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2008/10/15

EPC Connection 2008 (Day 1)

Dscn0323 シカゴで開催中のEPC Connection 2008に参加している。この展示会はEPCと名前はついているしRFID JournalEPCglobal North Americaとの共催なのだが、EPCglobalメンバー対象のイベントではない。参加者は一般ユーザーを対象としているし、セッションのテーマや発表者がEPCglobalに偏っているわけでもない。その意味でRFID in FASHIONとかに比べて今ひとつ対象がはっきりしないのだが、毎年春に開催されるRFID Journal LIVE!のちょうど中間になること、Wal-Martや国防総省のMandate関連を一つの目玉にしているあたりが特徴ということになるのだろうか。

14日はPreconferenceということで展示ブースも開いておらず特定テーマに絞ったセッションのみの内容。EPC Compliance & Benefits Training, RFID in Packaging & Labeling, RFID Journal Universityの3つの専門に分化したトラックが用意されている。本日の参加者は100人ほど。なぜか韓国からの参加者が目立って多い。30人ぐらいいた。

僕はRFID in Packaging & Labelingセッションに参加。他のセッションに比べて参加者が少なく、平均して10人を切っていただろうか。結構面白く、今まであまり取り上げられていないテーマが多かっただけにもったいない。

General Session: RFID Basics

本日は朝一番のこのセッションだけが全体セッション。タイトルの通り、内容はRFID in FASHIONのRFID Universityで行われたものと全く同じだった。

Putting RFI Inside the Box

スマートボックス技術HIDE-Packの説明。段ボール箱の製造プロセスで「のりしろ」に当たる部分にインレーを直接挿入する製造プロセスで、以下のような特徴を持つ。

  • ラベルに加工する費用が不要で35%以上のコスト削減になる。インレーの挿入にかかる作業コストは低く、製造スピードも下がらない
  • ラベルが露出しないのでダメージに強い
  • ユーザはスマートラベルを用意する必要が無く、生産ラインごとにスマートラベルプリンタを用意する必要は無くなる(カートン・パレット用のラベルプリンタは必要)
  • インレーは廃棄時に取り出すことができるのでリサイクルにも問題が無い
  • 現在は段ボール箱への対応だが将来は通常の厚紙にも対応できるようになるだろう

僕は中期的なスマートボックスの可能性には肯定的なのだが、今回出てきたのは調子の良い話ばかりで短期的な課題についてあまり触れてなかったのが気になった。リサイクルの問題は本当に大丈夫なのか、とか、のりしろ部分にしかタグを取り付けられないということはタグの性能が十分出せない場合があるのでは、あたりがとりあえずの疑問。ブースに展示を出すそうなのでもう少し情報を取ってみたい。

The RFID Label and Package Making Process

ドイツの印刷機械製造業大手Leuze社のグループ企業、bielomatik社によるスマートチケット・スマートラベルの製造プロセスの説明。いろいろなステップを説明してくれて面白かったのだが、特に興味深かったのが近い将来のタグの製造プロセス。チップと電磁誘導アンテナとを切手サイズにまとめたコア部品を作成し、それをアンテナに取り付けてUHF Far Fieldタグを作成するというもの。この場合コア部品の製造プロセスは量産に向いた単純なものになる。また、アンテナについては、取り付けはチップをインレー上でアンテナに取り付けるのと比べて極端に必要精度が変わる(ミクロン単位がミリ単位に)上、アルミ箔の打ち抜きという一番安い素材・製造プロセスになる。コア部品と外部アンテナは電磁誘導で通信するそうで、読み取り距離も従来の製造プロセスと変わらないらしい。春にニュースになった村田製作所のマジックストラップのようなものか。単に製造コストが安くなるだけではなく、アンテナの製造方法を柔軟に変更できるため(たとえば伝導インクとか、飾りの金属箔と共用するとか)、いろいろなブレイクスルーにつながりそうな気がする。

Overcoming Symmetry Challenges in RFID Packaging

ミシガン州立大学RFID Labの教授によるセッション。ミシガン州立大学は独立した梱包学部(School of Packaging)を持つこの分野で世界有数の研究機関だが、独立したRFID Labを持っているとは知らなかった。セッションの内容は結構刺激的なもので、物流を輸送・保管という観点だけから捉えると梱包は積載効率やオペレーションの自由度が高いSymmetricなものになるが、RFIDの適用を考えると効率・自由度ゆえにタグが読めない積載がなされてしまう場合がありうる。タグ情報を読むことの価値が輸送・保存のコストより相対的に高い場合には、あえて効率を落としたAsymmetricな梱包を考える必要があるのでは、というもの。

The Value of Laser Printers Encoding RFID Tags

プリンタメーカーLexmark社のプレゼン。物流現場でRFIDといえばサーマルプリンタで出荷ラベルというのが通り相場だが、汎用のレーザープリンタにRFIDモジュールを組み込むことで機器を統合しつつ柔軟性を高めましょうというもの。話している内容は理解はできるのだが、それが本当に物流現場で価値を生むのかということについては正直アイデアが無い。わかる人にわかれば良い製品なのだろうが。

Building on RFID with the EPCglobal Network

最後のコマはRFID Journal Universityトラックだけで開催していたのでそちらに参加。トラック名の通り一般的な知識を提供するもので、EPCglobalが提供する規格体系をTag Data Standard、Air Interface Protocol、LLRR、ALE、ONS、EPCISなどの各要素について相互の関係も含めて一通り説明し、EPCISについてはさらに詳細な説明を加えた。

これらすでに知られている要素については必要十分なレベルの良くまとまった説明だったが、Discovery Servicesについては議論が始まっていることだけが説明された。議論中のものについてどうこう言えないのかもしれないが、もう少し踏み込んで欲しかったところ。

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