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2009/04/03

EPCネットワークによるセンサーネットワーク

今年の初めのRFID Journalに韓国のオートIDラボの研究者の寄稿記事が掲載された(An Internet of Senses)。この記事では、EPCネットワークでセンサーネットワークの情報を扱うことの潜在的な可能性の大きさに触れた後で、センサーネットワークはクローズドな製品としてすでに立ち上がっており、それをEPCネットワークで扱う場合の問題点として以下の3点を提示していた。

  • 現在のEPCネットワーク標準にはセンサー情報を扱うための標準が存在しない
  • センサーネットワークには時刻の同期、タグ及びネットワークでの省電力機能、タグへのミドルウェア搭載などの独自の特性がある
  • EPCISを含むEPCネットワークはサプライチェーンでの利用に特化しすぎている

いずれも興味深くかつ思い当たる点のある論点なのだが、この記事には問題認識に基づく研究成果は触れられておらず、研究の進展に興味を持っていた。

で、この研究の中間成果が先日行われたEPCglobalイベントの中で発表されていた(イベントへのリンク)。発表のタイトルは"EPC Sensor Network toward Next Internet of Things"(pdf形式)。この発表では、EPCネットワークにネイティブ対応しないZigBee/IP/独自プロトコルのセンサーネットワークをEPCネットワークに参加させる方法として、

  • LLRPには、センサーネットワーク情報を統一して扱うための拡張プロトコルを定義する
  • ALEには、拡張したLLRPのプロトコルをアプリケーションから利用できるようなプロトコルの追加を行う

という方法を提案している。

これにより、独自プロトコルのセンサーネットワークをEPCネットワークに接続する場合にはセンサーネットワークのベンダーが拡張LLRPへのインタフェースのみを用意すればよく、それ以降のデータの加工はLLRP/ALEのノウハウを持つEPCネットワーク開発者が行うことができるようになる。

なお、オートIDラボ韓国は、ZigBee上でIPv6を動かすためのプロトコルSNAILを開発している。これはIETF 6LoWPAN(RFC 4944)に準拠したもので、、「ここ5年ほど、センサー・ネットワークには独自プロトコルがはびこりすぎてきた。場当たり的に『標準』を作っていうくと、多数の変換層が必要になるため、システムが複雑かつ高価になってしまい、モノのインターネットには向かない」という問題意識に基づく活動の一環のようだ(EETimes Japan: 無線センサー・ネットワークの標準IP、IETFが策定へより引用)。Internet of Thingsの世界をIPv6の世界観で見るかEPCネットワークの世界観で見るか、そしてその2つの世界観をどうつないでいくのか、実は根が深い問題なのかもしれない。

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