« 2008年6月 | トップページ | 2008年8月 »

2008/07/14

メタルはイケてるぜ!!(even if you employ Gen2 technology)

RFID Update誌でODINが金属に貼り付けて使うGen2パッシブタグの比較調査のレポートを作成したというニュースが取り上げられていた('Myth Busted' -- Tests Find RFID Works Well on Metals)。RFID Metal Mount Tag Benchmarkと題したこのレポートは定価$250だが、ベンダー名とタグ名を仮名にしたバージョンがここからダウンロードできる。仮名のままでも充分以上に面白いのでここで紹介したい。

日本でのGen2メタルタグについての平均的な理解は、UHF帯のパッシブタグは金属に弱いので分厚い絶縁体を挟んで干渉を防ぎ大きなアンテナを付けて感度を稼ぐ必要があるのでちゃんと動くものはチョコレートバーみたいなサイズになる、というものではないだろうか。だが、この理解は現時点では正しくなくなっている。Gen2チップ自体の性能が向上してきたのと共に、金属をむしろ利用して感度を高めるようなアンテナ設計技術が出てきているのがその理由だ。

ODINのレポートでは、6社(Avery Dennison; Confidex; Emerson & Cuming; Intermec; Omni-ID; Sontec; TROI)のベンダの17種類の金属対応Gen2パッシブタグを取り上げ、それを底面積ごとに大(25平方cm以上)、中(25平方cm未満10平方cm以上)、小(10平方cm未満)の3グループに分けた。グループごとのパフォーマンス比較の結果は以下のようなものであった。

  • タグの大きさは感度や読み取り距離には関係しない。結果が良いもの悪いものは大きさ別の各グループの中で散らばっている。
  • サイズが小さいタグは段ボールなどの特性の違う素材に取り付けると性能がむしろ低下するのに対し、サイズが大きいタグは素材による特性の違いは少ない。これは、小型の金属タグは金属の存在を利用して感度を上げているのに対し、大型のタグは絶縁体で影響を遮断しようとしているのが原因だろう。
  • 一方で、貼り付け面以外の金属との干渉は、むしろ大型のタグのほうが大きい。これはデータセンターなどの全体的に金属が多い環境での利用の際に重要となる要素である。
  • どの項目でも駄目なタグはあったが、すべての項目で圧勝しているタグは無い。技術レベルと設計レベルが同一であれば後はチューニングの方向性の問題なのでこれは妥当なところ。

レポートではいずれにせよ利用環境で実際の使用を前提としたテストが必要と締めくくっているが、日本での利用を考えるともう一つ注意しなければならない点がある。テストで仕様した周波数は902-928MHzというアメリカの周波数帯である。テスト項目の多くは周波数シフトの影響を強く受けるものなので、ヨーロッパや日本の周波数帯で使って同じ結果が出るとは限らないのだ。有料版を買って評価するタグをスクリーニングしようとする人はこの点を注意していただきたい。その意味では、テストの仕様をもっときちんと公開してほしいのだが、これはノウハウの中心だろうから難しいのかな。

余談ながら、このエントリのタイトルはこちらから頂いてきた。ゴートゥーDMC!!(それはまた違う)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2008年6月 | トップページ | 2008年8月 »