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2011/02/03

ヨーロッパにおけるUHF帯RFIDパッシブ周波数変更議論

以前にエントリを起こした(日本のUHF帯RFID周波数の割り当て変更方針決定(2012年より915MHz~928MHzへ))UHF帯RFID周波数変更に関し、新たな報道があった。2月3日の日経朝刊のトップ記事・「次世代電力計100万世帯に-12年度中専用周波数を設定」の中に「情報通信審議会(総務相の諮問機関)は2月からスマートメーターに利用する専用周波数帯の割り当ての議論を始め、6月にも結論を出す。欧米と同じ915~928メガヘルツ帯を割り当てる方針で、省令改正を経て12年夏から利用できる見通しだ」という記述がある。このブログの読者には今さら言うまでもなくこの周波数はUHF帯RFIDと同じもので、この記事が正しければRFIDの周波数改正もこのスケジュールにそって進んでいくことになる。ちなみに「12年夏」のスケジュールの詳細については、現在915MHz~925MHzを利用しているauのCDMA 1Xが2012年7月24日までにサービスを停止することが参考になるだろう(参考: 800MHz帯の周波数再編に伴う「CDMA 1X」などのサービス終了等のお知らせ)。

なお、本稿の趣旨からは離れるが「『欧』米と同じ915~928メガヘルツ帯」というのは記者の勘違いではないだろうか。現在利用されているZigBeeやZ-Wave、そして最近スマートグリッド用規格として制定されたIEEE 802.15.4gのいずれもが、欧州では標準のSRD周波数860MHz帯を利用している。

さて、上記の記事を読んで何か引っかかりはしなかったろうか?見出しには「12年度中『専用』周波数を設定」とある。現在950MHz帯のアクティブタイプの周波数はパッシブタイプと共用になっている。この状況が周波数割り当て変更によって変更になるのだろうか。

本件について参考になる議論が欧州で行なわれている。欧州においてもUHF帯パッシブRFID周波数の割り当てを変更しようという動きがあるのだ。その理由は、今後15年の間にRFIDやSRDの利用が活発になると混信により利用が困難となるため、パッシブRFID用に新たな周波数を割り当てて移行し、アクティブRFID・スマートメーター用の周波数から分離すべきというもの。2008年にETSIが本件に関する報告書ETSI TR 102 649-2(pdf形式)を提出し、今年の4月に欧州郵政・電気通信主管庁会議(CEPT)の電気通信委員会(ECC)が周波数分離の必要性を審査するワークショップを開催するという(参考: RFID: Is RFID "Choking" On Its Own Success? - RFID Connections)。日本と違い現時点では具体的な移行スケジュールが議論されている段階ではないが、日本の周波数割り当て議論に影響を与える可能性があり、注目が必要だ。

なお、パッシブRFIDの移行先として想定されているのは915MHz~921MHz。チャネル幅400kHzの4つのチャネルが送信専用で1.2MHz間隔で配置され、ミラーサブキャリア方式の利用が可能となる。イラストにするとこう↓。

New_eu_uhf

見て分かるとおり、日本の新たなRFID割り当て周波数の中にすっぽりと納まる。国際協調という意味ではアメリカ規格だけではなくこちらも意識しておく必要があるだろう。

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