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2014/07/16

RFID Journal 抄訳 2014/07/11号

今週は普段とはちょっと違った技術やアプリケーションが並び興味深かったです。

エールフランス社のNFC対応携帯電話を使った空港サービスのトライアル。日本から見ると正直「何を今さら…」という内容ではあります。ユーザビリティも含め技術的な問題があるわけでは無く、NFCの社会全体でのエコシステムをどう育てていくか、というところが肝のはずなのですが。

特集記事はMarks & Spencer。このブログでも何度か取り上げていますが、RFIDのごく初期から導入してアパレルの個品タグ付けをやり抜き、それを横展開していこうというのは伝統企業の底力ですね。ビジョナリーが業界を渡り歩くアメリカ的なスタイルにも良いところは多々ありますが、こういう粘り強さには欠けるように感じます。

寄稿記事にはRaaS(RFID as a Service)という刺激的なキーワードが出てきます。ユーザ企業はRFIDのハードウェアに興味があるわけでは無くそれを分析し業務改善に役立てることに興味がある、という指摘は至極真っ当ですが、そのアイデアのマネタイズは成功するのかな?各社の取り組みを見ていきたいと思います。

NFC Takes Flight With Air France at Toulouse Blagnac Airport

エールフランス社はトゥールーズ空港でNFC対応携帯電話を使ったセキュリティゲートやラウンジのアクセス管理のトライアルを実施中です。トライアルは2014年末まで半年間行われ、ソリューションはSITA社が導入しました。

RFID Is the Cure for San Francisco Construction Project

サンフランシスコの建設会社Shimmick Construction社はコンクリートの養生の監視に温度計付きワイヤレスセンサーを利用しています。従来コンクリートの養生の監視には有線のセンサーが利用されていましたが、運用が面倒なため多くの場合には監視を行わず十分に余裕を持った養生時間を取るという運用がされていました。ワイヤレスセンサーを利用することで、運用負荷を高めずに必要最低限の養生時間で工事を行うことができるようになりました。同社が採用したのはIdentec社のUHFアクティブタグ製品です。

Qatar's Public Prosecution Office Cuts File Search Time by 60 Percent

カタールの検察局は書類の管理にRFIDを利用します。検察局では10万冊以上のファイルが操作に応じて拠点間でやり取りされ、その所在管理が大きな負担になっていました。同局は地元ABATS社が開発したUHFパッシブタグを用いたソリューションを導入、書類探しにかけていた時間を60%削減しました。

Woodside Tests New Passive-Active RFID Tag

オーストラリアのエネルギー企業Woodside Energy社は資源開発現場での資材管理にRFIDを利用しています。同社はISO 18000-7互換の433MHzアクティブタグとUHFパッシブタグを共に搭載したW-TagをOmni-ID社と共同で開発し、バルブなど重要な部品の現場での所在管理に利用しています。

National Taiwan Museum of Fine Art Adopts Active-Passive RFID Solution

国立台湾美術館は所蔵品の所在管理のために900MHz UHFアクティブタグとUHFパッシブタグを共に搭載したタグを利用しています。EPC Solutions Taiwan社がソリューションを開発しました。

DecaWave Intros Ultra-wideband Active RFID Module

DecaWave社は組み込み用に利用するUWBタグ用モジュールDWM1000を開発しまし、出荷を開始しました。従来UWBタグ用のモジュールは複数の電子部品で構成されており、高価で大型のものになっていました。同社はUWB機能をシングルチップに搭載したICを開発し、単価を15~30ドルまで引き下げました。

Aston Martin to Present Keynote Session at RFID Journal LIVE! Europe 2014

10月23日にロンドンで開催されるRFID Journal LIVE! Europeでは、Aston Martin社の製造部門責任者がキーノートスピーチを務めます。同社は工場での試験や検品にアクティブタグを利用しています。他にもAirbus社やSpeedy Services社が発表を行います。

RFID News Roundup

  • Farsens社が光センサー付きのUHFパッシブタグを発表
  • Neology社がUHFパッシブ向け料金ゲート認証のOmniAir 6Cを取得
  • IDTronic社が柔軟タイプのRFIDリストバンドの新製品を発表
  • VivaLnk社がNFCタグ入りのタトゥーシールDigital Tattooを販売開始
  • パナソニックがRFID対応のWindowsタブレットToughpad FZ-G1の新機種を発表

Marks & Spencer Embraces Change(有償)

Marks & Spencerは2015年春までにすべての雑貨の個品にタグを貼付するプロジェクトを進めています。同社は既にすべてのアパレルの個品にタグを貼付しており、そこで得られているメリットを雑貨に広げることがこのプロジェクトの目的です。

Lower the Barriers to Adoption

私は読者から小規模な導入やパイロットに対応してくれるRFIDベンダーの紹介を依頼されます。多くのRFIDベンダーは大規模なプロジェクトにのみ関心を持ち、こういう小さい案件は相手にしません。ハンドヘルドリーダー1台と数百枚のタグを含むスターターセットを2千ドル以下で提供するベンダーがもっと増えるべきです。

The Emerging Marketplace for RFID Data Analytics, or Finding a Needle in a Haystack

アパレルを中心にRFIDを導入する企業が増えていますが、彼らはRFIDデータを分析して得られる行動指針に興味があるのであり、RFID器材そのものに興味を持っている訳ではありません。このような企業に対し、RFIDデータの収集・分析をサービスとして提供するRaaS(RFID as a Service)というアプローチでマーケティングを行おうというベンダーが登場し始めています。

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