、あるいは他のアプリかに相乗りすることになるのではと思うのですが、ちょっと筋が悪そうな感じが…。

なお、元記事はこちらになります。

NYIT, X-wave Innovations Team Up to Develop RFID Technology for NASA

ニューヨーク工科大学とX-wave Innovations社は共同でNASA向けのパッシブセンサータグを開発します。このタグはUHFの表面弾性波(surface acoustic wave, SAW)を利用するもので、高温でも利用が可能です。

Researchers Seek Challenging Sites for Multibeam Antenna Pilot

ドイツの研究機関Fraunhofer IISはUHFパッシブタグがゲートを通過するときの方向を検出するためのアンテナMultibeamを開発し、パイロットを実施するユーザーを探しています。従来UHFパッシブタグのゲート通過の方向検知は複数のアンテナを組み合わせて行っていましたが、読み取り条件の違いなどで片方のリーダーでしか読み取れない場合があることが問題になっていました。Multibeamは単一のアンテナ筐体から9つの読み取りビームを出すことでこの問題を解決します。アンテナには4つのリーダー接続端子を持っているため一般的なリーダーと組み合わせて利用することが可能です。

School Bus Solution Provides App-Based Visibility for Parents

Zonar Systems社は通学バスで児童の乗降状況を保護者が確認できるようにするソリューションZ Passを提供しています。このソリューションは、児童がHFパッシブタグを内蔵したバッヂをバスへの乗降の時にリーダーにかざし、リーダーは携帯電話モデムを通じて乗降状況をクラウドに送信するというものです。

Cuebiq Database Offers IoT Device Usage Data to Marketers

位置情報システムのベンダーCuebiq社は、スマホにどのようなIoT機器がペアリングされているかという情報を匿名化して位置情報と共に提供するマーケティング向けのサービスを提供します。例えば、フィットネストラッカーの利用者がジムに行っているか、あるいはどのような種類のレストランを利用しているか、という情報を得ることができます。

RFID News Roundup

  • Alien Technology社がイベント”RFID in Latin America”でワークショップを開催
  • NFC ForumがNFCの利用拡大に向けActive & Intelligent Packaging Industry AssociationおよびWireless Power Consortiumと提携
  • Inmarsat社がエネルギー業界のIoT利用拡大に関するレポートを発表。導入の障害は従業員のスキル不足
  • STATSports社がスポーツのパフォーマンス計測のためTaoglas社の製品を採用
  • Telink Semiconductor社がBLEメッシュなどの新機能に対応したBluetooth用SDKを発表
  • Cortet By CEL社がセンサーネットワーク向けのZigBee中継器を発表
  • Fathom社が工場向けBluetoothビーコンの新製品を発表

What Business Is Your Company Really In?

「自分の事業分野は何か?」は成功のために重要な質問です。例えばビール会社はビールを売ることが事業分野ではなく仲間と集まって楽しい時間を過ごしてもらうことが事業分野です。RFID Journalにとっては、読者がRFIDの知識を通してビジネスに役立つ気付きを得られることが事業分野になります。

2017 IoT Trends and Momentum

2017年のIoTのトレンドには以下のようなものがあります。

  • 複数の国・大陸にまたがるIoTソリューションが求められている
  • IoTの導入拡大に際して経営層のコミットが必要な段階に到達した
  • 顧客との繋がりをIoTで再定義することが必要になっている
  • 複数のセンサーから得られる情報の組み合わせが新たな分析を可能にする
  • IoTの活用のためには堅牢なセキュリティがますます重要になる

RFID Helps Link Penguin Swimming Rates to Bumblefoot Infections(有償記事)

シンシナティ動物園ではペンギンのウオノメ(趾瘤症)の調査にRFIDを利用します。ペンギンのウオノメは陸上を長時間歩くことが原因の一つと考えられており、同動物園ではペンギン13羽にUHFパッシブタグを貼付して水中ですごす時間を計測することで、両者の関係を定量的に分析します。

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2017/08/10

RFID Journal 抄訳 2017/08/10号

今週気になった記事はQualcomm社はオーディオ向けチップの新製品にBLEやNFC機能を組み込んだという話です。現時点ではスピーカーやヘッドセットをセンサーとスマホを繋ぐハブとして利用することが目的とのことですが、将来的にはAmazon Echoのような自動音声インタフェースを睨んだ製品ですよね。それがRFID技術とどう繋がっていくのか(光学認識より相互補完性は強いでしょうし)、非常に興味深いです。

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識者投稿は去年大流行した後にソースコードが公開されたDDoSツール、Miraiの亜種が更に凶暴になっているという話。正直なところ、設定ミスではなく脆弱性を突かれて乗っ取られるという話になってくると、一定水準以上のセキュリティ機能を持つデバイスでないとインターネットに接続できない、そしてその機能の水準はハード面でも管理面でもかなりのコストがかかる、ということになってくるのではないでしょうか。この話も今後きれいごとではない議論が深まっていくように思います。

なお、元記事はこちらになります。

New Zealand Farm Cuts Water and Energy Consumption With IoT

ニュージーランドの農業技術会社WaterForce社はIoTを利用した農場への水やり管理システムを提供しています。このシステムはMicrosoft Azureの上で動作し、水やりを最適化することで、水の消費量を30%、エネルギー消費を50%削減しました。

More than 60 Percent of Manufacturers to Use RTLS, RFID or Bar-Code Tracking By 2022, Says Zebra Technologies

Zebra Technologies社が製造業での自動認識技術の利用に関する調査”2017 Manufacturing Vision Study”を公表しました。これによると、バーコードやRFID、RTLSなどを利用する製造業の比率は、現在の43%から2020年には64%に上昇します。パッシブRFIDを利用している企業の比率は、現状が37%、2022年は42%です。

RFID Journal's Mark Roberti to Present Retail Omnichannel Strategies at Latam Retail Show

RFID Journal編集長のMark Roberti氏が8月29日~31日にブラジルで開催されるLatam Retail Showで講演を行います。テーマはオムニチャネルにおけるRFIDの活用です。

Audio Chip Leverages NFC, BLE for IoT-Enabled Speakers

Qualcomm社は6月に発表したオーディオ向けチップに無線機能を組み込みました。全てのチップセットにはBLE機能を含むBluetoothに対応し、プレミアム分野向けのチップセットではさらにBLEメッシュネットワーク機能(将来のファームウェア更新で)とNFC機能に対応します。BLE機能はスピーカーやヘッドセットをセンサーとスマホを繋ぐハブとして利用することを可能にし、NFC機能はBluetoothペアリングの手順を簡略化します。

NFC Enables Band to Engage With Fans Who Buy Their Merchandise

カリフォルニアのバンドAirspokenはNFCをファンとのコンタクトに利用しています。彼らはバンドTシャツのロゴ部分にNFCタグを埋め込み、スマホでタッチすることで楽曲がダウンロードできるバンドのWebサイトを開くことができます。このソリューションはInnercell社が提供しています。

RFID News Roundup

  • IDTechEx社がRFIDのマーケットレポートを発表。今年の市場規模は112億ドル
  • Verigenics社がISO 9001:2015認証を取得
  • B.O.S.社が乳製品の在庫管理用RFIDソリューションを発表
  • ZKAccess社がRFIDと複数のバイオメトリック認証に対応したアクセス管理機器を発表
  • Mobile Experts社がアセット管理用IoT機材のマーケットレポートを発表。市場規模は2022年までに3倍に

Mirai Goes Open-Source and Morphs into Persirai

Miraiは2016年にネットワークカメラなどのIoTデバイスを踏み台とする大規模なDDoS攻撃を引き起こしたマルウェアです。その後Miraiのソースコードはインターネット上で公開され、DDoS攻撃手段としてネットワーク層に加えてアプリケーション層を利用できるようにする、IoTデバイスを乗っ取るための攻撃にデフォルトのIDとパスワードを利用するだけではなくゼロデイ脆弱性を使ってパスワードを奪う、などの進化を遂げ、Persiraiというマルウェアが生まれました。Persiraiへの感染を防ぐためにはパスワードの変更だけでは充分ではなく、ルータでUPnPを無効にしたりファイアウオールで通信先IPアドレスを限定したりといった防御策が必要になります。

Polish Cancer Center Tracks Drug Temperatures via a Real-Time NFC-enabled Solution(有償記事)

ポーランドの癌研究センターではNFCセンサータグを用いて薬品の輸送中の温度管理を行います。同センターで利用しているタグはBlulog社の製品です。

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2017/08/03

RFID Journal 抄訳 2017/08/03号

今週気になった記事はアメリカでのインプラントNFCタグを社員証にした企業の話。この企業は無人キオスクの運営企業で、将来的にはインプラントNFCタグを決済手段として使いたいとう計画があるようです。そういう背景があったのか、と思う一方、アメリカでいよいよこういう話が出てきたか、という衝撃はそれでも残ります。

カナダの図書館での導入事例も興味深かったです。スマートシェルフを導入し、貸出者がそこに本を置くだけで返却が終了、再貸し出しが可能になるというもの。図書館司書の方にとっては「本の状態のチェックはどうするの」とか「予約が入っていたら困るでしょ」とか、気になる点がいくつも出てくる話ではないかと思うのですが、RFIDを導入するからには従来は不可能だった業務改革にトライすることも大事だと思うのです。

なお、元記事はこちらになります。

RFID-enabled Pocket Sorter System Delivers Millions of Goods at DCs

SSI Schaefer Systems社はRFIDに対応した物流センター向けのポーチソーターをリリースし、全世界で販売を行っています。このソーターはUHFパッシブタグを貼付したポーチの所在をリーダーで自動的に把握するもので、物流センターの面積を拡張せずに取り扱い能力を大幅に向上させることができます。

Scottish Hospital Expanding Hybrid Active and Passive RFID System

スコットランドの病院NHS Forth Valley HospitalではRFIDを用いて資材管理を行っています。同病院は4000個のWiFiタグと14000個のUHFパッシブタグを組み合わせて利用しています。ソリューションはHarland Simon社が導入しました。

Wisconsin Company Plans NFC Chip Implant Party

無人キオスクを営む企業Three Square Market社は社員にインプラントNFCタグによる入退室管理を提供します。インプラントは任意で、同社は8月1日にスウェーデンのBiohax社からスタッフを招いて同意した社員へのインプラントを行うイベントを実施します。同社は将来的に無人キオスクでの支払いにインプラントNFCタグを利用する計画を持っています。

Quebec Library Boosts Circulation Speed With Intelligent Shelves

カナダのトロワリヴィエール市では図書館で本の返却を自動化するためにRFIDを利用します。貸出客は図書を返却ボックスに入れる代わりにスマートシェルフに置くだけでよく、置かれた瞬間に返却が完了し再貸し出しが可能になります。利用される技術はHFパッシブで、ソリューションはNedap Library Solutions社が提供しました。

EVRYTHNG, Avery Dennison RBIS Join Consumer QR Code Data With EPC RFID

IoTプラットフォーム企業EVRYTHNG社とAvery Dennison RBIS社は共同でコンシューマーがEPCコードにアクセスできるラベルを提供します。このラベルはEPCコードをRFIDタグとQRコードの両方に格納するもので、顧客はQRコードをスマホで読み取ることで商品情報やトレーサビリティ情報を得ることができます。

NXP Identifies Top Global Trends in RFID for Retail

NXP Semiconductors社は小売業におけるRFIDのトレンドのレポートを公表しました。それによると(1)スマートな消費者購買体験のためにRFIDを導入する、(2)オムニチャネルサプライチェーンの強化のためRAIN RFIDを利用する、(3)生鮮品のモニタリングのためにRAIN RFIDを採用する、(4)スマートフォンのNFC機能を用いて接客と支払いを行う、という4つのトレンドがあります。

RFID News Roundup

  • ファッション小売のBrownie社がNedap社のクラウドRFIDソフトウェアを導入
  • TMR Research社がRFID導入が製薬業界に大きな影響を与えるとのレポートを発表
  • Harland Simon社が新型のWiFi RFIDリーダーを発表
  • Silicon Labs社のIoTデベロッパー向けのBluetooth Meshネットワークを発表
  • 東芝のBLE製品がBluetooth Mesh規格をサポート

RFID Journal's Fall Events Lineup

今年の下半期には9月26日のRFID in Retail and Apparel、11月16日のRFID Journal LIVE! Europe、12月13日のRFID and Aerospace and DefenseとRFID Journalの展示会が続きます。

Exploring the Growing Influence of DC DC Converters in Defense

IoT機器を安定して動作させるためDC-DCコンバーターの役割は今後ますます大きくなります。

U.K. University Expands NFC Solutions to Track Workforce at Three Campuses(有償記事)

イギリスのウルヴァーハンプトン大学では学内の検査・清掃作業の管理のためにNFCを導入します。同大学は学内の学生寮の部屋や便所にNFCタグを貼付し、スタッフは貸与されたNFC対応スマホでタグをタッチし、検査や清掃の結果を入力します。ソリューションはSkillweb社が提供しました。

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