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2008/05/09

VeriChipが(また)やってきた。ヤァ!ヤァ!ヤァ!

RFID Journalに久しぶりにVeriChipの記事が載った(VeriChip Markets Its Implantable RFID Tags and Services Direct to Consumers)。おなじみのVeriChipタグにHealthLinkというブランド名を付け、オンライン医療情報サービスと合わせて個人に直接売り込むという。HealthLinkのサービスは個人の医療記録を格納するデータベースと連動し、意識を失った状態で病院に運び込まれた際にVeriChipタグを元に医療情報を元にデータベースを検索、適切な治療を行うというもの(オプションで尊厳死の希望などの遺言情報もデータベースに登録できる)。なお、この件についてVerichip社からプレスリリースが出ている(VeriChip Corporation to Launch Direct-to-Consumer Campaign)。

VeriChipタグは従来と同じ134kHzの米粒大のパッシブタグ。16桁の識別番号のみを格納する。現在は南フロリダの16の病院がこのプログラムに参加しており、200の病院に導入中、900の病院が導入に同意しているという。このプログラムに参加を希望する人は提携先のHearUSAの施設に行き、VeriChipタグを右上腕部に埋め込む。手術費用は149ドル、データ保管料として毎月9.99ドルがかかる。同社は南フロリダ地域で1,000人の加入者を目標としている。

ふざけたタイトルを付けたし、なんでこの会社はプライバシー問題が微妙に盛り上がっている時期に動き出すのか、ひょっとして狙ってるのかとか思ってしまうのだが(狙ってるとしたらPR効果は高いよなー)、VeriChipの利用法の提案としては真正面からのものでその点は評価したい。認知症患者のように正常な判断力を失った人たちに適用すべきソリューションではないし、まして同社の社長が以前にテレビで語ったような「出稼ぎ労働者にVerichipを移植せよ」というのは論外だ。しかし、正常な判断力を持った人間があくまで自分の判断でタグを埋め込む、というソリューションであれば、その意義を正面から検証すべきだろう(一般人相手でも一旦使われはじめれば次は必ず弱い立場の人に強制される、という懸念は当然ありうべきと了解している)。

このサービスの評価を下す前に、アメリカのオンライン医療情報サービスの現状を知っておくべきだろう。現在、大手のネットワーク業者によるオンライン医療情報サービスの提供が相次いでいる。Googleは2008年2月にGoogle Healthサービスの開始を発表したし(CNET Japan : グーグル、「Google Health」を発表--個人健康記録を集約)、昨年にはマイクロソフトが同種のサービスHealthVaultを発表した(CNET Japan : マイクロソフト、医療情報オンライン管理サービス「HealthVault」を発表)。このようなオンライン医療情報サービスに医療情報を保存する最大のメリットは何か?自分の意識があるときであれば、例えばかかりつけの医者の連絡先を伝えて情報を受け取ってもらえば住む。つまり、自分の意識が無い状態で緊急治療室に担ぎ込まれた時が一番重要な利用タイミングになる。その際に医師や看護婦にどうやって医療情報へのアクセスを許すか。ICカード?落としたらどうする。意識が無いわけだから当然パスワードによる認証は行えない。ならば人体に埋め込むのが結局セキュリティが最も高いのではないのだろうか。このあたりの考え方を書いた技術ブログを見つけたので紹介しておく(ZDNet Between the Lines : VeriChip goes consumer with its implantable RFID chips; Would you buy?)。

僕はキリスト教徒では無いので獣の印という嫌悪感は無いが、やはり認識番号を含む異物を体に埋め込むことには気が引けるし、まともな認証機構を持たないタグを体に埋め込むというやり方は技術者として許せないと思う。あなたはどう考えるだろうか。

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