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2016/09/30

RFID Journal 抄訳 2016/09/30号

今週興味深かった記事は編集後記。RFIDを売り込む相手は偉い人ではなく、技術のサポーターとなってくれる人を相手にすべき、という内容ですが。業務部門、IT部門の偉い人に対する見方が結構辛辣です。Mark Roberti編集長もいろいろな苦労話を聞いてきたのでしょうね。

ベルトコンベア上で2次元移動するUHFパッシブタグの位置を検出する技術SARFIDも興味深かったです。この種のコンセプトは製品が出てくるまで結構時間がかかることが多いのですが、楽しみに見ていきたいですね。

なお、元記事はこちらになります。

Meggitt Polymers & Composites Uses RFID to Track Aircraft Components, Materials

Meggitt Polymers & Composites社は同社で製造する炭素ファイバー製航空機部品の仕掛品管理にRFIDを利用します。同社が利用しているのはUHFパッシブタグとWiFi温湿度センサーで、ソリューションはGlobeRanger社製です。

Indian Aviation MRO Company Expects RFID to Reduce Labor by 50 Percent

インドの航空機部品メンテナンス会社Aman Aviation & Aerospace Solutions社はRFIDを利用して保守作業の効率を改善しました。同社はUHFパッシブタグを利用することでデータの入力や書類の記入を自動化し、作業時間を50%削減する効果を得ました。同社が採用したのはDolphin RFID社のソリューションです。

Casino Prevents Security Violations Via Beacon Solution

ペンシルバニア州のカジノMount Airy Casino Resortでは鍵の持ち出し管理にBluetoothビーコンを利用しています。従業員がカジノの鍵を持ったまま外出することは法律で禁止されていますが、従業員が増えるにつれうっかり持ち出すリスクが大きくなっていました。同社はBluetoothビーコンをキーホルダーに取り付け、持ち出しを監視するようにしました。

Accuride Brings RFID-enabled Access Control to Drawers

家具メーカーのAccuride International社はRFIDを鍵として使える引き出しを開発しました。この引き出しでは125kHzで動作するLFパッシブタグが鍵として利用されます。

RFID News Roundup

  • Omni-ID社がアクティブタグの製品ラインを拡充
  • Tego社がマルチプラットフォーム対応のオペレーティングシステムを発表
  • Proximity Technologies社がBluetoothビーコン製品を発表
  • Smartrac社がPlastilam社およびCatalyst社と提携
  • AIMがパッシブタグ向けのデータの内容・構造に関するガイドラインを発表
  • Atlas RFID Solutionsが新たなアジアオフィスを開設

Solutions for Retail and Transportation(有償記事)

  • Avery Dennison社のUHFパッシブタグが小売店の輸送部材や生鮮品管理に利用されている。
  • Keonn社のRFID対応インタラクティブディスプレイAdvanLookは顧客の目を引くと共に商品情報を提供する機能を持つ。
  • NXP社のUcode DNAチップは暗号認証と長い読み取り距離を持ち、高速道路の車両読み取りシステムに利用されている。

Identifying RFID Project Leaders

RFIDを顧客企業の誰に売り込むかは重要な問題です。IT部門の偉い人はRFIDから利益を得られないためたいていは反対に廻ります。サプライチェーンの偉い人はRFIDの悪いニュースが記憶にあったり他に重要な仕事があったりでサポートしてくれないことが多いです。地位に拘らず、RFIDに興味を持ち顧客組織の中でRFIDのサポーターになってくれる人を窓口に選ぶべきです。

New Technique Could Help Advance RFID Adoption

ピサ大学の研究者はベルトコンベア上で移動するUHFパッシブタグの位置をリアルタイムで検知するSARFID (Synthetic Aperture Radar approach for RFID tag localization)という技術を開発しています。これはタグから戻ってくる信号の位相を分析するもので、市販のハードウェアを利用して実装できます。

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2016/09/28

RFID World Watcher Monthly August 2016

今月の特集記事はiPhone7のFelica対応。日本人にとっては単純に有難いことであり、従来から推進してきた日本の関係者(特にJR東日本)の方の努力には頭が下がりますが、Apple社のNFC・非接触決済のグローバル戦略という観点から見ると従来の方針と不整合な点が多々あります。記事はその答となるものではなく現時点での疑問のメモではありますが、ご参考に。

今月の事例記事には新製品紹介がありませんでした。たまたまでしょうか。

RFID World Watcher Monthly August 2016 (PDF形式、328KB)

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2016/09/23

RFID Journal 抄訳 2016/09/23号

今週興味深かった記事はNFLがUWB RTLSを使った試合のモニタリングを拡張するというものです。選手のショルダーパッドにタグを入れたという話は一般紙も含めて大きなニュースになりましたが、対象範囲を地道に広げているのですね。

最後の記事、世界経済フォーラムの技術普及予測は興味深かったです。記事の3ページ目にRFID以外にも様々な新技術の普及が2025年までにどれだけ進むかが書かれていますのでぜひ読んでみてください。

なお、元記事はこちらになります。

The NFL RFID-Tags Its Footballs

Zebra社とNFLはUWB RTLSを利用して試合の状況をリアルタイムでデータ化するソリューションを拡張します。従来はNFLの選手にUWBタグを装着していましたが、今後はボールにもUWBタグが埋め込まれます。

NFC RFID Activates Israeli Digital-Entertainment Complex

イスラエルのデジタル・エンターテインメントパークMogo ParkではNFCリストバンドを使った来訪者向けのサービスを提供しています。リストバンドを利用することで、ゲームを起動したりそのスコアを記録したりすることができます。

'Proximity Button' Has a Beacon to Keep At-Risk Individuals From Straying

イギリスのベンチャー企業Proximity Care社は認知症患者の介護者を支援するソリューションにBluetoothタグを採用しました。このソリューションはBLEタグとスマートフォンで構成され、BLEタグからの電波がスマートフォンに届かなくなるとアラームが発信されます。

Cardiff Blues Rugby Team Welcomes Beacon Technology

イギリスのラグビーチームCardiff Bluesは競技場で開催したファン向けイベントでBluetoothビーコンを利用し、入場者の居場所に合わせてクーポンを発行しました。利用したのはGCell社のビーコンで、太陽電池で動作する製品です。

SML to Host RFID Pop-Up Retail Store in Conjunction With RFID Journal's RFID in Retail and Apparel Event

10月6日にニューヨークで開催されるRFID in Retail and Apparelで、SML社がRFIDを利用した仮設店舗を出店します。この仮設店舗では同社の最新のRFID製品の他、小売業向けのClarityソフトウェアが動作していることを実際に見ることができます。

RFID Journal to Provide Education to Address Accelerating RFID Adoption in Aerospace, Defense

RFID Journal社は10月20日にカリフォルニア州ロングビーチでRFID in Aerospace and Defense 2016を開催します。アメリカ空軍やDelta Air Lines社、Northrop Grumman社などのケーススタディが発表される予定です。

RFID News Roundup

  • Thinfilm社とSarine社がNFCを使ったダイヤモンドのシンガン判定で提携
  • Invengo Technologies社がフランスに新拠点をオープン
  • Global Tag社が金属タグの新製品Raptory RFIDを発表
  • Estimote社が映像スクリーンと連動して動作するBluetoothビーコンを発表
  • Aspire社の不妊治療施設がRFIDを導入
  • アメリカ陸軍が落下傘のトラッキングシステムのRFIを公表

On the Menu: RFID(有償記事)

ファーストフード業界では、注文の配膳や事前予約、食材のモニタリングなど、さまざまな分野でRFIDが利用されています。

Aerospace and Defense Catch Up on RFID

航空・防衛分野ではRFIDの利用が大口顧客(Airbus社、Boeing社、アメリカ国防総省)からの貼付要求に応えるためだけに留まっている時期が長く続きました。最近になり、企業が自社の利益のためにRFIDを利用する事例が増えてきています。10月20日に開催されるRFID in Aerospace and Defenseではそのような事例の報告が多数行われます。

The Rules of Encoding

同一の識別番号をRFIDとバーコードの両方で保持する場合、値の表記方法が異なることで問題が生じることがあります。値の表記方法はGS1 Bar Code/RFID Interoperability Guidelineを参照してください。

Experts Weigh In on RFID's Tipping Point

昨年世界経済フォーラムがTechnological Tipping Pointsという調査を行いました。これは技術がいつ社会のメインストリームに入ってくるかを専門家への聞き取りから調査するものです。1兆個のワイヤレスセンサーがインターネットに接続されるのはいつか、に対する回答の平均は2022年でした。

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2016/09/22

iPhone7のFelicaサポートについて気になっていること

Appleが9月7日にiPhone7とApple Watch Series 2を発表し、ApplePayでのFelicaのサポートが報告された。今回サポートされるのはJCBの「QUICPay」と三井住友カードの「iD」、ドコモdカード、au WALLETクレジットカード、そしてSUICAになる。

これは日本のFelica事業者、特にJR東日本が積み重ねてきた努力の結果であることは間違いない。今年の5月にFelica対応をNFCスマホの必須対応項目として認めさせた(RFID A GoGo!:NFC ForumでFelicaが必須仕様に)ことを踏まえた、満を持しての本丸Appleによるサポートということになる。だが、Appleの従来の方針とは整合しない、気になる部分が残る。

一つはSuicaへの対応の内容だ。上記の通りSuicaはApplePayに追加して利用されるが、独自の「Suicaアプリ」も提供される。また、Suicaについては、指紋認証を飛ばして決済できる「エクスプレスカード」も提供される(NIKKEI STYLE:iPhoneにSuica JR東のキーパーソンを直撃)。これはAppleが他国のNFC事業者に取ってきた態度とは明らかに異なる。例えばオーストラリアの銀行協会はApplePayを介さない独自のNFCアクセスをAppleに要求しているが、Appleはこれを拒否している(The Register:Apple says banks can't touch iPhone NFC without harming security)。Appleの言い分は、同社のセキュリティ基準はハードウェア、ソフトウェア、サービスのすべてを深く統合することで満たされるもので、銀行アプリケーションがNFCにアンテナにアクセスするだけで求めるセキュリティが失われてしまう、とまで言っている。これを前述のSuicaへの待遇と比べるとその差は明らかだろう。また、NFCスマホのFelica対応が必須化されるのは2017年4月になる。それを待たず前のめりのスケジュールでFelica対応を行ったことも気になる。

もう一つはiPhone7とApple Watch Series 2のFelica対応が日本モデルだけという点だ。一方で日本モデルはNFC-A/Bの利用は行えない。この点については日本と外国でハードウェアが異なるのではないか、という憶測もあったが、分解調査の結果すべてのモデルでNXP製のNFCチップ「67V04」が採用されていることが分かっている(iPhone Mania:iPhone7のNFCチップは海外版も日本版と同じFeliCa対応と判明!)。モデルごとにNFCの一部の機能を殺すことにメリットがあるとは思えないし、利用者に不便だけをかけることになる。これはAppleが外国の事業者に対し、日本は事情が違う特殊な国なんですよだからハードも分けてるんです、と言い訳するためのものではないか、ということも考えてしまう。

上記2点はただ単にスタート時の混乱に過ぎないのかもしれないし、あるいはAppleのNFCに対する方針が変わったことを示唆するのかもしれない。今後気を付けてウォッチしていこうと思う。

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2016/09/09

RFID Journal 抄訳 2016/09/09号

今週一番興味深かった記事はイスラエルのベンチャー企業Pixie社の個人向け紛失物発見用の製品です。Bluetoothでは複数の会社から製品が出ていますし、UHFパッシブではU Grok Itがありますが、同社の製品はUWBを使用。どのような原理なのか非常に興味があります。

今週の特集と編集後記はRFIDと労働生産性。事例が多めでちょっとポイントがぼやけていたかなと思いますが、それでもこういう骨太な記事をしっかり掲載してくれるというのは有難いことです。

なお、元記事はこちらになります。

DOE's BENEFIT Initiative Seeks Low-Cost Building Sensors

アメリカのエネルギー省は家庭向け省エネルギー技術開発支援プログラムBENEFIT(Buildings Energy Efficiency Frontiers and Innovation Technologies)を進めています。このプロジェクトは総額1900万ドル規模で、アクティブ・パッシブのセンサータグを扱う案件3つが含まれています。

Utility Maintenance Workers Gain Efficiency With RFID

デンマークの水道会社Hofor社はRFIDの導入によってバルブの保守にかかる時間を40%削減しました。同社はメンテナンスしているバルブの半分、8万個にUHFパッシブタグを貼付し、取り付け時にハンドヘルドリーダーで読み取り、GPS情報とともにクラウドに保存しています。

Pixie Wants to Find Things for Consumers, Businesses

イスラエルのベンチャー企業Pixie社はUWBを利用した個人向けの紛失物発見用の製品を販売しています。同社の製品Pixie Pointというギターピック大のタグで、見つけたい品物とスマホにタグを貼付、タグはUWBで互いに通信し、その結果をBluetoothでスマホに送付することで、スマホ上で品物の位置を確認することが出来ます。品物は最低一つから動作しますが、タグを付けた品物が複数存在するとより精度が向上します。基本セットの価格は69.95ドルです。

Liverpool John Moores University Adopts Beacons to Provide Wayfinding, Discounts, Alerts

リヴァプール・ジョン・ムーアズ大学は学生向けにBluetoothビーコンを使ったアプリを提供します。このアプリでは位置情報を元に学生にクーポンを配布するほか、道案内をしたり警告を通知したりする機能を持ちます。このソリューションはMando社が提供しています。

RFID News Roundup

  • Ubisense社がAngleIDリーダーの新バージョンを発表
  • Grand Rapids社がゴミ箱にBrady社のラベルソリューションを採用
  • ABI社がBLEとUWBが既存のRTLSを置き換える可能性があるとのレポートを発表
  • Kontakt.io社が自社のBluetoothビーコン製品に位置追跡機能を追加
  • World Wide Technology社とAwarepoint社がクラウドベースの位置ソリューションで協業
  • TagMaster社がフランスのRFID企業Balogh社を買収

RFID and Productivity Growth: Behind the Economic Statistics(有償記事)

RFIDの導入は労働生産性の向上に役立ちます。作業時間や作業量の削減という直接的なメリットに加え、顧客満足度の向上や従業員の士気の上昇という間接的なメリットがあります。RFIDの導入は当初は在庫管理の分野で行われてきましたが、対象となる業務が広がるにつれより多くの企業がRFIDの導入メリットを得られるようになっています。

RFID, Productivity and Workers

RFIDによる生産性の向上は従業員からある種の単純作業を奪いますが、同時により多くのよりクリエイティブな仕事を作り出します。

Creating Smaller, Cheaper Passive UHF Tags

ノースカロライナ州立大学の研究者は、整流器を利用しないUHFパッシブタグ用のチップを研究中です。これによりチップのコストを25%削減することが出来る見通しです。

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