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2015/09/30

RFID Journal 抄訳 2015/09/25号

今週気になった記事はIntel社の小売業向けRFIDソリューションです。確かにこの分野はデファクトとなるソリューションの登場が待たれている分野ではありますが、同社がどのような経緯で参入を決意し、どのような地位を占めることを目的にどのような戦略を取るのか、注目していきたいと思います。

特集記事はスポーツ分野でのRFID、特に高精度RTLSの利用について。非常に特殊な用途で一般への波及効果があるのかな?と思うところもあるのですが、人に装着するということはコンシューマー用途があり得るということでもあり、大化けする可能性も存在するでしょう。

なお、元記事はこちらになります。

Intel Unveils RFID System for Retailers

Intel社は小売業向けRFIDソリューションIntel Retail Sensor Platformのマーケティングを実施中です。同社はLevi Strauss社のサンフランシスコ店を含む複数の小売店でトライアルを実施しており、2016年3月の発売に向け注文を受け付け中です。同社はRFIDが小売店舗に導入されない理由として、リーダーの設置やソフトウェアの調整の困難さが理由だと考えており、PoEケーブルによる設置の簡略化やリーダー上でのデータのフィルタリングを行うことにしました。ソフトウェアはSmartrac社が提供します。

RFID Brings Security, Location Awareness to First European Games

2015年6月にバクーで開催されたヨーロッパ競技大会(European Games, ユーロリンピック)では来場者の管理のためにMojix Starsystemが利用されました。この大会ではVIPや選手のセキュリティ確保が重要視されましたが、毎日6万人以上が参加する大規模な大会のため、人的な対応では限界がありました。このため、会場全体に1,400台のアンテナを配置し、来訪者のゲート通過や所在を管理することにしたものです。

Midwest College Deploys Low-Cost RTLS for Emergencies

アメリカ中西部のある匿名の大学ではWiFiタグを用いた教職員の非常通報システムを導入しています。同校はすべての教職員にペンダント型のタグを配布しようとしましたが、費用が多額になるため断念。代わりにテーブルの下にタグを取り付けることにしました。導入したのはRF Technologies社のWiFiタグで、大学の既存のWiFiネットワークを用いて動作します。

Australian Researcher Uses RFID to Track Preschoolers' Activity Levels

オーストラリアのウーロンゴン大学の研究者は、幼稚園の校庭での先生と児童のふれあいの状況を計測するためにRTLSを利用します。利用したのはCSL社の2.4GHz RTLSであるActiGraphで、タグには加速度計が搭載されています。

RFID News Roundup

  • Omni-ID社が最小の印刷対応UHF金属タグを発表
  • Neology社とNXP社がRFID対応の車両IDシステムで提携
  • Rover社はアイスホッケーチームPittsburgh Penguins向けのアプリケーションにビーコン機能を追加
  • TagMaster NA社は車両アクセス管理向けのUHFステッカータグの新製品を発表
  • Recall社のRFID患者記録管理システムがドイツの病院向け推薦リストに登録
  • Star Systems社がドミニカ共和国に120万個のヘッドランプタグを供給

RFID's Sporting Life(有償記事)

スポーツの現場でのRFID利用が広がっています。従来の単純な選手の識別だけでは無く、UWB RTLSを用いた高い精度での選手の動きの記録、あるいはスマホを使っての記録結果の即座の読み取りなどで、観客への情報提供を高度化したり、トレーニングの効率を高めたりすることができます。

People Are the Differentiator

実店舗がWeb店舗と差別化できる最大の要因はスタッフによる顧客への適切なアドバイスです。RFIDを導入することで棚卸しなどの作業から解放され、スタッフが顧客対応に集中することが出来ます。

Total Cost of RTLS Ownership

RTLSの導入・運用コストはアクティブとパッシブの間で変わるだけではなく、パッシブRTLSの間でも使い方によって大きな開きがあります。

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2015/09/29

RFID World Watcher Monthly August 2015

今月の記事はアクティブ・パッシブ共に比較的オーソドックスなものが多く、ビーコンやIoT関連は少なめでした。スピンアウトしたIoT Journalとの棲み分けを意図したものかもしれませんが、8月の編集後記には「IoTは(アメリカでは)過度な期待のピークを過ぎ、幻滅期に進みつつある」という話を載せており、同誌の動向を注意して見ていこうと思います。

RFID World Watcher Monthly August 2015 (PDF形式、207KB)

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2015/09/25

RFID Journal 抄訳 2015/09/18号

今週興味深かったのは特集記事のビッグデータです。書かれている内容は正直それほどの深みは無かったのですが、RFIDはビッグデータ的な「何か戦略的に面白い結果が出せそう」というバブル状態とその崩壊から、確実なユースケースを必要十分なデータで実現することで立ち直りました。今またビッグデータ的なものが求められるようになったということは時代を流れを感じさせます。

識者寄稿はRAINの取り組みを取り上げたもの。RFID開発者のオンラインコミュニティを作ろうという話、面白そうだなと思う一方、どこかにもう存在するのではないかな、という気もします。いずれにせよ動向を注視していきたいですね。

なお、元記事はこちらになります。

French Handball Team Trains With Wearable RFID Sensors

フランスのハンドボールのプロチームChambery Savoieは選手が高精度のRTLSタグを装着してトレーニングを行うことでトレーニングの効果を上昇させようとしています。利用しているのはBeSpoon社のUWBタグで、Mac-lloyd社のSport-Tracking Fusionソフトウェアを用いて動きの記録と分析を行っています。

Dutch Hospital Uses Beacons to Track Treatment for Cardiac Patients

オランダの病院 Leiden University Medical Centerでは、心臓病患者のバルーン治療の管理にRFIDを用いています。同病院が導入したのはZebra Technologies社のクラウドソリューションで、患者が病院に到着するとBLEビーコンを内蔵したリストバンドを装着し、処置の状況が自動的に記録されるようにします。

Herman Kay Gains Packing Accuracy Via RFID

世界的なコートのメーカーHerman Kay社は製造・出荷工程でのRFID利用を進めています。主な目的は注文に対応する出荷を正確に行うことで、採用した技術はUHFパッシブ。SML GroupとAvery Dennison社のタグを使用しています。

Australian Cotton Gin Tracks Product to Boost Efficiency

オーストラリアの綿花処理会社Southern Cotton社はRFIDを用いて収穫した綿花ロールの管理を行っています。収穫した綿花ロールには既にUHFパッシブタグが貼付された状態で入荷するため、同社はそのタグのデータを利用するシステムを開発しました。

RFID to Bring Literacy to Down Syndrome Children

エクアドルの研究者はRFIDを用いてダウン症児童の言語学習を支援するアプリケーションを開発しました。これは、おもちゃの中にHFタグを仕込み、そのおもちゃをタブレットに接続したリーダーに近づけると画面に単語を表示させその単語を読み上げるものです。NFCでは読み取り距離が短すぎて児童がうまく操作できないため、10~15cmの読み取り距離がある通常のHFタグが採用されました。

RFID News Roundup

  • HID Global社が駐車場ゲート向けのUHFパッシブリーダーiClass SEを発表
  • Smartrac社が電子ドキュメント向けeID対応のUHFパッシブプラットフォームSmart-Loop Prelamを発表
  • Impinj社がハンドヘルドリーダーの新製品を発表
  • ISOがGS1 EPCISとCore Business Vocabulary (CBV)をISO/IEC 19987:2015として承認
  • ペンシルバニア州立大学が相互学習スペースでGimbal社のビーコンを採用
  • Optivity Groupが美術館向けのRFID資産管理システムを発表

Big Data(有償記事)

RFIDはビッグデータを生成するツールとなります。活用のための戦略を立て、必要なデータをリンクさせます。

Reversing the Decline in Productivity

アメリカ労働省の発表によると2015年第1四半期にアメリカの労働生産性は1.9%低下しました。アメリカの労働生産性の伸びは2000年をピークに低下傾向にあり、その大きな理由はITを含む生産性改善投資の減少です。投資の減少は企業が慎重になったという側面もありますが、以前のような大きな業務改善効果を持つ技術が無くなってきたことが主な理由です。RFIDはその中で残された大きなポテンシャルのある技術の一つです。

An Online Community for RFID Software Developers

先月開催されたRFID業界団体RAINの委員会で、RFIDソフトウェア開発者を支援する3つの方策が話し合われました。一つ目は開発のオンラインコミュニティを整備すること、二つ目はベンダーが提供するSDKをスクリプト言語やクラウドに対応した最新のレベルに改善すること、三つ目はリーダーのインタフェースを既存のLLRPより高いレベルで標準化することです。

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2015/09/11

RFID Journal 抄訳 2015/09/04号

今週気になった記事はView Technologies社のUHFパッシブRTLSソリューションです。Mojix社から始まりImpinj社のxArrayなどこの分野もずいぶん製品層が厚くなってきたと思うのですが、なかなかブレイクせずもどかしい思いがあります。ビッグデータとかIoTとか、周辺環境も追いついてきたので、そろそろどこかの業界で本格導入が始まってほしいなと思います。

Bluetoothビーコンを使って美術館の音声ツアーを自分のスマホで聴けるサービス、いいですね。日本でもどこかが導入しないかな。

なお、元記事はこちらになります。

View Technologies Launches Long-Range RTLS for Passive UHF Tags

View Technologies社はUHFパッシブRFIDを使ったRTLSソリューションinViewを開発しました。inViewはアンテナから50メートル離れたタグの位置を30cmから1mの精度で判定できます。 Impinj社のxArrayなどの先行製品に比べると、アンテナに試行性があり読みたい方向のタグだけを読めることと、読み取り距離や精度が優れていることが特徴です。

Tyco Opens Experience Center for Wal-Mart

Tyco Retail Solutions社はWal-Mart社を対象とする小売り向けソリューションセンターを開設しました。Tyco Retail Solutions社は世界に14ヶ所のソリューションセンターを持っていますが、特定の顧客向けにセンターを開設するのは今回が初めてです。

Uniform Maker Sees a Market for CSL's Thread-Antenna Tag

香港の制服メーカーFarbo Uniforms社はConvergence Systems Ltd.(CSL)社のアパレル向けUHFパッシブタグを縫い込んでトラッキングができるようにしたユニフォームを提供しています。CSL社のCS8200タグは金属コーティングした糸をアンテナとして利用できるように設計されたもので、この糸を使ってタグをユニフォームに縫い付けます。

Museums Embrace Beacon-Based Audio Tours

オランダのMuzze社はBluetoothビーコンを使った美術館の音声ツアーのソリューションを提供しています。同社のソリューションはiPhoneとAndroidに対応しており、来場者は自分のスマホのアプリで音声ツアーを聞くことができます。アプリを有償にする場合には収益はApple/Googleに支払う手数料を引いた額を美術館とMuzze社で折半します。同社のソリューションはタグ3個のスターターキットで月39ユーロから。すでに40ヶ所の美術館に導入されています。

RFID News Roundup

  • Noahcard社がMonza R6チップを搭載したRFIDタグを発表
  • Star Systems International社が欧州・中東・アフリカ市場に参入
  • Blue Bite社がBluetoothビーコンのソリューションescaを発表
  • RetailNext社が小売分析ソリューションにビーコンを用いた従業員データを追加
  • Arrowsmith & Grant社が医療用冷蔵庫にサトーのRFID技術を搭載
  • ウィスコンシン大学体育会がYinzCam社とGimbal社のビーコンソリューションを導入

Hospital Lab Benefits From RFID Inventory-Management Solution(有償記事)

オクラホマ州の病院Saint Francis Hospitalでは使用する医薬品の在庫管理をUHFパッシブタグを用いて行っています。これにより、在庫を50万ドル文減らすことができたと同時に、在庫管理作業を年間1,200時間削減できました。

The Tortoise and the Unicorn

技術系のベンチャー企業で評価額が10億ドルに達したものをユニコーンと呼び、2003年以降39社がユニコーンとなりました。ユニコーンの多くはソフトウェア・Web企業であり、その分野で成功するためには利用者が意識しているニーズを満たすのではなく利用者が想像もしなかった新しいニーズを作り出す必要があります。これは狙ってできることではありません。RFIDベンダーはユニコーンほど急速な成長はできませんが、満たすべきニーズは目の前に存在しており、確実な成長が見込めます。

Try It - You'll Like It!

RFID Labが毎年行っているアメリカ小売業のRFID導入状況調査によると、過去2年間で導入状況は急速に加速しました。実証実験、パイロット、本番導入のそれぞれのステージに進む小売業の数のバランスが取れた健全な成長パターンとなっています。

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2015/09/07

RFID Journal 抄訳 2015/08/28号

今週の記事で興味深かったのは編集後記のアパレルRFIDに関する記述です。10年前のWal-Martはアパレルを他に比べて有力なRFIDの利用分野とは思っていなかった、3年前に靴屋で実証実験を行い、20%売上高が上昇したという結果を取締役会で報告したら信じてもらえず本格導入に繋がらなかったなど、現在の視点から見るとへぇーというエピソードがいろいろ書かれています。こういった肌感覚を持っておくことはブームに踊らされないようにするために重要ですね。

他に面白かったのはPGA全米プロゴルフ選手権でのプレー中の選手の案内。こういう使い方はまだまだ身の回りに隠れていると思います。

なお、元記事はこちらになります。

German Manufacturer Links Workers to Parts and Stations Via RFID, Bluetooth

ドイツの自動車部品メーカーBosch Rexroth社はブレーキ用バルブの生産管理にRFIDを利用します。同社では部品にUHFパッシブタブを貼付、作業員にBluetoothビーコン入りのバッヂを持たせ、部品が到着した作業ステーションでどのような作業を行うべきかの指示を自動化します。

Nutrace, Belintra Market RFID-based Surgical-Tool Tracking Solution in the U.S.

ベルギーの医療ソリューション会社Nutrace社はRFIDを用いた医療器材の消毒・パッケージングのソリューションを北米で販売します。同社はBelintra社のHFパッシブタグとPanmobil社のハンドヘルドリーダーを採用しています。

At PGA Tournaments, Bluetooth Beacons Are Par for the Course

今年のPGA全米プロゴルフ選手権ではBluetoothビーコンを使ってプレー中の選手の情報を観客席に伝えるサービスが提供されます。これは選手名を乗せたサインポールにBluetoothビーコンを組み込むことで提供されます。ビーコンはKontakt.io社の製品です。

Westar Energy Tracks Power Poles, Transformers With RFID

カンサス州の電力会社Westar Energy社は電柱用の木材やトランスの在庫管理をRFIDを利用して行っています。使われている技術はUHFパッシブで、XtremeRFID社やMetalcraft社のタグ、Motorola Solutions社のハンドヘルドリーダーを利用しています。

RFID News Roundup

  • Schreiner LogiData社が読取距離1メートルの小型UHFパッシブ金属タグを発表
  • Century Link RFID社が再利用可能なEAS兼用UHFパッシブタグを用いたアパレル小売り向けソリューションを発表
  • SafeTech社がBluetoothとNFCを使った電子錠の開発をKickstarterで公募中
  • RAIN RFID AllianceにFrench National RFID CenterとIDTechEx社が参加

RFID Helps Refinery Project Manage Materials for Multiple Contractors(有償記事)

North West Redwater Partnership社は石油の精製過程で出るCO2を油田に注入し、油を回収すると共にCO2の大気中への放出を防止するプロジェクトを進めています。このプロジェクトの建設に利用されるパイプなどの資材をRFIDを利用して管理し、同社と建設会社の間で可視化するソリューションが導入されました。利用されている技術はUHFパッシブです。

Retailers Embrace RFID

数年前まではアパレル業界ではRFID利用の効果や可能性についてあまり意識されていませんでしたが、現在は大手のアパレル企業が競ってRFIDを導入しており、来年には導入のペースがさらに加速するでしょう。将来的には20以上の店舗を持つチェーンのすべてがRFIDを用いた在庫管理を行うようになるでしょう。

A Digital Revolution: What the IoT Means for the Future of Health Care

Internet of Thingsは様々な形でヘルスケア用途に利用することができます。ウェアラブルデバイス、住宅据え付けのデバイス、薬品の利用状況のモニタリングなどです。利用のためにはセキュリティに十分考慮することが必要です。

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