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2014/12/31

2014年RFID十大ニュース

今年もRFID十大ニュースのエントリを書く時期になった。今年は全体的にRFID業界の進路が徐々に変わりつつあるのかな、という印象を感じる一方で、じゃあどの方向に向かうのかということが見えないもどかしさもあった一念だった。来年はもうすこし方向性が見えてくるのだろうか。自動認識からInternet of Thingsへと業界の関心の中心が転換する方向にあるのだとは思うのだが…。

☆Internet of Thingsのブレイク

アメリカではRFID JournalがInternet of Thing Journalを創刊したし、日本では日経BPからムックは出たし、状況的にはInternet of Thingsがブレイクした(というかハイプが始まった)ようなのだが、個人的にはピンと来ないでいる。何か画期的な新技術が登場したわけではないし、Wal=Martの時のような象徴的な案件が発表されたわけでもない。こういう形でハイプが始まることもあるのだな、と思う。

☆AppleのNFC対応

新モデルが発表されるごとに噂だけが流れていたAppleのNFC対応、ようやく今年のiPhone 6で実現した。但し当初の対応はApple Payという独自の決済インフラのみでの利用に限定され、それ以外の機能は特定パートナーに限定して開放予定、現時点では開放が決まったパートナーは発表されていない。NFCの現状の普及状況を考えると正直中途半端な感じは否めないと感じる。Appleはリアル店舗での決済系にはiBeaconと店舗アプリの組み合わせで当初は参入しようとしていたはずで、リアル世界との接点での囲い込みは意図したとおり進んでいないということなのだろうか。

☆NFCの認知度高まる

Appleが現時点で対応していないにもかかわらず、NFC、特に非決済分野での利用の普及は着実に進みつつある。一見マイナーだが一般への普及・認知度拡大を示す事例としてへぇと思ったのがNFC内蔵のジュエリー。日本ではCORE JEWELS社、アメリカではCuff社といったあたりが出している製品は、テックギーク向けのものではなく、普通にジュエリーとして利用することを想定したもの。こういった製品が一般層に受け入れられる日が近づいてきたんだな。

☆Bluetoothソリューションの進化

Bluetoothを採用したアクティブタグ、およびそのソリューションはBluetooth Low Energyの導入によりじわじわ普及が始まり、iBeaconでのサポートで一気にメジャーになったが、今年はさらに普及が加速した気がする。導入事例の増加に加え、今年印象的だったのはソリューションの応用範囲の拡大。スマホの各種センサーと組み合わせた測位ソリューションや環境電池を用いた無給電動作が登場し、Bluetooth4.2ではIPによるインターネット直接接続などがサポートされた。ある技術が標準と認知されるとこれほど技術開発が急速に進むものかと感心する。

☆UHFパッシブ案件の変化

今年を代表するUHFパッシブRFIDの導入案件はZaraだということは多くの人が同意すると思う。導入規模もさることながら、僕にとって一番印象的だったのは導入が株主総会で発表され、それまでは徹底して秘匿されていたことだった。ビジョナリーのCIOがRFID業界カンファレンスで導入を発表する、という時代はUHFパッシブ案件ではもう終わったのだろう。

☆UHFパッシブタグのセンサー化

UHFパッシブ案件が上記のような状況になっている背景には、UHFパッシブタグが従来の基準ではほぼ成熟したということがある。読み取り能力は通常の環境ではソリューションの制約にならなくなって久しいし、価格も近い将来劇的に低下することはないだろう。そんな中で今年気になったのは、パッシブタグのアンテナをセンサーとして利用する技術。これは温度や湿度、圧力などでアンテナの周波数特性が変わるように製造し、その感度の変化で温度を検出するもの。Internet of Thingsの関係で、こういうバッテリーレスのセンサータグで面白い製品・事例が今後も増えていくのだろう。

☆UHFパッシブアンテナのRTLS対応

一方でUHFパッシブのアンテナ側ではRTLS対応の進展が目についた。Mojix StarSystemの鮮烈なデビューの後は、製品発表はあったがなかなか普及が進まなかったが、今年は3DTAC社の同名の製品、Impinj社のxArrayなど廉価な製品が増えてきた印象がある。RTLSよりもリアルタイム性が低い用途を切り開いてくれると面白い。

☆業界再編の進展

今年の業界再編の最大ニュースはZebra社によるMotorola Solutions社の買収だろう。Motorola Solutions社自体が2年前にPsion社を買収したばかりで、海外の業界再編のペースは速いと改めて思う。また、中国のEASメーカー中瑞思創科技がAlien Technology社を買収したニュースも興味深かった。来年にはInternet of Thingsを手掛ける大手ベンダーによる買収が起こるだろうか。

☆900MHz帯周波数移行終盤へ

UHF帯RFIDの旧周波数である900MHz帯での移行が進み、この周波数を利用するソフトバンクモバイルのLTEサービスが地方から開始されつつある。予定より遅れ気味とはいえ、当初の状況を考えるとよくここまで追い上げたと感心する。関係者の方お疲れ様でした。

☆RFIDのキャズム越え近づく

RFID Journal編集長Mark Roberti氏が今年最終号の編集後記で「RFIDはキャズムをほぼ超えた。ベンダーもユーザーも爆発的な普及が始まった時点での問題に備えるべき」と書いていた。彼は業界のインサイダー情報を踏まえてこういう記事を書くことがある。状況的にはいつキャズム理論で言う所の「トルネード」に入っても不思議ではない状態なので、来年早くに何か良いサプライズがあることを期待したい。

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2014/12/25

RFID Journal 抄訳 2014/12/19号

今週興味深かった記事はジェフリー・ムーアのRFIDの現状に関するインタビューです。RFIDやInternet of Thingsへの見方、当たるかどうかはともかく、色々なヒントがあるように感じます。

Bluetoothビーコンの図書館での利用。利用者の貸し出し状況、予約図書の到着、イベントの開催などの通知ならメールで良さそうな気もします。お店と違って図書館はわざわざ来るところでしょうし…。専門家でないと分からないユースケースがあるのでしょうか。

Engineering Firm Ludwig Pfeiffer Uses RFID to Keep Track of Tools, Workers

ドイツのエンジニアリング会社Ludwig Pfeiffer社は建設現場での作業員と機材の管理にRFIDを利用しています。同社はHPパッシブタグを器材に貼付、作業員にはバッヂとして配布し、ハンディリーダーで読み取ることで管理を行っています。

Dixons Carphone Group Simplifies Tracking of Phone, Tablet Repairs

ヨーロッパの携帯電話販売会社Dixons Carphone Group社はイギリスの物流センターでの修理機材の取り扱いにRFIDを利用しています。同社はTrackerPoint社のソリューションを導入し、修理する機材を入れたケースにUHFパッシブタグを貼付。修理が完了するまで機材を入れたままにしておくことで修理の進捗状況を管理します。

Libraries Check Out Bluetooth Beacons

図書館でBluetoothビーコンを利用する動きが広まりつつあります。図書館では蔵書の管理や貸出業務のためにパッシブタグを利用することは広く行われていましたが、Bluetoothビーコンでは利用者の貸し出し状況、予約図書の到着、イベントの開催などの情報を発信します。

At Canadian Diamond Mine, RFID Shines a Light on Tool Usage

カナダの大手ダイヤモンド鉱山は機械工に貸し出す機材の管理にRFIDを利用しています。この鉱山が利用しているのはToolHound社のシステムで、器材にUHFパッシブタグを貼付し、器材室の出入り口にポータルリーダーを設置して読み取りを行います。ポータルリーダーは既に利用中のLFパッシブバッヂを用いた入退室管理システムと連動しています。

RFID Journal LIVE! 2015 to Feature Eight Preconference Seminars

2015年4月15~17日に開催されるRFID Journal LIVE! 2015では下記の8つのプレカンファレンスセミナーが開催されます。

  • RFID in Energy, Mining & Construction
  • RFID for IT Professionals
  • RFID for Warehouse and Inventory Management
  • RFID-Enabled Smart Products
  • Innovating With NFC
  • Experiential Marketing With RFID
  • Item-Level Retail and Apparel WorkshopRFID Journal University

RFID News Roundup

  • HID Global社がビア樽・ガスボンベ向けのUHFタグ新製品を発表
  • Farsens社がバッテリー不要の気圧計センサー付きUHFパッシブタグを発表
  • BluVision社がProximity5を買収し、ビーコンによる販促管理機能を強化
  • Ubudu社が双方向コミュニケーション対応のビーコンプラットフォームを発表
  • OSPT Allianceが北米副委員会を立ち上げ、同地域でのプレゼンスを拡大
  • Galatea社がNFCタグを埋め込んだ養殖真珠を販売へ

ROI on Temperature-Monitoring Solution Leads to RFID Asset Tracking(有償記事)

病院グループのLifespan社は医療品や血液の病院間の移動のモニタリングにAeroScout社の温湿度計搭載WiFiタグを利用しています。この分野での利用効果が認められたため、同社は医療器材の所在管理にもRFIDの利用を拡大することにしました。

Enter the RFID Journal Awards

2015年のRFID Journal Awardsのエントリが開始されました。あなたのプロバイダーをサポートし、業界でのRFID利用メリットの認知を広めるために、あなたの事例をエントリしましょう!

An Interview With Geoffrey Moore

キャズム理論のジェフリー・ムーア氏が新著Escape Velocity: Free Your Company's Future from the Pull of the Pastの出版を受けてインタビューに応じました。RFIDに関連する部分を掲載します。

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2014/12/22

RFID World Watcher Monthly November 2014

今月は久々に特集記事あり、それもBluetoothとドローンの2本立てです。ニュースを整理してみて驚いたのですが、今月はアクティブタグの事例がありませんでした。IoT Journalが立ち上がってそちらに移している、ということなのでしょうか。

RFID World Watcher Monthly November 2014 (PDF形式、460KB)

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2014/12/19

RFID Journal 抄訳 2014/12/12号

今週気になった記事はBluetooth 4.2の発表です。通信速度の向上やセキュリティの改善もさることながら、何と言ってもIP通信の直接サポートがInternet of Thingsの観点からは重要でしょう。センサータグ・デバイスの世界はBluetoothが主導していくのでしょうか。

今週の編集後記は、RFIDがいよいよ本格的な普及期に入りつつあるという話。実は編集長のMark Roberti氏はこの種の言い回しをここ数年避けていたので、この記事を読んでかなり驚きました。見通しが当たることを切に願います。

Audi Launches RFID Deployment for Tracking Assembled Vehicles Worldwide

Audiは工場で完成車の所在を管理するRFIDシステムを全世界で導入します。このシステムは、完成車のバンパーにUHFパッシブタグを貼付して製造エリアで所在管理を行うと共に、出荷エリアの駐車ロットにやはりUHFパッシブタグを貼付し、作業員のハンドヘルドリーダーで両方のタグを読み取って紐付けします。

Texas Instruments Unveils NFC RFID Sensor Chips, Demo Kit

TI社はセンサー用途向けNFCチップの新製品RF430FRL15xHを発表しました。このNFCチップはISO 15693互換で通信が可能なほか、MCUとADコンバータ、内蔵温度センサー、SPI/I2Cインタフェースを搭載しています(一部機能を外した廉価版も存在します)。また、チップはパッシブモードとセミパッシブモードの両方に対応しています。小ロットでのチップの単価は2.50ドル。開発キットは19.90ドルです。

Swiss Food Co-op Deploys RFID to Automate Shipment Tracking

スイスのスーパーマーケットチェーンMigros Ostschweiz社では店舗への商品配送にRFIDを利用しています。同社は輸送器材とフォークリフトにUHFパッシブタグを貼付し、ドックドアにリーダーを配置することで、トラックに正しい輸送機材が積み込まれたことを確認します。同社はEPCIS対応のデータベースを利用しています。

Welsh Museums Deliver Extra Content Via Bluetooth Beacons

イギリスのウェールズ国立博物館はBluetoothビーコンを用いた展示品解説システムを導入しました。ウェールズにはローマ時代の遺跡・遺品などを展示する博物館が多くあり、それらの展示品の意味や意義を文書や図解で説明するためには展示エリアのスペースだけでは不足することが課題になっていました。同博物館は無料のiPhone/iPadアプリケーションを作成し、訪問者がアプリをダウンロードして展示品の前に行くことで、解説をiPhone/iPadで見ることができるようにしました。

What the New Bluetooth Low Energy Standard Means for Your Business

12月3日にBluetooth規格の新バージョン4.2がリリースされました。この規格ではIP通信をサポートする新プロファイルInternet Protocol Support Profile (IPSP)が追加されたほか、128ビットAES対応の暗号化通信のサポート、通信速度の2.5倍の高速化などが導入されました。

RFID News Roundup

  • NISTがRFIDの犯罪証拠品管理への適用に関するレポートを公開
  • オーストラリアの精神病院がスタッフと患者の反故にEkahau社のRTLSを利用
  • Checkpoint Systems社がメンフィス大学のオートIDラボに65万個のタグを寄贈
  • Atlas RFID社が自社の建設管理アプリJovixに機能を追加
  • MEPS Real-Time社がヘルスケア業界向けのRFID対応薬品棚を発表
  • 富士通研究所が金属・IDカード向け小型UHFパッシブタグを開発
  • GuestDriven社とEstimote社がホテル業界向けにビーコンソリューションを提供

RFID in Health Care 2014 Report(有償記事)

11月20日にシカゴでRFID in Health Care 2014が発表され、ユーザやベンダから様々な発表がなされました。発表資料を掲載します。

The Next Challenge for the RFID Industry: Rapid Growth

RFIDはいよいよ本格的な普及期に入ろうとしており、急速な成長の中でユーザもベンダも翻弄される可能性があります。これに対応するためには、ユーザは事前に調査を行い信頼できるベンダとの関係を深めておくこと、ベンダは成長が見込め自社のブランドを維持できるマーケットを見極めてそこにマーケティングを集中することが必要です。

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2014/12/11

RFID Journal 抄訳 2014/11/22号

前回分のアップを忘れていました。記事の順番が入れ違いますがご容赦ください。

今週はImpinj社の簡易RTLS機能付きUHFパッシブRFIDリーダーxArrayの一般販売が始まったという記事が目を引きました。昨年のRFID Journal LIVE!で発表されたものだったので、結構時間がかかったのですね。NFCが急速に普及する中、UHFパッシブが今後利用範囲を広げていく中でキーになる一つの機能がRTLS対応だと思うので、動向を注目しています。

ドローン(無人機)による空中写真撮影がB2Bの世界で注目を浴びているという記事は目から鱗でした。確かに広大な屋外エリアでのインフラ負担を劇的に引き下げる可能性がある技術です。ただ、記事自体にはあまりIoTやRFIDに関係する記述がありませんでしたが…。

Impinj Announces Commercial Availability of Its xArray UHF Reader

Impinj社が簡易RTLS機能付きのUHFパッシブRFIDリーダーxArrayの一般販売を開始しました。この製品は昨年4月のRFID Journal LIVE! 2013で発表され、その後限定された先行ユーザーで評価が行われてきましたが、今回一般向け販売に至ったものです。製品は4mの天井に取り付けられた場合に直径12mの読み取り範囲を持ち、単価は3,300ドル。一般の特約店のほかNofilis社やinMotion社などのソフトウェアベンダーが自社製品と統合した形で販売します。

German Beverage Wholesaler Raises Efficiency With RFID

ドイツの酒類卸A. Kempf Getrankegrosshandel社ではバーリンゲンの倉庫でRFIDを利用しています。この倉庫は自動化倉庫ですが、ドライバーが乗るフォークリフトが利用される部分があり、自動化部分の受け渡し時にドライバーがパレットのバーコードを読ませる必要がありました。同社はUHFパッシブタグ入りのIDカードを導入し、パレットの受け渡し時にIDカードを読み取ることで、正しいパレットが自動化部分に渡されることを確認します。

ZigBee Alliance Announces Six-in-One Standard Designed for All Users

ZigBee Allianceは最新版のプロトコルZigBee 3.0を発表しました。従来のZigBeeで個別のプロファイルとして定義されていたHome Automation, Light Link, Building Automation, Retail Services, Health Care, Telecommunicationの6つはZigBee 3.0の元に統合されることになります。なお、スマートメーターに使われるSmart Energyプロファイルは独自のセキュリティプロトコルを用いるためZigBee 3.0ではオプション扱いとなっています。従来のZigBee製品はソフトウェアの更新でZigBee 3.0に対応できます。

For Mining, Construction Firms, Flying Robots Keep Projects on Track

鉱業や建設業で無人機から撮影した画像・映像を業務に利用する動きが広がっています。無人機とデータ解析サービスのベンダーであるSkyCatch社は採掘量解析、安全、ロジスティクスなど様々なサービスを提供しています。同社の顧客には資源大手Rio Tinto社などがあります。

Saint Francis Medical Center Employs RFID to Track Staff Training

ミズーリ州の病院Saint Francis Medical Centerでは職員の研修参加をRFIDで管理しています。同院のスタッフは入退室管理用にHID Global社の125kHzタグ入りバッヂを持っているため、研修会場でタブレットにUSBドングルタイプのRFIDリーダーを接続し、バッヂを読み取ることで研修参加を登録しています。

RFID News Roundup

  • Keonn社がリーダー用アンテナとタグ書き込み機材の新製品を発表
  • Adobe社がAdobe Marketing Cloudでビーコンに対応、消費者調査を可能に
  • MTI Wireless社が高速道路料金所向けアンテナの新製品を発表
  • DuPont Microcircuit Materials社が銅100%の電導インクを発表
  • Confidex社が金属タグの新製品を発表。印刷対応の薄型とハードケース型
  • Haldor社がRFID対応の手術管理ソフトウェアに分析・レポート機能を追加

RFID Journal LIVE! Europe 2014 Report(有償記事)

2014年11月16日にRFID Journal LIVE! Europe 2014がロンドンで開催され、200人の参加者を集めました。会場では様々な業界でのRFIDの導入事例が報告されました。

Free the People

組織の人々は変化に抵抗すると考えられがちですが、実際にはそれは自分に危害が及ぶ場合だけで、人々は自分の仕事を効率化したいと考えています。RFIDプロジェクトのリーダーは人々のそういう思いに応えられるよう、RFIDが何を可能にするかをきちんと伝えるべきです。

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2014/12/10

RFID Journal 抄訳 2014/12/05号

今週は有料の特集記事がスマホ接続タイプのハンディーリーダーでした。色々種類が増えてきたなーという感想は持っていたのですが、記事で並べて見せられると互いにこんなにも違うものだったのかと驚きます。アスタリスク社のiPhoneケース型リーダー、AsReaderも載ってますよ!

編集後記はRFID企業がどのようにInternet of Thingsをキーワードにマーケティングを行うかというお話。IoTは今ハイプのピークで知名度は抜群だが、過剰にRFIDとIoTの関係を強調するとせっかくRFIDが獲得した成熟した実績ある技術と言うイメージが傷つく恐れがあると。RFIDベンダーにとっては既に実績あるRFIDという技術をベースにIoTの可能性が広がるという話をするといいよ、という結論です。

Decker's New UGG Australia Store Uses RFID to Promote Products, Engage Shoppers

アパレル大手のDeckers社はブーツブランドUGG Australiaのワシントン店でRFIDを利用した商品状況システムを導入しました。タッチスクリーンとフロアマット式のRFIDリーダーを組みませたもので、UHFパッシブRFIDタグを貼付した試着用のブーツでフロアマットに乗るとタッチスクリーンに商品情報が表示されるというものです。

Chinese Opera Gives RFID Its Props

台湾の国営京劇劇団である国光劇団では衣装と装身具の管理をRFIDを用いて行っています。このソリューションはPC Solutions Taiwanが開発したもので、小型の装身具に取り付けが可能な様々なUHFパッシブタグが利用されています。

RFID Fills Infection-Prevention Role at Dental Practice

歯科医院を運営するWestover and Associates社は来訪者の体温の記録のためにRFIDを利用しています。同医院には他の病気を罹患している患者も来るため、発熱している来訪者は感染を引き起こさないように対応する必要があります。同医院では来訪者を写真と体温を検査機でチェックしていますが、スタッフにRFIDタグを持たせスタッフ以外の患者のみ記録を行わせています。

Siemens Starts Shipping New Readers for Industries, Logistics

Siemens社はUHFパッシブ固定式RFIDリーダーの新製品3種類の出荷を開始しました。これらは物流、産業用途向けであり、設置の容易性や出力の自動調整、タグのストレイリードの排除といった機能を持っています。

At Nashville's Music City Center, Beacons Help Visitors Find Their Way

ナッシュビル市のMusic City CenterではBluetoothビーコンを用いて来訪者に現在位置案内を行います。同館は12万平方メートルの敷地に64個のBluetoothビーコンを配置、複数のビーコンからの電波を受信して現在位置を推定するアプリを用いてナビゲーションを行います。アプリはiPhoneとAndroidで動作し、ヴァンダービルド大学の研究者が開発しました。

RFID News Roundup

  • Impinj社がシアトルにRetail Experience Centerをオープン
  • Xerafy社が金属対応の小型UHFパッシブタグの新製品Slim Trakを発表
  • Secura Key社がアクセス管理ソフトウェアにドアの開閉鍵機能を追加
  • Tageos社がUHFパッシブRFIDラベルにMonza R6チップを搭載
  • Lancom Systems社が電子棚札とBluetoothビーコン、WiFiアクセスポイントを兼ねる製品を発表
  • Motorola社が忘れ物発見用BluetoothキーホルダーのKeylinkを発表

What You Need to Know About Mobile RFID Readers(有償記事)

近年登場したスマートフォンに接続するタイプのハンディRFIDリーダーには様々な種類があります。形状には単体利用、スマートフォンのケース、従来型のハンディリーダーなどさまざまあり、接続方法もBluetooth、USB、イヤフォンジャックなど多彩です。それぞれに適した用途があります。

Internet of Things: Promise and Peril for the RFID Industry

ガートナーが発表しているハイプサイクルによると、RFIDは現在啓蒙活動期にあり、Internet of Thingsは「過度な期待のピーク期」にあります。このため、RFIDをInternet of Thingsと組み合わせてプロモーションすることは、注目を集めることに役立つ反面、せっかく抜けたハイプになりかねません。RFIDベンダーにとって合理的な選択は、RFIDは既に成熟したテクノロジーであり、それを土台にしてIoTが可能になると説明することです。

Security in the Cloud

現在新規のRFIDアプリケーションの6割はクラウドベースで構築されています。セキュリティを確保するため、暗号化通信手段を利用し、リーダーごとに異なる電子証明書を使いましょう。

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2014/12/07

RFIDとドローン(無人機)

RFIDは自動認識技術の一要素に過ぎず、関連する他の技術要素が変化するとRFIDの位置付けもそれに合わせて変化する。言われてみると当たり前の話なのだが、RFID(そして競合技術の画像認識やバーコード)の技術進歩は他の要素技術よりも早いので、普段はそれをあまり意識することは無い。その分、他の要素技術分野での変化は不意打ちになりがちだ。

最近ドローンを使ったRFID読み取りの可能性が海外で話題になりつつある。ドローンは無人航空機を指す言葉で軍用のジェット航空機までをカバーする言葉だが、RFID利用の文脈では複数のプロペラを持ち細かな制御が可能なマルチローターヘリコプターを指すことが多い。ラジコンのように人間が直接操縦するほか、GPSなどを用いて自律飛行を行うことができるものも存在する。サイズも物流用途に利用できるそこそこのペイロードを持つものから手の平に載るようなものまでさまざま。

ドローンをRFIDリーダーのプラットフォームとして利用することには様々なメリットがある。一つは固定的なアンテナの設営が様々な理由で困難な環境でのRFIDの運用。フィールドの高低差が大きく高い鉄塔を立てなければならない、リーダーへの電力供給が困難、配置密度が低くアンテナの整備がコスト的に合わない、といった環境でもドローンは運用可能である可能性がある。このような分野では既に導入が始まっており、例えばデュバイの鋼材商社であるAGE Group社が鋼材ヤードの在庫管理に活用している(RFID Journal:RFID-Reading Drone Tracks Structural Steel Products in Storage Yard)。同社はOmni-ID社製の433MHzアクティブタグPower 400をヤードで保管する鋼材に貼付、リーダーを搭載したドローンで読み取りを行っているという。

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ドローンのもう一つのメリットは三次元起動が可能であること。地上移動するロボットではリーダー部を上下させる幅は物理的に限定されるが、ドローンであれば自由に移動することができるし、地上に障害物があっても移動に障害は無い。この点に着目し、店舗内商品の個品タグ読み取りにドローンを利用しようというプロジェクトがある。アメリカのベンチャー企業ADASA社が開発しているFlying Robotがそれで、来年6月の完成を目指しているという(Supply Chain Digest:RFID and AIDC News: Commercial Drones as Retail RFID Readers?, RFID 24-7:WILL DRONES CHALLENGE FIXED AND HANDHELD RFID READERS IN RETAIL?)。これを使えば、車両型ロボットでは対応できず、また人間では屈んだりハシゴに上ったりで重作業になる高所低所の棚卸も完全に自動化できる。専門家はコストの面で当面は他の手法に対抗できないだろうと見ているが、ドローンはRFID以外の用途でも注目されている技術であり、コストや航行精度などは急速に改善していくだろう。

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今後もドローン技術の進歩に伴い、予想もしていなかったようなRFIDとの組み合わせソリューションが登場してくるだろう。久しぶりに面白い技術が出てきたと思う。

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