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2007/03/30

コンテナセキュリティ: RFIDか衛星電話か

アメリカのセキュリティ総合サイトSecurityInfoWatchにRFID技術は衛星電話技術と比べて国際海上輸送のセキュリティ確保の面で劣っているという記事が掲載され(RFID v. Satellite in Smart Container Cargo Security)、アメリカの自動認識の業界団体AIMの会報にそれに対する反論記事が載る(Container Tracking: RFID vs. Satellite -- An Honest Evaluation)、という話があった。

紹介しておいてなんだが、筆者は別にこれらの記事を推薦するつもりはない。元記事には重大な事実誤認、あるいはそれ以前の勘違いが多く議論にすらならない、というのが率直な感想で、反論記事も特に目新しい記述は無い上に反論という体裁をとっているので全体像がつかめるわけでもないからだ。

元記事は「世界で共通に利用できるRFIDの周波数は存在せず、プロトコルの標準も定まっていない」としているが、433MHzのアクティブタグはISO 18000-7としてプロトコルの標準化がなされ、日本・中国を含む主要貿易国での周波数の開放も決まっている。もう数ヶ月も前の話だ。さらにひどいと思ったのが「RFIDの周波数は国ごとに違うため、アメリカの港で利用される周波数に反応して爆発する爆弾を仕掛けることができる」という記述。これを読んだ編集者はおかしいとは思わなかったのだろうか?周波数の話はEPC Gen2仕様の制約をe-Seal・スマートコンテナと勘違いしたとしよう(それもお粗末な話だが)。それでもこの話がおかしいのは、アメリカで爆弾を炸裂させたい、というのであれば単にコンテナのドアにワイヤーでブービートラップを仕掛ければ良いだけの話だし、「いやコンテナの行き先が決まる前の警備の緩いときに爆弾を仕掛けいつかアメリカで爆発すればいいのだ」という考えならば、そんな呑気なアイデアのために高額な仕掛けを使う馬鹿がどこにいるのか、という点だ。

なお、筆者は、衛星電話スマートコンテナは、一部の特殊貨物(高価格or危険品)に限った利用ではメリットはあるし、あるいは政府の強制によって利用が義務付けられるという可能性は除外できないが、ビジネス主体での広範囲の導入はありえないだろう、と現時点では判断している。特定のチェックポイントを通過したという確認やRTLSシステム内での利用ができず、ビジネス上の利益が限られてしまうのがその理由だ。

それでは何故そんな記事を紹介したかと言うと、国際海上輸送でのRFID利用への一般の関心を反映しているのでは、と考えたからだ。こういう穴だらけの扇情的な記事が自動認識や国際物流の専門誌ではない雑誌に載るということは、一般レベルで国際海上輸送のセキュリティへの関心が高まっているということなのかもしれない。以前にエントリを書いたが(イラク撤退と輸入コンテナ全数検査)、政治の駆け引きに巻き込まれておかしな方向に動くことは勘弁してもらいたいものだが。

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2007/03/29

RFIDと電磁波被爆

RFID Updateの記事(Analyst Viewpoint: Take Appropriate RFID Precautions)で、EPCglobalが2007年1月に電磁波被爆についてのベストプラクティスを公表していたことを知った(EPCglobal Recommended Occupational Use Best Practices for Complying with Limits on Human Exposure to Electromagnetic Fields in January, pdf形式)。
それほどボリュームのある資料ではなく、WHOが推奨する一般と作業所内での被爆基準を引用している他には、認定を受けているメーカーの製品を買いましょうとか利用者の教育を行いましょうといったごくごく一般的な話が載っている。RFID+試験ではリーダーの設置に絡んで電磁波被爆の話題も出ていたので、EPCglobalではもう少し突っ込んだ話題になっていると思っていたがそれほどでもない。EPCglobalにはそれなりの導入事例も集まっているわけだから、具体例を資料に含めておいてくれればなお良かったと思うが。

携帯電話や高圧送電線がらみの話題を見ると電磁波被爆というのは利用者の漠然とした不安感を刺激するものだということを感じる。現在はRFIDの消費者の不安はプライバシー関係に集中しているように見えるが、思わぬところで足をすくわれることがないよう、この手の関連トピックスにもそれなりに目配りはしておきたいものだ。

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2007/03/17

Gen2 Reader Chip (system-on-chip) 各社の開発状況

3月7日にインテルからGen2リーダーチップR1000の発表があった。今後のGen2の普及の鍵を握る話なのだが、残念ながら僕にはチップの細かい特徴を追っていくだけの知識は無い。
インテルと前後してワンチップ製品の開発を公表していた会社がいくつかあり、それらのうち現時点で具体的なプレスリリースが出ているものを備忘録としてまとめてみた。これら4社の中でIntelの製品が特徴的なのは、他社の製品がハンドヘルド以下の製品に特化しているのに対し、固定型リーダーでも利用できる十分な出力を持っている、ということらしい。

社名: WJ Communication
製品名: WJC200
プレスリリース (発表日: 2006/10/17)
(価格、販売時期など量産に関する情報無し)

会社名: Institute of Microelectronics
製品名: (製品名不詳)
プレスリリース (発表日: 2007/01/29)
(価格、販売時期など量産に関する情報無し)

会社名: Intel
製品名: R1000
プレスリリース (発表日: 2007/03/06)
3月末に量産を開始

会社名: Starport Systems
製品名: SP7001
プレスリリース (発表日: 2007/03/07)
夏の終わりに製造開始、マーケットに出るのは年末、1万個のロットで単価$50

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