« RFID Journal 抄訳 2016/07/21号 | トップページ | RFID Journal 抄訳 2016/07/28号 »

2016/07/24

NFC ForumでFelicaが必須仕様に

7月14日に開催されたNFCフォーラムジャパンミーティングの席上で、Felica(ISO/IEC18092)がグローバルモデルのスマートフォンでサポートされるという発表があった(マイナビニュース:iPhoneでモバイルSuicaが使えるようになる? - NFC対応スマートフォンにFeliCa搭載という流れ)。事実関係については日本語で良くまとまった記事が出ているので付け加えることは無いのだが、備忘のために整理しておきたい。

従来グローバルモデルのスマートフォンでサポートされてきたNFC-A/BとFelicaは、どちらも13.56MHz帯で動作するICカードの通信規格だが、Felicaは読み取り距離や処理速度に対する要求がNFC-A/Bよりも厳しく(Felicaが読み取り距離が85ミリ、処理速度が200ミリ秒なのに対し、NFC-A/Bでは20ミリ、500ミリ秒)なっている。NFC-A/Bではセキュリティチップ(セキュアエレメント)をSIMカードに実装するためFelicaが求める処理速度を満たすことは難しく、そもそも海外の事業者はFelicaのような高いスペックを必要としなかったため、FelicaはISO/IEC18092、NFC-Fとして標準化されつつもグローバルモデルのスマートフォンには実装されない状況が続いてきた。

だが、標準化の動きが決済分野から公共交通分野に広がることで動きが変わった。店舗決済用としては過剰なFelicaのスペックも日本の改札処理では実際に必要とされているものだし、JR東日本の公共交通分野での存在感は日本の金融機関の決済分野での存在感を大きく上回る(JR東日本の輸送人員数は世界最大)。加えてNFCチップの性能向上によりFelica準拠の処理速度を達成する目途が付いたこともあり、今回の標準化につながったのだろう。

今回の標準化の内容について原文で確認しておきたい。プレスリリースはNFC ForumとGSMAが2016年5月2日に出した共同ステートメントになる。該当する部分は以下の通り。

"Generic NFC mobile devices which are designed, tested and certified according to NFC Forum specifications can be used as a platform for fare media and card reader systems according to ISO/IEC14443, ISO/IEC18092 (FeliCa) and with NFC-tags."

NFC Forumに準拠する汎用的なNFCモバイルデバイスはFeliCaの標準規格ISO/IEC18092を用いた運賃支払メディア・カードリーダーのプラットフォームとして利用できなければならない、という記述になっている。確かに必須仕様であり、オプション扱いではない。

一方で、これはあくまでハードウェアの対応であることには注意しておきたい。AppleでモバイルSUICAが使えるのか、Androidのグローバルモデルで「おサイフケータイ」アプリをダウンロードすれば利用可能になるのか、は今後の課題になる。

個人的にはAppleでの利用についてはあまり楽観視していない。今までのNFCやBluetoothビーコンでの動きを見ると、何らかの形でApple独自のエコシステムを作ってユーザーを囲い込みたいと考えるほうが自然だ。だけど例えば「Apple Commute Japan」といった独自の交通系ICサービスを立ち上げて相互利用ネットワークに加入するというのも不自然だろう。これから日本の事業者との間でのせめぎ合いが本格化するのではないだろうか。

|

« RFID Journal 抄訳 2016/07/21号 | トップページ | RFID Journal 抄訳 2016/07/28号 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/163335/63958957

この記事へのトラックバック一覧です: NFC ForumでFelicaが必須仕様に:

« RFID Journal 抄訳 2016/07/21号 | トップページ | RFID Journal 抄訳 2016/07/28号 »