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2014/12/07

RFIDとドローン(無人機)

RFIDは自動認識技術の一要素に過ぎず、関連する他の技術要素が変化するとRFIDの位置付けもそれに合わせて変化する。言われてみると当たり前の話なのだが、RFID(そして競合技術の画像認識やバーコード)の技術進歩は他の要素技術よりも早いので、普段はそれをあまり意識することは無い。その分、他の要素技術分野での変化は不意打ちになりがちだ。

最近ドローンを使ったRFID読み取りの可能性が海外で話題になりつつある。ドローンは無人航空機を指す言葉で軍用のジェット航空機までをカバーする言葉だが、RFID利用の文脈では複数のプロペラを持ち細かな制御が可能なマルチローターヘリコプターを指すことが多い。ラジコンのように人間が直接操縦するほか、GPSなどを用いて自律飛行を行うことができるものも存在する。サイズも物流用途に利用できるそこそこのペイロードを持つものから手の平に載るようなものまでさまざま。

ドローンをRFIDリーダーのプラットフォームとして利用することには様々なメリットがある。一つは固定的なアンテナの設営が様々な理由で困難な環境でのRFIDの運用。フィールドの高低差が大きく高い鉄塔を立てなければならない、リーダーへの電力供給が困難、配置密度が低くアンテナの整備がコスト的に合わない、といった環境でもドローンは運用可能である可能性がある。このような分野では既に導入が始まっており、例えばデュバイの鋼材商社であるAGE Group社が鋼材ヤードの在庫管理に活用している(RFID Journal:RFID-Reading Drone Tracks Structural Steel Products in Storage Yard)。同社はOmni-ID社製の433MHzアクティブタグPower 400をヤードで保管する鋼材に貼付、リーダーを搭載したドローンで読み取りを行っているという。

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ドローンのもう一つのメリットは三次元起動が可能であること。地上移動するロボットではリーダー部を上下させる幅は物理的に限定されるが、ドローンであれば自由に移動することができるし、地上に障害物があっても移動に障害は無い。この点に着目し、店舗内商品の個品タグ読み取りにドローンを利用しようというプロジェクトがある。アメリカのベンチャー企業ADASA社が開発しているFlying Robotがそれで、来年6月の完成を目指しているという(Supply Chain Digest:RFID and AIDC News: Commercial Drones as Retail RFID Readers?, RFID 24-7:WILL DRONES CHALLENGE FIXED AND HANDHELD RFID READERS IN RETAIL?)。これを使えば、車両型ロボットでは対応できず、また人間では屈んだりハシゴに上ったりで重作業になる高所低所の棚卸も完全に自動化できる。専門家はコストの面で当面は他の手法に対抗できないだろうと見ているが、ドローンはRFID以外の用途でも注目されている技術であり、コストや航行精度などは急速に改善していくだろう。

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今後もドローン技術の進歩に伴い、予想もしていなかったようなRFIDとの組み合わせソリューションが登場してくるだろう。久しぶりに面白い技術が出てきたと思う。

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