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2010/12/29

2010年RFID十大ニュース(RFID Journal版)

RFID Journal誌が今年の重要ニュースの振り返り記事を掲載した(The Year of Value-Driven RFID Deployments)。取り上げられた記事をざっと眺めてみたのだがほとんどが事例紹介で、新技術や新規格、新しいトレンドについてはWal-Mart関連を除き取り上げられていないのが意外だった。 Wal-Martによるアパレル個品タグ付けの成功は確かに2010年の飛びぬけて重要な話題だが、ロサンゼルス交通局がKovio社のISO 14443互換プリンテッドタグを本格導入したりとか(Printed-Electronics RFID Tags Debut)、433MHzアクティブタグ標準ISO 18000-7の新バージョンが制定されたりとか(433MHzアクティブタグ標準化の現状(ISO 18000-7 Mode2/IEEE 802.15.4f))、他にも大きなニュースがあった。あえてこういう選択をした意図が逆に気になる。もっとも同社の去年の振り返り記事も今ひとつ意図が読めないものだったが。

最初に取り上げられているのはGen2タグを用いた資産管理、棚卸し事例(Medtronic's Labs Use RFID to Track Down Tools, EPC RFID Simplifies Inventory for NASA's Langley Research Center)およびセンサータグを用いたトラック輸送中の温度計測事例(Driscoll's Monitors Its Berry Shipments in Real Time)。いずれも技術や規模の面では平凡なソリューションで、またトレンドの中心だったソリューションの一部というわけでもない。ブームになっていない業界でも着実に導入が進んでいることを示したかったのだろうか。

一方、RFID導入がブームになった業界といえば今年前半ではヘルスケア業界。この記事では導入の中心となったアクティブタグによる各種の位置管理ソリューション記事が3件取り上げられている。精神病院でのスタッフの暴力からの保護(Innsbruck University Hospital Finds Safety Through RFID)、病院内での患者の動線管理(Apollo Hospital Chennai Uses RFID to Speed Up Check-ups)、器材の輸送中の温度管理(Belgian Hospitals Track Temperatures and Staff)。いずれの事例もWiFiを使ったシステム(Ekahau、Aeroscout)となっている。

Wal-Martの事例については、導入を最初に伝えた記事(Relaunches EPC RFID Effort, Starting With Men's Jeans and Basics)のほか、VICSとGS1が大手小売業と共に個品タグ付けのガイドラインを作成するという記事(Major Retailers, Industry Groups Launch Item-Level RFID Guidelines Initiative)が選ばれている。

2011年はどのような年になるのだろうか。Wal-Martの他分野へのRFID個品タグ付け展開や大手アパレルチェーンでの導入など、明るくて派手な事例が多く出てきてほしいものだ。できれば日本での本格的な導入事例も…。

なお、去年までの重要ニュースへのリンクは以下の通り。ご参考まで(2009年RFID十大ニュース(RFID Journal版)2008年RFID業界の主な出来事, 2007年RFID業界10大トレンド, 2006年RFID業界10大トレンド)。

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2010/12/23

Wal-Martの三度目の正直(Gen2マーケットのブレイク)

早いもので2010年もあと一週間。RFID分野で2010年のもっとも注目すべき出来事はGen2マーケット、特にワンウェイ用途での急速な立ち上がりである。だがこの動向、僕が目にする範囲では日本でほとんど報道されていない。先のエントリで書いた日本でのUHF帯RFID周波数割り当てにもかかわってくる話なので、簡単に解説しておきたい。

RFID Journalの10月の記事がこの動向をコンパクトにまとめている(Sales of EPC RFID Tags, ICs Reach Record Levels)。Gen2タグの数量については調査会社ABI Research社の調査を引用する形で、2010年のGen2チップの出荷数が10億個を超えること、そして売上高については2010年が前年比125パーセント増、2011年は前年比105パーセント増としており、倍々ゲームで市場が拡大していることになる。出荷数量についてはBaird社のRFID Monthly 2010年8月号に記述されており、2010年は前年比125~150パーセント増、2011年は300パーセント増としており、2009年から2011年の2年間で9~10倍になる。有力ベンダーの見通しはこれらよりやや弱めだが、タグ・リーダーのどちらの分野でも生産が販売に追いつかない状態が続いており、新興ベンダーが勢力を伸ばしていると考えられるので、これらの見通しはあながち荒唐無稽ではない。

実はこの急成長は業界では全く予期されていなかった。RFID Monthlyも2010年4月号では2010年の成長率を40パーセント程度と見積もっている。急成長をもたらしたのは7月に開始されたWal-Mart社の男性用アパレル分野での個品タグ付け。Wal-Martはグループ企業のSam's Clubも含めRFIDを活用したビジネスモデルを長く模索してきたが、今回のアパレル分野での個品タグ付けプロジェクトは他社事例・学術研究を踏まえた非常に柔軟なもの。タグ費用をWal-Martが負担し、RFID利用でメリットを得ることに納得したパートナーから順次立ち上げていくというもので、アパレル分野でのタグ貼付のビジネスケースがほぼ固まっていることを考えると、ようやく無理のない取り組みになったと言ってよい。さらに特筆すべきことは、Wal-Martは今回の案件ではハードウェアについても柔軟な運用を行っていること。例えばタグ/ラベルのRFID化を求めず、ウェットインレーを既存のラベルの近くに貼ればそれでよしという条件にしている。これにより協力を行う企業が急拡大し、結果としてGen2マーケットが一気に立ち上がった。

Wal-Martはアパレル分野での成功により個品タグ付けを他の高額商品に展開しようとしており、また同業の大手アパレル企業もWal-Martに倣った本格導入の検証を開始している。これはキャズム理論で言うところのボウリングピン反応が廻り始めたことを意味する。2011年のGen2マーケットが調査会社の予測どおりに展開するならば、2011年にはGen2ソリューションパッケージで高いシェアを持つベンダーが登場し、本格的なトルネードに突入することになるのではないだろうか。来年はWal-Martに並ぶ導入事例、そして導入が容易で汎用性の高いGen2ソリューションパッケージに着目したい。

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2010/12/11

RFID World Watcher Monthly November 2010

今月のRFID World Watcher Monthlyはなんと特集記事が2本入った。日本のUHF周波数割り当て変更の記事についてはBlog記事の後に得た情報を反映して少し修正してある。そのほかにもパッシブを中心にいくつか面白い事例紹介を含めることができた。

RFID World Watcher Monthly November 2010 (PDF形式、207KB)

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