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2010/02/23

DoD Mandateの現況 (RFID Switchboard)

僕が購読しているRFID関連のメルマガの中にRFID Switchboardというものがある。基本的に毎週配信で、ニュースというよりはエッセイのようなものが多く業界関係者の気分を知るには良いのだがBlogのネタにするほどでもないなーという記事がほとんどだ。が、先週配信されてきた記事(Getting real about RFID and the DoD)はアメリカ国防総省によるサプライヤーへのGen2タグ貼付義務付け(いわゆるDoD Mandate)の現状に関する記事が出ていた。この分野に関しては僕も以前にITPro Webで触れたことがあるが(米国防総省のRFID利用の現状)、今回の記事にはその時点で知らなかった情報も多々含まれるので軽く紹介しておきたい。

  • DoD Mandateに関するニュースではアメリカ国防総省のサプライヤー数が45,000社と説明されることがあるが、この数字は納入資格を持っている会社の数であり実際のサプライヤー数を反映していない。企業の中には納入資格だけは取っているが実際には納入を行っているところもあるし、サービスのみを提供しているためタグの取り付けの対象にならない企業もある。
  • 現在DoD Mandateの対象になるサプライヤーは8,000~9,000社、そのうち4,000社強がDoD Mandateに対応しているため、現時点での対応率はほぼ50パーセントということになる。
  • アメリカ国防総省はDoD Mandateを満たしていないサプライヤーに対し「今後もタグを貼付しない納品を行うと評価スコアを下げる」という警告を出しているが、供給が一社独占になっている場合にはこの警告には効果が無い。
  • アメリカ国防総省は90年代にもe-コマースを導入して調達を合理化しようという取り組みを行ったが、結局は「電子メールもe-コマースの一形態とみなす」という竜頭蛇尾の状態に陥った。
  • アメリカ国防総省のラベル貼付に関する仕様書(Mil Std 129P)は最初のバージョンが20年前に作成された。互換性を保ちながらRFIDタグに関する記述を含めようとしたため、冗長でありながら記述があいまいだったり不足したりしている状態で、詳しい担当者がいないとサプライヤーの側で対応できない。
  • 上記のように困難なラベル貼付をOssco PrufuctsやEW Packagingなどの梱包企業が請け負っており、アメリカ国防総省向けの専用の出荷ラインを持てない中小のサプライヤーが利用している。

思ったよりも導入は進んでいるのだな、というのが最初の印象。そして、サプライヤーが容易に対応できないラベル貼付ルールを作ってしまったことが導入を阻んでいるというのがいかにも役所の仕事らしい。アメリカ国防総省のRFID導入チーム自体は能力も決断力もあり高く評価されるべき仕事をしているが、役所仕事の中で新規提案が揉まれるとどうしてもこうなってしまうのだろうな。

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