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2016/01/30

RFID Journal 抄訳 2016/01/29号

今週一番注目のニュースはRFID Journal日本語サイトの開設です。覗いてみると日本で興味を持たれそうな記事はかなり翻訳されている様子。先日のイオンリテールの案件もあり日本でも一般からの注目度が上昇するでしょうから、ぜひ認知が広がってほしいと思います。

Reward Technology社の来店客優待ソリューションも気になりました。Bluetoothビーコンが定番になりつつある分野ですが、スマホに独自アプリをダウンロードしたり来店時にBluetoothやWi-Fiをオンにすることを面倒と感じる客層もある、というのはその通りだろうと思います。

なお、元記事はこちらになります。

London Businesses Adopt Reward Technology's RFID Solution

ロンドンのベンチャー企業Reward Technology社はUHFパッシブタグを用いた顧客優待ソリューションを提供しています。同社のソリューションはBluetoothビーコンなどで実装されることが多いものですが、同社が想定する顧客層はスマホに独自アプリをダウンロードしたり来店時にBluetoothやWi-Fiをオンにすることを面倒と感じていることが分かりました。同社は代わりにUHFパッシブタグを会員カードに内蔵させ、それを出入り口などでリーダーで読み取ることにしました。

Podiatry Clinic Steps Into RFID for Tool Tracking

ミシガン州の病院Great Lakes Foot and Ankle Specialistsでは魚の目などの治療器具の管理をRFIDを用いて行っています。同院はXerafy社の滅菌処理対応の金属対応小型UHFパッシブタグDot XXSとDash XXSを治療器具に貼付し、手術時のトレイに必要な器具がセットされているかなどの管理に利用しています。

G-Star RAW Store Finds Many Uses for RFID

ファッションブランドG-Star RAWをフランチャイズで運営しているDeninwall社はニューヨーク店でRFIDの統合ソリューションを導入しました。これはPOSから盗難防止、在庫管理、来店者への情報提供といった幅広い機能を持つもので、UHFパッシブを商品に貼付、Impinj社の天井型xArrayリーダーを採用しています。

Airbus, Marks & Spencer, Vail Resorts Help Commemorate RFID Journal Awards' 10th Anniversary

5月3日~5日にオーランドで開催されるRFID Journal LIVE! 2016で、過去のRFID Journal Awardsの受賞者を招いたパネルディスカッションが行われます。

RFID Journal Launches Japanese-Language Website

RFID Journalは日本語サイトRFID Journal Japanを解説しました。このサイトの運営は株式会社F.V.G.が後援しています。

RFID News Roundup

  • Checkpoint社は医療・化粧品業界向けに超小型インレーMicroを導入
  • Smartrac社はUHF Gen2V2とNFC両対応のインレーと店内分析のソリューションを発表
  • GlobeRanger社は航空業界向けのRFIDソリューションを拡張し、FAAの運用適合証を取得
  • Tyco Retail Solutions社はRFID対応の店舗向け盗難状況可視化アプリケーションを発表
  • Juniper社はUHF RFIDリーダーを搭載可能なWindows 10タブレットMesa 2 Ruggedを発表
  • Omni-ID社が2100万ドルを調達
  • NXP社とGuala Closures社が共同でNFCタグを組み込んだ酒瓶用の栓を開発

Tracking Lifting and Rigging Equipment(有償記事)

テキサス州の吊具メーカーKennedy Wire Rope and Sling社はRFIDを用いて販売した吊具の管理を行っています。管理にはHFパッシブタグが利用されます。

Innovation Gets Physical

過去30年間、デジタル分野での進歩はデジタルの世界内部に閉じたまま進化して来ましたが、近年は物理的な世界と接点を持つ分野での進歩が急速に広がっています。RFIDもその一つです。

The Right Way to Encode RFID Tags for Consumer Products

商品にRFIDタグを貼付する場合、商品コードには社内の独自コードではなくSGTINを利用すべきです。SGTINは世界でユニークになることが保証されたコードであり、これ以外のコードを採用した場合、他社から購入した商品を管理したり、逆に他社に商品を販売する場合に、コードが競合する可能性があります。

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2016/01/24

RFID World Watcher Monthly December 2015

今月の特集記事は2015年のRFID重大ニュースとイオンのRFID導入の2本立て。ニュースはUHFパッシブの事例の比率が高い印象でした。

RFID World Watcher Monthly December 2015 (PDF形式、406KB)

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2016/01/21

RFID Journal 抄訳 2016/01/21号

今週興味深かったニュースは900MHzの無線LANプロトコル、IEEE 802.11ah HaLowです。低消費電力でセンサータグをIPネットワークに直結できる技術で、Bluetoothや独自プロトコルのタグとはまた違うユースケースがありそう。今回は技術の紹介でしたが、事例が出てくるのが楽しみです。

今週の編集後記は2016年のRFID予測。いろいろ興味深い内容が並びました。どれぐらい実現するかが気になります。

なお、元記事はこちらになります。

RFID Brought Security to G20 Summit in Turkey

2015年にトルコで開催されたG20サミットではセキュリティ管理にRFIDが利用されました。セキュリティチェックが移動を妨げることが無いようにという要件があったため、UHFパッシブタグを貼付した写真入りのIDカードが6万人の関係者に配布され、警備員が持つiPadに通過者の顔が表示されるようにしてセキュリティを確保しました。RFIDリーダーにはuGrokit社の製品が採用されました。

Columbia's Dental College Finds RFID Instrumental

コロンビアのコロンビア大学歯学部では診察や実習に使う器材の管理にRFIDを利用しています。利用されているのはXerafy社の高圧殺菌対応のタグです。

Brazilian Coffee Cooperative Uses RFID to Manage Inventory

ブラジルのコーヒー豆生産組合Coopercamでは収穫したコーヒー豆の管理にRFIDを用いています。同組合ではコーヒー豆の袋にUHFパッシブタグを貼付し、それをフォークリフト搭載のリーダーで読み取ることで袋の所在場所を管理します。

Wi-Fi Alliance Unveils HaLow as Long-Range, Low-Power Option

Wi-Fi Allianceは新しいプロトコルIEEE 802.11ahを導入しました。このプロトコルは900MHz帯を利用するもので、既存のプロトコルの2倍以上の通信距離を持ち、低電力で動作します。通信速度は150kbpsから18Mbpsと既存のWi-Fi規格と比べ低速で、ワイヤレスセンサーを直接IPネットワークに接続するような用途が想定されています。プロトコルの愛称はHaLowです。

RFID News Roundup

  • Checkpoint Systems社がMicrosoft AzureベースのソリューションSense + Respondを導入
  • Invengo社がATID社に出資
  • Mojix社が小売り向け在庫管理サービスOmniSenseRFを提供
  • Gerry Weber社がTyco Retail Solutions社のTrueVUEソフトウェアを採用
  • 富士通フロンテックがアパレル・アクセサリー向けUHFパッシブタグの新製品を発表
  • Nedap社が車両識別向けUHFパッシブソリューションの上位製品を公表
  • FAAが航空器材でのRFID利用に関する最新勧告のドラフト版を公開

Riding the Tails of Apparel Retailers(有償記事)

デパートやアパレル小売業ではRFIDの有用性が認識されるにつれてRFIDを貼付する品目を広げています。また実店舗でのRFID利用も、オンラインで発注したものの店舗での受け取りや、店舗内での購買支援など、さまざまな分野に広がっています。

10 Predictions for 2016

私の2016年のRFID予想は以下の通りです:

  • リテールとアパレル分野でRFIDの導入が一層広まる
  • 航空や建設、エネルギーで全体を上回るペースで導入が進む
  • RFIDベンダーの合併が進む
  • Microsoft社がRFIDが持つビジネスチャンスを認識する
  • 低コストのパッシブセンサータグの利用が広がる
  • RFIDの信頼性や設置の容易さが着実に上昇する
  • ベンチャーキャピタリストがRFID市場に戻ってくる
  • ドローンやロボットへのRFID機能の統合が進む
  • RFIDと画像分析を統合した斬新なアプリケーションを提供するベンダーが登場する
  • RFID Journal LIVE!の入場者数が過去最高を記録する

How Retailers Can Extract Value From Location Data

小売店が各種の位置情報を取得するための技術はRTLSのほかGPSやスマートフォン、ビーコン、UHFパッシブなどさまざまなものが利用できるようになり、適用範囲も在庫管理から顧客優待プログラムまで広がりつつあります。

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2016/01/17

イオンがRFID棚卸ロボットを試験導入

今年は年明け早々に大きなニュースが飛び込んできた。イオンリテールがRFIDの試験導入を行うというものだ(チェックポイント社プレスリリースマイナビニュース:イオンリテールがRFIDと棚卸用ロボットを試験導入)。その内容は以下のようなものだった。

  • RFIDソリューションの導入目的は在庫精度の向上とレジ業務の改善、万引き防止。
  • ソリューションはチェックポイントシステムズが導入し、タグはEASに対応した「UNO RF/RFID」ラベル、ソフトウェアはOATエンタープライズ製品をそれぞれ採用。
  • ソースタギングの取り組みが「アパレルサプライヤーおよび一般消費財メーカー」であることから、対象商品ジャンルもアパレルと一般消費財と考えられる。
  • 循環棚卸しを行うためにRFIDロボットを利用する。

昨年からRFIDの大型案件がいくつか報道されたこともあり、今回もその一つか、と思われるかもしれないが、従来の大型案件とは違う興味深い点がいくつかある。

ロボットの利用

一番分かり易いのはこれだろう。RFID棚卸しロボットは海外でも注目を集めているが、多くはまだ研究レベルにとどまっている。プレスリリースにもチェックポイントで初となる、と書かれている通りの状況だ。一定規模以上の企業で試験導入が行われているという報道は管見では半年前のTescoの取り組みぐらいだと思う(RFID Journal:Tesco Deploys Tag-Reading Robot at Five Stores to Track F&F Clothing)。世界的にも先端の取り組みなのだ。

ソースタギングでのサプライヤーとの連携

日本でも昨年から大手アパレル企業による大規模導入が報告されてきたが、それらの企業は広義のSPA業態(セレクト型も含む)だった。今回のイオンのRFID導入がどこまでをスコープにしているかは現時点ではまだ分からないが、もしナショナルブランドをもソースタギングのターゲットにしているのであれば、日本の大型案件としてはヨドバシカメラ以来になるのではないだろうか。実に10年ぶり、ということになる。

海外大手ベンダーがシステム導入を担当

従来の日本の大型案件で公開されているものは日系の大手SIerによるものが多かった。ソリューションの先進性では日系SIerも決して引けを取っている訳ではないのだけれど、やはり海外への発信力という面では海外ベンダーに比べて劣っていたように感じる。そもそも海外への発信は必要か、と言われると困るが、今回のような先進的な案件であれば、やはり発信力のあるベンダーによってどんどん海外にも伝わり、それが世界のRFIDシーンを主導するようになってほしい、と部外者としては思ってしまう。

つらつらと書いたが現時点では試験導入の段階で、今後本当に導入されるのか、 導入されるとしたらどのような規模で、どういうスケジュールで導入されるのか、ということは現時点では不明だ。過剰な期待は禁物、なのだが、これほどの案件なのでやはりワクワクしてしまう。

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2016/01/14

RFID Journal 抄訳 2016/01/14号

今週面白いな、と思った記事は特集記事(有償)の中小企業向けRFID資産管理の記事です。こういう話はあまりニュース性が高くないのに、多くのページを取ってしっかりした記事にしたのはRFID Journalならではですね。

編集後記の2015年RFID十大予測の振り返りも興味深かったです。予想の内容そのものよりも、評価の過程や理由の端々にアメリカのRFID業界の雰囲気が匂うところが勉強になります。

なお、元記事はこちらになります。

KLM Maintenance Cuts Parts' Packaging Costs With RFID

Air France KLM社の整備子会社AFI KLM E&M社は各地の整備拠点に発送する修理部品の輸送管理にRFIDを利用しています。同社は部品輸送用のケースにOmni-ID社のUHFセミパッシブタグPower 50を貼付し、各拠点のゲートに固定リーダーを設置することで、従業員が追加作業を行うことなくケースのトラッキングを行うことが出来るようになりました。

Animal Shelter Uses RFID to Fetch Mall Shoppers' Attention

イギリスのペット保護団体Battersea Dogs and Cats社はショッピングモールでRFIDを利用したキャンペーンを行いました。このキャンペーンは、モールの入り口で来客者にUHFパッシブRFIDタグの貼付されたパンフレットを手渡し、来客者がそのパンフレットを持ってモール内を歩くと広告用のディスプレイに特定の里親募集中のペットが表示されるというものです。

Texas Direct Auto Manages Vehicles Via RFID

アメリカの中古車ディーラーのTexas Direct Auto社はRFIDを利用して購入車両の管理に利用しています。同社は毎月3千台の中古車を売買しており、購入時にフロントガラスにUHFパッシブタグを貼付、整備記録の保持や駐車場内の位置の記録に活用しています。

Belgian Clothing Retailer JBC Using RFID at 144 Stores

ベルギーのアパレル小売チェーンJBC社は全店舗144ヶ所にRFIDソリューションを導入しました。このソリューションはCheckpoint Systems社が提供したもので、サプライヤーが貼付したタグを検品や在庫管理、EASによる盗難防止に利用します。同社は2016年4月からPOSでの読み取りにもタグを利用します。

RFID News Roundup

  • Radley社が製造業向けソリューションにOmni-ID社のRFID技術を採用
  • Metalcraft社がRFIDラベルサービスを拡充
  • Thinfilm社とJones社が医薬品向けスマートパッケージを共同開発
  • GSI Group社がSkyeTek社を買収
  • 大日本印刷とPhoenix Solution社が金属対応RFIDタグの新製品を発表
  • スウェーデンのスーパーICA Nara NorrvikenがNFC値札をテスト中
  • Gentex社がTransCore社のUniversal Toll Moduleをバックミラーに組み込み

RFID Asset Tracking for Small Organizations(有償記事)

RFID技術が成熟し製品価格が低下したため、小規模企業でもRFIDの導入、特に資産管理分野での導入が行いやすくなってきました。成功のためには導入目的の明確化や自社の能力の把握が重要です。

How I Fared on 2015's Predictions

私が2015年年頭に立てた2015年のRFIDの予想のうち、アパレルを中心とした小売分野で導入が広がるという予想は当たりましたがそれ以外の分野にも広がるという予想は外れました。RFID業界内部で再編が進むが大手ITベンダーやSIerはRFIDから距離を取り続けるという予想は当たりました。Internet of Thingsは私の予想より早くキャズムに落ち込み、ベンチャーキャピタルによる投資も伸びませんでした。

TuntoID-A New Approach for Passive UHF RFID Sensing

従来のUHFパッシブ式のバッテリセンサータグは、センサーが検知した値を一旦メモリに書き込んだうえでデータとして送信するため、消費電力が大きくなることが課題でした。この課題に対し、UHFパッシブタグで規定されたバックスキャッター周波数の余裕を利用することで、センサーの検知結果を直接バックスキャッターに乗せるという技術が開発中です。

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