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2006/03/14

海上コンテナでのRFIDの利用(4 of 6)

RFID Journalの海上コンテナでのRFIDの利用に関する記事、4回目です。先に(1 of 6)・(2 of 6)・(3 of 6)をお読みください。今回の記事でいよいよISOの各種の規格が出てきました。記事に含まれていない説明も含め、出てきた規格を紹介しておきましょう。

  • ISO PAS 17712 - コンテナを封印するための物理シールの規格。電子的なものは含まない。
  • ISO 18185 - コンテナを封印するための電子シールの規格。ISO PAS 17712に準拠予定。読取専用。パッシブ862〜928MHzとアクティブ433MHzが提案されているが2.4〜2.5GHzを提案する陣営が出てきて混戦模様。
  • ISO 10374 - コンテナそのものの識別に用いるためのRFIDタグの規格。読取専用。パッシブタグで850〜950MHzと2.4〜2.5GHz。標準化済だが普及はしていない。
  • ISO 17363 - サプライチェーン中での輸送容器としての視点からのRFIDタグの規格。サプライチェーンでのRFID利用は個品からコンテナまでシリーズで審議中であり、ISO 17363〜17367という番号が振られている。ISO 17363自体は読み書き可能な433MHz帯アクティブタグとして提案中。

また、今回出てきた内容に関する資料として、以下のようなものをお勧めしておきます(どちらもPDFです)

ECOM News No.7
http://www.ecom.jp/news/ECOMNewsNo7.pdf

物流業界における電子タグ実証実験
http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/tag/tag_jisshou/logistics01_.pdf

今回翻訳分の記事のURLはこちら↓
http://www.rfidjournal.com/article/articleview/2120/4/82/

コンテナセキュリティ技術の採用には国際標準が不可欠

世界税関機構では物理シールの仕様としてISO PAS 17712を支持している。ISO/PAS 17712はまだ批准されたわけではないが、既に実質的な標準として利用されている。世界税関機構の判断に基づき、アメリカ税関国境保護局でもISO PAS 17712の利用をC-TPAT参加の条件としている。

電子シールの利用はC-TPATで義務付けられているわけではないが、幾つかの企業は電子シールを利用している。最近ボーイング社などの先進企業のグループが税関国境保護局の要請を受けて電子シール利用のトライアルを開始した。ボーイング社のC-TPAT担当課長であるKen Konigsmark氏は海上貨物で2種類の電子シールをテストしたと述べた。一つは自社製であり、もう一つはGE製のCommerceGuardである。さらに、氏は税関国境保護局は2006年の第一四半期に本件および他のトライアルの結果を発表するだろうと述べた。

電子シールは物理シールに比べて明らかに多くの利点を持っている。電子シールはコンテナの識別に用いることができるし、コンテナへの侵入を自動的に検知することができる。さらに、電子シールはセンサーと接続することができ、取り付け面とは異なる面からの侵入や、更には放射性物質・化学・生物学上の危険の判定にも利用することが可能である。

しかしながら、電子シールの国際標準は幾つかの枝分かれのためまだ公布されていない。第一に、すべての国で電子シールのために利用できる共通の周波数が存在しない。McGuire氏は「世界税関機構は各国の制度を揃える必要がある」と述べた。次に、異なるベンダーの製品の相互運用性は保障されていない。最後に、ほとんどのコンテナ取り扱い施設では電子シールのリーダーなどのインフラを整備する費用を正当化できない。

その結果、世界中で利用できる電子シール製品は存在しない。何人かの参加者は「電子シールの利用に必要となる大規模な投資は現在では割に合わないだろう」と述べている。加えて、電子シールの機能についての国際的なコンセンサスも存在しない。サプライチェーンのソリューションプロバイダCNF社の副社長Randy Mullett氏は、「幾つかのコンテナセキュリティ製品のメーカーでは、標準が存在しないため複数の独立した技術を組み合わせた『スイスアーミーナイフ』のような製品を出している。このような製品は現実的な価格にならない」と述べている。

電子シールのISOでの標準化には時間が必要

ISOはコンテナの電子シールの規格ISO 18185の標準化に6年もの間取り組んでいる。この規格はISO 18000「品物管理のためのRFID」グループに含まれる。ISO 18185は上で述べたISO 17712に適応することになるだろうが、コンテナへの侵入や破壊の証拠は物理的にではなく電子的に記録されることになる。ISO 18185で利用されるタグは読み取り専用で、価格、読み取り距離や機能の違いに対応するためパッシブとアクティブの両方のプロトコルが含まれる。パッシブでは862〜928MHzのUHF帯がおそらく利用され、アクティブでは長く米軍がコンテナ追跡に利用してきた433MHz帯が提案されている。だが、アメリカを含むヨーロッパ以外の国では433MHz帯の海上コンテナでの利用はまだ認められていない。

2005年中に重要な進展があったが、ISO 18185の発効にはまだ時間がかかる。ISOではTC104と呼ばれる専門委員会が海上コンテナ関連の標準化を担当しているが、そのTC104への新規参加メンバーが現時点での規格の内容に疑問を呈した。疑問の中にはデータの整合性や暗号化による機密性といった機能の欠如などが含まれており、これらの提案を取り扱うためにテスト期間が延長された。

コンテナ追跡を目的とした自動コンテナ識別のためのISO標準は既に存在している。90年代の前半に作成されたISO 10374という規格であり、読み取り専用のパッシブタグで850〜950MHzと2.4〜2.5GHzの二つの周波数帯に対応している。コンテナ追跡技術はセキュリティの向上に役立つが、それは電子シールとは別の技術であり、世界税関機構でもアメリカ税関国境保護局でも利用が勧告されているわけではない。現時点ではISO 10374に対応したタグを取り付けているコンテナはごく僅かである。ISOでは、コンテナの耐用期間中メンテナンスなしでタグを利用できるようにという要求に応えるため、ISO 10374の開催作業を行なっている。また、荷主と荷受人の間で利用される読み書き可能なコンテナタグとして、ISO 17363の標準化も進んでいる。

(5 of 6に続く)

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