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2007/07/08

RFID and Beyond / Claus Heinrich(著)

前回の投稿からずいぶん間が開いてしまった。申し訳ない。修士論文がこじれてしまい全くプライベートで精神的な余裕が持てなかった。その間にISO 18185が固まるなどいろいろ動きもあったので、今後は少しでもフォローアップをしていきたい。

RFID and "Beyond"という名前の通り、RFID技術が可能とすることをより高いレベルのコンセプトから定義して検証する、というアプローチを試みている本。そのコンセプトにはReal World Awarenessという名前が付けられている。
Real World Awarenessの発展によるビジネスの変化は航空機の操縦と比較して取り上げられている。初期の操縦には振動によるエンジンの調子の把握とか六分儀を用いた航法といった高度なスキルを要する生データの解釈が必要とされたが、操縦支援システムの高度化により得られるデータが抽象化されるとともに操縦の自動化が進み、現在では例外的な事象が発生したときにそれへの対処を考えるという段階(Management by Exception and Insight)に達しているというモデルを提示している。

コンセプトとしては面白いし、特に現在の方向性を失ったRFID導入の現場では高いレベルの視点を持ってニュースを解釈する力が求められる。が、残念だったのはこのコンセプトを充分検証・深化することなくいきなり現状のRFIDの具体論に入ってしまっており、せっかく提唱したコンセプトが全く未消化になってしまっている点だ。力のある筆者であればワクワクするようなビジョナリー本に纏められたろうに…。その一方でこのコンセプトを使って現状のRFIDの問題点を今までに無い形で整理できているわけでもない。

ということで、このコンセプトを今後誰かが発展させてくれることを期待。この本自体は多くの経営者のインタビューも乗っているので、英語が得意な人ならネタ拾いにさらっと読んでもいいか、という程度か。

ISBN: 0764583352 / $24.99

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