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2008/05/07

Yet Another Gen2-based RTLS (PINC Solutions Yard Hound)

先日紹介したMojix Star Systemに続き、Gen2パッシブタグを使ったRTLS製品をもう一つ紹介。PINC Solutionsが提供するYard Houndシリーズだ。名前の通り倉庫ではなくトレーラーヤードを対象とした製品になる。Yard Houndは最近RFID Journal誌で異なる企業への導入事例が続けて取り上げられた(Cost Plus World Market Finds RFID Sweet Spot in Yard Management, Kimberly-Clark Sees Positive Results With PINC Trailer Tracker System)。

通常のアクティブタグを用いたRTLSでは対象となるトレーラーにアクティブタグを取り付け、ヤード内に立てた複数のアンテナがタグの信号を受信して三辺測量を行う。タグとアンテナの間の距離の測定方法は、信号の到着時間を調べるTDOA(Time Difference of Arrival)と信号の減衰を調べるRSSI(Received Signal Strength Indicator)の2つがあり、それぞれの方法に一長一短があるため併用する製品も多い。使用する周波数帯やプロトコルにより測位精度は異なるが、共通することは多数のアンテナを立てなければならないこと。しかもそれぞれのアンテナについて位置や高さ、向きを精密に測定しておく必要がある。言うまでもなく金と手間と時間のかかる作業だ。

Yard Houndシリーズはこの問題を解決したというのをセールスポイントにしている。ヤード内に測位用のアンテナは不要、トレーラーに取り付けるのはGen2パッシブタグで良いという。これだけではあまりに嘘くさいが、手品の種は構内作業用のトラック。このトラックに無線LAN対応のリーダーを取り付けて作業のついでに近くを通ったトレーラーのGen2タグを読み取るのだ。構内作業用トラックのリーダーにはGPSや二次元加速度センサーが取り付けられており、読み取ったタグの信号強度をトラックの移動情報で補正した上で(おそらく)RSSIで測位を行い、高い精度を得ることができるという。取得した情報は一旦ローカルに保存し、無線LANのエリアに入ったところでまとめてアップロードするので、ヤード全体を無線LANでカバーする必要は無い。

実際にどれだけの精度が出るのかとか、構内作業用トレーラーが通らない場所にあるトレーラーの位置をリアルタイムで把握できないのではないかとか、いくつか疑問はあるのだが業務上許容できるのであれば上手い手だと思う。アクティブタグで必要となる高価で手間のかかるインフラ整備を省くことができるし、その一方で作業フローを変えずに現在位置を自動的に取得できるというRTLSのメリットも享受できる。Mojix Star Systemが高度技術を使ったブレイクスルーだとすれば、このYard Houndはシステム設計の妙を見せてくれるもの、と言えるだろうか。

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コメント

面白い視点で書いていらっしゃるので、いつも楽しませていただいてます。
更に、国際物流における、日本やECのAEOと米国のCTPATの動向(融合が望ましいが)、EPCISやSECCONDD、CTPATこれらを包含するゆるい縛りのISO、及びそれぞれに準拠しようとするActive Tag+SCMという3つ位の視点をいれると、今後2-3年のスパンでの世の中の動きが少し見るような気がします。   -ブログの読者より―

投稿: | 2008/05/07 23:55

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