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2008/12/22

金融危機のRFID業界への影響・続(Baird RFID Monthly Dec. 2008)

前回の記事も参照のこと。今月のBaird RFID Monthlyで現在の金融危機がRFID業界に与える影響について論じられている。11月・12月の実績を見てから、という前回の論旨からするとやや早いが、数字や実例が入っていて興味深いのでまとめておきたい。

業界関係者へのヒアリングによると、投資対効果が明らかなプロジェクトについても景気悪化が原因の延期のペースが加速している。この状態が起きている業界は、小売、消費財、アパレル、物流、そしてメーカー(特に自動車産業)であるとのこと。

しかしながら、2009年全体を見るとRFIDの利用は拡大を続けると判断する。その理由は以下の通り。

  • 不況時には好況時に見過ごされていた過剰在庫やオペレーションの非効率が顕在化し、それがRFIDの導入を後押しする。同様の理由で2001年~2002年の不況時にも大規模な自動認識技術の導入が行われた。
  • 人員削減などの応急的なコストカット策には限界があり、それが落ち着いた時点で企業は生産性改善のための投資に手をつけざるを得ない。2001年~2002年の不況からの回復時には、自動認識技術企業の株価の回復は、株式市場全体の回復に1年先立って始まった。
  • 今回のプロジェクト延期の理由の一部は信用調達によるものだが、RFIDベンダーは資金の貸し出しやリースオプション・料金ベースでのサービス提供などに精力的に取り組んでいる(訳注: 確かにこの種のニュースは最近目にしていたが背景を深く考えたことは無かった。不勉強…)。
  • RFIDベンダーは不景気にも関わらず製品開発への投資を続けている。前回の不況時、IntermecとZebraは投資を続けて景気回復時に成長の波に乗ることができたが、Symbol社は製品開発への投資を絞ったために景気回復に乗れなかった(訳注: その後Symbol社はMotorolaに買収されてしまった)。
  • ヘルスケア業界はディフェンシブ銘柄ということで資金の問題が少ない。調査によってもヘルスケア業界で延期になったプロジェクトは見つかっていない。また、公共安全分野や金融分野でも堅調な投資が続いている。
  • 多くの分野で実施されたパイロットプロジェクトは前向きな結果を出しており、多くの案件では本格導入への障害は全般的な経済状況だけという状態にある。これらのパイロットのいくつかは大企業が実施しており、2009年にはそれらパイロットの結果が公表されて導入への勢いが増すだろう。

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