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2008/06/04

eyefortransport 10th North American Technology Forum 2008 (Day 1)

シカゴで開催されているeyefortransport 10th North American Technology Forum 2008に参加している(3-4 June, 2008 at Chicago Embassy Suites Hotel)。このeyefortransport、たぶん向こうは僕の名前を覚えていないだろうが、修士論文の執筆のときにレポートの引用を許可してもらった恩のある会社。以前にエントリを立てたこともある。

このカンファレンスは名前のとおりRFIDのイベントではなく、運輸・物流に関係するIT技術全般ということでEDIやDWHのベンダも参加している。ITと関係ないマテハン技術は対象外のようだ。今回は縁あってパネリストとしての参加で、バッジが「SPEAKER」になっているのがちょっと面映い。日本のRFID事情が外に伝わらないということを嘆くのであれば、自分が率先して海外のメディアなりイベントなりで情報を発信していかなければな。

僕が参加するパネルは2日目なので今日はリスナーとしての参加。セッションの内容を簡単にまとめておきたい。

Opening Address:

進行を勤めるリサーチ会社AMR Reserchが、このカンファレンスでカバーするテクノロジーとその意義を10分弱でざっと解説した。議題の説明、ということで、このセッションで特に面白い内容が発表されたわけではない。

Presentation: Are Dashboards the New Visibility?

Dashboardとは、その名のとおり自動車のダッシュボードを意識したシステムで、主に企業の上級エグゼクティブを対象として企業状況の概要を一枚の画面で眺めることができるもの。

発表者のOdyssey Logistics社はSI企業のようで、最初はDashboardシステムがうまく作れない理由を

  • 企業レベルのビジョンが無い
  • データがサプライチェーン中にバラバラに存在する
  • データはタイムリーでなく、個別システム内で必須でないデータ項目はしばしば正しくない
  • システム開発時に本当の問題点を見つけられず部分改善の手を打ってしまう

とまとめるなど、なかなか面白いことを話すのかな、と思っていたら、後半は自社システムの細かな操作の解説に入り込んだ話になってしまい、いささかがっかり。

Panel Session: How to ensure that your IT dept is aligned with your company's Business/Corporate goals

現業部門とIT部門の担当者が参加したパネルセッション。テーマは「IT部門はビジネス部門のOrder TakerからPartnerになろうとしているが、ビジネスと協業する十分なスキルをもっていないので上手く行ってないのではないか」というもの。ちなみにGartnerによると、ビジネス部門の63パーセントがIT部門との協業に問題があるとしているそうだ。

パネルということであまりまとまらなかったのだが、悩みの内容は日本の企業とあまり変わらない。「IT部門は技術組織ではなくカスタマサービス組織で、扱っているサービスがたまたまテクノロジであるに過ぎない」「IT部門はシステムの成功にはマネジメントのコミットが必要というが、本当に何が必要か・何ができるのかがわからない状態でコミットのしようが無い。はじめの一歩はシステム部門に期待するのだが」といった内容は、日本で同じテーマのパネルディスカッションをやっても出てくるのではないか。僕はこの分野、プロジェクトマネジメントや要求開発の分野ではアメリカが標準知識体系の導入で先行しており急速に底上げが行われていると思っていたのだが、現場の悩みはそうは変わらないということを知ってほっとした。

その一方で「IT部門は毎年PMOとかITILとかのキーワードを追いかけ、内部的なメトリックを導入しているようだが、その結果が経営に見える形で出てきていない」というのは、ある意味アメリカ的なコメントではなかろうか。

余談として、説明の中でC-Levelという単語が頻出した。いわゆるCナントカO(CEOとかCIOとかCFOとか)を指す単語で、昔から存在しているようなのだが以前にはあまり目にすることが無かったように思う。最近流行っているのだろうか。また、戦略分析のツールとして、One Page Strategyというものを2社が挙げていた。自社の戦略をA4一枚の紙に書き出したものらしい。

Roadmap for Transportation Excellence: Caterpillar Logistics Services

Caterpillar Logistics社が自社の基幹システムを再開発した手順を振り返ったもの。発表された手順はプロジェクト憲章から始まる、現在のアメリカのプロジェクト開発手法に忠実なもので、個人的にはさほど目新しさは無かった。
面白いと思ったのは他社とのベンチマーキングの方法で、「売上高に対するIT支出の比率」「オンタイムデリバリーの比率」を縦軸横軸に取り、4正元を「Investors」「Strugling」「Bare Bones」「Leading」と分けて「Leading」をギャップ分析の対象にする、としていたこと。この分け方はキャッチーだと思った。

CASE STUDY: This step by step presentation will show you Barret Distribution's selection process and implementation for Tier 1 WMS

こちらは物流ベンダーが顧客に導入するシステムをSI業者と共同で開発するケースに対応するもの。同じく格別目新しい話は無かったのだが、アメリカならではと思ったのが、「ベンダとその既存顧客にインタビューできるのであれば、『100万ドルを機能改善のために使えるのであればどこを直しますか』と聞いて答えを比較すると良い」というもの。

PRESENTATION: "The Greening of IT"

今話題のグリーンITの話。企業がどのようにグリーンに貢献できるか、ということで、物理メディアではなくデータでの購入を、とか(物流企業のコンファレンスなのにいいのか(笑))リサイクルにITが貢献できる、とか、さまざまな話題までカバーしたのだが、メインはデータセンターでの消費電力の削減。並んだ対策は、仮想化、過剰なハードウェアの簡素化、新技術の導入、あとは細かな節電テクニックの積み重ねという、日本でもおなじみのものだった。

PANEL SESSION: The interwining of technology in archieving green supply chains: how can technology contribute in thitting environmental standards and reducing the carbon footprint of supply chains?

正直このあたりは時差ボケが激しく記録が飛ぶ。グリーンサプライチェーンについては、企業の社会的な責任はもちろんのこと、これだけ石油製品の価格が上がると経済的にも真正面から取り組まないと、という話。

CASE STUDY: Technology Strategy for a Global Distribution Supply Chain - the Journey at Caterpillar Logistics Services Inc

Caterpillar Logisticsが再び登場。同社のサービスパーツのサプライチェーンがテーマで、SAPのモジュールを使って実現していること、機能の実現には「現在使える機能を探す→買う→作る」という順番で対応していると。

EXCLUSIVE SHIPPER PANEL: A unique opportunity for the industry to hear their customers' requirements

ユーザ企業の担当者二人によるセッション。Pacific Sunwearというティーン向け小売業とAppleton Papersという製紙会社の人間が参加していたがPacific Sunwearの方の話が非常に面白かった。流行の回転が速い業種なのでVisibilityは非常に重要だが、一方で利幅が高いわけでもないのでコストとの兼ね合いもシビアであること。プロバイダーとのシステムのインテグレーションについては、プロバイダーにデータの保管を依頼するとトラブル時のトレースが難しくなるのでやはり自分でデータを持っておきたいということ、ビジネスは会社ごとに違うので、自分が成功したいのなら自分でシステムを考え、要求をまとめることが必要と考えていることなど、踏み込んだ発言が印象的だった。

SHIPPER PRESENTATION: How technology can create a competitive advantage to your Supply Chain

先のセッションのPacific Sunwearの人が続けて対応。内容もかなりかぶっており、パネルの方は不要だった気もする。

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コメント

Would you contact me by email? I am doing a story that involves China's RFID market and would like to ask you some questions. I could not find your contact info anywhere on the blog.

投稿: Journalist | 2008/06/05 04:50

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