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2013/03/17

RFID World Watcher Monthly February 2013

今月の特集記事はNFC & Smart WORLD 2013とスマホ向けBluetoothタグの2本立て。どちらも今までと違ったRFIDの用途が立ち上がりそうだというワクワク感のある内容になった。ニュースは相変わらず製品が多い。今年もRFID Journal LIVEに向けて動き始めている。

RFID World Watcher Monthly February  2013 (PDF形式、252KB)

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2013/03/09

NFC & Smart WORLD 2013

3月8日の午後に東京ビッグサイトで開催されたNFC & Smart WORLD 2013を見に出かけてきた。

今年一番感じたことは展示会場全体の活気。NFC & Smart WORLDとしての展示ももちろんだが、隣接するリテールテックJAPANでもRFIDやNFCを使ったソリューションが多数展示されていた。特に大手ベンダーがトータルソリューションとして力を入れて展示しているものが目立ち、富士通でのビームスの事例、NECの蔦屋代官山店の事例など、現在の日本の代表事例が大きなパネルと説明員付きで展示されているのにはちょっと感動した。この分野でいよいよ勝負をかけられる、と多くのベンダーが考え始めたのだろうと思う。

もっとも、この活気はRFIDへの期待のみが理由ではないことには注意が必要だろう。店頭でのタブレットを用いた接客、顧客によるセルフオペレーション、O2Oなどへの動きなど顧客の現場で起きている大きな動きが背景にあるもので、当然RFID以外の技術要素を用いたソリューションも多数展示されていた。今後この分野で行うソリューション提案はRFID以外の技術要素との競合を意識することが必須になるし、さらに言えば複数の技術要素を組み合わせることで今まで導入に踏み切れなかった顧客に「刺さる」提案が可能になるという側面もある。

以下、個人的に気になったソリューションについて簡単にメモ

【Pastel Plus RFIDソリューション(富士通)】

リテールテックでのRFIDソリューション展示の中で一番目を引いたのは富士通によるビームス事例の紹介だった。ポスターやサンプルの展示だけではなく、多くのビームス側の関係者が出演するソリューション紹介ビデオはとても説得力のあるもので勉強になった。

もう一つ興味深かった点は、ビームス事例でPastel Plus RFIDソリューションという統合ソリューションを全面に出してきたこと。ビームズやユナイテッドアローズなどのセレクトショップ大手が軒並み導入に踏み切り、キャズム理論で言うアーリーマジョリティー層が傍観を止め導入を検討する段階に入っているとすれば、その鍵は実績のある統合ソリューションの存在になる。富士通がこれの横展開に成功できるかにも注目したい。

【NFC PLUG(DNP)】

大日本印刷が出展していたNFC PLUGはシリアルI/Fを持ったNFCインタフェースモジュール(プレスリリース)。名前からはFeliCa PlugのNFC版という印象があるが、FeliCa Plugと違って不揮発のユーザメモリを持っており、これを使ったオペレーションを考えるとImpinjのMonza Z Duraに近いのかもしれない。不揮発のユーザメモリを無線とシリアルI/Fの両方で読み書きできるタグはさまざまな用途が想定されており(参考:ディップスイッチのRFID化)、スマホからアクセスできることで従来よりさらに広範囲な応用が期待できる。会場には最初の対応製品という肌センサーが展示されていたが、ヘルスケアに用途を限らず設備管理などにも販路を広げていきたいとのことだった。

現時点ではISO 15693とISO 14443 TypeBにそれぞれ対応したモデルを用意。普及したときの価格は数百円になるだろうとのこと。

【SMARTICS-V(TOPPAN)】

凸版印刷のブースでに出展されていた製品の中で興味深かったのがSMARTICS-Vという製品。暗号ではなく製造誤差を意識的に利用してチップの偽造を検出するPUF(Physical Unclonable Function)という機能を搭載している。この製品はエアインタフェースはISO 14443 TypeAに準拠している(つまり普通のスマホで読み書きできる)が、アプリケーションレベルで読み書きできる特定のデータが一定の割合で製造誤差によるエラーを返すようになっている。この特定のデータの読み取りをパラメーター付きで行い、その読み取り結果の各ビットが理論値と異なる比率を使って真贋判定を行う。エラーの比率は製造時の設定から計算され、タグそれ自身はエラーの比率に関するデータを持たない。よって、低コストでの偽造はほぼ不可能だし、チャレンジ&レスポンスを用いた判定なのでエミュレーターを使った偽装も困難だ。

チップの物理的特性を使った偽造防止のアイデアは以前からある。例えばアメリカのVerayo社も2008年に同種のコンセプトを用いた製品を発表しており(RFID Journal: PUF Technology Catches Clones)、またNXPもPUFに対応した製品を2014年に投入すると発表している(プレスリリース)。 ただ説明員の方の話によると日本市場への投入はこの製品が最初になりそうだとのこと。チップ価格はセキュリティ機能を搭載しないMifare Ultralightと同等にできるということだが、課題はこの種の偽造防止ソリューションの市場をどのように開拓していくかになるのではないか。

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2013/03/03

新世代Bluetoothタグの登場

従来アクティブRFIDタグの世界ではBluetoothはさほど重要な存在では無かった。Bluetoothタグが全く存在しなかったという訳ではなく、いくつかの製品は出ていたのだが、WiFiやZigBee(もしくはIEEE 802.15)に準拠した製品、あるいは独自仕様のものに比べて陰が薄い存在だったと言っていいだろう。その理由としては、消費電力や通信距離などの点で競合規格と比べて特にメリットが無かったこと、そして周波数ホッピングという特性上アクティブタグの重要な用途であるRTLSでの利用と相性が悪かったことが考えられる。

だが最近になりBluetoothに対応したアクティブタグ製品が多くのベンダーから発表されるようになった。この最大の原因はBluetoothに対応したスマートフォンの普及だ。自由に持ち歩きができてインターネットに常時接続ができ、自由にプログラミングが可能、しかもコンシューマーが保有しているスマートフォンはタグの使い道を大きく広げてくれる。スマートフォンが標準対応しているという点ではWiFiも同じだが、こちらはインターネット接続機能と干渉するため、スマホをリーダーとして使う分にはBluetoothよりは使い勝手に劣る。

もう一つの理由はBluetoothの新規格、Bluetooth 4.0の登場だ。以前のバージョンのBluetoothは比較的高レートでの常時接続を対象にした規格だが、Bluetooth 4.0はBluetooth Low Energy(BLE)とも呼ばれ低レート、間欠的な接続を想定しており、大幅な小電力を実現している。

この二つの特徴を生かした代表的な製品としてCambridge Consultants社が最近開発したDropTagがある(RFID Journal: DropTag Knows When a Package Has Been Handled With Care)。小包に取り付け、輸送中に限度を超える衝撃が発生したか、したならどの時点かを記録する製品だ。この種の製品は業務用では広く使われていたものだが、DropTagが画期的なのは3ドル程度という低価格、そしてスマートフォンで読みとりができるという2点にある。これは、DropTagが業務用ではなくコンシューマー向けに利用できるということを意味する。。将来的には湿度・温度センサーやGPSを搭載した後継機も検討中とのことで、思わぬ用途が今後生まれる可能性がある。

また、紛失物発見用のタグにもLow Energy Bluetoothが利用した製品が登場している。タグをスマホとペアリングさせ、信号が受信できなくなったらアラームを鳴らす製品は従来から存在していたが、StickNFind社は電波の強弱でタグがある方向を表示させる製品を開発した(ITPro: [MWC2013]鍵や財布など失くしたものをスマホで探せるBluetooth機器「StickNFind」)。この種の製品は従来から存在していたが、それらは専用のリーダーを必要としていた。Bluetoothの利用は、特に方向の判定などで専用製品と比べて精度が不足するだろうが、スマホで利用できるメリットは大きい。

パッシブの世界ではNFCタグがスマホで読みとれることを武器にして急速にシェアを伸ばし。アクティブの世界でもスマホで読みとれることを武器にしたBluetoothタグが普及していくのだろうか。

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