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2011/08/27

RFID World Watcher Monthly July 2011

毎月だんだん発行が遅くなっているが来月は自動認識総合展があるので少し早めに発行したいなぁ。記事自体は夏枯れ気味で、技術面での大ネタが出てこなくなっているのが大きい。業界全体が盛り上がるような華やかな事例が出てきてほしいところで、その意味ではドイツ自動車業界のサプライチェーンには期待している。

RFID World Watcher Monthly July 2011 (PDF形式、160KB)

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2011/08/20

ドイツ自動車業界のRFIDサプライチェーンパイロット

少し旧聞になるが、7月にRFID Journalにドイツの自動車業界サプライチェーンでのRFID利用パイロットの記事が掲載された(Germany's RFID-based Automotive Network Gets Rolling)。このパイロットはRFID-based Automotive Network (RAN)というプロジェクトの一環で、ダイムラー、オペル、BMWといった複数の完成車メーカーのほか、ボッシュやレーハウのような部品メーカー、そしてDHLやBLG logisticsなどの物流企業が合計20社ほど参加している。また、このパイロットはドイツの経済技術省が推進するAutonomikという自動認識推進プログラムの一環で、RANプロジェクトには3年間で4500万ユーロの活動資金が提供される。

ドイツの自動車業界といえばRFIDの先進業界であり、あらゆるアプリケーションでRFIDを実利用しているといっても過言ではない。何で今更パイロット?という疑問を持ったのだが、従来のRFID利用は企業内、グループ内で閉じた環境で行われており、それを自動車業界全体を対象としたオープンな取り組みに広げるのが今回の目的だとのこと。

トライアルには以下の3つの目標が設定されている。最初の目標は自動車業界でRFIDの利用・導入を最適化するための標準を定めること、2番目のゴールが導入企業がRFIDを使って業務改善を行うことをサポートすること、最後の目的はRFIDで得られたビジビリティ情報を業界全体でリアルタイムに共有するためのデータベースを設立することである。

トライアルで利用している技術は現在EPC Gen2で、今後その他の技術のサポートを考えているとのこと。ドイツの自動車業界では生産管理の部分でHFタグを使った事例が多いので、HFに対応していなかったのは意外だった。既に稼動中でうまく行っている事例の情報は他社とシェアしたくないということだろうか。ビジビリティ情報共有に利用される技術は、基本的にはEPCIS。参加各社がEPCISのリポジトリを持ち、それとは別途インフォメーションブローカーを立てて認証やディスカバリーサービスの提供を行う。

また、トライアルには以下の7つのプロジェクトが含まれている。適切に訳す自信が無いので英語のままで。また括弧内は幹事企業

  • Locating of Finished Vehicles for Pre-Delivery Work (BLG Logistics, Daimler)
  • Container Management (BMW)
  • Just-in-Time Tier 2, Tier 1 and OEM (Robert Bosch GmbH)
  • Long Process Chain (Daimler)
  • Just-in-Sequence Vehicle Seats (Keiper)
  • Just-in-Sequence Bumpers (Rehau)
  • End to End Control Manufacturing (Opel)

参加企業はドイツ自動車業界オールスターだし、取り組みプログラムはそれぞれに面白いと思うのだが、いかにも役所主導の実証実験という臭いがする。まずプログラムの間の関連が今一つピンと来ない。サプライチェーン全体を通してという割には個別のユースケースの詳細に入り込みすぎている気がするのだ。また、複数のプログラム(そして企業ごとに行われてきた個別の取り組み)の上位にあるはずのグランドデザインがはっきりしない点も気になる。いささか邪推するなら、自動認識技術振興に関する国の予算枠が先にありそれを使って個別の会社がやりたいプロジェクトをやってみようとかいう感じで始まったものではないかという気もする。ただ、成功すれば世界のRFID業界に与える影響はとても大きいプロジェクトだけに、ぜひ成果を挙げてくれることを願う。

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