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2008/09/11

RFID World 2008 (Day 2)

RFID World 2008の2日目のレポート。ブースでの展示については3日目のレポートと合わせて書く予定。

[プログラム未記載の冒頭セッション]

主催者による簡単な挨拶かな、と思っていたら40分ぐらいのセッションだった。このあたり今回のカンファレンスではセッションの運営の不手際が目立つ。世界経済の概況から始まってマーケットソリューションのトレンドなどを説明。始まり方がイレギュラーだったのでメモをほとんど取ることができなかったが、これからしばらくのRFID業界のトレンドとして「コンサルタントがソリューションを開発する状況が続く」「合併によりベンダーが集約されていく」「大手企業が過大投資に苦しむ状況が続く」「新興企業が既存の製品を置き換える新しい製品を開発していく」という4点を挙げていた。

RFID and Cosumer Experience

Dscn0279 カスタマーエクスペリエンス系の製品を提供しているベンダーによる座談会。TimeDomainやAlienとかのおなじみの名前も並んでいたのだが、Total Immersionというベンダーがとりわけ目を引いた。動画の中に含まれる2Dイメージを認識し、その上に3Dイメージを貼り付けるもので、デモでの展示は自動車のカタログをビデオカメラで撮影すると、ディスプレイ上にはミニカーのような3Dイメージがカタログの上に乗っかっているように表示される。3Dイメージのサイズや向きはリアルタイムで自動的に処理され、実物が載っているのとまったく区別が付かない。しかもスーパーコンピューターではなくノートPCで処理している様子だったのが凄い。RFIDに直接関係無いといえばそうなのだが、スマートミラーの主要技術になるだろう。
議論の内容自体は座談会形式ということもありそれほど強い印象を受けた点は少ない。このテーマでは欠かせないプライバシーの問題については、一社でプライバシー問題の啓蒙を引き受けられる会社は無く、業界全体での啓蒙が必要ということ、また、Webでのクッキーの利用などを例に挙げ利用者は理解してくれれば利便性と引き換えに一定のプライバシーを提供することを拒絶しないのでは、ということを述べていた。

RFID at American Apparel / From Evaluation to Action

プログラム上は二つに分かれていたのだが実際にはほぼ一つの発表になっていた。前半はMotorolaの発表者によるRFID全体に関するもので、サプライチェーンでの利用にこだわらずに投資対効果を持つクローズループでの利用を目指すべきということでアセット管理を挙げた。それに利用される技術の現状については、"Validating the application, not the technology"、"Buying solutions/solution sets,  not a product"という表現で、要素技術は成熟しているのでそれをソリューションにまとめる部分に注意すべき、と述べていた。また、2008年にはこの種のアプリケーションの導入は先行導入者からフォロワーに移るので、フォロワーは先行導入者の経験を丁寧に調べることが重要とのこと。

American Apparelの発表は内容はRFID in FASHIONのものとほぼ同等(スライドなどは別のもの)。全米240店舗のうちニューヨークエリアの20店舗とサンタモニカの1店舗にはRFID設備を導入済みで、工場でのソースタギングも開始している。10月には全米の残りの店舗に導入を行うと。

Panel: RFID Security Should Not Be an Afterthought

RFID Security Allianceという団体によるセッションで、名前のとおりRFIDベンダーによるセキュリティーを扱っている。前半はスライドを使ったプレゼンテーションで、以下のような興味深い内容だった。

  • RFIDのセキュリティに関する攻撃パターン(Man-in-the-MiddleとかCode InjectionとかITセキュリティの知識のある人にはなじみの用語が並ぶ)
  • RFIDの物理特性をに依存したセキュリティを無効にする方法、たとえば書込み禁止のタグでもコピーを読み書き可能なタグに作成してから操作ができる
  • RFIDタグの挙動をソフトウェア的にエミュレートするSoft Tagという概念を挙げ、代表的な製品としてRFID Guardianを紹介

座談会で語られた内容のうち特に印象に残ったのは、50年以上使われてきたRFID技術で今なぜセキュリティーが大きなテーマになっているかという点に対し、消費者が直接利用するアプリケーションが普及し始めたこと、それを含め攻撃する価値のあるアプリケーションが増えてきたという回答。

Asset Tracking and Yard Management: An Integrated RFID Distribution Solution

PINC Solutions社によるGen2タグと構内作業車両を使ったヤード内RTLSシステム。今回は報道済みの事例の発表であり、基本的な内容については以前にエントリを書いた(Yet Another Gen2-based RTLS (PINC Solutions Yard Hound))。

その時から気になっていた精度だが、左右の駐車ロットの単位までは取れるそうだ。後はヤード管理アプリケーションの方で補正するらしい。なお、タグはGen2規格であるが、手のひらサイズのハードケースに格納、磁石でトレーラーに取り付ける。

How RFID Workd in Practical Environment

輸送分野でのRFIDの用途を羅列したもの。特にストーリーのようなものは無く要約が難しい。全体の感想としては、GPSタグへの言及が多く、それに見合って期待も強いように見受けられた。羅列された用途は以下のようなもの。

  • Truck Tracking
  • Container and Trailer Tracking
  • e-Seal Tracking
  • Driver Security
  • Asset Tracking
  • Equipment RTLS - ヤード外での移動情報を取得することでオペレーションや機材利用の最適化を行うもの
  • Gate Operations - RFIDによる認証によりゲートでの処理を高速化
  • Dock Door Verification - 正しいドックドアに入ったかどうかをチェック
  • Pallet/Trailer Validation
  • Yard Management
  • Automated Container Handoffs
  • Reefer Monitoring

Container Tracking: Advanced Solutions Behind NAFTRACKS

SAVR Communications社によるNAFTRACKSというパイロットプロジェクトの報告。これはアメリカの運輸省が実施したもので、携帯データ通信と各種センサー・GPS、そしてe-マニフェストを格納するメモリーを搭載したタグを用い、アメリカのトラック輸送の実貨物をトラッキングすることで実際に業務上の価値があることを証明するというもの。全部入りと言っていいタグの機能もさることながら、OnAssetという管理アプリケーションの出来が出色。貨物・車両・鉄道のトラッキング・マッピングに加え、天気と道路状況のリアルタイム表示、センサー情報のモニタリングと問題が起こった場合の関連機関への警報の送信、さらに各種レポートの自動生成機能まで付いている。タグの利用料金は本体のリース価格と携帯電話の使用量を込みにして月額30~40ドルと機能に比べて無茶な値段ではない。
しかし、アメリカはこの手のスマートコンテナ系プロジェクト多すぎ。

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