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2006/07/29

RFID Update

RFID Updateは日刊のメールマガジン(サイト)。広告が多く慣れるまでは読みづらいのだが(僕も申し込んでしばらくは「何この広告だらけのメルマガ」と思いそのまま捨てていた)、基本的にはEditor's NoteとTop Storyを読めばよい。Top Storyはだいたい1ページ程度の記事で、Editors's Noteには10行前後の他のサイトの記事の紹介が2・3本ほど載っている。

RFID Updateがいいのは、一歩引いた視点からバランスよくさまざまなニュースをピックアップしてくれるところ。RFID Journalが、とにかく業界を発展させることを考えて記事を書いてる、悪く言えば大本営発表的な記事が多いのに対し、RFID Updateでは野次馬的な記事や批判的な記事も積極的に取り上げる。ただし網羅性は低いのでRFID Updateだけでもバランスの取れた業界動向の認識は難しいかもしれない。

毎日少しずつRFIDのニュースを読むにはちょうどいい感じ。英語が苦手でない人にはお勧めしたい。

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2006/07/22

国ごとのRFID事例

イギリスの調査会社IDTechEx社は、世界最大とするRFID事例のデータベースRFID Knowledgebaseに登録された事例が2,000に達したと発表し、その分析レポートを発表した(2000 RFID Case Studies Reveal Surprises)。このデータベースに登録されているのは実用化事例で、ICカードなどを含む広義のRFIDの事例をカバーしている。1ページの割には面白いネタがいろいろ拾えるので目を通すことをお勧めする。ここでは僕が気になった国別の事例のシェアの変化(18ヶ月前との比較)についての記述を取り上げてみたい。

  • アメリカの事例が占める比率は20%から34%へと大幅に増加した。
  • 日本の事例の比率は事前には上昇すると予想されていたが実際には横ばいだった。
  • 韓国・中国はそれぞれ1%ずつシェアを上げた。両国のシェアを足すと日本とほぼ同じになる。
  • ヨーロッパ諸国はシェアを落とした。

アメリカはMandateの足踏みだとかいろいろ言われつつもやはり世界のRFID導入の中心であることがはっきりと分かる。ヨーロッパや日本についてはまぁそんなもんかなと思うが韓国や中国のシェアが上がっていたのはちょっと意外だった。この2ヶ国では欧米系のベンダーが表に出ることが多いため事例の公表も大掛かりに行なわれるが、日本では国内ベンダーが倉庫・工場にシステムを導入する事例が増えているのであまり目立たないという部分もあるのだろうか。香港やシンガポールを含むアジア全体のRFIDシーンを見渡す記事として、RFID Journal誌が最近特集記事を掲載した(RFID's Silk Road、要登録)。結構長めの記事なので、日経RFIDテクノロジ誌に邦訳が載るのを待つのが良いかもしれない。

アメリカのRFIDメディアに目を通していると、日本のRFID事例は内容が興味深い割には存在感が薄いと感じる。アメリカで勝負したいと考えているベンダーがいるなら、協力して業界全体としての海外への情報発信に力を尽くすことを考えてもよいのではないか。単に英語のプレスリリースを準備するだけではなく、業界団体としてのスポークスマンの設置なども考慮すべきだろう。なお、既にアメリカでRFID活動をされている方で日本のRFID事情の提供などを求められているのなら、Ubicomp+Shoppingの木實氏が運営するRFID in Japanをお勧めしたい。

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2006/07/20

ニューヨーク地下鉄でのPayPassトライアル開始

ニューヨークの地下鉄での非接触システムでの運賃支払いのトライアルが始まった(The NYC Subway Trial)。すでに報道済みの案件だしこのBlogでも以前に取り上げたが(ニューヨークの非接触決済システム事情)、正式な案内を見て意外だったのはCitiが発行するPayPass対応のクレジット/デビットカードであれば上記のサイトから登録さえすればどのカードでもトライアルに参加できる、ということ。独自のカードを必要とするわけではなかったのだ。参加者は自分の運賃を支払う必要があり(参加特典として最大$12のボーナスが付くが)、Pay-As-You-GoとPre-Payの二つの支払方法を選ぶことができる。Pay-As-You-Goは乗車ごとに運賃を支払うもので、Pre-PayはSUICAなどと同じく事前に運賃分をチャージしてから利用する(この場合入金額に対し20%のボーナスが付く)。なお、ニューヨークの地下鉄には定期券もあるのだが、こちらはトライアルの対象となっていない。

上に書いたようにCitiのPayPassカードならどれでも使え、かつPre-Payといった仕組みを持っているということは、カードの識別・認証機能を使いつつ決済機能とは独立した形でPayPassアプリケーションを作りこむことができる、ということを意味する。例えばスーパーやファーストフードチェーンがロイヤリティカードをPayPassに置き換えることが可能になるわけだ。となると気になるのはそのアプリケーションがカードベンダー独自のものかMasterCardが提供してどのPayPassカードでも使えるようになるかなのだが、これについてはまだニュースを見かけていない気がする。

ともあれ参加特典として$12のチャージが貰えるので、該当するカードを持っている人は話のタネに登録してみると良いかも。僕は定期券の方を使っているので、わざわざCitiに口座を開いてまで参加するかどうかは思案中。

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2006/07/04

RFID Security / Frank Thornton他(著)

タイトルのとおりのRFIDのセキュリティの専門書。ずいぶん前から発売が予定されていたのだが何ヶ月かズルズルと遅れていた。中を見てみるとRFIDウイルスなどに関連する記述もあり、編集の最終段階で出てきたセキュリティ関連のニュースを取り込んだために遅れたんだろうなぁ。

内容的にはRFIDの一般知識と情報セキュリティの一般知識がかなりのボリュームを占め、RFIDのセキュリティに特化したトピックスはそれほど多くない。今この本を必要とする読者数やそのレベルを考えると妥当な構成だとは思うが、日本人がそういう部分を読むのに英語で苦労することもないと思うので情報セキュリティ関係の参考書を読んでから取り掛かるのが良いと思う。

この本の中で一番読ませる部分はガソリンの非接触支払いシステムSpeedPassをリバースエンジニアリングしてクローンタグを作成するまでの記録だろう。1997年に導入されたキー長が40bitのこのシステムは、現用のシステムが正攻法でクラックされたと考えるか、この程度のシステムをクラックするのにも導入から10年度にこれだけの手間がかかったと考えるか、人によって捉え方が異なってくると思う。

この他にはトピックス的なネタが少なく、個人的にはちょっと寂しかった。しかし、RFIDのリスクをいたずらにおどろおどろしく取り上げるのではなく、情報セキュリティ体系の中にきちんと位置付けた上でリスクを評価して必要な対策を講じるというアプローチは全く正しいと思う。RFIDのセキュリティをまじめに考えたいという方には一読をお勧めしたい。読後にはやるべき作業がかなりクリアになっているのではないかと思う。

ISBN: 1597490474 / $49.95

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2006/07/01

Baird RFID Monthly

ちょっと記事の投稿の間が空いてしまったので、肩ならしに軽めのネタを。

Bairdという資産管理会社がRFID業界の動向についての株式調査レポート・RFID Monthlyを毎月作成している。同社のサイトを探してもリンクページが見つからなかったのだが、下記のURLの年と月を直接変更すればアクセスは可能だ。

ttp://www.rwbaird.com/docs/RFID_Monthly_-_June_2006.pdf

レポートには1ページにまとめられた今月の重要ニュースと、重要ニュース以外のものも含めたニュースの詳細、そしてRFID業界の企業のリストが含まれている。ニュースの詳細はRFID Journalなどで取り上げられたものが多く新味はないが、企業リストは手がけている分野や財務状況が会社ごとに分かり興味深い。RFID業界はベンチャー企業が多く「金の切れ目が縁の切れ目」的な部分もあるので、このレポートのような形で財務状況を見ること、そして投資家がどのような視点でRFID業界を眺めているかを知ることには結構意味があると思う。

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