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2006/05/02

RFID Acedemic Convocation (RFID Journal LIVE! Day 1)

5月1日から3日まで、RFID Journal主催の業界カンファレンスRFID Journal LIVE!がLas Vegasで開催されている。日経RFIDテクノロジ誌を含むいくつかの日本語メディアでも報道されるだろうけれど、個人的な参加の感想を書いてみたい。

初日に僕が参加したのはRFID Acedemic Convocation。これはRFID JournalとMITのオートIDラボが共催するイベントで、大学や企業の研究施設とユーザ企業とを集め、RFIDを取り巻く研究課題を確認しようという趣旨のもの。個人的にはこういう学際的な分野に強くなりたいと思っている。社会人で業務外の時間を割いてRFIDを眺めている以上、研究施設に勤めている人や実際の商談をまわしている人と同じことをしていても追いつける訳は無いので、自分がやることに意味がある分野を上手く見つけてすそれに注力しなければ。また、それにも関係するが、僕は今社会人大学院に通っていて、その卒論の題材をRFIDにしたいと考えている。そういう分野に役立ついろいろを~ホットなテーマとか人脈とか引用元にできる学会誌とか~入手できないかというのもあった。

結論からいうとやや期待はずれ。開催目的が「RFIDを取り巻く研究課題の確認」だったからか、普通の業界カンファレンスのセッションと変わらず、学術発表っぽい内容・作法があったわけではなかった(僕は学部卒で文系就職してしまったので「学会」の雰囲気というのはほとんど知らないのだが…)。また、メインの目的だったアクティブタグの分科会(3時間半)が中止され、30分ほどの全体発表に入れ替えられていたのは大誤算だった。

以下各発表の内容を簡単に。個人的な備忘になってしまうがご容赦されたい。

以下は全体発表。各セッションの所要時間は15~20分。

- Networked RFID and Sensors
 NISTの研究者による発表。IEEE 1451 (Smart Transducer Interface)を例にとり、標準化団体での標準策定のプロセスを説明。

- EPCGlobal Standards Update
 EPCGlobalとは何ぞや、とかオートIDラボとの関係とかを説明。

- EPCglobal Industry Development
 EPCglobalの中でのBAG(Business Action Group)の意義、具体的な作業内容、どのような業界団体がどうBAGを立ち上げているか、など。

- Multi-Hub Supply Chain
 IBMの研究者による発表。EPC-ISの役割と、信頼性の欠けた環境でのEPC-ISを利用する場合の限界。

- Business Application Perspective on Auto-ID Technology
 SAPの研究者による発表。Device-Oriented MiddlewareとData-Oriented MIddlewareを分離したSAP Auto-ID Infrastructureの解説など。

- HF/UHF Research Roadmap
 アイテムレベルタギングでマーケットリーダーを目指すTagsys社の立場から、HF・UHFのタグをどのような業界のどのような用途に使おうとしているかを説明。

- Introduction to AIM Global and ISO/IEC SC31
 遅れてきたそうでAIM Globalのミッションを簡単に説明して終わり。

- R&D Opportunities in the Aerospace Industory
 航空業界でのRFID利用を目的とするプログラムAero-ID(イギリスに本拠を置いているようだ)のさまざまな活動。航空機そのものの部品の管理、航空貨物コンテナの積み下ろし、旅客便の空港オペレーションなどさまざまな分野での適用可能性。

- Univ. Research in the Technology of RFID Tags, Readers and Applications
  Pittsburgh大学の研究者。RFID技術のうちどのようなものを研究対象にしているかの報告。

- Privacy and Opportunity in Passive RFID: Authentication Using CDMA
  Kansas大学の研究者。面白そうなテーマだったのだが時差ボケに耐えられず居眠りしてしまった…。

ここから分科会に分かれる。上に書いたように目当てのアクティブタグの分科会が中止になったため、EPCネットワークの分科会に参加。スケジュールにはパネルディスカッションとなっているも実際には通常のプレゼンテーション形式だった。

- Emerging Technologies for Business Value:
  インテルによる発表。物流器材中の階層構造に着目し(例:海上コンテナ→パレット→ケース→個品)、上位の器材が下位の器材の情報を包括する形で情報を提供し、かつそのタイミングは定期的なものと例外起動によるものの両方をサポートする必要がある。

- RFID Network (正式タイトル取れなかった)
 午前の全体発表にも参加したIBMの研究者による発表。RFIDに関するネットワークのさまざまな実例を述べる。ePedigreeには電子署名や認証が必須であるとか、EPCネットワーク中ではEPC-DSと呼ばれるEPC-ISのフロントエンドになるサーバが必要になるとか、面白いコンセプトもいくつか出てきた。

- Raining Date - Rationable information and intelligence
 SUNの技術者による発表。軍の指揮命令システムを例に取り、ヘテロなシステムが構成する分散環境で意思決定システムを構築する場合どのようなアーキテクチャを使うべきか、というもの。SOAとXMLとフレキシブルなインフラで…という至極普通のものに落ち着いてしまったが。

- Business Application Perspective on Auto-ID Technology(再)
 こちらも午前の全体発表に参加したSAPの研究者による再発表。新たな内容は、タグの読み取りによって自動的に発生するイベントを各種の業務アプリケーションに適用しようとする場合、莫大なセマンティック情報が必要になるというもの。なるほどその通りだと思うと同時に、SAPのようなERPベンダがRFIDに熱心な理由がようやく飲み込めた。こういったセマンティック情報を全社システムに対し矛盾無く定義するのはERPでないとほぼ不可能だろう。

- Building a Global RFID Network Simulator
 オートIDラボの助教授による発表。EPCネットワークの概念の説明。

 出る予定の無かったEPCネットワークの分科会だが中々面白かった。正直ほとんどのユーザ企業はEPCネットワークなんてまだ夢の世界だと見切っているだろうし、今回参加したのもどうやら普段から顔をつき合わせているインサイダーばかりだったようだ。そんな状態のレベルの議論を外部の人間が批評するのはフェアじゃないかもしれないが、正直言うとまだまだコンセプチュアルだなと。僕は運輸関係のシステムを少し知っているが、例えば輸送器材の階層関係とセキュリティとかも特殊な例外状況はおろか一般的なビジネスケースすら全部拾えてないのではないか。しばらくは様子見で不必要に振り回される必要はなさそうだ。

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