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2014/07/30

RFID Journal 抄訳 2014/07/25号

今週もZaraのRFID導入に関する記事が続いています。社説では、これまで何年もRFIDを利用してきたZaraが今RFIDの利用を株主総会で発表したのは、株主がRFIDの利用をポジティブに受け取ってくれるようになったからだという分析があり、なるほどと思いました。

Carrefour社のiBeaconを利用したショッピングカートの動線分析、まだトライアルの計画中とのことですが面白いですね。1.5mの測位精度が出るそうです。

Aki Choklatブランドの鞄にNFCタグを搭載して偽造品防止という話、いいな、と思って検索してみたら結構いいお値段でした。ちょっと買えないな…。

Tyco Wins Chain-wide Contract From Inditex

Tyco Retail Solutions社はInditex社からZaraブランド店舗のRFIDソリューション導入を請け負っていることを公表しました。同社は音波式盗難防止タグとUHFパッシブRFIDを組み合わせたソリューションを導入するもので、既に700店舗に導入済み、残る1,300店舗には2016年中に導入を完了します。

Carrefour to Use Bluetooth Beacons to Track Carts, Baskets

フランスの大手スーパーCarrefour社はバルセロナの店舗でBluetoothを使ったショッピングカートの動線分析のトライアルを計画しています。このソリューションを開発したのはProximus社で、従来はWiFi RTLSを利用したソリューションを開発していましたがiBeaconの登場を受けBluetoothソリューションを手掛けるようになりました。ソリューションの測位精度は1.5mです。

At Cooper Hewitt Museum, Visitors to Become Designers With NFC

ニューヨークのCooper Hewitt MuseumではNFCを使ったインタラクティブな展示を導入しました。来館者は入り口でNFCタグ内蔵のスタイラスvWandを受けとり、それを使って展示室でデジタルアートを作成することができます。作成したデジタルアートは即座に壁に表示されるほか、後で美術館のサイトからダウンロードすることも可能です。

Aki Choklat Brings Authentication and Personalization to Luxury Bags

ロンドンのブティックAki ChoklatはNFCタグを利用して高給鞄の偽造品防止を行っています。同社はSmartrac社のBullsEye NFCタグを鞄のロゴの下に埋め込み、バイヤーが対応アプリをGoogle Playからインストールすることで、鞄が本物であることを確認することができます。

RFID News Roundup

  • 香港の大手電力会社がRF Code社のセンサータグを導入
  • HID Global社が8KBのFRAMメモリを搭載したHFパッシブタグを発表
  • CAS DataLoggers社がRFID対応の冷蔵品物流ソリューションを発表
  • Farsens社が電池不要のUHFリーダー電波検出検出器を発表
  • RAIN RFIDアライアンスに新メンバー18社が加入。9月に初めての会議を開催

RFID Protects Students and Teachers(有償記事)

アイダホ州のSkyview高校では生徒と教師の安全確認のためRFIDバッヂを導入しました。このバッヂはEkahau社のWiFiアクティブタグで、非常事態発生を知らせるボタンとシステムからのメッセージを受け取るLED表示部を搭載しています。

The Meaning of a Retail CEO's Comments on RFID

Zaraブランドを要するIditex社のCEOは株主総会の席でRFIDを導入中であることを発表しました。同社は何年もの間RFIDを利用して来ましたが、従来は自社のRFID利用を記事にすることを認めてきませんでした。このタイミングで株主総会での発表をしたということは、一般株主がRFIDを利用しているということを積極的に評価するようになったからだと思われます。

The State of Reader Interfaces

現在UHFパッシブリーダーにアクセスする多くのアプリケーションは独自APIやLLRPなどの低レベルインタフェースを利用していますが、これらに利用には手間がかかります。いくつかのベンダーは洗練された高レベルなミドルウェアを利用していますが、特定の業界のみにマーケティングされているため他の業界ではあまり知られていません。高レベルで汎用的なインタフェースであるALEの知名度が低くあまり利用されていないのは残念です。

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2014/07/24

RFID Journal 抄訳 2014/07/18号

今週一番の大きなニュースはZaraブランドを擁する大手アパレル企業・Inditex社のRFID店舗導入事例です。以前から「Zaraでは大規模な導入が進んでいる」という話は聞こえてきましたが、Zara自身がメディアに発表するのは今回が初めてだと思います。この記事に続きTyco社がソリューションを導入したというプレスリリースも流れました。今後は積極的な情報発信を行っていくのでしょうか。

International RFID Instituteの資格試験の件、ベンダー中立で普遍的な価値のある試験問題を作るというのは負荷のかかる作業だと思います。ご興味のある方はぜひ問題作成のボランティアに参加してみてください。

RFID Speeds Police Vehicles Through Assembly

Ford社のTroy Design and Manufacture部門(TD)はパトカーへの改装作業をRFIDで管理しています。TDMで改装するパトカーは一台ごとに仕様が異なり、正しい作業を行う必要があります。このため、工場出荷時にUHFパッシブタグの入ったラベルを車両に貼付し、生産ライン上の固定リーダーでラベルを読み取ることで、行うべき作業を作業員に自動的に指示します。

PostNL Tracks Temperature-Sensitive Pharmaceuticals Via RFID

オランダの郵便公社PostNLは温度管理を行う医薬品の輸送のモニタリングにRFIDを利用します。同社が利用しているのはSenseAnywhere社の900MHzアクティブタグで、温度・湿度センサーと衝撃センサーを搭載したAiroSensorという製品です。

Inditex CEO Announces RFID Expansion Plans

Zaraなどのブランドを傘下に持つ大手アパレル企業のInditex社は、年次総会でRFIDの利用の拡大を発表しました。現在ヨーロッパを中心に22ヶ国のZaraの店舗700店以上でRFIDが導入されていますが、2016年までに2000店弱の全店舗へと展開します。同社はEASと組み合わせたUHFパッシブのアパレルタグを利用しています。

ISA Boutique Tracks Inventory, Shopper Behavior Via RFID

香港の宝飾品店ISA BoutiqueではRFIDを用いた宝石の管理のトライアルを実施しています。同店では宝石のラベルをUHFパッシブタグ内蔵のものにし、展示ケースと販売カウンターにリーダーを設置することで、リアルタイムで正しい在庫を把握し盗難防止にも役立てます。

NFC Promotion Boosts Pepsi's Midwest Sales

Pepsi社の物流を扱うRehrig Pacific社はミネアポリス市のMall of AmericaでNFCを利用した販促のトライアルを行いました。これは、ボトルの配送ケースにNFCタグを埋め込み、そこにNFC対応スマホでタッチすることでPepsi社がスポンサーである大学ホッケーの試合の5ドル割引クーポンを受け取ることができるというものです。Rehrig Pacific社はこの販促策により売上げが1~2%上昇したとしています。利用されたのはMetalcraft社のタグです。

Vale, Veiling Holambra, Brazil's Army and Petrobras to Speak at LIVE! Brasil

9月24日・25日にサンパウロで開催されるRFID Journal LIVE! BrasilではNASAやブラジル陸軍、Vale社が事例の発表を行います。

RFID News Roundup

  • AmerisourceBergen社がRFID対応医療器材パッケージングシステムを発表
  • Microsensys社のHFタグがマルハナバチの生態研究で利用
  • EasyJet社がEstimote社のBluetoothビーコンのトライアルをヨーロッパの空港で実施
  • Palos Community HospitalがVersus社のRTLSシステムを導入
  • PINC社が駐車場位置管理システムの新製品を発表
  • 東芝がNFC Forum Type 3仕様に対応したNFCチップを発表
  • Trimble社が自社リーダーのAPIをApple iOSに対応

Hy-Vee Supermarkets Track Perishables to Ensure Freshness(有償記事)

アメリカ中西部のスーパーマーケットチェーンHy-Vee社は輸送中の生鮮品が不適切な温度で放置されたために傷んでしまうことを防ぐため、温度計センサータグを使ったモニタリングに取り組んでいます。導入したのはTempTrip社のUHFセミパッシブタグで、取得されたデータはTempTrip社のクラウドに送信されます。

Will RFID Help to Enslave Us?

RFIDなどの自動化技術により労働者の仕事が奪われる、という議論があります。ですが、自動化による生産性の向上により、無くなる仕事より多くの新しい仕事の機会が作り出されます。

Subject-Matter Experts Needed to Accelerate Certification Efforts

International RFID InstituteではRFID資格試験のための問題を収集していますが、質の良い設問の作成に苦労しています。RFIDの業務経験を5年以上持つボランティアとしてこの作業に参加する方を募集しています。

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2014/07/20

RFID World Watcher Monthly June 2014

今月は特集記事を書くことができなかった、申し訳なし。事例紹介もそれほど派手なものが無く、地味な号になってしまった。

RFID World Watcher Monthly June 2014 (PDF形式、206KB)

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2014/07/16

RFID Journal 抄訳 2014/07/11号

今週は普段とはちょっと違った技術やアプリケーションが並び興味深かったです。

エールフランス社のNFC対応携帯電話を使った空港サービスのトライアル。日本から見ると正直「何を今さら…」という内容ではあります。ユーザビリティも含め技術的な問題があるわけでは無く、NFCの社会全体でのエコシステムをどう育てていくか、というところが肝のはずなのですが。

特集記事はMarks & Spencer。このブログでも何度か取り上げていますが、RFIDのごく初期から導入してアパレルの個品タグ付けをやり抜き、それを横展開していこうというのは伝統企業の底力ですね。ビジョナリーが業界を渡り歩くアメリカ的なスタイルにも良いところは多々ありますが、こういう粘り強さには欠けるように感じます。

寄稿記事にはRaaS(RFID as a Service)という刺激的なキーワードが出てきます。ユーザ企業はRFIDのハードウェアに興味があるわけでは無くそれを分析し業務改善に役立てることに興味がある、という指摘は至極真っ当ですが、そのアイデアのマネタイズは成功するのかな?各社の取り組みを見ていきたいと思います。

NFC Takes Flight With Air France at Toulouse Blagnac Airport

エールフランス社はトゥールーズ空港でNFC対応携帯電話を使ったセキュリティゲートやラウンジのアクセス管理のトライアルを実施中です。トライアルは2014年末まで半年間行われ、ソリューションはSITA社が導入しました。

RFID Is the Cure for San Francisco Construction Project

サンフランシスコの建設会社Shimmick Construction社はコンクリートの養生の監視に温度計付きワイヤレスセンサーを利用しています。従来コンクリートの養生の監視には有線のセンサーが利用されていましたが、運用が面倒なため多くの場合には監視を行わず十分に余裕を持った養生時間を取るという運用がされていました。ワイヤレスセンサーを利用することで、運用負荷を高めずに必要最低限の養生時間で工事を行うことができるようになりました。同社が採用したのはIdentec社のUHFアクティブタグ製品です。

Qatar's Public Prosecution Office Cuts File Search Time by 60 Percent

カタールの検察局は書類の管理にRFIDを利用します。検察局では10万冊以上のファイルが操作に応じて拠点間でやり取りされ、その所在管理が大きな負担になっていました。同局は地元ABATS社が開発したUHFパッシブタグを用いたソリューションを導入、書類探しにかけていた時間を60%削減しました。

Woodside Tests New Passive-Active RFID Tag

オーストラリアのエネルギー企業Woodside Energy社は資源開発現場での資材管理にRFIDを利用しています。同社はISO 18000-7互換の433MHzアクティブタグとUHFパッシブタグを共に搭載したW-TagをOmni-ID社と共同で開発し、バルブなど重要な部品の現場での所在管理に利用しています。

National Taiwan Museum of Fine Art Adopts Active-Passive RFID Solution

国立台湾美術館は所蔵品の所在管理のために900MHz UHFアクティブタグとUHFパッシブタグを共に搭載したタグを利用しています。EPC Solutions Taiwan社がソリューションを開発しました。

DecaWave Intros Ultra-wideband Active RFID Module

DecaWave社は組み込み用に利用するUWBタグ用モジュールDWM1000を開発しまし、出荷を開始しました。従来UWBタグ用のモジュールは複数の電子部品で構成されており、高価で大型のものになっていました。同社はUWB機能をシングルチップに搭載したICを開発し、単価を15~30ドルまで引き下げました。

Aston Martin to Present Keynote Session at RFID Journal LIVE! Europe 2014

10月23日にロンドンで開催されるRFID Journal LIVE! Europeでは、Aston Martin社の製造部門責任者がキーノートスピーチを務めます。同社は工場での試験や検品にアクティブタグを利用しています。他にもAirbus社やSpeedy Services社が発表を行います。

RFID News Roundup

  • Farsens社が光センサー付きのUHFパッシブタグを発表
  • Neology社がUHFパッシブ向け料金ゲート認証のOmniAir 6Cを取得
  • IDTronic社が柔軟タイプのRFIDリストバンドの新製品を発表
  • VivaLnk社がNFCタグ入りのタトゥーシールDigital Tattooを販売開始
  • パナソニックがRFID対応のWindowsタブレットToughpad FZ-G1の新機種を発表

Marks & Spencer Embraces Change(有償)

Marks & Spencerは2015年春までにすべての雑貨の個品にタグを貼付するプロジェクトを進めています。同社は既にすべてのアパレルの個品にタグを貼付しており、そこで得られているメリットを雑貨に広げることがこのプロジェクトの目的です。

Lower the Barriers to Adoption

私は読者から小規模な導入やパイロットに対応してくれるRFIDベンダーの紹介を依頼されます。多くのRFIDベンダーは大規模なプロジェクトにのみ関心を持ち、こういう小さい案件は相手にしません。ハンドヘルドリーダー1台と数百枚のタグを含むスターターセットを2千ドル以下で提供するベンダーがもっと増えるべきです。

The Emerging Marketplace for RFID Data Analytics, or Finding a Needle in a Haystack

アパレルを中心にRFIDを導入する企業が増えていますが、彼らはRFIDデータを分析して得られる行動指針に興味があるのであり、RFID器材そのものに興味を持っている訳ではありません。このような企業に対し、RFIDデータの収集・分析をサービスとして提供するRaaS(RFID as a Service)というアプローチでマーケティングを行おうというベンダーが登場し始めています。

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2014/07/02

RFID Journal 抄訳 2014/06/27号

今週の記事の中で面白いなと思ったのはHarting社の同軸ケーブルRFIDアンテナです。同軸ケーブルの半径20cm以内のタグを読み取る機能を持つので読み取りエリアを細かく管理でき、例えばスマートシェルフなどに向いています。日本のセルクロス社のシートアンテナでも思ったのですが、ある技術が標準になると本来は得意でない分野でも何とか使えるようにするための技術が出てくるものなのですね。

識者寄稿はUHFアクティブタグの老舗Identec社の副社長。最近はiBeaconがメディアで注目され在来型のUHFアクティブタグの扱いは今一つ地味ですが、昔からの確実なビジネスケースが存在する技術でもあります。良くまとまった記事ですのでこの技術の現状にご興味があればご一読をお勧めします。

College Football Hall of Fame to Kick Off With RFID

今年の8月にアトランタにオープンするCollege Football Hall of FameではRFIDを使った展示のパーソナライゼーションが行われます。入館証にUHFタグが組み込まれており、入場者がファンのチームを登録することで、展示エリアでタグが読み取られ、自分がファンのチームの選手が強調されます。

Eskimo Cold Storage Recoups RFID Investment in a Flash

ジョージア州の冷蔵倉庫会社Eskimo Cold Storage社はRFIDを利用したパレットの所在管理システムを導入しました。同社は従来バーコードを用いた管理を行っており、97~98%の精度を得てきましたが、フォークリフト運転手の作業漏れが起きた場合、行方不明になったパレットを探し回るために大きな手間がかかっていました。同社は受け取ったパレットにUHFパッシブタグを貼付し、貯蔵エリアの入り口10ヶ所に固定リーダーを設置することで、どのパレットがどの貯蔵エリアにあるかを自動的に記録できるようにしました。

Harting's LocField Reader Antenna Promises Flexible Read Range

Harting社は同軸ケーブル状のUHFパッシブ向けRFIDアンテナLocFieldを開発しました。このアンテナは最大10mまで伸ばすことができ、半径2m以内のタグを読み取ることができるため、読み取り範囲を固定したい用途に向いています。このアンテナの価格は275ドルから400ドルです。

Muhlbauer Unveils Machines that Print Tag Antennas, Attach Chips, 'Personalize' Labels

Muhlbauer社は新たなUHFパッシブタグの製造設備を公開しました。発表されたのは銅インクを使った印刷によるアンテナの形成、チップの直接取り付け、カスタマイズされた製造ラインです。

New Cross Hospital Boosts Hand Hygiene, Efficiency via RTLS

イギリスのNew Cross Hospital病院では赤外線と900MHz帯アクティブタグを使ったRTLSシステムを導入しています。同病院はもともと手洗いの徹底を目的にシステムを導入しましたが、同じインフラを使いスタッフや資材、患者の所在管理も行うようになりました。

RFID News Roundup

  • CipherLab社が自社の8600モバイルコンピュータ向けのソフトウェアを導入
  • Great Wolf Lodge New England社がPDC社のスマートバンドを導入
  • ノルウェーの郵便公社がHID Global社のアクセス管理技術を採用
  • Lab ID社がNFCタグの新製品を発表
  • アメリカ郵便公社がセンサーとInternet of ThingsのRFPを公表
  • TransTech systems社が統合RFIDソリューションでUHFに対応
  • Fortinet社実施の調査によるとInternet of Thingsへの懸念はデータのセキュリティとプライバシー

RFID Helps Bechtel Manage a Megaproject(有償記事)

建設・エンジニアリング会社のBechtel社はプロジェクトで用いる資材管理にRFIDを利用しています。同社は本土にある資材置き場でそれぞれの資材にIdentec社のUHFアクティブタグを貼付、建設現場で読み取ることで、すべての資材が正しく到着したかを確認します。

It's All Coming Together

超高速のコンピュータとそれを活用するクラウド技術、ナノテクノロジーによる様々な低価格・低電力消費などの多くの技術は同時に実用化されようとしています。これらは組み合わせて利用されることで我々の生活を大きく変えるでしょう。

The Real World of Active RFID Tags

UHFアクティブタグは車両や貨物のトラッキング、作業安全管理などの目的で広く利用されています。また、RTLS機能による正確な位置測定や、電池を搭載していることによる様々なセンサーの利用などにより、Internet of Thingでも活躍が期待されています。

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