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2008/10/16

EPC Connection 2008 (Day 2)

EPC Connection 2008の2日目のレポート(1日目のレポート)。本日からがメインで、サブトラックはManufacturing、Supply Chain、EPC in Defense Industry、Retail Supplyer Implementationの4つになる。僕は基本的にEPC in Defense Industryのトラックに参加。事前にRFID Journalの記事などで「国防総省のMandateの現状が報告される」という内容だったためだが、初日にはその部分への言及はほとんど無し。Closed-Loopアプリケーションの導入報告がほとんどだった。興味深い内容ではあったが…。

General Session: Where is EPC Adoption Today, and Where Is It Going?

EPCglobal本体とEPCglobal North Americaのそれぞれの代表による発表。二人ながらもパネルディスカッション形式で、スライドが表示されるわけでもないし話が飛ぶのでいつもの通りついていくのが辛い。現在の各地での活動の説明、GS1とEPCglobalの関係、EPCglobalの構造(HAG、SAG、IAG、JAGなどの各Action Groupの関係など)などの説明があった。
アメリカの現状としては、リテールサプライチェーンでの利用は事前の予想ほど進んでいないものの、航空宇宙、化学品、石油/ガスなどの産業での利用が活発になっているとのコメントがあった。アパレルについてのコメントが無かったのが興味深いところ。また、HF Gen2について、規格の策定作業がほとんど終了しており承認待ちの状態になっていると。

General Session: A Taking EPC to the Limit and Beyond

Mojixによるプレゼンとデモ。どちらもRFID in FASHIONの時のものよりは良くなっていた。Gen2技術のトレンドとして、チップの感度の改善や金属対応タグ、セミパッシブタグ、大容量メモリーなどのタグの改善があり、それを使ったRTLSがあるとのこと。また、将来のMojix Starsystemの拡張として、センサータグへの対応と、e-Node(送信用アンテナ)の改良を挙げた。後者は柔軟な素材と折り曲げ可能なアンテナを持ち、ポストイットのようにどこにでも取り付けて使えるようにしたいというもの。また、IBMをソリューションプロバイダーとして契約したとのこと

デモは会場の半分(10mx20mくらい)で段ボール箱に付けたタグを動かしてトラッキングする様子を画面で見せるというもの(写真撮り忘れました。すみません…)。アンテナ1個にe-Nodeが4個、タグは高感度タイプではない普通のもの。画面を見る限り位置がふらついてちょっと追従性は悪いが、そこそこトラッキングはできている。ふらつき補正をしていない生データを出しているならまずまずの制度か。記事では精度が30cmとなっていたが、実際には50cm~1m弱ぐらいではないかと思う。タグの数が1つだったが、多数のタグを出すことはできるが画面がごちゃごちゃしてしまうので1個でデモを行ったとのこと。正直もう少し派手なデモになることを期待していたのでちょっと肩透かしではあった。

General Session: EPC Update - The Benefits Archieved by Early Adopters

DODとWal-MartのRFID導入責任者によるセッション。1つ目と同じくパネル形式だったので要点をあまりつかめなかった。
Wal-Martが語る現時点での導入から見たRFIDのメリットはプロモーション品の適切な店頭への配置などおなじみのもの。今後Sam's Clubのような販売単位へのタグ付けはありうるか、カナダ以外の外国への展開予定はあるかという質問にはいずれも予定は無いという解答。
DODの発表は軍全体でのRFIDの取り組みについてのもので、内容はアクティブタグが中心、残りのパッシブタグについても修理器材の管理を目的としたClosed Loopアプリケーションに重点が置かれていて、いわゆるDOD Mandateについての説明はほとんど無かった。

DOD RFID Update - The Future Vision of Asset Visibility

Dscn0324 アメリカ戦略輸送軍・USTRANSCOMのAsset Visibility Division主任による発表。USTRANSCOMは米軍の戦略輸送を担当する統合軍の一つであり、他の統合軍司令官に対して輸送を提供する責任を負っている。具体的には、USTRANSCOMは戦域間の移動を担当し、戦域内での移動・配給は他の統合軍の兵站部が担当する。
米軍の兵站業務の巨大さを述べた後、その中で自動認識技術が果たす役割を説明した。パッシブタグについては説明は少なく、上に述べたDoD Mandateについては「以前と変わっていない」と述べ、アクティブなサプライヤーの52パーセントが対応している、扱い高は2007年から110パーセント増加したと述べるにとどめた。上でも書いた海軍の修理部品管理プロセスは、現時点ではパールハーバーとサンディエゴ、そしてアラスカの施設を結ぶもの。

アクティブ技術についてはパキスタン国内を経由するアフガニスタンへの補給線PAKGLOC(Pakistan Global Line of Communication)の説明が中心。これはSavi社のe-シールではなく、MATTSのようなデバイス(衛星電話+GPS+開封センサー)であり、この導入によりコンテナノビジビリティーが大幅に改善、輸送業者ごとのパフォーマンスが評価できるようになったと共に、盗難もなくなったと。このデバイスは軍が直接調達したものではなく、海運会社Americal President Line (APL)がパキスタンで提供しているものを必要に迫られて1年前に契約したとのこと。

Item Tagging Is Ripe for 2009

このコマは国防総省の発表が無かったのでAlien社によるアイテムタギングのプレゼンを受講。前半は技術的な説明、後半はアパレルを題材にしたビジネスケースの説明で、後半はすでに耳にしたことの多い内容だったが前半は面白かった。アイテムタギングは材質に依存するため難しいという通念に対し、金属については貼り付け対象をアンテナにできる特殊なタグが出てきているし、水分についてはNear-Fieldタグや特殊なチューニングをしたFar-Fieldタグが出てきているからすでに対応できるようになっていると。チップの感度についても、2008年リリースのHiggs 3の読み取り距離は2006年のMonzaと比べて1.6倍、2003年のGen1タグQuarkに比べると5.5倍になっている。リーダーのパフォーマンスも改善しているので、昔の通年にとらわれるべきでないという内容。

Benefits Archieved through Navy RFID Implementations

海軍のRFID利用についての詳細な報告。基本的には前の発表で出たハワイとサンディエゴに入っている修理部品管理システム。当システムはGlobalRanger社のミドルウェアを使い、2011年に導入予定のSAPシステムとも、それまで使い続けるレガシーシステムとも、どちらともデータ交換ができるようになっている。導入方法について細かな説明をしていたのだが、耳慣れない略称が多発してあまり意味を取れなかった。

Business Improvement Opportunities using Passive RFID

米軍の視点から見たパッシブRFIDシステムのメリットを述べたプレゼン。本日一番刺激的なものだった。米軍では、Gen2システムが生成するビジビリティデータと業務システムが生成するトランザクションデータが一致することは求めず、むしろ差異があることを前提とし、リーダーを通った時間と業務システムが生成したトランザクションの時間とを比較することで業務改善に役立てるというもの。例え結果として適切な時間に間に合ったとしても途中に無駄な作業があるのであればそれは過剰在庫を意味する。ビジネスに必要十分なターゲット時間を設定し、分散が小さくなっていくようにプロセス改善を行っていく。

ある意味非の打ち所の無い真っ当なビジネスプロセスで、軍関係者からこういうアイデアの説明を受けたことが逆に不思議な感じだった。「ビジビリティデータ」というコンセプトを世間に理解してもらうためにこれ以上のきれいな説明はないだろう。

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