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2006/06/14

RuBee IEEE P1902.1

RFID Update誌から送られてきたメルマガを見ると、RuBeeというプロトコルがIEEEで標準化される(IEEE P1902.1)というニュースが載っていた。

この記事によると、RuBeeは450khz以下の周波数帯を用いるピアツーピアの双方向通信プロトコル。3~15メートルの間隔で配置された数千個のタグでネットワークを構成することができる。この技術は既に医薬品のスマートシェルフや家畜のトラッキングを対象に実用化されている、とのこと。恥ずかしながら僕は今まで聴いたこともなかった。

eWeekの記事では「高周波数のタグが使えない過酷な環境での代替技術になる」と書いているが今ひとつ背景が分からない。その用途だけであれば135kHz長波帯のアクティブタグというこなれた技術があるわけだし。スペックを素直に読めばむしろZigBee(IEEE 802.15.4)の中波版だろう。RuBeeという愛称だってそれを意識しているはずだ。確かに2.4GHz帯を使うZigBeeは金属や水分の多い環境で使うには難しい面があるには違いない。ただ、RuBeeをZigBeeと比較した場合の最大の問題は通信速度だろう。ZigBeeの最大速度が250kbpsなのに対し、RuBeeの仕様は300~9600baud(変調方式次第で速度は上がるが…)。これでは通常の意味での通信インフラとしては使い物になるまい。ユニットIDやシンプルなセンサー出力を低頻度で送るのが関の山だろう。そうであるならRFIDタグと比較するのも間違ってはいないか。もう一つ気になるのは、この通信速度だとしかるべき強度を持つ現代暗号を利用できないのではないかということ。

今のところはほとんど情報が無いので、とりあえず備忘として。

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2006/06/11

CompTIA RFID+認定パッケージ

以前の記事で書いたRFID+合格者向けの認定パッケージがCompTIAから送られてきた。何か面白いものが入っているかな、とちょっと期待していたのだが、内容は合格証明書とIDカードのみ。まぁ、CompTIAの試験はどの試験でもこんな感じなんだけれど、もうちょっと何か色気のあるものがあっても良かったと思うのだが…。ちなみに認定パッケージには受験したのがベータ試験であることを示すものは一切含まれていなかった。

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2006/06/06

Verichipメーカー社長インタビュー「出稼ぎ労働者にVerichipを移植せよ」

Verichipの製造企業・Applied Digital社のCEOが5月16日にTVニュースに出演し、不法移民対策のために出稼ぎ労働者にVerichipを埋め込むという話をした。当然アメリカでは大騒ぎになっている。出演したニュース番組はFOXという保守系のTV局のもので、おそらく番組側もVerichipの埋め込みには好意的な立場を取っている。だからといって世間全体が同情的に見てくれるわけではない。RFID Update誌は「業界の他の企業は視聴者がこの話を真面目に取るにはバカバカしすぎると考えて無視してくれることを祈るしかない。そうでなく、人々が政府が本当にこの話を実行すると考えれば、取り返しのつかない世論からの断罪を受けることになるだろう」と書いている。(Two Victories for the Anti-RFID Crowd)。RFID Journal誌に至っては話題にするにはヤバ過ぎると考えているのかこの3週間このニュースについて完全にバックれている。

下記はCASPIANのサイトで拾った発言記録を訳したもの。口語なので意味を正しく取れていない個所も多いと思う。興味を持った方は原文に当たっていただきたい(お約束)。正直、短期間にプライバシー関係のネガティブなニュースがこれだけ続くと、客商売の会社ではRFID関係への新規投資は行ないにくくなるだろう。相当にヤバい状態じゃないのか、これ。

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TIKI BARBER (キャスターその1): さて、マイクロチップをアメリカへの出稼ぎ労働者に移植することで、我々の不法移民問題を解決することができるでしょうか?

BRIAN KILMEADE (キャスターその2): こちらにその解決方法がすぐにでも実現可能な理由を説明してくださる方がいらっしゃっています。Scott Silverman、Applied Digital社のCEO兼会長を務めていらっしゃいます。Silvermanさん、このマイクロチップは現在どこで利用されていますか?

Mr. SCOTT SILVERMAN (Applied Digital社のCEO兼会長): ええ、このチップは現在医療向けに実用化されていて、高い医学上のリスクを持つ患者とその医療記録を病院や救急病棟で識別するために利用されています。このチップ自体はクラス2の医療装置として数年前にFDAに承認されています。ですが、明らかに、このチップは我々が直面している入国管理の問題にも利用できます。

KIRAN CHETRY (キャスターその3): それでは早速そのチップを見てみましょう。あなたはチップを1ペニー硬貨と並べてお持ちですね。このチップがとても小さいことが良くわかります。そしてあなたはこのチップをご自身に移植されておられるんですよね。それがどういう風なものか説明していただけませんか?

Mr. SILVERMAN: はい、そのとおりです。私のチップは右の二の腕に埋め込まれており、もう3年間もそこにあります。それはペニシリンの注射のような簡単な注入作業です。

BARBER: 分かりました。それでは、チップはどれぐらい正確に働きますか?どんな情報を保存していますか?

CHETRY: それじゃあ、あなたはそれ(ハンディスキャナ)を彼の腕の上で動かすことで読み取り結果を取得できるんですね?

Mr. SILVERMAN: ええ、このチップ自体は16桁の一意な識別番号を保存しています…Chetryさん、スキャナの下に番号が表示されていますね。そしてスキャナはシリアルポート経由でコンピューターに接続され、そこの格納されている医療アプリケーションの医療記録のデータベースに格納されます。しかし、入国管理アプリケーションの場合では、出稼ぎ労働者が合法的にアメリカに入国できることを確認できるよう、国境検問所で利用されるでしょう。しかし、雇用者が法律を守っているかを確認するため雇用者がチップを利用することもできるかもしれません。

KILMEADE: もし体に移植することを望まないとしたらどうでしょう。選択権はありますか?

Mr. SILVERMAN: 全くそのとおりです。選択権は移民の側にあるかもしれませんし政府の側にあるかもしれません。この技術がどんなものかを最終的に決めるときに決まります。

KILMEADE: 政府はこの技術をあなたから購入し、これが新しい入管政策に適用すると言いましたか?

Mr. SILVERMAN: いいえ、まだそうはしていません。我々はワシントンの多くの人たちにこの技術を出稼ぎ労働者計画に適用することについて話しました。しかし現時点では政府がこの技術を入管政策に利用するために購入したと言うことはできません。

BARBER: 今のところ、多くの人々ははその計画は危険であり、権利の侵害であり、我々の動静を追跡することは市民的自由を侵すことになると言うでしょう。しかしそれは事実ではありません。

KILMEADE: 「野生の王国」みたいなものですか?

Mr. SILVERMAN: その通りです、Barberさん。これは位置を探すための機器ではありません。これにはGPS機能は含まれていません。これは純粋に16桁の番号を、きわめて短い距離で読み取るためだけの機器です。これはパッシブ動作する機器で電池を持っていません(訳者注:常に電波を出しているのではないと言いたかったのだと思う)。データベースと接続され、個人情報はそちらに格納されています。

KILMEADE: Barberさんは国務長官を知っています。たぶんBarberさんはSilvermanさんのために契約を取ってこれるでしょう。Barberさん、あなたは多分割引を受けられますよ。多分あなたはずっと遊んではいられないでしょう(訳者注:このあたり不明)

CHETRY: KILMEADEさん、それはフロリダで逮捕される理由ですよ。

BARBER: そのとおりですね。

CHETRY: しかしそれは面白い現象です。もしあなたがKilmeadeさんやBarberさんに喜んでチップを移植するかと訊ねたら、本当に平静でいられるかどうかわかりませんね。それはやっぱり恐ろしく思えます。

KILMEADE: もしアメリカに来たいんだったら、死ぬほどチップを移植しなさい!

BARBER: しかし、実際のところパスポートを持ち歩くということとチップを体に埋め込むということは自分を証明するという意味で同じですよ。違いはパスポートだと失くしてしまう可能性があることぐらいです。

Mr. SILVERMAN: ええ、それは出稼ぎ労働者計画に参加する人にとっての利点ですね。もし家や職場に登録カードを忘れてきてしまったら、国境検問所で立ち往生することになってしまいますものね。

KILMEADE: ちょうど何かを忘れないように指先に紐を巻いておくようなものですね。

Mr. SILVERMAN: そう、まったくその通りです。

CHETRY: それはまったく面白いですね、もし面白い話がありましたらご連絡ください。ありがとう、Silvermanさん。

Mr. SILVERMAN: ありがとうございます。今朝お目にかかれて良かったです。

KILMEADE: もしあなたが本当にお金持ちになったなら特にですね。

Mr. SILVERMAN: ええ、ありがとうございます。

BARBER: 今朝はいらしてくださってありがとうございました。

- 終了 -

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2006/06/02

Blinkがやって来たヤァ!ヤァ!ヤァ!

非接触決済システムの記事を書いたらいきなり対応したキャッシュカードが送られてきた。僕が口座を開いているChaseからのものだ。今まで使っていたカードの有効期限はまだ2年も残っているので、どうやら全ての顧客を対象にして一斉に切替えを行っているようだ。Chaseはおそらくニューヨーク地区で最大の顧客シェアを持つ銀行。シェアでは5位に入るだろうHSBCもPayPass対応のキャッシュカードを発行している(但し一斉切替えを行っているかどうかは不明)。ニューヨークの小売店が非接触支払いシステムに妙に強気な理由はこれだったのか。

(アメリカのキャッシュカード事情について補足しておく。アメリカの銀行に口座を開いてキャッシュカードを作ると、デフォルトでデビットカード機能を持ったキャッシュカードが作成される。アメリカのデビットカードはVISAかMasterCardブランドになっていて、クレジットカードが使える場所では基本的に全く同じように使えるのだ。なのでここでもカードがクレジットかデビットかは全く区別せずに扱う)。

ちなみに送られてきたカードはVISAのもの。VISAはPayPassやExpressPayのような自前の非接触決済システムのブランドを持っておらず、このカードはChaseが提供するBlinkブランドでの発行となる(ChaseはMastercardと提携したBlinkカードも発行している)。このあたり、銀行とカード会社の綱引きなどがあるのだろうか。しかし顧客のオプトイン無しに一斉配布するというのはなかなか思い切ったことをするものだと思う。プライバシー問題などは意識しなかったのだろうか。

さてこのBlinkキャッシュカード、接触端子があるわけでもなくAmerican ExpressのBlueシリーズのように透明なカードフェイスで内蔵のアンテナをフィーチャーしているわけでもない。表面のBlinkロゴを除けば非接触決済システム対応であるかどうかは分からない。それでもせっかく届いたのだからということで、対応するDuane Readeで早速使ってみることにした。Duane Readeのレジに置いてあるのは、通常のキャッシュカードと共通の端末。アンテナ部分にカードをかざせば認証が終わり、サイン無しで支払いが済んで楽チン…のはずなのだが、カードの認識や支払い完了といった情報が端末に表示されないので非常に使いづらい。このあたりユーザインタフェースを練る必要があると思う。ちなみにカードの使用履歴には普通にクレジットカード扱いで使ったときと同じタイミング・内容で表示された。当たり前と言えば当たり前だが。

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