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2009/09/27

内側から見た標準化機関(日本システムアナリスト協会関東支部発表)

このブログの直接のテーマからは少し離れるのだが、最近少し縁ができたISOの活動についてITエンジニア団体の定例会で発表してきた。コンテナセキュリティやRFIDとは無関係の勉強会だし、ITエンジニアにとってはISOは技術規格ではなく管理系のフレームワークとしての側面が強いので、正直思ったほどの手ごたえはなかったかも知れない。

そんなわけで使ったスライドも具体的な話に触れているわけではないのだが、ISO(およびITU・IEC)といった公的標準規格がなぜ大事なのかといった話とか、ISOの中での実際の作業、日本政府の支援方針とそれが現場にいる人に届くための課題みたいなものとかをざっとまとめたものになった。活動を初めて1年にもならない僕が書くのもおこがましいような話だが、この分野に知識を持たない人に今北産業的に伝えられるものにはなったかなと思う。ご興味があればどうぞ。

(発表スライド: pdf形式・82kb)

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2009/09/25

自動認識総合展2009

先週東京ビッグサイトで開催された自動認識総合展を金曜日に見学してきた。今回もまた写真を撮るのを忘れてきたのだが、展示はかなり活気がありこの不景気の中なのにとちょっと意外だった(もっとも展示場の面積は去年に比べて半分になったそうだが)。海外のRFIDシーンと同様に、製品の成熟によりクローズドループの中で使って地道に投資対効果を確保しようという企業が日本でも増えてきたのだろうか。展示でもパッケージ製品が目立っていた気がする。

個人的に一番のニュースだったのがRUBEEがIEEEで正式な規格になっていたこと。もっとも規格の成立は今年の3月で、5月には電子部品の雑誌で記事になっていたようなので僕のアンテナが錆付いていただけなのだが…。RUBEE/IEEE 1902.1については別途エントリを立てる予定なのでこのエントリではそれ以外に気になったセミナーや製品を。

【セッション・セミナー】

★UHF・HF共用タグとセキュリティーソリューション(三菱電機)

タイトルにあるセキュリティーソリューションとは具体的には各種のゲートシステム(車両・歩行者・扉)。製品としての目玉はFeliCa(ISO 18092)とGen2のハイブリッドカードで、2枚のカードを物理的に重ねたり1枚のカードの中に2種類のタグを並べて格納したりすると干渉によりパフォーマンスが低下するため、FeliCaのコイルアンテナをGen2アンテナのアースとして使うデザインにすることでパフォーマンス低下を抑えたとのこと。これにより、従来のタッチ認証用のFeliCaカードと車両用の長距離読み取りGen2カードとを物理的にまとめることができるそうだ。既存のインフラを生かした移行期のソリューションとしては十分な価値があるものなのだろう。

★現場に位置情報を活用した先進システムのご紹介(日本アイ・ビー・エム)

位置情報でアプリケーションを利用するメリットを説明し、位置情報の種類(近接・存在・測位)およびその検出手法・利用技術をまとめたうえで各種の利用事例を紹介した。IBM自体はハードウェアは持っておらず、製品としての目玉は同社が先日発表したミドルウェアWebSphere Sensor Events。RFIDやセンサーネットワークの汎用ミドルウェアとして紹介されている製品だが、位置情報についても検出手段を問わず統一した手法で取り扱えるというもの。
紹介されたコンセプトや技術、事例はさほど目新しいものはなく、ぶっちゃけこのブログのエントリで紹介しているようなものばかりなのだが、アクティブタグからMojix・UWB・GPSなどの先端技術までをカバーする事例をまとめ、同社のコンセプトSmarter Planetにつなげるプレゼンの手際の良さはさすがIBMと感じた。
ソリューションの中で目に付いたのは、屋外(ヤード等)で人の位置測定をする技術としてGPS携帯電話が多くの事例で使われていたこと(海外事例)。画像も携帯電話の内蔵カメラで取得・送信しており、もちろん連絡用の電話としても利用している。業務アプリを使い込んで現在位置を1分ごとに送信しているそうで、携帯電話の測位端末としての価値を改めて認識させられた。

【展示】

★TOPPAN (Gen2クリスタグラムタグ)

昨年のTRON SHOWでミューチップを元に作成されていたクリスタグラムタグをGen2に対応させたものが出展されていた。これはブランド品の偽造防止に利用されているホログラムシール「クリスタグラム」をアンテナとしたGen2タグである。NXP社チップを採用してプライバシーモードに対応したり、クリスタグラムの脆性加工によって不正張替えを防止ししたりと、サプライチェーンでの不正防止のためのきめ細かな機能追加がなされている。相当のインパクトのある製品だと思うのだが海外のRFIDメディアでは記事を見かけないのは悔しい限り。
また、この製品を使ったソリューションとして、製品認証業界の大手であるテュフ・ラインランドと提携したトレーサビリティーサービスが出展されていた。これはテュフ・ラインランドが発行する13桁英数字のトレーサビリティーコードをタグに格納し、そのタグをサプライチェーン中で読み取ることで、想定しない地域での読み取り(グレーマーケットの存在を示す)や異常な回数の読み取り(コピーが流通していることを示す)などを検出するというもの。理屈としてはEPCネットワークが目指すトレーサビリティーの世界そのもので、それをあえて今プロプライエタリなプラットフォームで事業化するということは足元のニーズに自信がありEPCネットワークの議論を待っていられないということなのだろうか。
この他にもさまざまな製品やソリューションが展示されており、特にソリューションについては世界のRFIDマーケットの現状を(日本から見えにくいものも含め)踏まえたもので、しっかり研究しているんだろうなーというのが伝わってきた。

★東レ (ソフトメタルタグ)

金属対応の薄型Gen2タグが出展されていた。Omni-ID以降多くの企業が追従してさほど珍しくは無くなったこのジャンルの製品で、通信距離も2mと突出してはいないのだが、それでも1.4mmという厚みは目を引く(縦横は20mm×100mm)。さらに製品の面白いところは柔軟性があり曲面貼り付けが可能であることなお、ソフトなターポリンシートに格納した屋外対応タイプも存在する(厚さ2.8mm)。屋内対応品のサンプルを貰ったのだが実際にかなりやわらかく、相当の曲面にも貼り付けられそう。金属製の器材の管理には非常に有用だろう。

★住金物産(Speedway Revolution→登場せず)

ImpinjのリーダーSpeedwayのデモが展示されていたので、先日発表のあった新製品Speedway Revolution関係の何かがないかたずねてみたのだが、本体はおろかモックもカタログも無し。日本ではしばらく旧製品を売っていかないといけないのだから仕方ないのだろう。日本版が登場するのは来年6月ごろだろうとのこと。

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2009/09/18

RFID Update誌廃刊

長年愛読してきたRFIDのニュースメルマガRFID Update誌から、同誌がRFID Journalに買収され、メルマガの発行も終了するという案内が送られてきた。編集者はRFID Journalに移籍するとの事。執筆時にはRFID Update誌のサイトには案内が出ていないが、RFID Journalのほうには記事が掲載されていた(RFID Journal: RFID Journal Acquires RFID Update)。

RFID Updateは今年の夏ぐらいから配信を休みがちになっていたのである程度はこういう事態は覚悟していた。だが、他にもRFIDのメルマガはいくつかあるがカバー範囲が狭かったりプレスリリースを引き写すだけだったりの低レベルのものが多く、RFID UpdateはRFID Journalと比較できる記事の質とカバー範囲を持つ唯一の存在だっただけに、現実に起こってしまうとやはりとても惜しい。

以前に無線デバイス一般系のニュースサイトを見ていて「RFID業界は本来そう呼ばれるべき技術だけではなくNFCやRTLSやセンサーネットワークなども含んでいるように見せるメディアがいることで実態以上に大きく取り上げられている」という論評を見かけた。いささか悪意を感じる内容だったが一面の真理を含んでいないわけではない。Gen2製品とRTLS製品の類似点よりWiFi製品とRTLS製品の類似点のほうが技術的にもビジネス的にもずっと多いだろう。Wal-Martブームのころは寄らば大樹の陰で何でもRFIDと付けることにメリットがあったのだろうし、その後も大きな業界の一部であることのメリットはあったのだろうが、技術の成熟・普及によってRFIDという旗の下に寄り添う必然性は小さくなっているようにも思える。RFID Update誌の廃刊は「RFID業界というコンセプト」の解体過程の一環なのだろうか。

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2009/09/14

スマートコンテナ器材の最近の動向(日本物流学会全国大会発表)

日本物流学会第26回全国大会でタイトルの発表を行った。以前に似たようなタイトルのエントリ(スマートコンテナ製品の最近の動向)を書いたがその内容をコンセプトの点から発展させたもの。今回は前回以上に論文レベルの内容に広げていくのが大変そうなのだが、テーマとしては面白いし何より世間に広く理解されて欲しいものなので気合を入れなければ。

予稿(pdf形式)プレゼンテーションスライド(pdf形式)

要旨

スマートコンテナとはセンサーと無線通信機能を持ち取得した情報や警報を無線で伝えることが可能なコンテナ器材である。現時点ではスマートコンテナ用の構内無線インフラが存在しないことを理由に導入は時期尚早であると一般に認識されているが、この認識は適切ではない。最新のスマートコンテナは通信機能を拡張可能で将来構内無線インフラ規格が決まってから対応が可能である。また、スマートコンテナの用途には、構内無線インフラを必要とするものだけではなく、携帯電話・衛星電話のみを利用するものも存在する。先行ユーザーがそれら用途で利用を開始することで、利用経験を踏まえて製品が成熟していき、構内無線インフラの導入議論が進むという望ましい普及モデルが可能になる。そのためには物理特性および相互接続性の標準化が必要である。

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