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2007/10/14

コンテナ全量検査法案(イラク撤退と輸入コンテナ全数検査・続編)

この記事はイラク撤退と輸入コンテナ全数検査の続編である。

報告がずいぶん遅くなってしまったが、コンテナの全量検査を義務付ける法案が2007年7月に成立した。日本では「コンテナ全量検査法案」というタイトルで報道されるが、正確にはテロ対策全般に予算をつけて導入ガイドラインを定める法案の一部という扱いになっているImplementing Recommendations of the 9/11 Commission Act of 2007(pdf)。e-Sealではなくコンテナ検査の方に行く、というのはちょっと予想していなかった。

この法案は2012年7月までにアメリカ向けの全てのコンテナを船積み前に非破壊検査を実施するようにする、というもの(大統領の判断による2年延長のオプションあり)。検査内容としてはX線によるイメージング検査とガンマ線による放射性物質検査が考えられており、現在国土安全保障省(DHS)が実施しているセキュア・フレイト・イニシアチブ(SFI)がベースになると考えられている。だが、このセキュア・フレイト・イニシアチブはまだトライアルの段階だ。現在はプエルト・コルテス、ポルト・カシーム、サザンプトン、シンガポール、釜山、サラーラの6港で部分検査が行われていて、2008年の2月にトライアルの結果が議会に報告される予定になっている。この6港を見たら、誰でも「中国はどうするの?」と思うのではないだろうか?まぁ、8割をカバーする、というならともかくとして、全量検査する、検査を受けていないコンテナは米国に入れない、と言うことになってくるのは別の次元の話だ。

このImplementing Recommendations of the 9/11 Commission Act of 2007は共和党と民主党の政争の具になっている、というのはつとに指摘されている。実行が可能とは思えないけれど誰も表立って反対はできない法案を成立させて行政府に送り込むことで与党を揺さぶりたい、というものだ。この法案の予算配分の部分ははテロのリスクを考えずに小さな州に予算を厚く配分するバラマキになっているので、予算の査定のときに大きな問題になるだろう、という指摘もある(Time The "New" Homeland Security Math)。そういう意味では法案が成立したとはいえまだ目を離せない。

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